【徹底解説】支払条件とは?手形や現金払いなど3つの支払方法・期限や書き方などを説明!資金繰りや手数料など条件設定時のポイント・コツを紹介!

登録日:2019.8.4  |  最終更新日:2023.5.21



仕入先や発注先との取引で「支払条件」を決める場面があります。しかし、支払条件のパターンを知らなければ、その支払条件が有利か不利かを、判断できないですよね。

そこで本記事では、支払条件について、わかりやすくまとめました。

  • 支払条件とは何?
  • 支払方法にはどんな種類がある?
  • 支払期限にはどんなパターンがある?
  • 支払条件は資金繰りにどう影響する?注意点は?
  • 支払条件により資金繰りが悪くなった時の対処法は?

この記事を読むと、これらを簡単に理解できます。支払条件でお困りの方は、ぜひご覧ください。


支払条件とは『取引における支払の取り決め』


支払条件とは、料金の支払方法や期限などについて、決められた条件のことです。商品・サービス提供の取引を行う際に、あらかじめ定めておきます。

通常の商取引においては、受注者側が、見積書に支払条件を記載することが多いです。発注者側は、提示された金額や支払条件に基づいて、発注する流れとなります。

ただし、受注者側に法的な決定権がある訳ではありません。そのため、発注者側が支払条件を定めるパターンもあります。

以下は、支払条件を記載する書類の一例です。

<支払条件を記載する書類>

  • 見積書
  • 発注書・注文書
  • 契約書
  • 納品書
  • 検収書
  • 請求書

見積書へ合意して発注するため、一般的には、どの書類にも見積書と同じ支払条件を記載します。発注書・検収書の書き方については、以下のページで解説しています。

関連記事:【無料テンプレートあり】誰でも簡単!発注書の書き方とフォーマット!印紙や法的義務など3つのポイントも解説!
関連記事:【徹底解説】検収書とは?法律上必要?3つの役割や書き方を解説!納品書・受領書との違いも簡単にわかる!

なお、「決算書上の売掛金・買掛金の回転期間」と「実際の支払条件」に相違があると、不具合が生じるので注意しましょう。決算書について詳しく知りたい方は、以下のページも合わせてご覧ください。

関連記事:【誰でも簡単】決算報告書とは?書き方・作り方の3つのポイント!起業家が知っておきたい役割や開示義務も解説!
関連記事:粉飾決算とは?知らないと騙される!よくある3つの手口と見抜き方7選!基礎からわかりやすく解説!

支払条件の種類とは?記載事項や書き方を一挙解説!


支払条件には、主に下記2つの項目を記載します。

<支払条件の記載項目>

  1. 支払方法
  2. 支払期限・時期

それぞれの項目について、以下で解説していきますね。

なお、支払条件によりキャッシュフローが厳しくなる場合は、Founderへ無料登録して、資金調達をするのもオススメです。

【支払条件の記載項目1】支払方法

支払方法には、下記の3つがあります。

<支払方法の種類>

  1. 現金払い
  2. 金融機関等の口座振込
  3. 手形または小切手

【支払方法の種類1】現金払い

現金払いの場合は、支払場所を定めましょう。一般的には、下記のいずれかとなります。

<現金払いの支払場所>

  • 発注者が店頭等へ支払に行く
  • 受注者が集金へ行く

事前に決定しておくと、トラブルになりません。

【支払方法の種類2】金融機関等の口座振込

銀行等の口座振込とする場合は、請求時に振込先を指定します。以下の内容を記載しましょう。

<振込先の記載事項>

  • 金融機関名
  • 口座種類
  • 口座番号
  • 口座名義
  • 口座名義のフリガナ
  • 住所
  • 電話番号

住所や電話番号は、支払側の金融機関や窓口により、必要になる場合があります。必須項目はすべて請求書に記載しておくと、間違いがありません。

【支払方法の種類3】手形または小切手

手形とは「支払期日に額面金額を払うこと」を約束する有価証券を指します。手形払いの特徴は、取引時点で口座に残高がなくても、支払期日までにお金を用意すれば良い点ですね。

