おひるねアートを通じて世界中のママと赤ちゃんに笑顔を届けたい|日本おひるねアート協会 代表理事 青木水理様【女性起業家インタビュー】

公開日:2018/7/21  |  最終更新日:2018/8/11


女性起業家にお話を伺い、これから起業する女性にとってのヒントを探る本企画。

小物などを使って床に背景を作り、その上に赤ちゃんを寝かせて撮影するアート写真、「おひるねアート」。このおひるねアートが日本で広まるきっかけを作ったのが、現在日本おひるねアート協会の代表理事を務める青木水理様です。「おひるねアートを通して自分の子どもに対する“好き”が膨れ上がって、みるみるのめりこんだ」と話す青木様。おひるねアートを事業化するまでの経緯や、立ち上げ前後で苦労された点、周囲との信頼関係の築き方などを伺いました。

─はじめに、青木様がおひるねアートに出会ったきっかけを教えてください。

思い出を残すことが好きで、おひるねアートに出会う前からマタニティフォトを撮影してもらったり、長女が産まれてからは自分で写真を撮ったりしていました。ある時「面白い写真を撮れたらいいな」とネットでいろいろ検索したときに見つけた海外の本を通して、おひるねアートの存在を知りました。その後息子が産まれて、初めてチャレンジしたのが2012年。ちょうどロンドンオリンピックがあったときで、オリンピックの水泳競技をイメージした写真が最初の作品になりました。

*青木様 初めてのおひるねアート作品

─青木様は、おひるねアートのどんなところに魅力を感じたのでしょうか?

おひるねアートは、とにかく撮影中も、できあがった写真をながめているときも、自分の子どもに対する「かわいい!」という思いが膨れ上がります。長女も撮影を手伝ってくれるので、子どもたちと濃い時間を過ごしながら思い出を作れるということにも喜びを感じました。おひるねアートは「かわいい写真を撮ること」が目的だと思われがちですが、実は親子で一緒に過ごせる時間や、ママが子どもに対して改めて「かわいい!」と感じられることも大きな魅力なんですよ

─そこから、おひるねアート協会を設立するまでの経緯をお聞かせください。

おひるねアートに夢中になってからは、毎日かならず1作品をブログにアップするようになっていました。すると、続けるうちに反響も大きくなって、作品を書籍化させていただいたほか、企業さんからテレビCMなどのお仕事をいただくように。撮影会の依頼も増えて、「こんなに需要があるんだ」と驚いたと同時に、だんだんと私個人ではお仕事を受けきれない状況になりまして。それで2013年に協会化することになったんです。

─協会設立はどのように行ったのでしょうか?

日本おひるねアート協会

協会は、ビジネスパートナーとの共同出資という形で立ち上げました。私は以前「ベビーサイン」という、ジェスチャーで赤ちゃんとコミュニケーションを行う育児法の講師をしていたことがあり、ベビーサイン協会の事務局長だった人に「協会化してみないか」と声をかけてもらい、一緒に協会を立ち上げました。当初はマーケティングの知識などもなかったので、最初の1年ほどはセミナーなどに通い、とにかく勉強の毎日。今でも、「マネジメントゲーム」という、会社経営をゲームでシミュレーションする研修にはよく参加していて、勉強を続けています。

─設立後、苦労されたことはありましたか?

当初は「しっかりしなきゃ」と気負いすぎるあまり、講師との温度差に悩まされたこともありました。設立したばかりのころはまだ20代で、1期生の講師など周りの人はみんな年上。だからこそ、年上のみなさんを引っ張らなければと背伸びをしてしまい、本来の自分としての軸を見失いかけていた時期があったんです。取り繕っているのがきっとばれていたんでしょうね。結果的に周りを不安にさせてしまって「どこに向かっているのかわからない」と言われたり、講師のみなさんが辞めたがっているという声を聞いたりして本当に落ち込みました。ですが、あるとき1期生の講師に「もっと講師を信じて頼ってほしい」と言われてからは、弱みを見せることを怖がらず、一緒に成長していくような関係性を築けるようになりました

今、設立当初の自分に声をかけるとしたら、「あんまり背負い込みすぎなくてもいいんだよ」と言いたいです(笑)。

─良きビジネスパートナーに出会えたり、信頼できる講師のみなさんがいたり……青木様のように周りの人と良い関係を築くにはどうすればよいでしょうか?

