確定申告の必要書類まとめ。これがあれば初心者でも1時間で確定申告できます
公開日:2018.1.8 | 最終更新日:2025.3.11

個人事業主の方が確定申告をする際には、申告する数字が正しいことを証明するためにさまざまな書類が必要です。大きく分けると、「税務署でもらう提出書類」と「自分で用意する参考書類」があり、白色申告なのか青色申告なのかによって用意すべき書類が異なります。
もしも不備があると、一旦持ち帰って再度手続きしなければなりません。ただでさえややこしい確定申告ですから、二度手間三度手間になるのは避けたいものです。
そこで今回は現役15年の税理士が、確定申告に必要な書類をすべて解説します。この記事を最後まで読めば、あなたが事前に準備しておくべき書類は一目瞭然。面倒な確定申告が、確実にラクになります。
手続きをスムーズに完了させるために、ぜひチェックしておきましょう。
○白色申告の必要書類
先述したように、個人事業主が確定申告する場合は白色申告と青色申告のどちらかに分かれますが、より簡単な方法が「白色申告」です。
というのも、青色申告するためには事前に税務署に申請しておく必要があり、何もしなければ自動的に白色申告となります。白色申告のメリット・デメリットは以下の通りです。
白色申告のメリット | 白色申告のデメリット |
・事前申請の必要なし ・簡易な帳簿でOK | ・青色申告で適用される特典なし |
白色申告は、「年間の売上-必要経費=事業所得」というシンプルな計算式によって所得を計算し、それに応じて税金を支払うという仕組みになっています。青色申告で適用される特典は得られないものの、事前申請が不要であること、厳格な帳簿付けが不要であることが大きなメリット。
申告の際にどこまでを経費にして良いのかは「実は経費でOK?個人事業主が経費に計上できる意外なお金10選!」で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
所得税法上、白色申告でも日々の売り上げや必要経費などの記帳は必要ですが、白色申告の場合は一部の金額をまとめて記載するなどの簡易な帳簿が認められています。つまり、家計簿レベルの記帳でOKで、簿記の専門知識は必要ありません。開業して間もない事業主の方、所得の少ない事業主の方が選びやすい傾向にあります。
では、白色申告を行うためにはどのような書類が必要なのでしょうか?以下で詳しくチェックしましょう。
■【必要書類その1】確定申告書B
確定申告書にはAとBがあり、給与所得者や公的年金受給者向けが「A」で、個人事業者や分離課税対象の所得がある方は「B」を使用します。
申告書は税務署や関係機関に直接取りに行くことはもちろん、国税庁のサイトからPDFファイルをダウンロード・印刷することも可能です。
書類を直接取りに行く場合、早すぎるとその年度分の書類がまだ用意されていないかもしれません。毎年2月中旬~3月中旬にかけて確定申告期間が設けられているため、1月下旬頃まで待ってから取りに行かれることをおすすめします。
確定申告書Bは第一表と第二表の2枚で構成されており、記入内容は以下の通りです。
・第一表:収入金額、所得金額、税額、所得控除の金額などの数字を記入する
・第二表:第一表に記入した数字の内訳や内容について記入する
申告漏れのないよう、正確な情報をきちんと記入して提出しましょう。複雑な部分もあるため、記入例を見ながら行うと安心です。
■【必要書類その2】確定申告書に添付する各種控除関係の書類
生命保険や医療保険に入っている場合、住宅ローンを払っている場合などは控除の対象となります。主な控除内容を以下に挙げてみました。
・生命保険料控除 | 生命保険料を支払った場合に受けられる控除 |
・社会保険料控除 | 社会保険料(個人事業主の場合は国民健康保険や国民年金)の支払額に応じて受けられる控除 |
・医療費控除 | 自分や生計を共にする親族が対象で、年間10万円以上の医療費を支払っている場合に受けられる控除 |
・小規模企業共済等掛金控除 | 損害保険などに契約した際に、地震における損害に対する保険料を支払った場合に受けられる控除 |
・地震保険料控除 | 小規模企業共済や個人型の確定拠出年金、心身障害者扶養共済などの掛金を支払った場合に受けられる控除 |
