【初めての確定申告】青色申告書は本当にお得?白色申告との違いと申請方法について解説

公開日:2018.10.9  |  最終更新日:2023.9.29



事業主の方が、年1回必ず行う手続きと言えば「確定申告」。前年1月~12月までの所得を税務署へ申し伝えることで、それに応じて納めるべき税額を確定してもらうための作業です。

勤め人の方は、勤務先が年末調整を行ってくれるため、ご自身で納税に関する申告を行う必要は基本的にありません。そのため、例えば会社員を経て独立した人の中には、「初めての申告手続きが分からない…」と悩んでしまう方もいることでしょう。

そこで今回は、2種類ある確定申告「青色申告」と「白色申告」の違い、それぞれの申請方法についてご紹介します。この記事を読めば、確定申告の基礎知識・役立つ知識を100%理解できます。

ぜひ最後まで読み進めていきましょう。


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■そもそも青色申告とは?

確定申告のなかでも、特に税制面でお得になるといわれている「青色申告」。ここでは、青色申告とはどのような申告方法なのかについてご説明します。

先にも少しご紹介しましたが、確定申告の種類には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。そのなかでも青色申告は、「事業主が帳簿に収支を明記の上、正確な情報を申し伝える」という申告納税が広く実施されるよう、所定の特典付きで設けられている制度です。



(出典:青色申告決算書とは?一般用のダウンロードページなど - 個人事業主メモ)


次の項目からは、青色申告と白色申告がどのように異なっているのか、その具体的な違いについてもう少し詳しく解説していきましょう。

また、確定申告についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページも合わせてチェックしてみて下さい。


確定申告の必要書類まとめ。これがあれば初心者でも1時間で確定申告できます|Founder

青色申告でもっと節税!個人事業主でもできる青色申告の手順と6つのポイント!|Founder

■青色申告と白色申告の6つの違いを解説!

青色申告と白色申告では、申告方法や提出書類の種類、そして受けられる特典の有無などさまざまな違いがあります。


【青色申告と白色申告の違いその1】特別控除の有無

青色申告を選択した場合は、「特別控除」という特典の対象となります。申告する所得額から一定の額(65万円または10万円)を差し引いて計上できるため、納める税金もセーブできるという仕組みです。

白色申告の場合は、この特別控除を受けることはできません。

申告方法を変えるだけで65万円分の控除が受けられるのは、青色申告の大きなメリットと言えるでしょう。

65万円の所得控除は、実際の税金から6万~13万円近く引かれるのと同じですからね。

【青色申告と白色申告の違いその2】赤字繰越

事業の収支上損失が発生し、いわゆる「赤字」となってしまった場合も、青色申告を選択していれば翌年以降の3年間は損失を繰り越して控除できます。

例えば、前年に50万円の赤字が出てしまい、当年はなんとか150万円の黒字を出せたとしましょう。この場合、白色申告では赤字を繰り越せないため、前年の赤字にかかわらず所得150万円分の所得税が課税されてしまいます。

しかし青色申告を選んでおけば、「150万円-50万円=100万円」のように前年の赤字を差し引いて計上できるので、所得100万円分の課税で済むようになります。

ちなみに法人であれば、最大10年まで繰越が可能です。赤字は企業にとって良くないことですが、うまく使えば節税につながるので、それだけでも青色申告の効果があると言えるでしょう。

【青色申告と白色申告の違いその3】家族への給与の扱い

家業などで家族と一緒に仕事をしている方の場合に、家族を従業員として給与を支払っているケースも多いでしょう。

基本的には、家族に支払うお金は経費として認められません。しかし、青色申告を選べば家族分の給与も経費として申告できます

なお、白色申告の場合も「専従者控除」として最大86万円までを経費にできますが、青色申告なら金額にかかわらず家族への給与を全額経費にできます。

家族に毎月10万円ずつ支払っていたとすると、86万円は軽くオーバーします。従業員が必要な仕事であればあるほど、青色申告の重要性は高まるでしょう。


【青色申告と白色申告の違いその4】30万円未満の減価償却の扱い

基本的に、事業で使用する備品として10万円以上のものを購入すると、使用期間に応じて徐々に経費を計上する「減価償却」を行う必要があります。

しかし、青色申告者には「少額減価償却の特例」という特典があります。これは、事業で使用する30万円以下の備品を購入した場合に、全額経費として認めてもらえるものです。

