資金ショートとは?今すぐできる5つの資金繰り対策で会社のキャッシュを確実に増やす!
登録日:2017.10.27 | 最終更新日:2020.4.7
ある日突然会社が倒産する可能性のある資金ショート。もしも会社に資金ショートの危機が訪れたら、あなたは正しい判断で倒産を防ぎ、会社を守ることができますか?
「私の会社は黒字だから大丈夫」と安心している方は要注意。資金ショートによる倒産は、経営が順調なあなたの会社にも起こり得るのです。
この記事では、10年にわたって中小企業における資金繰り対策の指導やコンサルティングを行ってきたファイナンシャルプランナーが、あなたの会社の資金ショートを確実に防ぐ効果的な対策方法を詳しく解説します。これを読めば資金繰りがラクになること間違いなし。
■資金ショートとは?
まずは、資金ショートの仕組みについて知っておきましょう。資金ショートとは「手元に現金(運転資金)がなくなった状態」を指します。資金繰りが悪化したり、危機を回避するための資金調達で借金が膨れ上がったり、予定していた売上金の回収が遅れたり、思わぬトラブルで出費が増えたり、様々な理由で手元の資金がなくなると資金ショートを起こし、会社の倒産にもなりかねません。
また、たとえ会社の経営状況が黒字であっても、会社を経営するための資金が手元になければ資金ショートを起こしているといえる上、多額の黒字が計上できているにも関わらず会社が倒産してしまう「黒字倒産」の可能性があります。
たとえば、仕入れ値が100円の商品を500円で売ったとしましょう。仕入れ値の支払は翌月末、そして売上金の回収が翌々月末の場合、当月の粗利益は400円の黒字ですが、400円を回収できるのは2ヶ月後。現時点で手元の資金が50円しかない場合、資金調達をしなければ翌月の支払に間に合いません。すると、経理上では黒字であるにもかかわらず、支払代金が不足しているため資金ショートを起こし、最悪の場合は黒字倒産も十分に考えられるでしょう。
■資金ショートの原因とは。5つのパターンを徹底解説!
会社の存続が危うくなってしまう資金ショート。例え会社が黒字の状態であっても、資金ショートを起こし黒字倒産してしまう企業は少なくありません。
では、なぜ資金ショートは起きてしまうのでしょうか。こちらでは、資金ショートの原因を5つのパターンで解説します。
【資金ショートの原因1】売上の低下
資金ショートの原因として最も多いのが、売上の低下です。
市況状況が悪く物が売れなくなった、競合他社がいい製品を開発し、そちらに需要が流れてしまったなど、色々な理由が考えられます。
売上が低下してしまうと、当然ですが社員や仕入先への支払いができません。最初は余剰金などで対応できますが、徐々に資金ショートを起こし、会社経営を続けれらなくなってしまうのです。
売上の低下は、資金ショートの大きな理由と言えるでしょう。
【資金ショートの原因2】売掛金の入金遅れ
売掛金の入金が遅れることによる資金ショートです。
売掛金は企業が商品を売った対価なので、確実に回収しなければなりません。
ところが先方が資金繰りに困っている状態で、支払いを遅らせて欲しいと言ってくるケースは存在します。
また取引先が手形を振り出した場合は、売った商品に対する入金が3ヶ月~4ヶ月後になることも珍しくありません。
その間にも給料の支払いなど、固定費の支出は発生するので、売掛金を受け取る前に資金が不足してしまうことが考えられます。場合によっては黒字倒産となってしまうこともあるでしょう。
売掛金の入金遅れは、企業にとって大きなダメージです。
【資金ショートの原因3】取引先の倒産
取引先が倒産してしまうことも、資金ショートの大きな原因です。
相手が倒産してしまうと、本来手に入るはずだった売掛金が回収できません。裁判などで少しは返ってくることもありますが、全額回収できることはほぼありえないでしょう。
取引額が少ない会社なら問題ありませんが、主要な取引先の場合、その被害は莫大です。
連鎖倒産という言葉もあるように、倒産で経営が行き詰まる企業は少なくありません。
ただ商品を売るだけではなく、お金を回収するまでが商売だという意識を持って取り組むことが重要になるでしょう。
【資金ショートの原因4】予期せぬ出費
予期せぬ出費がかさみ、資金ショートを起こしてしまうケースです。