私自身、本当に人に恵まれているなという自覚があるのですが……それは、運もあるかもしれません(笑)。ただ、日常の小さなことにも「ラッキー」と喜べるような気持ちで過ごせると、きっとささいなチャンスも逃さず、良いご縁を引き寄せられるのではないでしょうか。

後、10年程前から以下の「あいうえお」を大事にしています。

あ … 愛

い … 命

う … 運

え … 縁

お … 恩

愛を持って自分の使命を全うし、巡ってくる運に感謝し、ご縁を大事にし、恩を繋いでいくことを意識して毎日を過ごしています。

あとは、いつも笑っていること。弱みを見せることを恐れずに心を開くことは大切だと思います。今私の周りにいるのは、本当の私を理解したうえで一緒に活動してくれる人たちです。だからこそ、信頼関係が築けているのだと思っています。

─今後、おひるねアートをどのように展開していきたいかお聞かせください。

おひるねアートを通じて育児が楽しくなるヒントを提案するほか、赤ちゃんがいても働ける環境づくりを目指していきたいと考えています。また将来的には、ARや360°カメラなど最新の撮影技術を駆使したアート作りや、学校教育への活用、海外展開なども視野に入れています。たとえば360°カメラを使い赤ちゃん目線の写真や動画を撮ることで、思い出をさらにいろいろな形で残せるようになると考えています。

「好き!楽しい!」という単純な思いから始めたおひるねアートですが、実際には様々な可能性を秘めたアートだったんだな、と感じています。子育ての大変さに余裕がなくなってしまったママから「改めて、純粋に子どもをかわいいと思えた」とか「外に出るきっかけになった」といった声をいただくことも多くて、思っていた以上にママたちに希望を与えられるんだと。一人ひとりのママがお子さんに対して抱く「かわいい」「産まれてきてくれてありがとう」という気持ちがさらに大きくなっていけば、世の中もっと良くなるはず。世界平和にだってつながると考えています。今後も、ママたちが子どもを「かわいい!」「好き!」と思えるチャンスを増やすことで、多くの人の励みになっていけたらうれしいです。

─最後に、起業を目指す女性に向けてメッセージをお願いします。

 よく「好きなことを仕事にすると楽しめなくなってしまうのでは」という話を聞きますが、私としては、本当に好きなことだったら仕事にしてもずっと楽しめると思うんです。そして、本当に好きなことを見つけるためには、自分の感覚に正直になることが大切だと思います。私の場合はこれまで、動物が好きで農業高校に通い、それから動物を“かわいくすること”が好きなんだと気づきトリマーの道へと進み、その後トリミング教室などを担当するうちに“人と接する仕事”が好きだと自覚して、子どもが生まれてからは“子どもと過ごす時間”が本当に楽しいと感じて……今となっては、これまでに見つけた“好き”がすべて合わさって、おひるねアートが仕事になっています。自分が見つけた小さな“好き”を大切に育てていくのが一番ではないでしょうか

とはいっても、起業して最初から黒字になることなんてほぼありませんし、「自分の生活が今より良くなるかも」と期待しての起業は正直あまりおすすめしません。たとえば、私のように主婦が起業する場合、どうしても子どもの行事に参加できないことや、家族と過ごす時間がなかなかとれない可能性だってあります。そのため、不安や迷いがあるうちは無理に起業する必要はないのではとも思っています。いろいろなリスクを把握して、覚悟を決めて、それでも自分が伝えたい思いがあったり、成し遂げたいことがあったりする場合に、起業という道を選択肢に入れるのがいいのではないでしょうか。自分の言葉と行動に責任を持って、ぜひ軸をぶらさずに進んでいってください。

一般社団法人 日本おひるねアート協会 企業・事業紹介

日本おひるねアート協会では「思い出写真作りのお手伝い」をコンセプトに、講師育成事業と講師派遣事業の2つを軸にした事業展開を行っています

講師育成事業では、4日間のプログラム受講者を対象に、おひるねアートの“認定講師”として資格を与える仕組みを整えています。認定講師はそれぞれ撮影会やおひるねアートの作り方教室を開くなど、個人事業主として活動中です。2018年6月時点での登録講師数は481名です。

講師派遣事業では、店舗での撮影体験イベントの開催や、制作物や雑誌に掲載するための作品づくりなど、依頼を受けた際に認定講師を派遣します。講師には小さな子どもを持つママが多いため、仕事のスタイルはもちろん、受注する仕事量も個人の裁量に委ねられて運営されています。

一般社団法人 日本おひるねアート協会

住所 【本部】〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3丁目12-3 ラヴェンナ人形町102号室

TEL 03-6231-0260

ホームページ   日本おひるねアート協会

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