法人税について知っておきたい3つのポイント!計算や節税方法は?

登録日:2019.7.30  |  最終更新日:2019.7.30


営利目的の法人を運営するにあたって、税金に関する知識は必ず必要です。なぜなら税金は必ず納めないといけませんし、税金に対しての知識がないと本来支払わなくていい金額まで支払わなくてはいけなくなるからです。事業のためにお金を使いたいのに、必要以上に税金にお金を使うのはもったいないですよね。

法人に対してかかる税金には「法人税」と「法人住民税」と「法人事業税」があります。今回は所得に対して課せられる「法人税」について解説していきますね。

法人税と聞くと「何だか難しそうだな」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

確かに、いくつか確認しておくべきポイントがありますが、かといって多くの方が理解に苦しむほど難しいくはありません。丁寧に理解していけば 何ら問題はないでしょう。

今回の記事では、法人税について以下の項目を解説します。

  • 法人税とは
  • 法人税の種類
  • 法人税のポイント
  • 法人税の計算方法
  • 法人税の節税方法


法人税や税金に関する知識が無い方でも簡単に理解できるようにまとめました。この記事をきっかけに、法人税に対する理解を深めていただければと思います。


法人税とは!サクッと30秒で概要解説


冒頭でも述べたとおり、法人には個人同様に様々な税金がかかります。法人と個人は別人格として扱われるためです。たとえ個人で法人を運営していたとしても、法人と事業主それぞれに税金がかかります 。

今回解説する法人税とは、簡単に言うと法人の利益に対してかかる税金のことです。個人で言うところの所得税ですね。

法人の利益に対してかかる税金なので、裏を返せば、利益がない場合税金が発生しないということでもあります。対象となる期間に営利活動を行っていなかったり、対象となる期間が赤字であれば法人税は0円です。詳しい計算方法は後ほど解説します。

所得税同様に法人税は一定ではなく、法人の利益が多くなれば多くなるほど支払う税金は高くなります。利益に応じて適用される税率が変わるため、所得税と法人税を比べたときにどちらが高くなるかは場合によります。利益によっては法人税が高くなるときもありますし、所得税の方が高くなる場合もありますね。

法人の利益に対してかかる税金が法人税ですが、より詳しく調べると、いくつか種類があることが確認できます。一体どのような種類があるのでしょうか?

法人税の種類3つを解説


法人税は三種類に分けられています。

  • 各事業年度の所得に対する法人税
  • 各連結事業年度の所得に対する法人税
  • 退職年金等積立金に対する法人税

それぞれどういったものなのか確認していきましょう。

各事業年度の所得に対する法人税

最も一般的な法人税が「各事業年度の所得に対する法人税」です。こちらは企業が定款にて定めた事業年度を対象期間として徴収します。多くの企業がこちらの法人税の対象となるでしょう。 

各連結事業年度の所得に対する法人税

法人によっては、複数企業を一つのグループとして営利活動を行っている場合があります。 この1企業グループに対して法人税を課すのが、「各連結事業年度の所得に対する法人税」です。

こちらは上で説明した各事業年度の所得に対する法人税の代わりに徴収されます。

企業グループの代表である親会社か納税を行います。その他企業は子会社として扱われ、納税の義務はありません。

退職年金等積立金に対する法人税

退職年金業務を行う法人に対して課せられる法人税が「退職年金等積立金に対する法人税」です。従業員を雇用した際。企業は退職年金業務を行う法人に対して掛け金を支払います。

この掛け金は所得として扱われるため法人税の対象となります。しかし、企業が掛け金を支払った段階では課税の対象とはなりません。

実際に課税の対象となるのは従業員が退職をして年金を受け取ったタイミングです。退職年金等積立金に対する法人税は、実際に利益が上がったタイミングと課税のタイミングが異なるのが特徴ですね。 このように、他の法人税と仕組みが大きくことなるため特別法人税とも呼ばれています。

このように法人税には3つの種類があるのですが、一般的な法人であれば「各事業年度の所得に対する法人税」のみを把握していれば問題ありません。 

法人税の3つ+αのポイント


ここからは法人税についてより詳しく知りためつのポイントに3つのポイント+αに分けて法人税を理解していきましょう。

  • 法人税は直接税
  • 税金を納めるタイミング
  • 法人税の課税所得
  • 法人税の対象となる法人の範囲

上記のポイントに触れつつ確認していきますね。

法人税は直接税

税金には直接税と間接税があります。法人税はこの二つのうち直接税にあたります。

直接税とは納税者と負担者が同じ税金のことです。法人税を負担するのも法人税の支払い業務を行なうのも、適用となる法人です。 

対して間接税は納税者と負担者が異なります。最も一般的な間接税は消費税です。普段買い物を行なった時に消費税を負担しますが、負担するだけで納税の手続きは行いませんよね。消費税は販売元の企業が代わりに行っています。