そのため、支払う側(発注者)は資金の準備期間に余裕ができます。逆に、代金回収側(受注者)は、取引から入金まで日数がかかるのがデメリットです。

手形払いを受け付ける場合は、支払期日(手形サイト)を確認しましょう。また、振出人(発行人)の信頼性なども考慮した上で、手形や小切手の受付可否を決めると良いですね。

なお、小切手の現金化や、手形については、以下のページで詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

関連記事:【誰でも簡単】小切手を現金化する3つの手順!銀行での換金方法や持ち物・手数料・期限もわかりやすく解説!
関連記事:約束手形とは?振出人・受取人のメリット・デメリット完全ガイド
関連記事:割引手形とは?3つのメリット・デメリットや手形割引との違いなどを詳しく解説!

【支払条件の記載項目2】支払期限・時期

支払期限・時期には主に下記の4種類があります。

<支払期限・時期の種類>

  1. 日付指定
  2. 月末締め翌月払い(または翌々月払い)
  3. 納品後◯日以内
  4. 契約時前払・納品後残金支払

【支払期限・時期の種類1】日付指定

取引や納品の日程が確定している場合は、支払時期を日付で指定することもあります。その際は、見積書等で「支払期限:◯月◯日」と記載します。

【支払期限・時期の種類2】月末締め翌月払い(または翌々月払い)

継続的に取引をしている場合、取引の都度支払ではなく、締め日を設けて後払いする形式も多いです。この場合、締め日は必ずしも月末とは限らず、「◯日締め」と任意に決めることも可能。

また、支払日は「翌月末払い」となるパターンが多いですが、これも規定があるわけではありません。「翌々月末払い」や「翌月10日払い」などの企業もあります。

そのため、締め日と支払期限を明確にすることが重要です。

【支払期限・時期の種類3】納品後◯日以内

継続的な取引ではない場合、「納品後◯日以内」と定め、その都度支払するパターンもあります。見積書提出の際に、支払期限を提示しておきましょう。

【支払期限・時期の種類4】契約時前払・納品後残金支払

金額が大きな取引では、「契約時に代金の一部前払い、納品後(完成後)に残金支払」とすることもあります。この場合は、見積書や契約書等で、その旨を明確に記載する必要があります。

なお、前払いの会計処理について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

関連記事:【保存版】前渡金(前払金)とは?仕訳方法や買掛金を使う例外をわかりやすく解説!仮払金との違いなど3つのポイントも紹介!
関連記事:【保存版】前払費用とは?仕訳方法や振替のタイミング・消費税計上など3つのポイントを解説!長期・短期の違いも紹介!

支払条件の設定時のポイントは『手数料負担の明記』


支払方法が口座振込の場合は、振込手数料が発生します。そのため、発注者と受注者のどちらが振込手数料を負担するのか、支払条件に記載しておきましょう。

民法上は、支払側(発注者)が負担することとなっていますが、双方の取り決めにより、受注者側が負担することも可能です。

また、地域や業種によっては、どちらが負担するか慣習で決まっている場合もあります。その場合も、お互いの認識がずれているとトラブルになるため、書面で明確にしておくのがオススメです。

一般的には、見積書や契約書、請求書に明記します。

支払条件を記載する書類を簡単に紹介!


支払条件を記載する書類は大きく分けて6種類あります。それぞれの書類に記載する支払条件の種類が違うので、ここでは支払条件を記載する書類ごとに内容を紹介します。

見積書に記載する支払条件

まず、支払条件を記載することが重要となる見積書から紹介します。見積書は案件の受注者側が作成して発注者側へと提示するのが一般的です。

見積書に記載される内容は、以下の項目が例になります。

  • 見積書を発行した日付
  • 見積書の管理番号
  • 発注側の名称など
  • 件名
  • 受注側の名称など
  • 納期、有効期限、締切など
  • 支払条件(支払方法、支払期限)
  • 商品やサービスの内容の詳細、合計金額
  • 備考欄

見積書に支払条件を記載する場合の内容は以下のとおりです。

  • 支払方法(現金、振込、手形など)
  • 振込先の口座番号(振込の場合のみ)
  • 振込手数料(発注者側が負担する場合のみ)
  • 支払期限

発注書・注文書に記載する支払条件

見積書とは違って案件を発注する際に発注者側にて発行する発注書・注文書の紹介をします。発注書・注文書が発行されている時点で見積書で意見が交わされているか、リピートの可能性が高いので見積書や契約書と比べると支払条件の記載に関しての重要度は低いです。

