海外で起業をする方法は?必要な準備や9つの手順を初心者向けに解説!
公開日:2018.5.23 | 最終更新日:2025.3.10

人件費の削減や節税効果などから、近年注目されている海外起業。海外起業にはリスクもありますが、その反面で日本では見られないメリットも数多くあります。
しかし、海外の法律・ルールは日本とは異なるので、「手続きが難しそう…」と敬遠する方は少なくありません。こういったイメージだけで、海外起業は自然と選択肢から除外されています。
そこで今回は海外起業をサポートしたことがある、現役15年の経営コンサルタントが海外起業の流れを徹底的にまとめました。必要な準備についても解説しているので、この記事を読めば海外起業に対する知識が100%深まります。
「海外で会社設立をしたい!」「海外起業で準備するものとかあるのかな?」とお考えの起業家・経営者の方は、ぜひ最後まで読んでみましょう。
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■海外起業で必要な4つの準備!
海外の国々は、日本とは法律やルール、環境が大きく異なります。そのため、事前にきちんと準備をしておかないと、事業をスムーズに進めることができません。
では、具体的にどのような準備が必要になるのかについて、以下のようにリスト化しました。それぞれ詳しく見ていきましょう。
【準備その1】3つの条件を満たすエリアを選ぶ
海外で起業をする場合は、最低でも以下で挙げる3つの条件を満たす必要があります。
| ・日本人でも会社を登記できる |
| ・ビジネスビザを取得できる、もしくは必要がない |
| ・現地で銀行口座を開設できる |
海外には、法律的に外国人では起業・経営ができないエリアも存在するので、その点に注意しなければなりません。また、同じ国内であっても、地域によって法律・ルールが変わることもあるので、この点は入念にチェックしておくべき項目です。
ほかの準備を進めてからこの問題に直面すると、それまで会社設立のためにかけてきたコスト・時間を大幅に無駄にしてしまうので、現地の法律・ルールはいち早く確認しておきましょう。上記の条件を満たす国をいくつかリスト化できると良いですね。
【準備その2】現地の情報収集をする
法律・ルール以外にも、海外起業では収集するべき情報があります。例えば、以下で挙げるような情報は収集が必須になるでしょう。
| ・市場の規模や状況 |
| ・国民性や需要 |
| ・労働者や設備など、事業の環境を整えられるかどうか |
| ・治安や犯罪率 |
| ・周辺へのアクセス |
| ・従業員の生活環境 |
特に市場や需要など、売上に直結する部分は慎重に分析をする必要があります。また、労働者や設備を確保できなければ、事業を進められない可能性もあるので、「事業環境を整えられるかどうか」も入念にチェックしておきましょう。
現地の情報収集をする際には、現地に訪れることが必要です。インターネットや書籍では、収集しきれない情報も数多く存在しているので、必ず現地に訪れて情報収集をするようにしましょう。
【準備その3】現地の文化、言葉を学ぶ
海外で起業をするとなれば、仕入や労働者の確保なども現地で行うことになります。そのため、少なくとも現地の文化・言葉はある程度理解しておかなくてはなりません。
ほとんどの地域では、日本のビジネスマナーは通用しないでしょう。日本では当たり前の行動であっても、海外の人から見れば「マナー違反」と受け止められる恐れがあります。そうなっては、せっかくのビジネスチャンスをモノにできません。
現地の文化・言葉の理解には多くの時間を必要とするため、候補となるエリアが決まったら、早いうちから準備を進めるようにしましょう。
【準備その4】人脈や資金調達の手段を作っておく
海外でスムーズに経営・事業をスタートさせるには、人脈が必要です。仕入ルートの確保にも人脈は必要ですし、日本と同じように人脈はさまざまなシーンで活きてきます。
また、資金の調達手段もしっかりと確保しておきましょう。日本の金融機関から借入する方法もありますが、現地で資金調達手段を作っておいたほうが、余計な手間・コストを省くことができます。
このように、海外起業ではさまざまな準備が必要になります。以下に、ここまでご紹介した準備をまとめたので、海外起業を検討している方は必ずチェックしておきましょう。
| 必要な準備 | チェック |
| ・会社の設立方法を確認する | |
| ・滞在のルール、ビザの取得方法を確認する | |
| ・銀行口座の開設方法を確認する | |
| ・現地の市場や需要を分析する | |
| ・労働環境、生活環境を確認する | |
| ・現地の文化、言葉を学んでおく | |
| ・仕入ルートなど、人脈を作っておく | |
| ・資金調達手段を探しておく |
次からは、海外起業の手順を解説していきます。地域によって多少手順は異なりますが、以下では基本的な手順をご紹介していくので、参考にしながら準備を進めていきましょう。