法人税を納めるタイミング

法人税を納めるタイミングは事業年度が終了した次の日から2か月以内です。 決算期は各法人ごとに異なるため、法人税を納めるタイミングも法人ごとに異なります。例えば、3月を決算期としているのであれば、4月・5月の間に法人税を納めるということです。

期限を過ぎてしまうと、違反金が取られてしまったり、青色申告が取り消される場合があります。無駄な費用を支払うことになりますし、翌年度以降の経営に悪い影響を与えてしまうため、決算が終了したら迅速に税金を納めましょう。


納付方法としては、税務署や金融機関に現金で納付する他、インターネットを利用した電子納税、クレジットカードによる納税も可能です。何か手数料が別途取られてしまうということはないので都合のいい納税方法を利用しましょう。 

また、万が一期限内の納付が難しい場合は延長も可能です。延長が必要であれば、決算日から45日以内に延長の手続きを行いましょう。 

法人税の課税所得

上記で「法人税は利益に対してかかる税金」と言いました。より具体的に説明すると、決算によって確定した所得に対してかかる税金が法人税です。利益と所得は似ているような気がしますよね。しかし、厳密には違います。必ずしも企業の利益=企業の所得となるわけではありません。

例えば、企業が1000万の利益を出したとしましょう。そして、この企業は助成金100万円を受け取っていたとします。助成金は会計上所得として扱われるため、この100万円は課税の対象です。つまり、企業の利益が1000万円であっても課税の対象となる所得は1100万円となります。

わかりやすいように助成金を例としてあげましたが、他にも様々な要因によって利益と所得にはズレが生じます。 法人税は決算によって確定した所得に対して課せられることを覚えておきましょう。

法人税が課される法人の範囲

法人税は全ての法人に課せられる税金ではありません。法人にはいくつか種類があるので、課税対象となる法人ならない法人をそれぞれ確認していきます。まずは課税の対象となる法人からです。課税対象となる法人は以下の2つ。

  • 普通法人
  • 協同組合

普通法人とは、株式会社や合同会社と言ったように会社法に基づいて設立された法人をいいます。協同組合とは特定の目的を持った個人や事業主の集まりでできている団体です。普通法人よりも税率が低めに設定されています。

次に、対象とならない法人について確認していきましょう。対象とならないのは以下の3つです。

  • 公共法人
  • 公益法人 
  • 人格のない社団 

公共法人には、国立大学や日本放送協会などがあります。公益法人は、宗教活動や慈善活動を行う団体など公益のために活動する法人です。 人格のない社団は  PTAや町内会など法人格をそもそも所持していない団体をいいます。

対象とならない法人に共通するのは、利益を目的とした活動を行っていない点です。国があらかじめ法人税を徴収しない旨を明記しています。

ただし、対象とならない法人であっても、収益事業を立ち上げた場合は課税の対象となる点には注意が必要です。 

法人税の計算方法をわかりやすく説明!


法人税は所得と税率、控除額によって決まります。具体的な計算方法は以下の通りです。

【法人税=所得×税率-控除額】

税率は法人の所得によって変化します。令和元年時点での株式会社の税率を確認してみましょう。

所得800万以下19%
所得800万超23.2%


(国税庁
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2019/pdf/A.pdf)

毎年、法人税の税率は見直しが行なわれています。法人税の計算を行なう際には、最新の税率を確認してください。

計算式だけを紹介してもイメージが沸かないと思うので、上記の税率を元に、法人税の計算をしてみますね。所得800万円の法人を想定してみます。今回の計算では控除は考えません。

所得が800万の場合、税率は19%です。計算式に当てはめてみると以下のようになります。

法人税=800万×19%=152万

つまり、所得800万の法人に課せられる法人税は152万円です。ここに控除が適応されれば、さらに安くなります。


では、法人税の計算に必要な所得はどのようにして割り出すのでしょうか?

所得は売上から損金を引いたものです。経費や赤字が損金に含まれます。 上記の式と組み合わせると【法人税=(売上-損金)×税率-控除額】です。

より詳しい解説が知りたい方は、以下の記事もご確認ください。

関連記事:【保存版】法人税の計算方法はカンタン!3つのポイントをチェックしてすぐに金額がわかる!

