幅広い世代が「家計簿アプリZaim」を通して、お金を使うことを楽しめる世の中に変えていきたい 株式会社 Zaim 代表取締役 閑歳 孝子様
公開日:2018/10/1 | 最終更新日:2019/8/15
女性起業家にお話を伺い、これから起業する女性にとってのヒントを探る本企画。
スマートフォンやPCなどで簡単に家計管理ができる、日本最大級のオンライン家計簿サービス「Zaim(ザイム)」。サービスを開発した株式会社 Zaim代表取締役の閑歳 孝子様は、出版社の記者、Web系企業を経てベンチャー企業に転職、エンジニアとして働く傍らオンライン家計簿サービスZaimを立ち上げたというユニークな経歴をお持ちの方です。
記者からプログラマーにキャリアチェンジするまでの経緯と、起業にかけた想いについてお聞きしました。
―Zaim(ザイム)を立ち上げるまでの経緯についてお聞かせください
もともと大学時代からプログラミングに憧れがあり、仲間内でインターネットサービスを作った経験もあります。そのときの楽しさは今でも忘れられません。
ですが、卒業後すぐにエンジニアになろうとは思いませんでした。仲間の1人に非常にレベルの高いコードを書く天才プログラマーがいて、「私が彼と同じ道を選んでも厳しいな」と考えたからです。日経BPに新卒入社し、3年半ほど携帯電話や電話回線に関する記事を取材・執筆していました。
その後、「やっぱりインターネット関連の開発に携わりたい」と強く思い直す出来事が起こりました。「Orkut」というSNSの原型のようなサービスの登場です。2004年ころからブラジルを中心に広まったのですが、その様子を見て「凄いものができた」「これは流行る」と仲間内で騒ぎになりました。でも出版業界にいる自分は何も関われない。もどかしさを感じていました。
そんな折、大学時代の別の仲間から「新しいビジネスをやりたいから来てほしい」と熱心に連絡が来て、結果その誘いに応じ、出版社からWeb系ベンチャー企業へITディレクターとして転職し、その後、(株)ユーザーローカルにエンジニアとして移りました。
―大手企業からベンチャー起業へと転職することに不安はありませんでしたか?
緊張感はありました。大手勤めという社会的信用を失いますから。
また日経BPはとても良い職場環境だったので、転職するという人自体が珍しく、周囲からはかなり驚かれました。
記者の仕事自体はとても楽しかったのですが、自分が10年後も同じく記者をやっているるかというと、あまりピンと来ませんでした。当時25歳だった事もあり、「まだなんとかなる」「今を逃したらインターネットに関する仕事はできなくなる」と考え、思い切って転職に踏み切りました。
―プログラミングはどのように習得したのでしょうか?
最初の転職先には同世代のエンジニアがたくさんいて、彼らの仕事の一部を肩代わりする代わりにプログラミングを教えてもらいました。この時期に教えてくれる仲間を得られたことは大きかったです。未経験のスキルでも一度ハードルを乗り越えれば、後は1人でも学んでいけます。本格的に勉強を始め、分からないところはインターネットで調べつつ、習得していきました。
―その後、どのようにしてZaimを開発し、起業したのでしょうか?
Zaimの初期バージョンを作り上げたのは、ユーザーローカルに勤務している間です。
就業後や土日など自分のプライベートな時間を割き、4、5ヶ月かけてコツコツ開発を進めていきました。
ですが、開発した時点では、会社を辞めるつもりも、社長になりたい気持ちも全然ありませんでした。真剣に起業を考え始めたのは、サービスが軌道に乗りアプリが数十万ダウンロードされた段階でのことです。
これほど多くのユーザー様の個人情報をお預かりするのは個人では限界があり、ユーザー様にも不安を与えかねない状態でした。そこで会社を立ち上げ、情報管理体制をしっかり整備し、組織だった運営を行おうと決めました。
―「家計簿」に注目した理由とは何でしょうか?