■【海外起業の手順その1】起業日など全体のスケジュールを決める
海外起業では、事前にスケジュールを決めておくことは必須です。日本とは準備をする流れが少し異なるので、少なくとも以下の内容は事前にきっちりと決めておきましょう。
| ・起業日をいつにするか? |
| ・経営者本人がいつ移住をするのか? |
| ・いつ事業をスタートさせるか? |
上記の3つを決めておけば、あとは逆算をすることで全体のスケジュールがある程度分かってくるはずです。可能であれば、スケジュールは1日刻みで細かく立てて、「〇〇日までに〇〇が必要になる」という点をしっかりと把握しておきましょう。
■【海外起業の手順その2】現地の一時滞在許可証を取得する
ほとんどの国では会社を設立するからと言って、いきなり永住権を得られるわけではありません。そのため、一定期間の滞在が認められるように「一時滞在許可証」を取得する必要があります。
具体的な手続きは地域によって異なりますが、一時滞在許可証の取得には以下の書類が必要となるケースが多いので、事前にきちんと準備をしておきましょう。
| ・外務省による認証印(アポスティーユ)が付いた戸籍謄本 |
| ・戸籍謄本の英訳書類 |
| ・パスポートなど、個人を証明できるもの |
| ・会社に関する書類 |
| ・事業計画書など、起業準備中であることが分かる書類 |

出典:外務省のアポスティーユ(Apostille)とは? | アポスティーユ申請代行センター®
必要書類をチェックして準備が完了したら、移民局へ赴いて個人営業申請書などに記載をします。書類に不備がなく、現地の法律的に問題がなければ、この時点で一時滞在許可証を受け取れるでしょう。
また、現地で移民弁護士などの専門家を見つけておき、手続きを委任するとさらにスムーズに進められる可能性があります。
■【海外起業の手順その3】現地で住民登録を済ませる
経営者の住居予定地がまだ決まっていない場合は、すぐに住居予定地を探すようにしましょう。住居予定地が決まっていないと、現地で住民登録を済ませることができません。
住居予定地が決まった方は、戸籍謄本や賃貸物件の契約書などを用意して、住民登録のために現地の役所へ赴きます。手続きの流れに問題がなければ、後日通知書などが送付されてくるでしょう。
上記は住民登録の基本的な流れですが、手続きの流れや必要書類は、地域によって大きく異なる可能性があります。そのため、事前の情報収集が難しいエリアについては、先に現地の役所に赴いて質問をしておくことが望ましいでしょう。
〇住居予定地はどうやって探せば良い?
住居に必要な条件が決まっていても、探し方が分からなければ予定地はスムーズに決まらないはず。そのため、具体的な探し方についても、しっかりと知識を身につけておきましょう。
主な探し方としては、以下が挙げられます。
| ①現地を歩いて回り、オーナーと直接交渉をする |
| ②海外専用の物件情報サイトを利用する |
| ③現地の物件情報サイトを利用する |
①の方法は大きな手間がかかるので、時間を節約したい場合は②と③の方法がおすすめです。近年では、海外専用の物件情報サイトがいくつか存在しているので、まずはアクセスをして条件に適した物件がないかをチェックしてみましょう。
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また、現地の日本人会に入会しておく方法もおすすめです。日本人会とは、会員になることで現地の情報交換をしたり、特定の施設を利用できたりなどの特典が発生する団体です。
物件情報を得られるだけではなく、現地の人脈を広げることにもつながるので、日本人会が存在する場合はぜひ入会を検討してみましょう。
The Japanese Association, Singapore
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■【海外起業の手順その4】会社登録に向けて準備を進める
次は、いよいよ会社設立に向けて動き出します。まずは会社登録証明書の取得を目指しましょう。
例えばオランダの場合、会社登録証明書は商工会議所に認められない限り、証明書を受け取ることができません。そのためには、事業計画書や個人営業申請書などの書類が必要であり、現地のルールに則ったビジネスプランでなければ、会社登録が認められることはないでしょう。
そのため、この手順の前までにはビジネスプランを明確にして、現地の法律・ルールに則っているかを確認する必要があります。地域によって証明書の取得方法、ルールは大きく変わってくるので、必ず現地の情報を事前に調べておきましょう。
なお、近年ではオランダでの起業に関心を持っている日本人が多く見られ、起業の流れを解説しているウェブサイトも以下の通りいくつか見られます。
約70万円でオランダ起業ができる!準備と手続き方法 | せかいじゅうライフ-海外移住をもっと身近に世界で暮らす情報メディア-
■【海外起業の手順その5】銀行口座を開設し、入金をする