法人税の節税方法を7つ紹介


法人税に限らずですが、適切な節税対策を行なうことで支払う税金を減らせます。企業によっては、節税対策を行なっているか行なっていないかだかで支払いに数百万の差が出ることも。数百万は無視できる数字ではないですよね。ここからは7つの節税テクニックを紹介させていただきます。比較的簡単に行なえるテクニックもあるので、取り入れられそうなものから取り入れてみてください。


  1. 赤字を繰り越す
  2. 在庫品を廃棄する
  3. 未払い金の計上
  4. 従業員への賞与
  5. 中古の固定資産を購入
  6. 役員報酬を定期同額給与にする
  7. 事業年度を変更する

上記の節税対策は、損金を大きくするようなテクニックが多いです。法人税の計算方法を確認してもらえば分かるとおり、損金が大きくなれば、その分所得が小さくなるからです。所得が小さくなれば、結果として法人税が安くなりますよね。

それでは、具体的な節税方法を確認していきましょう。

【法人税の節税方法1】赤字を繰り越す

会社経営において、可能であれば赤字は出したくありませんよね。しかし、やむを得ず赤字になってしまう期もあると思います。実は赤字分を次回の決算に繰り越すことで、赤字を損益換算でき、結果として法人税を抑えることが可能です。赤字の額にもよりますが、効果が大きく、取り入れやすい節税テクニックなので是非とも覚えておいてください。

条件としては、青色申告の申請が済んでいることです。青色申告の申請が行われていなかったり、青色申告の権限が与えられていない場合は赤字の繰越はできません。申告可能な法人であれば、過去、最長9年まで繰り越しできます。

【法人税の節税方法2】在庫品を廃棄する

会社内に不要な在庫品があれば、処分することで法人税を減らせます。在庫となっている品の仕入れにかかった費用を損金として計上可能だからです。経営を行なっていれば在庫品が発生してしまうのは、よくあることなのでスペースの確保もかねて在庫品の処分を検討してみてはいかがでしょうか。処分した際には、処分したという証明書が必要になるのできちんと保管しておきましょう。

【法人税の節税方法3】未払い金の計上

中小企業に多いのが、損金として計上できる未払い金を計上していないパターン。支払いが確定している未払い金は、損金として計上可能です

例えば、水道光熱費や保険料などは基本的に後払いですよね。つまり、支払いが完了していないまま決算を迎えることが考えられます。こういった場合の水道光熱費は支払うことが確定しているので、損金として計上できます。

水道光熱費はあくまで一例で、他にも決算のタイミングで支払いの確定している未払い金を抱えていることは往々にしてあります。 税金の支払いが厳しい期であれば、このテクニックを利用しない手はありません。

【法人税の節税方法4】従業員への賞与

従業員への賞与は損金にできるため、決算前に賞与を与える会社は一定数存在します。税金をたくさん支払うくらいなら、従業員へボーナスを支払ってモチベーションの向上を図ろうと考えるんですね。

役員への賞与は事前に設定しておく必要があるため急に設定できませんが、従業員への賞与は社内で自由に取り扱えます。決算直前にどうにか節税対策を施したいと思うのであれば、従業員への賞与は特にオススメです。

【法人税の節税方法5】中古の固定資産を購入する

中古の固定資産を購入することでも節税対策につながります。節税対策のために高級車を購入するという話を聞いたことがありませんか?法人が購入した車両は事業用の車両として扱われるため、経費として計上可能です。また、高級車は2~3年経ったところで価値が大きく変化しないので、必要であれば手放して資金調達にも役立ちます。

【法人税の節税方法6】役員報酬は定期同額給与にする

役員報酬は事業の開始年度にあらかじめ定めておかなければ損金として計上できません。毎月同じ額を同じタイミングに支払うとする「定期同額給与」を採用しましょう。事前に定めた役員報酬の額と実際に支払った報酬の額にズレがあれば損金計上できません。

役員報酬が損金として計上できないと、税金面でかなり損をしてしまうので、役員報酬の損金計上の条件は入念にチェックして起きたいですね。

【法人税の節税方法7】事業年度を変更する

荒業ですが、定款にて定めた事業年度を変更することで、法人税を減らすことも可能です。特に大きな利益がでることが事前にわかっていれば、このテクニックは有効。決算時期をずらすことで、利益の計上を来期に持ち越せるからです。

「今期の利益が大きくなると税金の支払いに困る」といった場合には是非利用してみてください。

関連記事:【意外とカンタン】法人登記を行うまでの5つの手順!会社設立から2週間以内に必ず行おう!
関連記事:【保存版】税理士の顧問料や報酬相場はいくら?5つのケース別にわかりやすく解説!

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