会社として事業を進めていると、予想だにしない支払いの発生は避けられません。
例えば社用車で事故を起こしてしまい、相手に賠償金を支払うことになったり、機械設備が故障して修理に出したりすることが挙げられます。
特に設備の故障は納期遅れにつながり、違約金が発生することもあるでしょう。
経営がギリギリの状態だと、予期せぬ出費でいきなり資金ショートを起こしてしまうことが考えられます。
なるべくリスクを減らし、色々な事態に対応できる程度のキャッシュは残しておくことが必要です。
【資金ショートの原因5】在庫過多
過剰に在庫を持ちすぎて、資金ショートを起こしてしまうケースです。
商品の売れ行きにはブームがあるので、必ずしも同じ商品が長く売れ続けるとは限りません。
一度大きく売れた商品を対象に仕入れ、在庫として保有した途端にブームが終了し、大量の在庫を抱えてしまうことも十分にあり得ます。
在庫は売れてしまえば利益になりますが、売れない間は維持費や場所代などで多額の費用が発生します。
うまく市況を読み、的確な在庫を保有しなければ、資金ショートが起きる可能性は高いのです。
■資金ショートを防ぐ4つのコツを紹介
資金ショートは企業として、最も避けなくてはならない自体の1つです。
では、どのように資金ショートを防げばいいのか、こちらでは4つのコツを紹介します。
- 入金のタイミングを早める
- 出金のタイミングを遅らせる
- 売上を増やす
- 支出を減らす
それぞれ詳しく見ていきましょう。
(1)入金のタイミングを早める
入金のタイミングを早める方法です。
取引先からの入金が早くなると、その分資金に余裕がでるので、資金ショートを起こしづらくなります。
例えば売掛金の支払期限の前倒しや、現金決済への切替などです。キャッシュフローが悪ければビジネスが上手くいっている状態でも資金ショートすることがあるので注意しましょう。
売上だけではなく、入金のキャッシュフローを早めることをおすすめします。
(2)出金のタイミングを遅らせる
出金のタイミングを遅らせる方法です。
資金が出ていくタイミングをうまく調節することで、ショートしないように対応します。
例えば支払わなければならない社会保険や税金の延滞、返済計画のリスケジュールの申込みなどがあげられます。
場合によっては仕入先への支払いを手形に変えるなども有効です。もちろん仕入先によってはいい顔をされない場合が多いので注意しましょう。
出金を遅らせることは、資金ショートへの大きな対策につながります。
(3)売上を増やす
売上のアップや、遊休資産の現金化など。売上を増やすことに加えて、大切なことは売上の上げ方です。常に新規刈り取り型のビジネスは資金ショートがしやすいビジネスモデルです。ベンチャーの営業会社に多いですが、毎月1日〜31日まで営業マンだけで売上を会社を上げるビジネスは危険です。
顧客が少ないときは営業マンを使い、売上だけにこだわることができますが、売上が上がれば顧客対応、サポート、クレーム処理など、売上に関係がない諸経費が膨らみます。リピート、継続的な収入源を作り出す仕組みができていなければ営業にだけ頼り、モノ・サービスが売れなければ資金がショートしてしまいます。
Webサイト、口コミ、様々な集客方法を駆使して、営業マンが動かなくても売上を上げる仕組みを作ることがおすすめです。
既存の方法にとらわれず、どうやれば売上をより伸ばすことができるかを考え、施策を行いましょう。
その際はコストがかかりすぎないように注意してくださいね。
(4)支出を減らす
人件費の削減やランニングコストの削減、仕入の値引きなど、支出を減らすことは重要です。
これらの対策を行うことで、乱れていた収支のバランスが整い、資金ショートを防ぐことができます。
これらの対策を行うことで、乱れていた収支のバランスが整い、資金ショートを防ぐことができるのです。ただし、これらの対策を採る前に、まずはその原因を探ることが大切。もしも長期間での対策を必要とする慢性的な赤字の場合、資金ショートを起こす時期を先延ばしにするだけでは、根本的な解決にはなりません。常にお金の出入りを把握し、日々の記帳を行って会社のキャッシュフローを明確にすることから始めましょう。
