枠がなければ創ればいい。ライブコマースで生産者のこだわりを届ける東大生起業家のストーリー 株式会社meglee 代表取締役 伊藤真莉様
公開日:2019/8/23 | 最終更新日:2019/8/23
株式会社meglee代表取締役 伊藤真莉様へ起業にストーリーをうかがいました。
現役東大生、人気ライバー、フレキャン・ミス東大への出場など、「好きなことをして生きていく」と決意して、自分の気持ちに素直に行動してきた伊藤様へ、全国の生産者と消費者をつなぐ「食卓」メディアサービス「meglee(メグリー)」で起業をした経緯や、行動力の裏にある思考についてお話しいただいています。
「好きなことをして生きていく」と決めて過ごした大学生活はどうでしたか?
流れでここまで来た感じですが、大学1年の時に「ライブ配信」と出会った事が大きな転機となりました。
新入生対象のミスコンFRESH CAMPUS CONTEST(通称:フレキャン)の審査の一環で始めた「ライブ配信サービスSHOWROOM」でのライブ配信がわたしの人生を変えていきました。
ライブ配信のリスナーさんって本当にすごいんです。ミスコンには出場しているけど、普通の女子大生のわたしに時間を割いて配信を見にきてくれたり、応援をしてくれたりする人と出会えるんです。
イベントに勝ったり、賞を取ったりすることが面白くて、2年生のときは生活の中心がライブ配信でしたね。それがきっかけで、テレビやファッションショーにも出演させていただきました。今でもライブ配信は毎日行っています。
伊藤さんにとってライブ配信のいいところとは?
効果の面で言うと、「コアなファンがついてくれる」ことです。
コアなファンの方は本当にありがたい存在で、毎日配信を見に来てくれます。時には「仕事大丈夫かな?」と感じるくらい(笑)。家族や友人と話しているより、ファンと話している時間のほうが圧倒的に長いくらいです。
すごく熱量が高くて、「夢を叶えるために助けてあげよう」と手を差し伸べてくれたり、共感をくれたりするので、「ただ認知されている」よりも強いんです。
Twitterには「いいね」がつきますが、どんな気持ちで押したのかはわかりません。ライブ配信では反応がリアルタイムで直接わかるので、関係性が深まるスピードも速い。そして、参加者は不特定多数なので、普段は触れる事ができない新しい視点をもらえたりします。リスナーさんと話すことで、「私はこういう風に考えていたんだな」と考えがまとまることもありますね。
Twitterのフォロワーが数万人いるより、コアなファンが数十人いてくれる方が、何をするにもいいと思っています。
起業を意識したきっかけは何でしょうか。
はじめて起業を意識したのは、「ライブ配信の事務所をつくりたいな。」と思ったことでした。
ライブ配信ばかりで大学にまともに行っていなかったわたしも、3年になって就活の時期を迎えます。
「配信しか能がないし、なにより好きだから、それに関わる仕事がしたい…」
と漠然と思っていましたが、ロールモデルもないし、同級生は一般企業へ就職する。
「わたしはそんな事をしていいのだろうか…」
と不安を抱いていました。
その気持ちを、OB訪問をした大手広告代理店で働いている社員の方へ話をしてみたら、予想もしない答えが返って来たんです。
「やりたいことがあるなら、それで突き抜けたほうがいい。」
大企業で働いている人もこんなこと言うんだ…。ビックリしがならも、吹っ切れたというか、「自分の選択を信じて好きなことをして生きていこう」と決意を固めました。
そこから「ライブ配信を仕事にしたい。」を模索しはじめて、日本のライブ配信の先駆け的存在「ゆうこす」さんのことを知ります。ライブ配信者目線の温かいライバー事務所を作りたかったので、ゆうこすさんと一緒にやればいいじゃんという発想に至って、知り合いとかではなかったけど、まずDMをしてみました。
思いついて、即行動…ですね。
わたし結構図々しいので(笑)それが結構役立っていると思います。
最初は返事はこなかったのですが、人づてでもアプローチをして、ゆうこすさんの会社(KOS)内で、ライバー事業部を立ち上げる事になりました。ライブ配信者を募集してオーディションして採ってアドバイスしたり…を1年間程行い、途中からTavisionも始まったので、仕事量的にはかなりハードで毎日が目まぐるしかったですね。
KOSでの経験は起業への刺激となったのでしょうか。
社会人の基礎を学んだ貴重な時間だったし、大変だったけど面白かったです。
Tavisionは、ゆうこすさんを含む運営4名が「旅行が好き」というシンプルな理由で始まりましたが、コンテンツ企画や、定性的にタレントを見た上でアサインしたり、PR案件の窓口となってBtoBを経験したり。自分の仕事が直接結果にでることがとても楽しかった。
いろいろな経験を積むうちに、「この方がいい」「こうすれば数値を上げる事ができる」など、事業を進めるための思考力も磨かれていったと思っています。
実際に起業をしようと思ったきっかけは、「旅行予約が簡単に楽しくできる、エンタメ系のサービスを作りたい」と思った事。ある大手企業の新規事業で、旅行予約サイトを一緒に考える機会があったのですが、企画は通らなかったものの、これに参加したことが自分の方向性を知ったきっかけになりました。