つまり、購入後すぐ全額を経費にできることで、所得税を抑えられる仕組みです。

最近はパソコンやスマートフォンも高級化しているので、10万円を超えることは珍しくありません。仕事で使うものを効率よく経費にするためにも、青色申告の重要性は高いと言えます。


【青色申告と白色申告の違いその5】帳簿の書き方

白色申告の場合は、帳簿も青色申告よりざっくりとした書き方(単式簿記)で良く、比較的簡単で提出書類の数も少なく済みます。

一方で青色申告では、「複式簿記」と呼ばれる多少複雑な帳簿を正確に記録する必要があります。また、申告時の提出書類も若干多くなります。

中には「複式簿記が面倒だから白色で申告している」という方もいるかもしれませんが、青色申告にするだけで十数万円近い税金を支払わなくて済むと考えると、いち早く青色にチャレンジすべきです。

初年度は大変かもしれませんが、徐々に慣れてくると簡単になりますよ。

【青色申告と白色申告の違いその6】事前申請の有無

青色申告を選択したい場合は、決められた期日までに事前申請をする必要があります。この申請を行っておかなければ、たとえ青色申告したくても白色申告扱いになってしまいます。

新規開業と同時に青色申告を選択する場合は、基本的に開業日から2か月以内に申請を済ませましょう。ただし、開業日が1月1日から1月15日までの間の場合には、当年の3月15日が申請期限となります。


青色申告と白色申告の違いをご説明しましたが、これらを踏まえて青色申告・白色申告それぞれのメリット・デメリットをまとめてみましょう。



メリット
デメリット
青色申告
・特別控除が受けられる
・赤字を向こう3年まで繰り越せる
・家族への給与を全額経費にできる
・少額減価償却の特例の対象になる
・複式簿記で記帳の手順が煩雑
・事前に申請が必要
・申告時の提出書類が多め
白色申告
・単式簿記で記帳が比較的簡単
・申告時の提出書類が少なく済む
・事前に申請しなくても良い
・青色申告のメリットとされる、すべての特典が受けられない



(出典:白色申告と青色申告の違いとは? | THE LANCER(ザ・ランサー))


「青色申告はお得」といわれますが、その理由は「税制面の条件が有利になる」という側面が大きいためであることが分かります。また、複式簿記が煩雑という青色申告のデメリットも、申告書類を簡単・正確に作成できる会計ソフトの利用により、大して気にならなくなるケースもあります。

とは言うものの、やはり青色申告はやや複雑であるため、まだ独立直後で所得も少ない段階なら、まずは白色申告から始めてみるという手もあるでしょう。一定の収入が得られるようになってから、青色申告に切り替えるという事業主も多くいます。ご自身の事業の規模や節税の意識の変化に応じて、適した申告方法を選定すると良いでしょう。

しかし、多くの方の場合、実際に納税の通知を見て「思ったより高額だ…」とがっかりするのではないでしょうか?あるいは、すでに源泉徴収で納税済みの方も、申告による還付額が極端に少なければ「せっかく申告したのに…」と、あまり気分が良くないものでしょう。

納める税金を少なく抑えられるのは間違いなく青色申告ですから、多少手間はかかるにせよベストは青色申告を選んでおく方法です。


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■青色申告の申請方法をチェックしよう!

「青色申告が有利になることは分かった。それならさっそく申請して、帳簿付けを始めよう」と思っても、その手続き方法をまったく知らなければ二の足を踏んでしまいます。ここでは、青色申告の事前申請を行う際の手続き方法について、詳しくご紹介します。


〇青色申告に必要な届出は?

まずは、青色申告の申請に必要な書類を準備します。具体的には「所得税の青色申告承認申請書」と呼ばれる書類であり、国税庁のホームページからダウンロードして書式を入手できます。



(出典:青色申告承認申請書の書き方|青色申告の基礎知識)


そのデータを出力し、紙の申請書として必要事項に正しく記入しましょう。A4サイズ1枚の書類ですから、記入する項目はそれほど多くありません。


[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁


〇青色申告の届出はどこに提出する?