また支出を減らすことは効果的ですが、減らしすぎた結果業務効率が下がり、売上が落ちるという事態にならないように注意しましょう。
社員の声をしっかり聞いて、無駄な業務を排除していく方法がオススメです。
ここからは上記の4つの対策を元に、資金ショートを防ぐ方法を詳しくご紹介します。
■【資金ショートの対策その1】コストの削減
資金繰りの改善として取り掛かりやすいのがコストの削減です。まずは、会社の支出にはどんな項目があるのか確認しておきましょう。
- 役員報酬
- 人件費(給料、ボーナスなど)
- 変動費(商品の原材料費、仕入費、余剰在庫の管理費など)
- 固定費(書類の印刷費、事務所の家賃、水道・光熱費など)
- 赤字事業
このように会社を経営していく中でかかる様々な支出の中から削減すべきコストを選ぶには、以下の3つのポイントを参考にすると良いでしょう。
- コスト削減を実施するまでに必要な準備期間が短いもの
- 削減できるコストの金額が大きいもの
- コスト削減を実施した場合のリスクが少ないもの
この3点から見ると、人件費はすぐにコスト削減を実行でき、水道・光熱費などと比べると削減できる金額も大きいように感じますが、社員の給与を削減することは仕事に対するモチベーションの低下につながります。社員のモチベーションが低下すると業務の効率悪化を招くだけでなく、会社の将来に不安を感じ退職者が増加するなど会社にとって大きなリスクを背負うことになるでしょう。したがって、人件費を削減する場合は特に注意が必要です。
社員のモチベーションをできる限り下げずに人件費を削減するには、以下の3つの方法が考えられます。
割増賃金の削減
割増賃金とは、時間外勤務や休日出勤、深夜勤務などの労働に対して支払う賃金です。たとえば、ノー残業デーの実施や、残業の必要性がある場合のみ許可をする残業許可制の導入、繁忙期や閑散期に合わせて労働時間を調整する変形労働時間制の導入、フレックスタイム制の導入、業務の外注化などによって、割増賃金の削減につなげます。
社員が効率よく働ける環境作りを作り出すことが、結果としてコストの削減に繋がります。無駄な仕事を効率化できる仕組み作りも会社運営で大切なことです。
先輩が残業をしているから、後輩も意味もなく残業をしなければならない会社は残業代が多くなります。無駄な働き方は改善する方が良いでしょう。
給料、ボーナスの削減
社員のモチベーション低下につながりやすい給料やボーナスは、一度に全てカットするのではなく、まずはボーナスのみに留め、その後段階を踏んで給料の一時カットやベースダウンを検討するなど、社員の負担軽減に配慮することが大切。また、実際に給料やボーナスをカットする際には、役職の高い順に実施することで社員からの理解も得やすく、一時的な給料のカットにも納得してもらえるでしょう。なお、給料のカットは10%程度に留めておくことをおすすめします。突然実施するのではなく、きちんと会社の現状や給料カットの明確な期間を説明することが重要です。
副業の解禁・推奨
副業の解禁は、社外で収入を得る社員が増えることで給料カットや労働時間の短縮を実施しやすくすることが目的ですが、実際に副業を行う社員の数が不明であることや、副業の解禁によって削減できる人件費が定かでないことから、人件費削減としての効果が感じられにくいデメリットがあります。したがって、副業解禁だけを人件費削減の対策として実施するのはあまりおすすめできません。
このように、人件費を削減する場合は社員のモチベーションや生活への配慮も必要なため、コストを削減する際にはリスクが低くすぐに実施可能な役員報酬から実施すると良いでしょう。その後は会社の状況に合わせて赤字事業の廃止や変動費の見直しを行い、それでも資金ショートの恐れがある場合に人件費の削減へ踏み切るのが無難です。
水道・光熱費や家賃などの固定費は削減が難しい上、削減できる金額が少ないことがデメリットですが、小さな節約の積み重ねで効果を実感できる項目でもあるため、社内で目標を掲げて実施すると良いでしょう。
資金ショートがしそうな時に使える資金調達情報はこちらにまとめています。
【最新2019】ビジネスローン33選!法人・個人も即日で借りれる事業者ローンまとめ|Founder
【最新版】12の資金調達方法まとめ!経営者のあなたが知るべきメリットと成功の秘訣は?