・雑損控除 | 予期せぬ災害や横領、盗難などによって損害を受けた場合に受けられる控除 |
・寄附金控除 | 公共団体や社会福祉法人に対する寄付や、ふるさと納税などの寄付を行った場合に受けられる控除 |
該当するものがあれば、控除を受けることで納める税金が少なくなります。控除関係の書類は忘れずに添付しましょう。
添付する場合は専用の台紙に糊付けしますが、「e-tax」という電子申告で申請する場合はPDF形式でデータ申請が可能なため、台紙を使用する必要はありません。なお、2017年の確定申告より、マイナンバーの記載およびカードの写しの提出が義務付けられています。
電子申告の場合はマイナンバーカードをe-taxに登録するだけでOKですが、台紙を使用する場合はマイナンバーカードまたは通知カードの写しと身元確認書類の写しの組み合わせを添付することになっているため、合わせて準備しておきましょう。
■【必要書類その3】収支内訳書
収支内訳書には、一般用、農業所得用、不動産所得用の3種類があります。農業を営んでいる個人事業主は農業所得用、不動産を営んでいる個人事業主は不動産所得用、それ以外の個人事業主は一般用を使いましょう。
収支内訳書は2ページあり、それぞれの記入内容は以下の通りです。
・1ページ目:収入や売上原価、経費の内訳、給料賃金の内訳(従業員がいる場合)など
・2ページ目:主な売上先や仕入れ先、減価償却費などの詳細
こちらも確定申告書Bと同様、国税庁のホームページからファイルをダウンロード・印刷できます。白色申告専用の会計ソフトを使うと手書きよりも楽に作成できるため、ぜひ活用しましょう。
■【必要書類その4】源泉徴収票(給与所得などがあった場合のみ)
給与や退職金が発生した場合には、源泉徴収票の提出が求められます。所得のあった勤め先や退職金をもらった会社から送られてくるため、受け取ったら大切に保管して確定申告に備えておきましょう。
なお、公的年金の受給者も年金の源泉徴収票を提出します。日本年金機構から発送されるため、他の年金書類と混同しないよう注意しましょう。
○青色申告の必要書類
青色申告とは、あらかじめ税務署に「青色申告で確定申告する」旨を申請した上で、日々の取引を複式簿記で帳簿に記し、所得を申告する方法です。青色申告のメリット・デメリットは以下の通りです。
青色申告のメリット | 青色申告のデメリット |
・青色申告特別控除(最高65万円)が受けられる ・赤字が繰り越せる(最大3年間) ・家族への給与を経費にできる ・貸倒引当金を設定できる | ・事前申請が必要 ・複式簿記による細かい帳簿付けが求められる |
青色申告最大のメリットは、4つの節税効果があることです。まず1つ目の効果は、青色申告特別控除が受けられること。青色申告のルールに基づいた水準で記帳(通常は複式簿記)することで、個人事業で生じた所得から最高65万円を控除できます。
2つ目に、事業で生じた赤字を確定申告することにより、その損失額を翌年以後3年間にわたって各年分の所得から差し引くことが可能です。「独立した当初は赤字だったが、その後は順調に業績が伸びて黒字になった」という場合に、3年以内であれば黒字年度の税金を抑えることができます。
3つ目の効果は「青色事業専従者給与」と呼ばれる、家族への給与を経費として申請できる点です。個人事業主と同じ生計の 配偶者(夫または妻)と 親族(祖父母や15歳未満を除く子供)の給与分を、必要経費として算入できます。
具体的には、配偶者の場合は最高86万円、15歳以上の親族は最高50万円を経費として差し引くことができる仕組みです。
そして最後が、予期せぬ損害に備えるという名目で、貸倒引当金を設定できるというもの。その年の売掛金や貸付金、未収金などの金額を貸倒引当金として経費申請できるため、結果的に所得を少なくすることが可能です。
このように節税効果の高い青色申告ですが、これらの恩恵を受けるためには税務署への承認申請が必要となります。
申請は毎年行う必要はありません。承認されて青色申告になれば、その後取りやめの届出を出さない限り自動的に継続されていく仕組みになっています。
