割引手形とは?3つのメリット・デメリットや手形割引との違いなどを詳しく解説!
公開日:2019.6.17 | 最終更新日:2025.2.14
日本で多く使われている支払い方法であり、企業同士の信頼関係のもとに成り立っている約束手形。
その約束手形に対して「割引手形」や「手形を割る」という言葉をよく聞きますよね。
ところが手形の意味はわかっても、割引の意味を知らないという方は多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、割引手形の詳しい意味やメリット・デメリットについて徹底的に解説します。
この記事を読めば割引手形について全てわかるようになるので、言葉の意味を知りたいという方はぜひご覧ください。
割引手形とは。30秒でサクッと概要説明

割引手形は、受け取った約束手形を期日前に現金化することを指します。
通常であれば約束手形が現金化されるには数ヶ月を要しますが、割引手形では期日より先にお金をもらえるため、急に資金が必要になったときに役立つサービスです。
例えば『100万円・90日後に入金』という約束手形を持っているA社があるとします。約束手形の契約によって、相手企業が倒産せずに90日経過すれば100万円を受け取れます。
ところがA社は60日後にB社へ80万円を支払わなければならず、約束手形をそのまま待っている状態だと間に合いません。
そこでA社は約束手形を銀行に持ち込み、手数料を割り引いた形で現金化を行いました。
これで手数料で受け取れる金額が減ってしまうものの、B社への入金に間に合うため、今後も問題なく取引を続けられますよね。
このように、手数料を支払い、約束手形の期日よりも前に現金を受け取る方法が割引手形です。
割引手形と手形割引の違いって?ややこしい言葉の意味を解説

手形と一口に言っても、様々な種類が存在します。
今回紹介している割引手形も、企業によってはそのまま「割引手形」と言うこともあれば、「手形割引」と言うことも多いです。
では、この2つにどのような違いがあるのでしょうか?
結論から言うと、割引手形も手形割引も、言葉の意味は基本的に同じです。
ただし、使用する場所によって使い方が変わります。
一般的に、手形を割り引いてもらうときの呼び方は『手形割引』です。
割引手形という言葉は、債務の1つとして決算書などへの計上時に利用します。
利用場所が使うだけで、意味に違いはありません。
銀行で実際に手形を割るときに使う言葉は「手形割引」、計上するときは「割引手形」と言うと覚えておきましょう。
割引手形を現金化するなら、銀行と民間業者のどっちがいい?

割引手形を現金化するには2種類の方法があります。
- 銀行に依頼する
- 民間の手形割引業者に依頼する
では、どちらに依頼したほうがよいのか、それぞれの特徴について説明します。
銀行で割引手形を行うと、手数料が安く済むが、審査が厳しい
銀行で割引手形を行うと、手数料は安く済みますが、審査が厳しいです。
| 割引人 | 手形割引率(年率) |
|---|---|
| 都市銀行(メガバンク等) | 1.5~3.0% |
| 普通銀行 | 2.0~3.5% |
| 信用金庫 | 2.5~4.5% |
| 信用組合 | 3.5~5.5% |
手数料は年率のため、計算方法は、手形額面金額 × 手形割引率 × (支払期日までの日数÷365日)となります。
例えば300万円を支払期日より60日早く、年利3%で借りた場合の手数料は、約15,000円です。
かなり安く済ませることができますが、その分審査は厳しくなっています。
銀行の場合、割引手形の申込人に対して重点的に審査を行うため、仮に申込人の信用力が低い場合は、割引を受けられません。
なぜ申込人の審査が厳しいかというと、不渡り時の買戻し(返済)能力があるかどうかをチェックしているからです。
手形が仮に不渡りになり、振出人からお金が入金されないとなると、申込人がそのお金を支払うことになります。
銀行はリスクを避けるので、その返済ができない企業を審査に通さないのです。
また審査に時間がかかるため、入金までに1週間近くかかることも考えられます。
厳しい審査を通り抜けられる信用力がある業者なら、銀行を使うと安い手数料で抑えられるでしょう。
民間業者で割引手形を行うと、審査は早いが手数料が高い。
民間業者で割引手形を行うと、審査は早い分手数料が高く設定されています。
民間業者の場合は銀行と違って、申込人に対する審査は行われず、振出人に対する審査を重点的に行います。
振出人は基本的に大企業が多いので、問題なく通ることが多いです。
そのため審査の終了が早く、最短で即日に入金をしてもらえます。
ただし買戻しのリスクを無視して審査をしてくれている分、銀行よりも手数料は高いです。
利率は金額によって変わりますが、最大で20%としている業者も存在します。
銀行の審査が通らなくても民間業者なら通ることもあるので、信用力が低い企業は民間業者を利用しましょう。
なお、割引手形の他に資金調達を行いたい場合は、投資家とのマッチングサービスであるFounderへの登録をオススメします。
割引手形を利用する3つのメリットを徹底解説

