起業前のあなたが退社前に知るべき7つの現実。コレを知らずに起業すると必ず失敗します

公開日:2017.8.3  |  最終更新日:2023.10.11



自由なワークスタイルや、好きなことを仕事にできることなどを理由に起業に憧れるサラリーマンは少なくありません。インターネットや書籍、テレビ番組からは脱サラに成功した起業家たちの情報を得ることができるため、刺激を受けた方もおられるでしょう。

先人たちの影響を受け、思い切って起業を決意するのは素晴らしいことですが、サラリーマンから経営者になると今の生活がどうなるのか、収入や出費、将来の安定などのリスクについて考えてみたことはありますか?

今回は、サラリーマンが退社する前に知っておくべき現実についてご紹介します。脱サラをして起業を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。


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■【知るべき現実その1】安定した給料がない

Tatsuo Yamashita

起業すると、サラリーマンのように毎月決まった金額の給料はなくなります。また、有給休暇という概念もないため、仕事を休めば休んだ分だけ収入は減ります。もちろんボーナスもなく、資格や業務、残業に関する手当もありません。

まずは、現在生活に必要な資金を隅々まで全て書き出し、月々にかかる費用を計算してみてください。起業後、少なくともその金額を継続的に稼ぐことができなければ、資金不足で起業が失敗し、家族がいる方は家庭にまで影響が出てしまいます

起業すると、売り上げが多い月もあればゼロに等しい月もあるなど、サラリーマンのように安定した収入を得るのは難しいでしょう。収入がなくとも月々の固定費は支払わなくてはいけないため、場合によってはこれまでの貯金を切り崩しながら経営を続けざるを得ない可能性もあります。

さらに、会社が軌道に乗るまでは収入もあまり見込めないため、起業間もない頃はできるだけ出費を抑える必要があります。経営に関するコスト削減のほか、日常生活でも家賃や光熱費、携帯電話料金、趣味や娯楽にかける費用などを切り詰めて会社に回さなければいけない場合もあるでしょう。会社の経営状況によっては家賃の安い物件に引越したり、保険の見直しをしたり、趣味で続けていた習い事を辞めたりと、生活スタイルを変える必要が出てくるかもしれません。

サラリーマンのように安定しない収入や、これまで貯めてきた貯金を切り崩していく姿を想像してみてください。相当な覚悟がなければ、金銭的な不安を乗り越えることはできないでしょう。

 

■【知るべき現実その2】決意すればすぐに起業できるのではない

起業を決めたからと言ってすぐに独立できる訳ではありません。どんな事業を行うのか、起業にはいくら資金が必要なのか、競合他社はどのくらいいるのか、しっかり分析できていますか?サラリーマンとしての居場所がある間にきちんと準備をしておかなければ、いざ起業した時に困るのは経営者であるあなたです。

具体的な計画を立て実行に移すには、一般的に2年~3年は必要だと言われています。事前の情報収集や事業計画書の作成のほか、起業に必要な資金も用意しておかなければなりません。既に多額の資金があれば退職後にじっくりと準備を進めることも可能ですが、多くの場合は働きながら計画し、貯金も含めて準備することになるでしょう。

起業前の準備としては、主に以下のような内容が考えられます。

 

〇資格の取得

起業しようとしている職種で必要な資格は、あらかじめ取得しておくのが望ましいでしょう。資格の難易度にもよりますが、勉強や受験を合わせて1年~1年半程度かかるのが一般的です。ただし、資格によってはそれ以上時間がかかるものや、通学が必要なものもあります。

 

〇練習

例えばセラピストや調理師など技術を活かして起業する場合は、自分の腕が商売道具です。起業する前には家族や友人にモデルをお願いするなどして、しっかりと練習しておく必要があります。

 

〇集客方法の計画

起業して店を構えただけでは、お客はやってきません。ポスティング、雑誌や地方紙の広告、ラジオCM、チラシ配りなど、どの手段で集客するかも考えておくと良いでしょう。

集客効果があるとされる宣伝手法も業種によっては相性が合わない可能性もあるため、自分が売りたい商品やサービスはどのように宣伝するのが最も効果的か、しっかりと計画しておくことをおすすめします。

 

〇資金調達

資金調達方法は、以下のように3つの手段があります。

 

①貯蓄や退職金などの自己資金
②公的金融機関からの融資
③親戚や友人からの借金

 

自己資金は必ず用意しておくべきです。自己資金が無ければ、銀行など金融機関からの信用を得られず融資を受けられる可能性が下がってしまうほか、親戚や友人からにも起業に対する熱意が伝わらず、援助してくれる人が見つからない可能性があります。