申請書の記入ができたら、前述でご紹介した提出期限までに提出します。提出先は、最寄り(納税する地域)にある税務署となります。

基本的には、住所がある地域の税務署でかまいませんが、事業をしている地域が自宅と別であれば、その地域を納税地にすることも可能です。その場合は青色申告の申請のほか、別途「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出」を行いましょう。

ちなみに青色申告の申請を出すには、個人事業主としての開業届も出さなくてはなりません。

どちらも税務署で申請できるので、一緒のタイミングで行うとよいでしょう。


〇青色申告の申請書の書き方は?

次は、青色申告の事前申請をする際の「所得税の青色申告承認申請書」の書き方についてご紹介します。書式上の各項目に必要事項を記入するだけですが、ご自身や事業の状況次第で書くべき部分と記入不要な部分があるため、あらかじめそれらを知っていると安心です。


記入項目
記入する内容
提出日・提出先
・宛先となる税務署名
・書類を提出する年月日
納税者の情報と捺印
・納税地の住所
・納税者の氏名、捺印、生年月日
・屋号(使用している場合)
青色申告の適用開始年分
適用を開始したい年の年号
事業所が複数ある場合の名称・所在地
なければ空欄とする
所得の種類
事業収入のみの場合「事業所得」を選択
青色申告の承認取消履歴
初めて申請する方は「無」を選択
開業年月日
新規開業の場合は記載
白色申告から切り替えなら空欄
事業継承の有無
引き継いだ事業でなければ「無」を選択
簿記方式
「複式簿記」を選べば65万円控除となる
「簡易簿記」なら10万円控除
備付帳簿名
複式簿記の場合は「現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・預金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳」をそれぞれ選択
簡易簿記の場合は「現金出納帳」のみで可
その他
備考があれば記載する
なければ空欄で可
関与税理士
申告代行を依頼する税理士がもしいれば記入
自分で申告するなら空欄で可


上記の項目を把握しておけば、あらかたご自身で各項目の記入ができるかと思われます。もし不明点があれば、税務署の窓口で直接質問するとさらに詳しく教えてもらえるはずです。

不安が多く、その都度質問しながら慎重に記入したい場合には、税務署が比較的空いている時期や時間帯を選んで出向くと、余裕を持って質問しながら記入できるでしょう。


〇所得税の青色申告承認申請書記入時の注意点

ここでは、青色申告の申請書を記入する際に気をつけたい点をご紹介します。


【青色申告の注意ポイントその1】適用開始年分の書き方

期限までに提出できる場合は、提出年次から青色申告を行うことができるので「当年」の年号を記入しましょう。

間違えやすいのが、年次途中に申請する場合に「今年分の申告には間に合わないのでは?」と思い込み、「翌年次」の年号を記入してしまうケースです。期限内に提出するのであれば、開業した当年の分から青色申告ができるようにしておきましょう。


【青色申告の注意ポイントその2】難しそうだから税理士に一任したほうが良い?

青色申告の書類にはさまざまな項目があり、それらを正確に記入する必要があります。その時点で、「数字を見るのも苦手なので、税理士さんにすべてお願いしたほうが良いのでは?」と思ってしまう方もいるかもしれません。

たしかに、めまぐるしく入出金のある法人単位での申告なら、税理士に頼むことで手間を減らせます。しかし、個人や小規模事業主単位の申告に関しては青色申告の複式簿記に対応した会計ソフトを使用してご自身で申告する方が今は多数となりました。

会計ソフトには便利な機能が多く備わり、日々の入出金や経費などをその都度コツコツ記入していくだけで、提出用書式のとおりに申告書類が作成できるようになっています。


青色申告ソフト | クラウド会計ソフト freee


【青色申告の注意ポイントその3】簡易簿記で青色申告をすると、複式簿記とどう異なる?

申請書の項目にもあるとおり、青色申告にも複式簿記で行う方法と簡易簿記で行う方法があります。複式簿記と簡易簿記との違いは、ざっくりいうと「書類作成の手間」と「受けられる特典内容」の違いです。


〇複式簿記


(出典:【これで分かる!】複式簿記とは?全貌と詳細を徹底解説)


〇簡易簿記


(出典:【これで分かる!】複式簿記とは?全貌と詳細を徹底解説)


お手持ちの表計算ツールなどを使用し、入金・出金・経費などをそれぞれ記入する方法で、簡易簿記の書類は作成できます。複式簿記より作業は簡単になりますが、青色申告の特別控除額が65万円から10万円に下がってしまいます