もともと誰にとっても共通のテーマでサービスを作り、SNSのように老若男女に使ってもらいたい、という想いが原点にありました。なかでも「お金」というテーマは特に重要性が高く、開発する価値があると考えました。
お金は使い方次第で人生が変わります。だからこそ、多くの人にとってお金の話はネガティブなものになりがちです。女性誌などで、20代~40代の女性の一番の悩みが「老後の資金が足りるか」と紹介されているのを見れば分かる通りです。
でも、遠い未来のために「なんとなく」で貯金や投資をしていると、かえって近い未来が楽しめなくなるかもしれません。ですがお金の流れをしっかり可視化して把握すれば、「今月は少し余裕があるから趣味にお金を回せるぞ」という具合に、自分の楽しみのためにお金を費やせるようになるはず。家計簿アプリを通じて、そうした世の中を作っていきたいと考えたのです。
―Zaim(ザイム)のサービス内容についてご説明ください
誰にとっても使いやすく、長く記帳してもらえることを目指したオンライン家計簿アプリです。
レシートをスマートフォンで撮ると、買ったものや金額、店の名前を自動で家計簿に登録します。また1,500ほどの金融機関と連携し、口座情報を取得、残高を確認できます。出費の分析機能もあり、家計を見直す材料としても役立ちます。
家計管理のほか、小遣い帳や資産管理ツールとしても使えます。老若男女それぞれのニーズに応じて必要な機能だけを選び、使えるのが強みです。スタンプ機能や、写真つきの購入履歴を遡れるなど便利な機能もあり、ユーザー様から好評をいただいています。
自治体ごとの給付金などを集めてお知らせする機能もあります。
―ユーザーからのフィードバックを大切にされていると伺いました
ユーザー様からいただくご意見は、全社員で確認し、対応を検討しています。
なかには「夫婦で使っている」など、弊社が想定していなかった使い方をする方もいらっしゃり、驚くこともあります。紙でない家計簿にはそういう利点もあると感じ、自分用と家族用を分けて管理する機能などを追加しました。
―御社の将来の展望をお聞かせください
家計簿サービスなので当然ですが、現在のZaimの機能は、購入データの分析など「過去」を向いたものが中心です。この部分はだいぶできてきたと思うので、今後はむしろお金の管理をベース情報として次のアクションを考えるという、「未来」に関わる機能を強化したいと考えています。
単なる家計簿サービスという枠を超え出ていくことになると思います。結婚や転職など人生の大きな選択をするときにも役立てられる、そうしたサービスにしていくつもりです。
―閑歳様と同じく、エンジニアとして起業を考えている女性にアドバイスをお願いします
個人の経験談ですが、これまでのキャリアで「女性だから不利」ということはあまりなかったと思います。
エンジニアの評価基準は「何を作ってきたか」という点だけ。今はプログラミング学習の環境が整っているので、初心者でも制作が取り組みやすいと思います。語弊があるかもしれませんが、スキル不足でも情熱さえあればプロトタイプくらいは作れるはず。まずはひとつ、確実にアウトプットを世に出すことを意識してください。
―最後に、女性起業家の方へのメッセージをお願いします
「やらなきゃいけないこと」と「やりたいこと」はセットで考える必要があります。
たとえばお子さんがいらっしゃると、起業は金銭的にも時間的にもリスクですので、なかなか一歩を踏み出せない、ということはあるかと思います。
ですが「起業したい」というほどの熱意を持つのは、人生の中ではそんなにないことです。寝ても覚めても自分だけの事業アイデアを考えてしまうのであれば、その気持ちは大事にした方がいいのではないでしょうか。
■株式会社 Zaim 企業・事業紹介
Zaimは創業当時より「もっと、お金に、楽しさを!」をキャッチコピーに、日常の家計管理を手軽に、飽きずに続けられるオンライン家計簿サービスを提供しています。
スマートフォンアプリはもちろんのこと Web からも利用可能。さまざまなデバイス環境で家計簿を簡単に記録できます。一般ユーザー向けのオンライン家計簿Zaimのご提供、有料サービスや広告販売といったメイン事業のほか、企業を対象にAPIや統計データを提供する事業も行っています。
株式会社 Zaim (Zaim Inc.)
住所 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町 9−5 フジタインゼックスビル 5 階
ホームページ オンライン家計簿の新定番 ー Zaim(ザイム)
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