電子定款のカンタンな作成方法!認証までの5つの手順を詳しく解説!

登録日:2019.9.30  |  最終更新日:2019.9.30


法人を設立する際には、必ず定款を作成しなくてはいけません。会社法に手作成が義務付けられていますし、今後法人を運営するにあたって適切に定款が作成されていないと不利益を被る可能性があるからです。

定款は紙で作成する方法のほかに、電子定款にて作成する方法があります。法人設立に関して情報を調べていると、電子定款による作成をおすすめしている場合が多いですよね。「定款は電子定款で作成しよう」と思った方も多いのではないでしょうか。

しかし、電子定款を作成するといっても、具体的に何からはじめてよいのか分からないですよね。

そこで、今回は電子定款についての情報をまとめました。

具体的には以下の項目について解説します。

  • 電子定款とは
  • 電子定款の作成から認証までの手順
  • 電子定款を作成するメリットデメリット
  • 電子定款を作成する際の注意点

この記事を読んでもらえば、自分で電子定款を作成できるようになります。また、電子定款の作成に関して適切な選択が可能です。サクッと読める内容なので、是非参考にしてみてください。

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電子定款とは!サクッと30秒で概要解説


電子定款について説明する前に、まずは定款について簡単に説明しますね。

定款とは会社の憲法と呼ばれているもので、事業目的や役員構成、独自に取り決めた規則などを記載しているものです。定款の作成は法律によって義務付けられているため作成しないという選択肢はありません。通常、定款は紙で作成します。

定款は作成するだけではダメで、作成後、公証役場にて認証を受ける必要があります。認証を受けて初めて正式な定款として認められるんですね。この点は紙の定款であっても電子定款であっても同じです。


電子定款とは、文字どおり定款を電子化したものです。word等で作成した定款をPDF化することで作成します。電子定款だからといって、記載する内容に違いはありません。強いて違いを挙げるならば、電子定款の場合は署名が電子署名となるという違いのみです。

電子化に際しては専用の機器や紙の定款作成とは違う手順を踏む必要があるので注意しましょう。

もし自身で電子定款を作成するのが手間であれば、行政書士や税理士、電子定款作成の専門業者に作成を依頼するのも手です。むしろ、作成を依頼する方が一般的で自分で電子定款を作成する方はあまりいません。

では、以下で具体的な作成及び定款認証までの手順を確認していきます。

電子定款作成から認証までの手順5つ


電子定款の作成から認証までの手順は以下のとおりです。

  1. PDFに変換する
  2. 電子証明書を取得しカードリーダライタで読み込む
  3. PDFに証明を付ける
  4. 作成した電子定款を送付する
  5. 定款の作成及び認証の完了

それぞれ、詳細を確認しましょう。

【電子定款の認証手順0】元となる定款の作成及び公証人による事前チェック

電子定款を作成する前に、元となる定款の作成をおこないましょう。電子化するのは、定款を作成した後の話です。

今回は電子定款に関する説明なので、定款の作成方法については省略しますが、定款にはかならず記載しなくてはいけない絶対的記載事項があるという点は押さえておいてください。必要事項は定款作成前に決めておきましょう。作成はword等のワープロソフトを用いて行います。この点は紙の定款を作成する場合と同じですね。

一通り定款が作成できた段階で、公証人の事前チェックを受けておきましょう。もし事前チェックを受けないままに電子化を進めてしまったら、修正が必要となった場合に作成しなおす手間がかかるからです。公証役場のホームページを確認しても事前にチェックをしてもらうようにアナウンスしている自治体もあります。

定款の事前チェックは公証役場にメールやファックスにて行います。特にはじめての定款作成であれば、修正がないということはほぼないので事前チェックは必須であるといえるでしょう。ちなみにこれを事前認証といいます。

事前認証で不備がなければ、電子定款の作成に入ります。

【電子定款の認証手順1】PDFに変換する

電子定款の作成は文章をPDF化するところから始まります。しかし、普通にPDF化しても電子定款は作成できません。署名が可能なPDFに変換する必要があります。署名が可能なPDF変換ソフトを作成の段階で用意しておきましょう。

PDF変換ソフトで有名なのは「Adobe Acrobat」。この専用ソフトは3万5000円ほどします。用途も限定的であるため、電子定款の作成際は注意しておきたいですね。

【電子定款の認証手順2】電子証明書を取得し、ICカードリーダライタで読み込む

次に電子証明書を取得しましょう。具体的には、個人番号カードに埋め込まれている電子証明を利用可能な状態にする必要があります。電子証明が埋め込まれている住民基本台帳カードでも申請は可能ですが、マイナンバー制度の実施に伴って、新規で住民基本台帳カードを取得することはできなくなっています。現時点ですでに住民基本台帳カードを取得している方は、有効期限が切れるまでは使用可能です。

電子証明書を市町村の交付窓口にて取得可能。発行してもらうには以下のものが必要です。

  1. 申請書
  2. 個人番号カード
  3. 手数料

取得が完了したら、ICカードリーダライタを使って電子証明書を読み込みます。ICカードには読み込めるものと、読み込めないものが存在するため事前に確認しておきましょう。