一般的に起業には数百~数千万円が必要だとされています。融資制度などを利用すれば全額をひとりで用意する必要はありませんが、まとまった自己資金を用意するのに少なくとも数年はかかるでしょう。

 

このように、起業までには長い年月が必要です。サラリーマンの場合は、本業と両立しながらの準備になるため、その負担は並大抵のものではありません。忙しいサラリーマン生活と起業準備を両立する強い覚悟が不可欠だと言えます。

 

■【知るべき現実その3】将来の安定は確保されない

Ivan Salas

今現在、自分のスキルや知識に自信があっても、未来のことは分かりません。中には独立してから何十年も第一線で活躍する経営者もいますが、彼らのように安定しているのはごく一部でしょう。起業すれば安定した給料が望めないのと同じく、経営者としていつまで会社を続けられるかの確証がないことを覚悟しておくべきです。

脱サラして起業を目指す方の中には、サラリーマンとしての生活が嫌になった方や、会社に縛られず自由に働く起業家に憧れる方もおられるでしょう。しかし、今一度サラリーマンのメリットについて考えてみてください。

世間を騒がすブラック企業と呼ばれるような会社でなければ、就職先によって給料やボーナスに差があるものの、サラリーマンである以上必ず毎月決まった給料が入ります。先々の収入が保障されているため生活の見通しを立てやすく、マイホームなどの大きな買い物も計画することができます。

完全週休2日制の場合は必ず休日があり、有給休暇を使えば連休を利用した海外旅行も可能です。また、会社の倒産や懲戒処分の対象となる問題がなく定年まで勤め上げれば、まとまった額の退職金も支給されます。さらに、家賃補助や住宅手当、健康診断、育児休暇や介護休暇、慶弔や災害見舞金、余暇施設の割引、リフレッシュ休暇、資格取得支援、食事手当など、挙げ出すとキリがないほどの福利厚生を受けられる点も、サラリーマンならではのメリットでしょう。

このように、サラリーマンは会社に属して働く上で抱えるさまざまな不満と引き換えに、これだけ多くの安定を得ることができます。脱サラをして起業することで今まで築いてきた経験や、これらの安定が失われてしまうことを理解しておきましょう。

 

■【知るべき現実その4】国民年金や健康保険は全て自費

起業すると、これまでは会社が負担していた健康保険や年金も自分で支払わなければなりません。サラリーマンは全国健康保険協会に加入しており、収入に応じて算出された保険料の約半額を会社が負担してくれていますが、起業して自分で払う場合のおよその金額をご存知でしょうか?市区町村や収入、世帯人数などよって金額が大きく異なるため一概には言えませんが、例えば東京都在住の35歳男性を例に見てみましょう。

年間の総所得が500万円の場合の国民健康保険料は、1人世帯の場合は年間約30万円、同い年の妻との2人世帯の場合は年間約34万円必要です。子供がいれば当然その金額はさらに高くなり、ほかにも国民年金や、40歳以上になると介護保険料も加算されます。

健康保険は国民健康保険への加入以外にも、国民健康保険組合への加入やサラリーマン時代の保険を任意継続する方法があります。いずれにしてもサラリーマンよりも保険料が高額になるため、起業によってどのくらいの収入が見込めるか計算し、不安な方は一度市役所で保険料を算出してもらうと良いでしょう。

また、家族がいる場合は、家族の扶養に入るのもひとつの手段です。扶養に入れば健康保険や年金の負担はなくなるため、家族と会社の理解が得られるならば検討してみるのもおすすめです。

 

■【知るべき現実その5】自分で確定申告をしなければならない

[cipher]サラリーマンの場合は社会保険料の支払いと同じく、納税額の計算や支払いも会社が代わりに行っていましたが、起業すれば確定申告も自分でしなくてはなりません

サラリーマンに比べると手間がかかりますが、最近では会計ソフトが充実しているため、書類の作成自体はそれほど負担なく行うことができます。また、税理士に依頼して確定申告書の作成を行ってもらうのも良いでしょう。

税理士に依頼する場合は、会社の年収によって異なりますが、500万円以下の場合は約3万円、1,000万円以下の場合は約5万円が目安です。ただし、依頼する税理士や記帳の件数によってさらに高額になる場合があるため、依頼前にはよく確認しておきましょう。

依頼料が負担となる場合は、会計ソフトを使用して自分で行うこともできます。ソフトは有料ですが、税理士への依頼と比べると半額以下に抑えられるほか、必要書類が揃っていたり電話やメールなどによるサポートが整っていたりと、ソフトによって様々な特典が付いているため、初めての方でも安心して利用することができるでしょう。

会計ソフトは多くの種類があるため自分の使いやすいものを選ぶのが最適ですが、その中から扱いやすいソフトをいくつかご紹介します。

 