ちょっとした手間の差だけで課税対象所得が55万円も違ってくるとなれば、かなりの差を感じるかもしれません。せっかく青色申告の申請をするなら、可能な限り複式簿記で書類を作成することを考えましょう。

青色申告以外で、確定申告時に節税ができる制度3つ

青色申告を行う大きな目的は、節税効果です。最大65万円の控除に加え、赤字の繰り越しや家族への給与など、節税になる要素はたくさんあります。

では、青色申告以外に節税ができる方法はあるのでしょうか?あるのならばうまく利用して、最大限に節税効果を高めたいですよね。

こちらでは、青色申告以外で、確定申告時に節税ができる制度を紹介します。

  • 小規模企業共済
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)
  • ふるさと納税

それぞれ詳しく確認していきましょう。

【青色申告以外の節税1】小規模企業共済

小規模企業共済は、老後に向けた積立が行える制度です。

主に退職金を用意できないような小さな企業の経営者や、個人事業主が利用できます。

小規模企業共済では、毎月5,000円~70,000円から任意の金額を選択して、共済へ積み立てを行います。

積み立てられたお金は老後になると、少し多めの金額になって戻ってきます。(積立年数による制限あり)

小規模企業共済の大きなメリットは、積立金が全て控除対象となる点です。

例えば満額の7万円を毎月積み立てしていたら、確定申告時に84万円の控除が受けられます。

途中解約はできませんが、積み立てているお金はちゃんと戻ってくる上に、毎年節税効果が得られると考えると、非常に魅力的な制度です。

貯金よりも大きな効果が得られるので、少しでもお金に余裕のある方は、小規模企業共済への加入をオススメします。

【青色申告以外の節税2】iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、将来もらえるお金を増やす目的で利用される私的年金です。

毎月1,000円~68,000円(自営業の場合)の金額を積み立てて、そのお金をもとに運用を行います。

運用先は定期預金・保険商品・投資信託から自分で選択できるので、うまく運用ができれば積立金以上にお金を受け取れるでしょう。

iDeCoも小規模企業共済と同じく、掛金で払ったお金が全額控除扱いとなります。

68,000円をかけているとすると、約81万円です。小規模企業共済と合わせると165万円もの節税効果が生まれます。

また運用した結果得た利益にかかる税金は0なので、安心して運用ができる点も魅力です。

ただし、あくまでも資産運用の一環で行うものなので、損益を出してしまう可能性があります。安定している投資案件はありますが、確実に増えるとは言えません。

またiDeCoも途中解約ができないので、資金に余裕がある範囲内で投資することが大切です。

確実性を求めるなら小規模企業共済を、大きなリターンを狙いたいならiDeCoを検討してみてください。

【青色申告以外の節税3】ふるさと納税

ふるさと納税も、節税効果が高めの制度と言えます。

ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付を行うことで、その自治体が用意している返礼品を受け取れるという制度です。

返戻品は自治買い毎に大きく違い、ご当地グルメだったり、地方の特産品だったりします。過去にはギフトカードがもらえる場所もありました。

ふるさと納税で納付したお金は、2,000円の自己負担金を除いて、すべて控除扱いが可能です。

つまり同じ税金を支払うくらいなら、ふるさと納税で豪華賞品と変えたほうがお得というわけですね。

ふるさと納税は厳密には節税では無いのですが、誰でも手軽に節税ができる上に金額も自由に決められるので、非常に使い勝手のよい制度と言えます。

■できれば早めに、節税を意識した申告方法を考えよう

この記事では、確定申告の種類「青色申告」と「白色申告」の違いや、青色申告を申請するための詳しい方法について、ご紹介しました。

確定申告というと「期限までに行うのが大変そう」、「数字が沢山出てきて難しいのでは?」などと、つい考え込みそうになります。しかし、日々の記録をしっかり帳簿に反映させられるなら、それほど悩む必要はありません。

起業したばかりで所得が少ないうちは、所得税の納税額などについて意識する機会はそれほどないでしょう。しかし、所得が上がればその分納める税金も多くなっていきます。

青色申告は65万円の控除を受けられるなど、大きな節税効果を得られるので、ぜひ早めに申請を行って、徐々に申告に慣れるようにしてください。

早いうちから節税を意識し、申告の方法ひとつで納める税金がセーブできることを知っておくと将来焦らずに済むでしょう。


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