発注書・注文書に記載される内容は、以下の項目が例になります。

  • 商品やサービスなどの品名や名称
  • 納期
  • 指定する納品場所
  • 納品検収後の検査期日
  • 商品やサービスの発注個数
  • 商品やサービスの単価
  • 商品代金
  • 支払条件(支払方法、支払期限)
  • 備考欄

発注書・注文書に支払条件を記載する場合の内容は以下のとおりです。

  • 支払期限(双方で定めている期限)

契約書に記載する支払条件

見積書や発注書・注文書と契約書の違いは、より法的効力のある書面という点です。簡単に説明すると双方の合意を得て契約が締結され、その契約内容を証明してくれる文書が契約書です。

契約書に記載される内容は、以下の項目が例になります。

  • 契約書の旨が分かるタイトル(業務委託契約書など)
  • 前文
  • 契約条項(ビジネス条件では支払条件など)
  • 後文
  • 日付欄
  • 署名、記名押印欄
  • 反社会的勢力の排除、守秘義務、損害賠償についてなど

契約書に支払条件を記載する場合の内容は以下のとおりです。

  • 支払方法(現金、振込、手形など)
  • 振込先の口座番号(振込の場合のみ)
  • 振込手数料(発注者側が負担する場合のみ)
  • 支払期限

納品書に記載する支払条件

納品書は受注者側が発行する、商品やサービスを納品する際に交わされる書類です。基本的には支払条件を記載する必要はありませんが、スムーズな取引を望む場合にはあらかじめ定めている支払条件を記載しておくほうがいいでしょう。

納品書に記載される内容は、以下の項目が例になります。

  • 納品書の発行日
  • 納品書の管理番号
  • 納品書という旨が分かるタイトル
  • 発注者側の会社名などの名称
  • 商品名やサービス名などの名称
  • 受注者側の会社名、住所、連絡先、担当者
  • 担当者印
  • 納品した日付、支払条件
  • 商品名やサービス名、納品数量、単価、合計金額など
  • 備考欄

納品書に支払条件を記載する場合の内容は以下のとおりです。

  • 支払期限(双方で定めている期限)

検収書に記載する支払条件

検収書は発注者側が発行する、商品やサービスが納品された後に検収した際に交わされる書類です。納品書と同様に基本的には支払条件を記載する必要はありませんが、支払条件を記載することでスムーズなやり取りが可能になります。

検収書に記載される内容は、以下の項目が例になります。

  • 検収日
  • 検収書という旨が分かるタイトル
  • 受注者側の会社名などの名称
  • 発注者側の会社名、住所、連絡先、担当者
  • 商品名やサービス名などの名称
  • 商品やサービスが納品された日付
  • 支払条件
  • 検収した内容(商品名、数量、金額など)
  • 検収を担当した部署と担当者名
  • 検収印(会社印、担当者印など)

検収書に支払条件を記載する場合の内容は以下のとおりです。

  • 支払期限(双方で定めている期限)

請求書に記載する支払条件

請求書は受注者側が発行する、商品やサービスの納品後に発注者側に対して代金を請求する際に交わされる書類です。検収が完了した後に代金を支払う仕組みもあるので発行しない場合もあります。

請求書に記載される内容は、以下の項目が例になります。

  • 発注者側の会社名や担当者
  • 請求書の管理番号
  • 請求書を発行した日付
  • 受注者側の会社名、住所、連絡先、担当者、捺印
  • 合計の請求額
  • 商品名やサービス名、数量、単価、小計、消費税など
  • 支払条件

請求書に支払条件を記載する場合の内容は以下のとおりです。

  • 請求する内容
  • 請求する金額
  • 支払方法(現金、振込、手形など)
  • 振込先の口座番号(振込の場合のみ)
  • 振込手数料(発注者側が負担する場合のみ)
  • 支払期限