旅行サービスで起業をする予定だったんですね。
はい。ただ、マネタイズの壁にすぐぶつかって、1回ピボットしました。
そこで思ったのが、「マネタイズするにはモノを売ればいい」という超単純な発想。
そして、モノを売るならストーリーテリングができるライブコマースで、編集がきかずリアルがそのまま伝わるライブ配信と相性が良いのは、まだ多くの人に知られていない、質が高くストーリーの深い「日本のモノづくり」だなと。
旅行も好きだし、都会育ちで地方のモノに惹かれることが多いという要素もあって、今のmegleeの事業モデルへたどり着きました。
そんなmegleeの紹介をお聞かせください。
株式会社megleeのミッションは、「想いが巡る経済圏を創る」こと。日本全国のこだわってつくられた商品を、インスタグラムでのライブ配信を通してECサイトで販売する「食卓」メディアサービス「meglee(メグリー)」の運営を行っています。
生産者のこだわりや努力のストーリーを前面に打ち出したPRが特徴で、商品がいいこと以上に「作っている人が好き」「作っている人の暮らしを応援したい」というモチベーションで商品が買われてほしいと思っています。
買った側も好きな人から買ったほうがおいしく食べられたり、感謝をダイレクトに伝えられたりします。そんな、お互いの嬉しい気持ちが循環する経済圏を創ることを目指しています。meglee―Instagram
megleeはInstagramアカウントでのライブ配信がいちばんコアなツールです。
生産者と一緒に行うライブ配信で、商品説明やこだわりをお届けしています。配信の他に、ハイライトからも商品のストーリーや、現地の様子を動画と画像で楽しんでいただけるようになっています。ご紹介している商品は、InstagramのリンクからmegleeのECサイトで購入が可能です。「食卓」メディアサービスーmeglee
行動力のある伊藤様が、新しく何かを始める際に大切だと思っている事はありますか。
「直感」ですかね。
「好きなことをしたいけど、好きなことが解らない」は同世代のあるあるです。そういう人は、好きなことはあるけど、「職業の枠」に当てはめて考えすぎではないでしょうか。
例えば、ゲームがすごく好きでも、「ゲームは仕事ではなく娯楽だ」と、仕事ではない前提で考えてしまいます。「自分はゲームが好きだ」という事実を大事に捉えた方がいいし、やってみたい直感を大事にすれば、それが仕事になることもありえます。
SHOWROOMでも、「東大女子いとまりとゆかいな仲間たち♡」というタイトルで配信をしているので、「将来は官僚?弁護士?お医者さん?」とコメントでよく聞かれるんですが、その方の頭の中で「東大生はそういう枠」として考えられていて、それを押し付けられることにすごく疑問を感じていました。「仕事はそれだけじゃないよね?」と。実際に配信を頑張ってお金を貰ってきたわけです。
枠で括れない仕事はいくらでもあるし、ないなら自分で創ればいいんですよね。
行動する上で悩んだりした時はどうしていますか?
基本的に悩むのは時間の無駄なので、さっさと切り替えるようにしています。悩んでいる瞬間って何も進んでいなくて、そんな自分に自己嫌悪しちゃうので。
たまに落ち込んで何もしたくないときもありますが、一旦「自分ダメだぁ~」とひとしきり落ち込んだら、それを糧にまたがんばります。うまくいかない時もウダウダせず、日々、やるべきことをやるだけで、悪い方向にいかないよう第3者的視点を持って冷静に努めています。
何事もやってみないと解らないので、悩んでいる自分に気付いたら、「あ…決めよ」と、気持ちを切り替えていますね。
今後の展開をお聞かせください
ライブ配信でのイベントの他に、リアルの場を作りたいです。
ゆくゆくはギャラリーみたいな実店舗も持ちたいと考えています。まずは秋にポップアップショップを実施予定なので、各方面と調整を進めています。
長期的な観点だと、私たちが生産現地に行って一緒に配信する形ではなく、生産者が自由にライブ配信を活用したり、ブランドのPRを行える体制を構築して、モノとそれに付随するストーリーが活発に行きかうプラットフォームを築き上げたいと思っています。
最後に、起業を志す方へメッセージをお願いします。
起業のよいところは、常に新しいチャレンジをしていられることです。
わたしは、ずっと同じ環境にいると自分がしぼんでいくと感じてしまいます。同じことの繰り返しだけでは新しいものも生み出せないし、成長もない。起業をして常に新しいことを考え続けて、新たな思考が生まれる瞬間ってとても貴重だし、大切なんですよね。
まず、何かを「始めよう」という段階ですごいことなんです。
「あきらめなければ何かしらにはなる」と多くの先輩起業家が言っていますし、わたしもそう思います。多少うまくいかなくても必要以上に落ち込まないでほしいです。うまくいかない時期は絶対に一時的なもの。自分の意思で始めた事は、簡単にあきらめずに続けてみてほしいです。
■株式会社meglee
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