ただし、定められた期限内に申請書を提出しなければならないため注意しましょう。新たに個人事業を始めた場合は開業後2ヵ月以内に、もともと白色申告だった個人事業主が青色申告に変更する場合は、変更する年の3月15日までに申請することが求められます。
また、青色申告は求められる要件に沿った複式簿記による記帳が大前提で、作成した帳簿を一定期間保管しておかなければなりません。
複式簿記を行うにはある程度の会計知識が必要ですが、その知識や細かい帳簿付けの時間がない場合には、税理士に依頼をして代行してもらうことも可能です。しかしその場合コストがかかってしまい、経済的ではありません。
おすすめは、青色申告に対応した会計ソフトを使って帳簿管理すること。日々の売り上げや経費など取引内容を入力するだけで、自動的に青色申告に必要な帳簿類を作成することができます。
この方法なら簿記の知識がなくてもスムーズに青色申告できるため、ぜひ活用しましょう。
では具体的に、青色申告するためにはどのような書類が必要なのでしょうか?以下で詳しくご紹介します。
■【必要書類その1】確定申告書B
白色申告と同様、個人事業主が青色申告する場合は「確定申告書B」を提出して申請をします。記入内容も先述した通りで、白色申告と同じ書類を使い、同じ内容です。
■【必要書類その2】確定申告書に添付する各種控除関係の書類
こちらも白色申告と同様です。各種控除を受けるための証明書を添付しましょう。
万が一手元にない場合や紛失してしまった場合は再発行も可能なため、各種関係機関に問い合わせてみましょう。
■【必要書類その3】青色申告決算書
事業の収入と経費を記入する書類であり、一般用・農業所得用・不動産所得用の3種類があります。農業や不動産による収入がなければ、一般用の青色申告決算書を使用しましょう。
書類は税務署で直接受け取ることはもちろん、国税庁のサイトからダウンロード・印刷することもできます。ちなみに毎年書類提出で確定申告をしている個人事業主には、12月〜1月の間に税務署から確定申告書Bとともに郵送されてきます。
青色申告決算書は計4ページで構成されており、それぞれの記入内容は以下の通りです。
・1ページ目:「損益計算書」その年の売上や経費の内訳、所得金額など
・2ページ目:「損益計算書の明細書」月別の売上・仕入金額や、従業員がいる人は給料賃金など
・3ページ目:「損益計算書の明細書」減価償却費や地代家賃など
・4ページ目:「貸借対照表」その年度の最初にあった資産・負債と、年度末に残った資産・負債など
白色申告の「収支内訳書」に比べると記入枚数が多くなりますが、きちんと帳簿を作成していればそのデータを書き写すだけでOK。しかも、最新の会計ソフトで作成した場合は、そのままプリントアウトして税務署に提出できます(ソフトによっては追記する必要あり)。
ソフトを使用すれば、わざわざ手書きで書き直す手間や時間を取られずに済み、煩わしさを感じることはありません。
同様に確定申告書Bについても会計ソフトで作成・出力して提出可能なため、効率的に確定申告ができます。
■【必要書類その4】源泉徴収票(給与所得などがあった場合のみ)
源泉徴収票も白色申告と同様に、給与や退職金、年金の支給があった場合は提出が必要です。各種関係機関から事前に発送されてくるため、きちんと保管して備えましょう。
■まとめ
今回は確定申告における白色申告と青色申告それぞれの概要と、必要書類をご紹介しました。
白色申告は「手間がかからない」ため、個人事業の売上が少ない場合に適しています。
一方、青色申告は「節税メリットが大きい」ため、個人事業の売上が多く税金をたくさん支払わなければならない場合に最適です。どちらにしても帳簿作成は必須なので、よりお得に確定申告するなら青色申告をおすすめします。
ちなみに、青色申告の申請書を出して承認が下り、青色申告をすることになったとしても、「やっぱり面倒だから白色で確定申告したい」という場合は白色で確定申告することも可能です。青色申告の申請はやっておくに越したことはないでしょう。
白色申告と青色申告どちらを選ぶにしても、年末に慌てて準備するのは効率的ではありません。事前手続きや必要書類についてしっかり把握し、スムーズな確定申告を目指しましょう。
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