〇やよいの青色申告

最もメジャーなソフトです。確定申告に必要な書類が全て手に入るほか、銀行明細を自動で取り込めるため、会計仕分データへの変換や帳簿や伝票の入力なども簡単に行え、簿記や会計の知識がない方も安心。

 

やよいの青色申告 17|青色申告・確定申告ソフトなら弥生

 

〇やるぞ!青色申告

税理士による節税申告講座(PDFデータ)や、操作マニュアルが付いたお得なソフトです。購入から最長15ヵ月間は無料でメール・電話によるサポートが受けられます。無料体験版で実際に操作してみるのも良いでしょう。

 

やるぞ!青色申告確定申告2017

 

〇MFクラウド確定申告

インストールが不要のクラウド型ソフトのため、事故や災害によってパソコンが故障してもデータを安全に守ることができ、会社のパソコン以外からも利用が可能です。電話・メール・チャットによるサポートも充実しているため、簡単に利用できます。

 

確定申告ソフト「MFクラウド確定申告」

 

確定申告は憂鬱に感じる経営者が多いのも事実ですが、起業するからには避けて通ることはできません

初めて確定申告を行う場合、書類作成や手続きを全てひとりでするのは容易ではないため、税理士へ依頼したり会計ソフトを購入したりするなど、ある程度の費用がかかったとしても確実に行った方が安心にもつながります。

 

■【知るべき現実その6】退社前に起業すると懲戒処分の恐れも…

「一刻も早く脱サラして経営者として成功したい」、「本格的に起業する前に、まずはお試しで週末起業をしよう」と、逸る気持ちを抑えられず退社前に起業して会社にばれてしまった場合、懲戒処分を受ける恐れがあることは覚悟できていますか?サラリーマンが会社に勤めながら社外で起業すること自体は法律上何の問題もありませんが、会社の就業規則に反した場合は規定された処分を受ける可能性があります。

多くの会社が就業規則で副業を禁止している理由には、本業に全力で取り組んでほしいという会社の想いのほか、社外でトラブルが起きることによる会社のイメージダウンや、本業で得た知識や技術が社外に漏洩するのを防ぐ目的もあります。起業して得た収入にかかる住民税を本業の給与からの差引きではなく、自分で納付することで会社にばれるリスクは抑えられますが、それも都道府県や会社の経理状態によっては確実ではありません。また、インターネット上では会社にばれない方法についてさまざまな情報が飛び交っていますが、絶対にばれない方法というのはないと思っておいた方が良いでしょう。

住民税の増額によってばれてしまったり、起業を知った同僚から告げ口されたりした場合、すぐに論旨退職や懲戒解雇などに至る可能性は低いとは言え、口頭注意である戒告処分や減給処分などを受ける可能性は十分にあります。また、度重なる注意にも関わらず隠れて事業を続けていると、さらに重い処分が課され、会社に居辛くなってしまうかもしれません。

これらのリスクを理解した上でやむを得ず在職中に起業する場合は、自己責任で行うか、上司に相談して会社から副業許可をもらいましょう。

 

■【知るべき現実その7】失敗の先には自己破産がある

ここまでご紹介してきた問題点を、あなたがスムーズに解決できたとしましょう。しかし、仮に商売が軌道に乗ったとしても、経営には常に多額の負債を抱えるリスクが潜んでいます。

多額の負債を抱えたままで倒産をすると、収入源を失った経営者は返済をすることができません。長年地道に返済する手段も考えられますが、多額の負債を抱えた経営者の多くは「自己破産」を選んでいます。

自己破産は債務整理のひとつであり、裁判所から認められると借金の返済義務を免れることができます。ただし、自己破産には以下のデメリットも発生するので、安易に手続きを進めるべきではありません。

 

①所有している資産を失う。
②クレジットカードが持てなくなる。
③士業や警備員など、特定の職業に就けなくなる。
④官報に住所や氏名が記載される。

 

①や④のデメリットについては、家族などの身内に迷惑をかける恐れがあるでしょう。多額の負債を抱えて会社が倒産し、自己破産によってこれまでとは同じ生活を送れなくなるリスクも、起業家は真剣に考えるべきです。

 

■まとめ

今回は、起業を決意したサラリーマンが会社を辞める前に知っておくべき現実をご紹介しました。これを読んで少しでも「面倒だな」「心配だな」と感じた方は、まだ起業するには早いのかもしれません。

サラリーマンは長時間の拘束や毎日の通勤などストレスも多くありますが、その分安定した収入や、社会保険料の負担、福利厚生など会社からの恩恵も多くあるはずです。それらを失ってでも起業したいのかどうか、退社前にもう一度よく考えてみましょう。

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