当座貸越とは?借りれる限度額は200万円以上!利用方法なども詳しく解説!
登録日:2019.5.30 | 最終更新日:2019.8.2
急な出費に対応できる制度として人気を集めている当座貸越。
使ってみたいとは思うものの、いまいち詳しい内容を知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、当座貸越について詳しく解説します。
- 当座貸越の概要
- メリット・デメリット
- 代表的な銀行の限度額
- 利用方法
この記事を読むだけで、わかりにくい当座貸越が全て理解できます。
当座貸越に興味をお持ちの方、急な出費に無理なく対応したいと考えている方はぜひご覧ください。
【資金問題の解決に役立つリンク】
当座貸越とは?残高不足を自動で解消する融資制度
当座貸越とは、銀行の普通預金の残高が不足した時に、定期預金などを担保にして不足分を貸し出すという制度です。
通常、支払いが間に合わなくなった時は、定期預金を解約するなどして現金を集めなくてはなりません。
ところが当座貸越を導入していれば、不足分を銀行が自動的に支払ってくれます。
定期預金の中途解約による元本割れを気にすることなく、急な出費に対応できる使い勝手の良い制度です。
当座貸越では担保があるため、ある程度自由に借入が可能
当座貸越はすでにある定期預金などを担保としているため、一度契約を行った後はある程度自由に借入が可能です。
通常の融資であれば借入を行うたびに審査が必要ですが、当座貸越なら何回利用しても問題ありません。
限度額内であれば何度でも借入ができる、キャッシングやカードローンと同じような仕組みだとお考え下さい。
当座貸越の利用例。残高が100万円不足していても対応できる
・預金残高:100万円
・定期預金:200万円
・当座貸越枠:定期預金の90%もしくは200万円の少ないほう
・備考:月末に200万円の支払いがある。
例として、上記のようなケースを見ていきましょう。
通常であれば預金残高が100万円しかないため、月末の200万円の引き落としには間に合わず、支払い遅延として扱われます。
遅延を解消するためには、定期預金の300万円を解約して支払いに充てるしかありません。
ところが当座貸越を利用すれば、定期預金に準じた枠(上記の場合は180万円)までの金額を自動で貸し出してくれるため、200万円の支払いが可能です。
当座貸越なら自動で融資を行ってくれるため、月末に慌てる必要もなく、スムーズに支払いを行えます。
当座貸越の返済は銀行口座への入金でOK
当座貸越の返済方法は、利用した銀行口座へ入金するだけです。
当座貸越を利用すると、一時的に銀行口座の残高がマイナスに変わります。
例えば100万円の預金残高で200万円の支払いを行った場合、預金残高は-100万円です。
このマイナス分を消すために銀行口座へ入金を行えば、今後も問題なく同じ口座を利用できます。
また、会社のキャッシュフロー問題を解決する方法として「ファクタリング」というサービスもあります。
【3分でわかる】ファクタリングとは?売掛金を買い取ってもらう5つのメリットや注意点を徹底解説
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当座貸越の3つの種類を徹底解説!
当座貸越には3種類が存在し、それぞれで使い方が異なります。
- 一般当座貸越
- 専用当座貸越
- 総合口座当座貸越
それぞれ詳しく説明します。
【当座貸越の種類その1】一般当座貸越
一般当座貸越は、当座預金口座の残高が不足した場合に、自動的に融資を行う制度です。
当座預金を利用するため、企業や個人事業主に適しています。
企業用の当座貸越と考えると良いでしょう。
一般当座貸越を利用すると、預金額より多く振り出された手形や小切手に対して不足分を融資してくれるので、不渡りの防止につながります。
資金繰りが厳しい企業にとって、最後の保険となる制度です。
【当座貸越の種類その2】専用当座貸越
専用当座貸越は、融資専用の口座を作成し、限度額の範囲内で融資を受ける制度です。
金融機関との間に締結された『当座貸越契約証書』に基づいた限度額内であれば、何度でも借入を行えます。
一般のカードローンと同じような制度と考えてください。
また専用当座貸越は、当座預金とは関係なく利用が可能です。
借りたいときに手続きなしで融資を受けられるため、企業の資金繰りに高い効力を発揮します。
【当座貸越の種類その3】総合口座当座貸越
総合口座当座貸越は、普通預金と定期預金を一括で管理できる総合口座を使った当座貸越を指します。
こちらは主に企業用ではなく、一般の口座で利用可能です。
こちらは定期預金を担保として、普通預金の残高より多く引き落とされた分を補う形で、自動的に融資を受けられます。
融資額は銀行によって異なりますが、一般的には定期預金額の90%です。(別途200万円など、限度額の設定あり)
支払い額に対して口座残高が不足していても、銀行が自動的に融資を行ってくれるため、未払いを避けられます。
当座貸越を利用するメリット4選
当座貸越は平たく言うと銀行からの融資という扱いなのですが、利用するメリットは多いです。
本項では、当座貸越を利用するメリットについて、4つ紹介します。