【電子定款の認証手順3】PDFに署名を付ける

次に、PDF化した定款に電子署名を行っていきます。

法務省の公式サイトから、電子署名を行うためのソフトが無料で配布されているのでそちらをダウンロードして署名を行いましょう。

形としての電子定款作成はこれで終了です。次に電子定款の認証に必要な手続きに入ります。

【電子定款の認証手順4】作成した電子定款を送信する

定款に不備がないか確認してもらうため、作成した電子定款を公証役場に送付する必要があります。登記・供託オンライン申請システムというサイトから手続きを行いましょう。オンラインで申請した後は修正ができないので、万が一不備があった場合は、1から作り直しになります。そのためにも定款作成の段階で事前に相談しておきましょう。

【電子定款の認証手順5】認証及び定款の作成完了

電子定款を送信し仮に不備がなかったとしても、まだ定款の認証は完了していません。公証役場を直接伺い、手続きを完了させることで電子定款の認証が終了します。

公証役場を訪れる際は、事前に日時の相談、および公証人の指定をしておきましょう。また、法務局にて申請した電子定款が却下されている場合、公証役場まで電子定款送付の連絡がきていない場合があります。申請したからといって油断せず、一度公証役場に連絡をいれましょう。


公証役場をうかがう際に必要なものは以下のとおりです。

  • USBメモリ
  • 電子定款をプリントアウトしたもの2通
  • 役員、発起人の印鑑証明書
  • 発起人以外の委任状
  • 認証手数料(5万円)
  • 身分証明書
  • 印鑑

受け取れるのは署名した本人か、本人から委任された代理人のみ。代理人の場合は、身分証明書は代理人本人のものと署名した人物のものを用意がある点に注意しましょう。委任状も必要です。

もし設立時の資金がたりず、定款の作成にまで費用がまわせない場合は投資家の支援を検討してみてはいかがでしょうか?

電子定款を作成するメリット


電子定款を作成する最大のメリットは、本来定款に必要な収入印紙代4万円が不要となる点です。紙で定款を作成する場合は、収入印紙4万円分を定款に張り付けないと正式な定款として認められません。

電子定款はそもそも収入印紙を貼る必要性がありませんからね。つまり、会社設立にかかる費用を大きく減らすことができます。電子定款を作成する方のほとんどが収入印紙代が不要になるという点を理由に作成しています。

電子定款を作成するデメリット

電子定款を作成するデメリットは手間が多い点と専用の機器が必要となる点です。手順については、上記で述べた通り。

専用の機器については、PDF化のための「Adobe Acrobat」や電子証明、ICカードリーダなどを一からそろえていくと4~6万円程度かかります。せっかく収入印紙代をおさえるために電子定款を作成しているのに、逆にお金がかかってしまいます。別の用途につかえるのであればよいのですが、使い道が限定的であるため、電子定款を作成する場面以外で使用することはほぼないでしょう。

なので、結論をいうと電子定款の作成を自分で行うと損をする可能性が高いです。必要な機器を取りそろえている行政書士や司法書士、税理士、専門業者に依頼したほうが楽ですし、4万円以下で引き受けてくれる場合、損をすることはまずありません。正確性とスピードの観点からみても専門家に依頼したほうがよいでしょう。専門家によっては、電子定款の作成以外の手続きも代行してくれる場合があります。

電子定款を作成する際の注意点


電子定款を作成する際にいくつか注意しておきたい点があるので紹介します。

今回紹介するのは以下の3つです。

  1. 電子定款の作成に対応しているかチェックする
  2. 電子署名を行う発起人は代表者1人のみでOK
  3. 電子定款の作成を専門家に依頼する場合は契約内容に注意!

それぞれ内容を確認していきましょう。

電子定款の作成に対応しているかチェックする

都市部での法人設立であれば問題ありませんが、地域によっては、電子定款に対応していない場合があります。管轄の公証役場が決まったら、念のため、電子定款による定款認証を受け付けいるか確認しておくとよいでしょう。

電子署名を行う発起人は代表者1人のみでOK

発起人が複数人いる場合の署名はどうするの?という疑問をもつ方がいるかもしれませんが、署名は1名のみで問題ありません。

もし、複数人で署名を行いたいという場合は、公証役場にて事前に相談を行いましょう。

電子定款の悪性を専門家に依頼する場合は契約内容に注意!

今回の記事を読んでもらって「専門家に依頼しよう」と思った方は、契約内容に注意しましょう。

電子定款の作成を代行している方の中には無料で行っている場合もありますが、その場合は顧問契約とセットになっている場合がほとんど。特に税理士等の士業の方に多いです。

別に詐欺を行っているわけではないですし、顧問の税理士を探していて、なおかつ担当した税理士との相性がよければそれもよいのかもしれません。しかし、中小企業であれば自身で税務処理を行える方も多いでしょう。顧問契約にかかる費用は決して安くないので、長期的にみると損をしてしまう可能性があります。

安い業者だと1万円台から電子定款の作成を顧問契約なしで引き受けている場合もあります。依頼料金と契約内容に注意しつつ、代行を依頼しましょう。

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