■【資金ショートの対策その2】返済計画のリスケジュールを交渉する
リスケジュールとは、銀行など金融機関からの資金調達を行っている場合に、経営改善計画を立てて返済条件の変更を交渉する過程を指します。金融機関との交渉次第で変更内容は異なりますが、たとえば月々50万円の返済を条件に借入をしていたとして、交渉によって1年間の期間限定で半額の25万円に減額してもらうと、浮いた25万円で会社の資金繰りを改善することが可能です。
リスケジュールでは月々の返済額を一定期間減額することで毎月の支払負担を軽減する方法のほか、返済期間を延長することで月々の負担を軽減する方法や、元金の返済を一定期間繰延べし、その期間は利息のみを返済する方法などがあります。
リスケジュールを認めることは金融会社にとってデメリットであるように感じられるかもしれませんが、金融機関は融資先が資金ショートを起こして倒産し、融資した金額が貸し倒れてしまうよりは、返済期間が長くなったとしても少しでも多くのお金を回収したいため、コツを押さえて交渉すればリスケジュールの成功率もぐんと高まります。
リスケジュールを認めてもらうコツは、きちんと経営改善計画を立てること。つまり、「リスケジュールをして返済額を減額または返済期間を延長した方が、回収総額が大きくなる」ということを数値で示し、納得してもらうことが大切です。
そこで、交渉の際には以下のような書類を作成し、資金繰りの改善計画や会社の収入状況について説明できるようにしておきましょう。
返済条件変更依頼書
なぜリスケジュールが必要なのかを記載した書類です。資金繰り悪化の原因や、リスケジュールで希望する返済期間、返済額などの条件をまとめましょう。
収支表
現在の資金繰りがわかるよう、収支関係を詳細に記した書類です。
経営改善計画書
リスケジュールが認められた場合に、その期間中どのように資金繰りを改善していくのかをまとめた計画書です。リスケジュールをした方が返済総額も大きくなることをアピールしましょう。
確定申告書、源泉徴収票
直近の収支状況を説明するために必要な資料です。
借入返済予定表
複数の金融機関からの資金調達がある場合は、その全ての借入返済予定表も提示しましょう。
この中で特に押さえておきたいのが「経営改善計画書」。この内容によってリスケジュールできるかどうかが決まるともいえる程、重要な書類です。
経営改善計画書では、5年以上をかけた中長期での返済計画を立てることがポイントです。実際にリスケジュールが成立したとしても返済計画の変更が適用されるのは1年未満が一般的ですが、会社の資金繰りを改善し、経営状態を回復させて借入金を返済するには5年以上の期間を必要とするケースがほとんどのため、根拠のある中長期での計画書を作成しましょう。とは言っても、あまりに長期間にわたる計画を立てると計画性がないとの理由で信用を失う恐れがあるため、注意が必要です。
■【資金ショートの対策その3】社会保険料や税金の支払を待ってもらう
社会保険料や税金は、定められた期間内に半年分または1年分などまとまった金額を払う必要があるため、会社の経営が苦しいときには負担も大きいでしょう。会社が払うべき社会保険料や税金は、主に以下のような種類があります。
- 決算申告後の法人税
- 源泉所得税
- 消費税
- 社会保険料
- 労働保険料
これらは支払時期が決まっているため把握しやすい支出ではありますが、年度によって金額の増減があったり、納付の分割を適用していないことで1年分の納付額を請求されたりと、思いがけず高額になることも考えられます。いずれも延滞せず期日内に支払うことが前提ですが、資金ショートの恐れがある場合には支払の一時保留や分割払いで対応してもらえるケースもあるため、最寄りの税務署を訪れ、相談してみるのもひとつの手段です。なお、相談する際には会社の状況について説明するため、資金繰り表や事業計画書などを持参すると良いでしょう。
相談をせずに支払を滞納した場合は、数ヶ月後に催促通知があります。そこで事情を説明すれば会社の資金繰りを考慮した納税計画に協力してもらえる場合が多いですが、説明をせずに滞納や支払拒否を続けていると差押さえが行われる可能性もあるため、ご注意ください。
また、税金の支払が延滞した場合には延滞税の支払が必要です。延滞税は年度によって異なりますが、平成29年度の場合、納期限の翌日から2ヶ月を経過するまでは年2.7%、それ以降になると年9.0%でした。
■【資金ショートの対策その4】持っている資産を見直す