支払条件の決定時の注意点は『資金繰りへの影響』


支払条件は、資金繰り・キャッシュフローに影響するため、決定時には充分注意しましょう。ポイントは、主に以下の2点です。

<支払条件の決定時の注意点>

  1. 代金回収(入金)と支払のサイクル
  2. 手形サイト(振出日~支払期日)

それぞれの項目について、以下で解説いたしますね。

【支払条件の決定時の注意点1】代金回収(入金)と支払のサイクル

支払条件を決定する際は、回収(入金)と支払のサイクルを意識しましょう。前述の「支払条件の種類」のとおり、支払期限には「月末締めの翌々月払い」や「数カ月後に支払」などもあります。

ただし、どんな企業でも、常に受注者側(販売者側)という訳ではなく、発注や仕入も当然行います。そのため、販売代金の回収期間と、仕入代金の支払時期によっては、資金繰りが厳しくなる場合もあります。

たとえば、次のような取引を行ったとします。

取引内容金額
受注代金の回収30万円
仕入代金の支払20万円

(図解挿入 ※代金回収と支払のフローチャート)

上記の場合、受注代金回収後に、仕入代金の支払を行えば、資金繰りは余裕があります。ところが、支払条件が以下のようになっているとします。

取引内容金額支払条件
受注代金の回収30万円9月末締め・11月末払い
仕入代金の支払20万円9月末締め・10月末払い

(図解挿入 ※代金回収と支払のフローチャート)

上記の支払条件では、11月の30万円入金より、10月の20万円支払いが先にあり、資金繰りは厳しいです。そのため、支払時期の調整や、資金調達などが必要となります。

支払条件を決定する際は、このようなケースも想定するよう、注意しましょう。

なお、経営を安定させるには、支払条件の見直し以外に、利益率を上げる選択肢もあります。利益率の改善方法について知りたい方は、以下のページも合わせてご覧ください。

関連記事:【具体例あり】限界利益率が高い・低い、3つのパターンを紹介!簡単な計算方法と3つの改善方法を初心者にもわかりやすく解説!

【支払条件の決定時の注意点2】手形サイト(振出日~支払期日)

代金を回収する側(受注者)の場合は、手形サイトに注意しましょう。手形サイトとは、手形の振出日(発行日)から支払期日までの期間のことを言います。

一般的に、手形サイトは下記の日数となることが多いです。

<手形サイト(振出日~支払期日)の具体例>

  • 30日
  • 60日
  • 90日
  • 120日

たとえば、支払条件が「月末締め翌月末120日手形払い」だとします。その場合、今月末締めの代金は、翌月末に手形が振出(発行)されます。その振出日の120日後に現金化できるのです。

日付を入れると、下記のようになります。

<手形払いの場合の支払い例>
支払条件月末締め翌月末120日手形払い
取引日3月中
締日月末締め=3月末
手形の振出日(発行日)翌月末=4月末
手形の支払期日振出日から120日後(約4ヶ月後)=8月末
取引~現金化の期間5~6ヶ月(3月中~8月末)

上記の場合、取引から現金回収までに5~6ヶ月かかります。

当然、資金繰りにも影響しますので、それを考慮した上で手形払いの支払期日を決めましょう。

支払条件により資金繰りが悪くなった場合の対処法


支払条件により資金繰りが悪くなった場合の対処法には、ファクタリングがあります。ファクタリングとは、売掛金(債権)を業者に売却することです。取引先からの売掛金回収は、そのファクタリング業者が行います。

メリットは、以下の4つです。

<ファクタリングの4つのメリット>

  1. 短期間での資金調達が可能
  2. 担保・保証人が不要
  3. 金利が無い
  4. 売掛金回収の手間がかからない

ファクタリングは、業者へ売った時点で確実に現金化できる点が、特徴ですね。取引先から売掛金を回収するより早いため、キャッシュフローに余裕ができます。また、融資とは違い、保証人等が不要で、金利もかかりません。

なお、ファクタリングについては、以下のページで詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

関連記事:【3分でわかる】ファクタリングとは?売掛金を買い取ってもらう5つのメリットや注意点を徹底解説
関連記事:ファクタリングの仕組みをわかりやすく解説!全4種類のメリット、デメリット総まとめ
関連記事:【知っておきたい】ファクタリングの注意点とは?おすすめのファクタリング業者7社+α

 

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