【当座貸越のメリットその1】一度審査に通っていれば、自由に融資を受けられる
当座貸越は、一度審査に通れば、限度額内で自由に融資を受けられます。
例えば限度額が1,000万円だった場合、最初に100万円を借りて、その半年後に500万円を借りるといった使い方が可能です。
もちろん借りた分にだけ金利がかかるので、必要な分だけ効率よく融資を受けられます。
通常の融資であれば借りるたびに審査が必要ですが、当座貸越なら自由です。
一度審査を通せば自由度の高い融資が受けられる点は、大きなメリットと言えるでしょう。
【当座貸越のメリットその2】急な資金不足に対応できる
当座貸越は好きなタイミングで融資を受けられるため、急な資金不足へも対応できます。
一般当座貸越や総合口座当座貸越であれば不足分を自動的に融資が受けられますし、専用当座貸越なら審査なしで資金調達が可能です。
いざ資金が必要になってから審査を受けている状況だと、お金の支払い日までに審査が通るかわかりません。
場合によっては手形の不渡りを起こし、倒産してしまう可能性すら考えられます。
当座貸越なら一度契約を結べば自由に借入ができるので、どうしても資金が必要なときの最終手段として活用可能です。
【当座貸越のメリットその3】借入時の金利が安い(総合口座当座貸越の場合)
一般の方が利用できる総合口座当座貸越の場合、借入時の金利が非常に安いです。
理由として、すでに資産として存在する定期預金を担保にしているため、返済できない可能性が少ないことが挙げられます。
総合口座当座貸越の利息は銀行によって違いますが、定期預金の利率+0.5%が一般的です。
定期預金の利率は0.2~0.3%なので、金利は0.7~0.8%ほどに収まります。
カードローンやクレジットカードのキャッシングなら9~15%近くの利息がかかるため、比べると非常に安いですよね。
金利だけを返済し続けるという状況にもなりにくいため、かなり使いやすい融資と言えるでしょう。
【当座貸越のメリットその4】更新がうまく行けば、元金をずっと借りていられる
当座貸越は、毎月利息だけを支払い、元金は期日に一括で返済するという契約で貸し出されます。
期日は当座貸越の契約期限に設定されており、通常は審査後1~3年程度です。
ただし期日を迎えると再度審査が入り、問題なければそのまま契約が延長されます。
つまり、契約が続いている間は元金を返す必要が無いということです。
よって、10年以上借りっぱなしというケースも少なくありません。
審査に落ちてしまうと一括での返済が必要ですが、うまくいけば借りた資金をずっと運用し続けられます。
なお、当座貸越の他に資金調達を行いたい方は、投資家から資金援助を受けられるFounderのマッチングサービスへの登録がオススメです。
当座貸越のデメリット3選
当座貸越は企業にとっても、一般の方にとっても魅力ある制度です。
ただし利用には、少なからずデメリットも存在します。
「こんなはずではなかった」とならないように、デメリットもしっかりと把握しておきましょう。
【当座貸越のデメリットその1】企業が利用する場合は、審査が厳しい
一般当座貸越や専用当座貸越の利用を考えている企業の場合、審査が厳しいです。
当座貸越はいつでも融資が受けられるというメリットがありますが、銀行からすると、用途も分からないお金を審査なしで貸し出す必要があります。
つまり貸し倒れのリスクが高いため、その分最初の審査を厳しく設定しているのです。
- 不動産などの担保が多い
- 流動資産を多く持っている
など、資金繰りに問題の無い企業しか審査に通らない可能性が高いです。
反対に一般の方が利用できる総合口座当座貸越は、定期預金内の融資という担保がしっかりとしているため、簡単に利用できます。
企業で利用する場合のみ、厳しい審査を通り抜ける必要があると考えましょう。
【当座貸越のデメリットその2】枠を更新する際に再度審査が必要
当座貸越は審査に通れば自由に融資を受けられますが、枠を更新する際に審査が必要です。
1~3年ごとに審査が行われ、仮に通らなかった場合は、借りているお金を一括で返済しなければなりません。
一度通った審査なので継続も問題ない事が多いですが、経営状態の悪化や担保にしている土地の価値が低下するなどで落ちる可能性があります。
一括で返済となると資金繰りがかなり危うくなるので、返済できるくらいの現金は常に用意しておきましょう。
当座貸越をうまく利用するには、無理のない範囲での融資を受けることが重要です。
【当座貸越のデメリットその3】借入時の金利が高い(一般当座貸越・専用当座貸越)
一般当座貸越や専用当座貸越など、数千万円を超える融資を受けられる貸越に関しては、利息が高く設定されています。
その理由は、当座貸越は銀行にとってはリスクのある融資だからです。
当座貸越はいつでも審査なしで借入を行えるため、銀行からすると貸したお金が何に使われるかわかりません。
当然貸し倒れのリスクも高くなるため、その分金利を高く設定して、不測の事態に備えているのです。
もし用途がしっかりしているのであれば、他の融資のほうが金利を抑えられる可能性があります。
他の融資として以下の方法もあります。
【最新2019】日本政策金融公庫の融資審査を100%通す7のコツ!あなたも1000万円確実に借入できる!