経営者が所有している土地などの個人資産や、会社の遊休資産を売却して現金化することで資金ショートを防ぐこともできます。
特に、不動産を持っている場合は不動産自体を現金化できるだけでなく、固定資産税や維持費、管理費の削減にもつながるため、売却を検討したい資産のひとつです。もしも不動産を手放したくない場合は、不動産を担保にしてお金を借りる不動産ローンも可能。返済できない場合に失うリスクがある分、低金利で高額な資金を調達できるメリットがあります。
遊休資産にはゴルフ会員権やリゾート会員権、福利厚生のために購入した不動産などが当てはまります。ただし、これらの遊休資産は購入時よりも大幅に価格が下がっているケースが多いためご注意ください。
そのほか、現金化が可能な資産には主に次のようなものがあります。
定期預金
会社で積立てた定期預金を切り崩し、現金化することで資金ショートを回避します。不動産と同じく、定期預金を担保にして借入を行う「定期預金担保貸付」も可能です。
在庫や原材料機械設備などの動産
会社が在庫として抱えている製品や原材料、機械、食品などの動産を担保にした「在庫担保融資」を利用して、売却しにくい動産を現金化することができます。
手形
期日内の手形があれば、手形割引として期日前に現金化することが可能。期日を待って現金化するよりも金額は減るものの、すぐに現金を必要としている場合には有効でしょう。
生命保険
積立式の生命保険では、解約すると解約返戻金が支払われるため、考え方によっては資金調達方法として利用できます。ただし、契約内容や払込保険料の総額によっては払込総額よりも解約返戻金の方が少ない場合もあるため、解約時には十分ご確認ください。
■【資金ショートの対策その5】ファクタリングを利用する
上記では資産の現金化や、資産を担保にして融資を受ける対策方法をご紹介しましたが、現金化できるのは資産だけではありません。会社に売掛債権がある場合は、それをファクタリング専門の会社に売却することで売掛債権を資金に変えられます。ファクタリングとは、未回収の売掛債権を専門会社が買い取る仕組みを指し、中小企業の資金調達手段として国も認めている方法です。
ファクタリングには、主に以下のようなメリットがあります。
【メリット1】簡単に資金調達ができる
経営状態や返済計画が重視される金融機関からの融資と違い、ファクタリングは審査に通りやすい特徴があり、最短即日の資金調達も可能です。また、売掛金の大きさによって資金調達できる金額が変動します。ファクタリングはビジネスローンとは違い、資金調達できる限度額が非常に大きいです。
ビジネスローンは一般的に1,000万円前後が融資限度額ですが、ファクタリングなら数千万円の資金調達も可能です。
【メリット2】連帯保証人や担保が不要
ファクタリングは融資ではないため、連帯保証人や担保も必要ありません。条件として売掛金が必要なので、対象企業でなければ資金調達することはできません。
【メリット3】信用情報への影響がない
融資など借入を受けている場合、金融機関には融資金額や返済状況を記した信用情報が保管されますが、ファクタリングは融資とは違って信用情報への登録義務がなく、将来ビジネスローンや銀行融資を受けたい場合に悪影響を及ぼす心配もありません。
反対に、ファクタリングのデメリットは主に以下のようなものが考えられます。
【デメリット1】手数料が必要
ファクタリング会社を利用する場合は手数料が必要です。金額は売掛金や売掛先の規模、経営状況などによって異なるため一概には言い切れませんが、一般的には2社間取引の場合だと売掛金の10~30%、売掛先を介して手続きを行う3社間取引では1~5%が目安となっています。
【デメリット2】売掛先の承諾が必要なケースもある
3社間取引の場合は、ファクタリングを行うことについて売掛先からの承諾が必要となるため、手続きに時間がかかる場合が考えられます。
【デメリット3】債権譲渡登記が必要なケースもある
売掛先との契約内容やファクタリング会社によっては、売掛債権を売却する際に債権譲渡登記を行わなければならない場合があります。
現在、ファクタリング会社は複数ありますが、中でも国内最多の提携事業者数を誇る「資金調達プロ」では、資金を最短即日で調達することが可能。ホームページからは、希望金額や売掛金などを入力するだけで調達可能な金額を診断できるサービスを行っているため、まずは無料診断をお試しください。
■資金ショートを起こさないために