割引手形は、支払期日より早く現金を得たいときに使われる制度です。
では実際にどのようなメリットがあるのか、こちらでは割引手形のメリットについて3つ紹介します。
【割引手形のメリットその1】早期の資金調達が可能
割引手形を利用する上で最も大きなメリットは、早期の資金調達が可能な点です。
手形の支払いには期日が設けられ、場合によっては90日後や120日後など、数ヶ月の期間を要するものがあります。
また一般的ではありませんが、7ヶ月、10ヶ月、1年先という手形も存在します。
手形を受け取った側からすると、お金の受け取りは数ヶ月後でも、商品にかかる人件費や外注費などは毎月支払わなくてはなりません。
すると経営上では利益が出ている状態でも、売掛金が入金されず資金繰りが怪しくなるというケースが出てきます。
そこで割引手形で、早めに資金を得るという手法が用いられるのです。
もちろん手数料がかかってしまいますが、黒字倒産や未払いによる仕入先との関係性悪化が防げます。
早期の資金調達ができる割引手形という制度は、資金力の弱い企業にとって大きなメリットと言えるでしょう。
【割引手形のメリットその2】割引手数料が安めに設定されている。
割引手形の割引手数料は、かなり安めに設定されています。
都市銀行なら1.5~3.0%、信用組合であっても5.5%ほどです。
基本的に手形は大企業が降り出すことが多いため信用力が高く、安い利率で割引を受けられます。
また銀行の他にも、民間で手形割引を行っている業者が存在しますが、そちらでも2.5%~20%で割引が可能です。
(利率は利息制限法に基づいて設定されているので、100万円以上は15%、10万円以上100万円未満は18%、10万円未満は20%)
民間の割引業者は手数料にバラツキがありますが、その分早いスピードで融資をしてくれたり、さらに審査が甘かったりとメリットも存在します。
安い手数料で、多くのお金を受け取れるという点は、大きなメリットの1つです。
【割引手形のメリットその3】法律で定められた業者が取り扱っているので、安心して取引ができる
割引手形は、原則として法律で定められた業者が取り扱っています。
なぜなら割引手形は「融資」という扱いになるため、営業するには貸金業法や銀行法に基づいた認可が必要だからです。
よって銀行ではない民間企業であっても、安心して取引ができます。
安心できる企業で、決められた利率内で取引ができるという点は大きなメリットです。
割引手形を利用するデメリット3つとは

割引手形は資金繰りに厳しい企業にとってはメリットの大きい制度ですが、少なからずデメリットも存在します。
そこでこちらでは、割引手形のデメリットについて3つ紹介します。
デメリットもしっかりと把握したうえで、利用を検討しましょう。
【割引手形のデメリットその1】割引手数料がかかる
当然ではありますが、割引手形の利用には手数料がかかります。
利率は数%なのでそこまで高くはありませんが、本来支払う必要のないお金には変わりありません。
企業としても、顧客に販売する際にはギリギリまで安い値段で取引を行っているものと思われます。
そこからさらに数%の手数料が引かれるのは、かなり厳しいでしょう。
割引手形に頼りすぎるのではなく、手形の支払でも問題ないようなキャッシュフローを計算する必要があります。
【割引手形のデメリットその2】不渡り時に買戻しの義務がある。
割引手形を行ったあと、手形に不渡りが発生した場合は、買戻しの義務が生じます。
買戻しとは、手形を譲渡した企業に対して、不渡り時の損害を請求することです。
割引手形はあくまでも約束手形を担保にした融資なので、売買とは違い返済の義務は残ります。
そのため約束手形がちゃんと効果を発揮するまでは、返済のリスクがあると考えておいた方がよいでしょう。
【割引手形のデメリットその3】銀行では、即日の現金化に対応できない
銀行で割引手形を利用する場合、即日の現金化には対応できません。
割引手形を受ける際には厳しい審査が必要になるため、最低でも1週間近くはかかると考えておいた方がよいでしょう。
その分低金利で借りられる点がメリットではありますが、どれくらい時間がかかるかがハッキリしないため、急を要する際には困るかもしれません。
また対応時間が9時~15時までと短いのも難点です。
急ぎだからこそ手形の割引を依頼しているのに、審査に時間がかかるというのは大きなデメリットと言えます。
なお、審査とは別の方法で資金調達を行いたい方は、Founderのマッチングサービスで投資家との話し合いを行ってみてください。
割引手形を現金化する4つのステップ【銀行編】