また、下の記事で有志とは別に資金調達の方法についても紹介しています。
代表的な銀行の総合口座当座貸越の限度額・利率
総合口座当座貸越の限度額はどれくらいになるか、代表的な銀行の例を紹介します。
こちらで紹介するのは総合口座当座貸越の場合です。
企業が利用する一般貸越などは審査によって限度額が変わるので、都度銀行にお問い合わせください。
UFJ銀行の当座貸越限度額:200万円
UFJ銀行では2種類の担保から総合口座当座貸越を利用できます。
【定期預金】
- 当座貸越上限額:担保となる定期預金の合計額の90%(上限200万円)
- 当座貸越利率 : 担保となる定期預金の約定利率に年0.5%を上乗せした利率
【国債等公共債】
- 当座貸越上限額:公共債額面合計額の80%(上限200万円)
- 当座貸越利率 : 年3.225%(変動金利制・2019年5月現在)
りそな銀行の当座貸越限度額:200万円
りそな銀行の総合口座当座貸越の限度額は以下の通りです。
- 当座貸越上限額:担保となる定期預金の合計額の90%(上限200万円)
- 当座貸越利率 : 担保となる定期預金の約定利率に年0.5%を上乗せした利率
みずほ銀行の当座貸越限度額:200万円
みずほ銀行の総合口座当座貸越の限度額は以下の通りです。
- 当座貸越上限額:担保となる定期預金の合計額の90%(上限200万円)
- 当座貸越利率 : 担保となる定期預金の約定利率に年0.5%を上乗せした利率
新生銀行の当座貸越限度額:500万円
新生銀行の総合当座貸越の限度額は以下の通りです。
- 当座貸越上限額:担保預金および担保債券額面額の合計額の90%・または500万円のいずれか少ない方
- 当座貸越利率:年1.88%
融資限度額が500万円と高額ですが、その分利率も他の銀行に比べて高いです。
当座貸越を利用するには?手順の解説
こちらでは、当座貸越の利用手順について説明します。
企業向けの一般当座貸越・専用当座貸越と、一般向けの総合口座当座貸越では手続きの方法が違うため、ご自身が利用する貸越をご確認ください。
一般当座貸越・専用当座貸越
一般当座貸越や専用当座貸越を利用するには、まずは銀行による審査を受けなければなりません。
経営状況や資産などをチェックされ、無事に審査に通った場合のみ契約が可能です。
審査後は、銀行で『当座勘定貸越約定書』と『当座貸越契約書』に捺印して、契約を行います。
具体的な金利や限度額は契約書内で確認可能です。
その後は1~3年ごとに契約の更新を行います。
この時に再度経営状況などを審査され、問題なければ継続、不備があれば契約終了です。
契約終了となった場合、借りているお金を一括で返済しなければならないため注意しましょう。
総合口座当座貸越
総合口座当座貸越の場合、総合口座を開設した時点で利用設定できる可能性が高いです。
もしくは口座開設時に利用有無を確認されます。
定期預金に申し込んだ時点で担保が確立されているので、特別な審査は必要ありません。
銀行によってはインターネットで利用の切り替えができる場合もあるので、利用している銀行にお問い合わせください。
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