ここまでは、資金ショートを起こしそうになった場合の対策についてご紹介してきました。いずれも手元のキャッシュを増やす方法としては効果がありますが、冒頭でもご紹介したようにこれらの手段によって一時的に資金ショートを免れたとしても、根本的な資金繰りの課題を解決できなければいずれまたその危機が訪れるでしょう。
会社の資金繰りについて考えるときに必要となるのが資金繰り表です。資金繰り表とは、会社でのお金の出入りを記入し、収支の把握や、キャッシュが不足する時期を事前に予測するための資料です。資金繰り表の作成は任意のため、毎日記入し続けることが面倒だと感じる方もおられるかもしれませんが、日々の収支の動きを把握しておかなければいざ会社が資金ショートの危機にさらされたときに的確な判断ができなかったり、資金ショートを起こすまで気付かなかったりする可能性もあります。
資金繰り表作成の際には、以下の資料を手元に用意しておくと作業がスムーズです。
- 月次推移計算表
- 現金出納帳
- 預金出納帳または預金通帳
- 手形帳
- 借入金返済明細
オリジナルで表を作成しても良いですが、日本政策金融公庫のホームページをはじめ、インターネット上でダウンロードできる資金繰り表の無料テンプレートを利用すると、より手軽に作成できるためおすすめです。
日本政策金融公庫:https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_chusho.html
使用する書式によって多少の違いがある場合もありますが、一般的にはひと月単位で作成します。
入出金の項目
記入する入出金の項目は、大きく分けて収入、支出、財務収支、借入内訳の4つ。それぞれの項目は、以下のようにさらに細かい項目に分かれています。
収入
経常収入(現金売上、手形回収、手形期日取立、手形割引、ファクタリング、前受金など)、受取利息・雑収入、預金満期・取崩し
支出
経常支出(外注定例支払、仕入定例支払、経費定例支払、手形支払、支手決済、前渡金、人件費、経費など)、支払利息・雑支出、定期積金・定期預金、税金・配当、設備投資、保険料
財務収支
借入金(短期・長期)、私募債発行・増資、借入金返済(短期・長期)、私募債償還
借入内訳
各借入先の名称
まずは現金、受取小切手、預金残高を合計した「前月繰越高」を確定することからはじめましょう。
金額記入の4つのステップ
「前月繰越高」を確定したら、次は以下の4ステップで金額を記入していきます。
(1)当月実績
手元の資料を参考に、テンプレートの項目にしたがって実績を記入します。
(2)収入
当月実績を参考にしながら、次月以降の収入を予測し各項目に記入します。
(3)支出
当月実績を参考にしながら、次月以降の支出項目についてそれぞれの金額を予測し、記入します。経費など予測が困難な項目は、過去の平均を記載しても問題ありません。税金や配当金など年に数回の支払日が迫っていないかも忘れずに確認しましょう。設備投資など大きな支出を控えている場合も、見積もりを元に記入しておきます。
(4)借入金返済
借入金がある場合は返済予定表を参考にしながら返済額を記入します。
全ての記入が終われば、入念に確認し、検証を行いましょう。もしも月末残高がマイナスになる月があったり、残高がプラスでも翌月の支払をするとわずかな金額しか残らなかったりすると、予測外の支出があった場合に資金ショートが起こる恐れがあります。コスト削減の計画や、支払時期の見直しを行っても資金が足りないとわかれば、早い段階で資金調達を検討するなど対策を採ると良いでしょう。
また、経営が順調に進んでいると、つい次月の収入項目を多めに記入したくなりますが、収入金額を多く見積もると万が一予測した金額の収入がなかった場合に資金繰りが悪化する可能性があるため、収入予測は控えめな金額を記入するのがポイント。反対に、支出の予測は支払日や金額に余裕を持たせて記入することで、ゆとりのある経営が可能となります。
■まとめ
今回はファイナンシャルプランナーによる資金繰り対策についてご紹介しました。会社の将来を守るためにも、資金繰り表を活用して日々の収支を把握し、資金ショートが起こる状況を作り出さないことが重要。今回ご紹介した対策をしっかりと実践していれば、資金ショートも怖くありません。すぐにでも始められる対策ばかりなので、ぜひあなたの会社でもお役立てください。
個人事業主が融資を受ける6つのポイント!7つの資金調達を実践すれば、資金繰りを100%改善できる
資金繰りを劇的に改善する10の方法!会社のキャッシュを1000万円以上に保つ秘訣とは?