割引手形を銀行で現金化するまでの流れについて紹介します。
- 銀行へ手形・書類の持ち込み
- 申込人の審査
- 約束手形の審査
- 現金の入金
それぞれ詳しく確認していきましょう。
【割引手形の現金化その1】銀行へ手形・書類の持ち込み
まず現金化を希望する銀行へ、割引手形と書類の持ち込みを行います。
必要な書類は銀行によって異なりますが、代表的なのは以下の6点です。
- 割引したい手形
- 預金通帳
- 登記簿謄本、不動産登記簿の原本など、会社に関する書類
- 本人確認書類(住民票、運転免許証、パスポート)
- 法人と代表者の印鑑証明書
- 3期分の決算書、納税証明申告書、代表者の源泉徴収書
他にも状況によっては不動産担保や保証人などの証明書を要求されます。
【割引手形の現金化その2】申込人の審査
割引手形を持ち込んだ申込人に対する審査が行われます。
仮に手形が不渡りとなった際に、買戻しの能力があるかどうかを見極めるためです。
通常の融資と同じく、会社の業績・資産状況などをメインにチェックされます。
ここであまりにも与信状況が悪いと、不動産担保などを要求されるかもしれません。
割引手形はあくまでも「申し込んだ人に対する融資」という形なので、かなり厳しいチェックが入ります。
万が一不渡りになったときに、ちゃんと返済できる力があるのかどうかが重要なポイントです。
【割引手形の現金化その3】約束手形の審査
次に、約束手形を振り出した企業に対する審査が行われます。
支払期日までにしっかりと決済できるかどうかが重要なポイントです。
信用調査会社や、手形を振り出している金融機関の情報をもとに決定されます。
銀行の場合は手形の振出人よりも、申込人のほうを厳しく審査されるため、手形の情報はそこまで重要視されません。
【割引手形の現金化その4】審査後、現金の入金
申込人・振出人の審査に通った場合のみ、現金が入金されます。
初めて手形割引を行う際には、1週間ほどかかると考えておきましょう。
ちなみに「極度枠」を設定しておくと、審査や入金までの期間を短くできます。
極度枠とはカードローンで言う限度額みたいなもので、極度枠の範囲内の手形であれば審査なく割引が可能です。
何度も割引手形を利用する予定の企業は、極度枠を作っておくと少ない手間で済むようになります。
割引手形を現金化する4つのステップ【民間業者編】
こちらでは、民間業者で割引手形を行う際の流れについて紹介します。
- 割引手形の申し込み
- 手形の審査
- 契約書の作成
- 入金
【割引手形の現金化その1】割引手形の申し込み
まずは割引手形の申し込みです。
民間業者では様々な申し込み方法を採用しています。
- 店舗への来店
- 電話
- FAX
- メール
- インターネット申し込み
等がメインです。
来店だと、現金化にかかる時間を短縮できます。
来店する時間が無いという方は電話やインターネットを利用しましょう。
【割引手形の現金化その2】手形の審査
申し込まれた情報に対して審査が行われます。
基本的に審査スピードは速く、数十分~1時間程度で結果が届きます。
【割引手形の現金化その3】契約書の作成
審査内容・手数料に問題が無ければ、契約書の作成を行います。
契約に必要な書類は、以下の4点です。
- 割引したい手形
- 登記簿謄本
- 本人確認書類(住民票、運転免許証、パスポート)
- 会社の実印
決算書や資産を証明する書類は特に必要ありません。
店舗に来店している場合は即日、郵送の場合は数日で契約が完了します。
【割引手形の現金化その4】入金
契約内容に問題が無ければ、入金処理が行われます。
審査が滞りなく進めば、最短で当日に入金してもらうことも可能です。
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