会社登録証明書が発行されたら、その書類を活用して銀行口座を開設します。この際には、個人用ではなく法人用の口座が必要になる点に注意をしておきましょう。
銀行口座を開いたら、用意しておいた資本金を入金します。「現地の口座に入金をした」という事実は、居住許可などを取得する際に必要となるので、このタイミングで必ず入金まで済ませておきましょう。
なお、地域によっては「法人口座に資金がある」という事実について、第三者を通して証明する必要があります。そのようなルールがある場合は、政府や税務署から公認されている専門家を訪ねて、バランスシートなどの会社の書類を作成してもらいましょう。
■【海外起業の手順その6】居住許可を取得する
次は専門家に作成してもらった書類、会社登録証明書などを持参して、移民局へ向かいます。移民局から必要書類の提出を求められるので、その指示の通りに書類を提出しましょう。
手続きが完了すると、後日居住許可カードなどが送られてきます。ここまで進めば、現地で一定期間居住することが認められた状態となります。
■【海外起業の手順その7】移住をして、事業開始に向けた準備を進める
居住許可を取得したら、家具などを揃えて移住の準備を済ませます。会社の環境はもちろん重要ですが、経営者自身の生活環境を整えることも必須となるので、その点を軽視しないようにしましょう。経営者以外も移住をする場合は、従業員全体の生活環境も整えます。
生活環境を整えたら、いよいよ事業開始に向けた準備を進めていきます。具体的な準備としては、主に以下などが挙げられるでしょう。
| ・事務所(店舗)の外装、内装を整える |
| ・必要な設備や機器を導入する |
| ・仕入を始める |
また、電気や水道、インターネットなどについても、環境が整っているのかをきちんとチェックして下さい。特に新興国や発展途上国の場合、電力などが安定して供給されないケースは多々見受けられるので、細かくチェックしておく必要があります。
仕入については、特別な契約が必要になる可能性もあるので、仕入先ときちんと連絡を取り合っておくことが大切です。事業をスムーズに始められるよう、ひとつずつ確認をしながら準備を進めていきましょう。
■【海外起業の手順その8】宣伝をする
国内と海外とではさまざまなポイントが異なりますが、「宣伝」もそのひとつです。地域によって適した宣伝方法は異なるので、国内でスムーズに進んだ宣伝方法を採り入れたからと言って、海外でも成功するとは限りません。
特に意識するべき点は、現地の国民性です。その地域に住んでいる人々が、興味を示すような方法で宣伝をしなければなりません。国内と海外とでは、国民性が大きく異なるので注意しておきましょう。
例えば、ある経営者は海外で起業をした際に、飲食物を無料で提供するキャンペーンを実施して知名度をアップさせました。その戦略が功を奏し、キャンペーンが終了した後も多くのお客が商品を求めています。
海外で起業をする場合は、日本での経歴や実績はあまり役に立ちません。当然ですが、商品・サービスの知名度もゼロの状態から始めるので、まずは知名度をアップさせることが必要です。
最初は多少のコストを投じてでも、現地の人に商品・サービスを知ってもらうように工夫を凝らしましょう。
■【海外起業の手順その9】事業を計画通りにスタートする
宣伝が終わったら、ひとまず事業を始める準備は完了です。あとは事前に立てておいた計画を見直して、計画通りに事業をスタートさせましょう。
ただし、地域によっては経済状況や市場環境が短期間で変わることがあります。そのような変化が生じた場合、迅速に計画を立て直して対応しなければなりません。
そのため、経営が始まった後でも事業計画はこまめに見直して、常にベストな形で事業を進める努力が必要です。
| 【手順その1】 | 起業日など全体のスケジュールを決める |
| 【手順その2】 | 現地の一時滞在許可証を取得する |
| 【手順その3】 | 現地で住民登録を済ませる |
| 【手順その4】 | 会社登録に向けて準備を進める |
| 【手順その5】 | 銀行口座を開設し、入金をする |
| 【手順その6】 | 居住許可を取得する |
| 【手順その7】 | 移住をして、事業開始に向けた準備を進める |
| 【手順その8】 | 宣伝をする |
| 【手順その9】 | 事業を計画通りにスタートする |
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■海外向けのプランを持っている方は、積極的にチャレンジしよう!
本記事でも解説しましたが、国内と海外の起業は大きく異なります。日本でうまく進んだからと言って、同じ方法が海外でも通用するわけではありません。
しかし、ビジネスプランによっては海外のほうが進めやすいケースも多く見受けられます。そのような方は、積極的に海外起業を検討するべきでしょう。
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