【最新版】国内ベンチャーキャピタル35社まとめ。スタートアップ経営者は必見!
日本最大級の
起業家・経営者&投資家
マッチングサイト
創業10期目・年商10億円程度のベテラン経営者の方々にも
ご利用いただいております。
No.1
36,431名
No.1
6,779名
- 無料で投資家が見つかる
- 1,000万円の事業資金調達が可能
- 投資先が見つかる
- 資金繰りやつなぎ資金のサポートもOK
- 売上アップ
- 集客数アップ
- 取引先数100社増
- ビジネスパートナーが見つかる
- 昨日の登録数
- 経営者4名 投資家2名
- 昨日の投稿数
-
経営者4件 投資家0件
- 先月のマッチング数
- 28組
- 先月の資金調達総額
- 7億円以上
コラム - 週間ランキング
【徹底解説】支払条件とは?手形や現金払いなど3つの支払方法・期限や書き方などを説明!資金繰りや手数料など条件設定時のポイント・コツを紹介!
仕入先や発注先との取引で「支払条件」を決める場面があります。しかし、支払条件のパ…
公開日:2019/8/4 前週 270 計 156286
【無料テンプレートあり】振込依頼書の書き方と9つの記入項目!3つのポイントを知れば誰でも簡単に今すぐ完成!
社会人をしているとビジネスシーンで「振込依頼書」を書くことがあります。しかし、他…
公開日:2019/8/4 前週 194 計 100816
会計帳簿の保存期間は7年?10年?経理書類の保管期間や義務を守らないとどうなる?
会社を経営している方なら、日々作成した経理の書類を大事な決算のために、きちんと保…
公開日:2018/1/8 前週 180 計 240689
サプライヤーとは?メーカーやベンダー違いも解説!5つの業界を例として紹介
商売を営むにあたって理解しておくべき用語があります。サプライヤーです。サプライヤ…
公開日:2019/7/30 前週 174 計 84114
起業本100冊読んで教えを実行したら、駅でかぼちゃを食べさせられた
「成功者たちの教えが流れ込んでくるぅ~!!!」思わず、そう叫んだ。大量のビジネス…
公開日:2019/6/30 前週 169 計 352681
コラム - 新着記事
個人が事業投資を実施することは可能?|メリットからリスクまで詳細解説
事業投資は、自社あるいは他社の事業に投資を行い、利益の獲得を狙う経済活動です。事…
公開日:2023/8/10 前週 19 計 1177
エクイティ投資の4つの種類|メリットや注意点・向いている企業の特徴を解説
ベンチャー企業や中小企業では、資金調達先の確保が困難といった課題に直面することも…
公開日:2023/8/10 前週 27 計 1370
【2023年最新】年代別のおすすめの投資先を紹介!選び方や注意点も解説
資産が増えることも減ることもある投資ですが、株式や債権に不動産など数多くの種類が…
公開日:2023/8/2 前週 5 計 668