市場調査の意味とは?7つのやり方やマーケティングリサーチとの違いも解説
公開日:2023.6.27 | 最終更新日:2023.7.23

さまざまな市場調査方法がある中で、自社商品やサービスの市場調査を、どのように行えばよいか迷うのではないでしょうか。
市場調査の方法は、定量調査と定性調査に分類され、調査目的により的確な方法が異なります。定量調査は、グラフ化などで市場の全体傾向が把握可能です。定性調査は、市場の人物像・問題や想定外の発見などが得られます。
今回は、市場調査の方法で悩んでいる方のため、以下のような内容を解説します。
- 市場調査の意味とは
- 市場調査の種類
- 市場調査の主な方法
- 市場調査の重要なポイント
これから解説する内容を参考にすれば、自社商品やサービスの市場調査のため、どのような方法が適しているかの判断が可能です。
市場調査の意味とは

市場調査とは、商品やサービスに対する「市場の現状を調査し明らかにする」ことです。新商品やサービスの開発、あるいはすでに市場に提供している商品やサービスの評価を測るために用いられます。
市場調査を行い、データを分析してマーケティング施策に役立てれば、事業拡大が可能です。市場調査はマーケティングリサーチと混同されがちですが、調査対象とする時間軸が異なります。
市場調査について明確にするため、次の2項目について詳しく解説します。
- 市場調査の目的
- マーケティングリサーチとの違い
市場調査は、新規事業を成功に導く重要なプロセスです。
下記の記事では、新規事業を成功させるために、7つのプロセスを解説しているので、新規事業に興味がある方はこちらも参考にしてみてください。
新規事業の立ち上げを成功させる7つのプロセス|役に立つフレームワークや成功の方法も解説
市場調査の目的
現在の市場状況を把握することが市場調査の目的で、調査対象のニーズや属性を把握します。属性とは、年齢・性別・居住地・家族構成・職業・収入などです。
市場調査データの分析結果から、商品やサービスがどのように評価されているかがわかります。調査結果をマーケティング施策に反映すれば、次のような効果が得られます。
- 顧客ニーズを満たす商品やサービスの提供
- 長期間にわたるビジネスの継続
たとえば、20代をターゲットとした商品の市場調査を行ったとします。結果として、30代に人気が高いことがわかれば、30代向けに効果的な広告を打つことで、ビジネス拡大につながります。
マーケティングリサーチとの違い
市場調査は現在の市場把握ですが、マーケティングリサーチは将来の市場動向やニーズを把握するために行います。時間軸が異なり、市場調査は「過去から現在」、マーケティングリサーチは「現在から将来」といえます。
市場の動向やニーズの把握という点では、市場調査とマーケティングリサーチに違いはありません。しかし、市場調査とマーケティングリサーチは、調査の方向が異なります。
市場調査は、過去から現在までの情報を収集し、現状の市場動向から商品やサービスの開発に役立てます。マーケティングリサーチは、現在の情報を収集し、将来の市場動向を把握して販売促進に活用可能です。
市場調査の種類

市場調査の方法は、大きく分類すると定量調査と定性調査の2種類に分けられます。定量調査は、商品やサービスに対する認知度や割合・人数などの把握です。定性調査は、顧客の要望やニーズ・意見も把握します。
市場調査の目的と内容により、2つのどちらかを選択するか、両方を組み合わせて行うことがあります。自社の調査目的を明確にし、解説する内容を参考にして、適切な調査の種類を選択してください。
2つの調査が、どのような特徴を持つのか詳しく解説します。
- 定量調査
- 定性調査
定量調査
定量調査は、調査結果をグラフ化しやすいため、全体の傾向把握が可能です。調査目的としては、価格・ブランドのイメージ・商品の満足度・ユーザー属性などに向いています。定量調査は、アンケート調査、あるいはネットの購買データなどを活用して行います。
アンケート結果や購買データから大量のデータを収集しグラフ化すれば、市場の傾向分析が可能です。顧客が求めている価格帯やブランドに対するイメージなどを把握できれば、マーケティング施策の参考になります。
定性調査
定性調査は、対象者の人物像・問題点などを具体的に理解でき、想定外の発見につながる可能性があります。調査目的として向いているのは、購入検討のプロセス・商品の使い方・行動の背景・生活の理想像などです。
調査方法としては、対面インタビュー、あるいはエスノグラフィなどを活用します。対面インタビュー調査は、最も多く用いられる方法です。
エスノグラフィは、調査員が一定期間、対象者の生活環境に身を置いて調査を行います。気軽にはできませんが、対象者の生活を深く理解できます。
定性調査は手間と時間がかかるため、対象者は少人数に限られ、対象者の選定が重要なポイントです。対象者の生活パターンや考え方、今抱えている問題などを把握できれば、商品開発のヒントが得られることがあります。
市場調査の主な方法7つ

市場調査の内容や目的により、さまざまな調査方法が用いられます。市場調査の方法は多くあるため、自社の目的に合わせて、適切な方法を選択することが大切です。1つの目的のために、複数の方法を組み合わせて調査を行うこともあります。
市場調査の主な7つの方法を詳しく紹介します。
- 統計情報分析/購買情報分析
- アンケート調査(郵送/FAX/インターネット)
- 電話調査
- 対面でのインタビュー(1対1調査/グループ調査)
- 街頭でのインタビュー調査
- ホームユーステスト
- 覆面調査
1.統計情報分析/購買情報分析
統計情報や購買情報を入手して分析を行います。統計情報は、総務省統計局のホームページや、調査会社のサイトから入手できます。欲しいデータがすぐに無料で使えるケースもありますが、信頼できるデータであるか確認が必要です。
購買情報は、いつ・誰が・どこで・何を買ったかなど、購入履歴に関する情報です。自社で保有している購買情報や、調査会社から購入して利用することもできます。自社の商品やサービスの市場調査を行う前に、ターゲット市場のトレンドを知るうえで有効な手段です。
2.アンケート調査(郵送/FAX/インターネット)
もっとも一般的で、大人数の対象者から回答が得られる調査方法です。アンケート調査は、あらかじめ作成した調査票に、対象者から回答してもらい集計します。大規模に低コストで調査でき、価格・ブランドイメージ・満足度調査などに向いています。
調査手段はさまざまですが、郵送やFAXは手間とコストがかかるため、インターネットの活用が主流です。無料あるいは有料のwebツールがあるため、調査規模と目的に合わせて選択してください。
ネットやスマホが苦手な世代に対しては、郵送が有効な手段です。
3.電話調査

対象者と電話で会話しながら行う調査です。郵送では回答しない対象者も、電話調査では回答してもらえる効果があります。調査員は、対象者の回答次第で臨機応変に質問内容を変えられ、有益な回答が得られやすくなります。
最近の若い世代の多くは、固定電話を持っていません。スマホへ電話しても応答を拒否される可能性が高くなります。このような傾向から、電話調査はスマホやネットを活用しない高齢者の調査に有効です。電話調査は、世代に特化した商品開発や満足度調査に向いています。
4.対面でのインタビュー(1対1調査/グループ調査)
対面でのインタビューには、調査員1人と対象者1人で行う1対1調査と、対象者が複数人のグループ調査の2種類があります。1対1調査は、1人に多くの時間がかけられ、じっくりと細かな調査が可能です。しかし、調査効率が悪いため数に限りがあります。
グループ調査は、じっくりとした調査を行いつつ効率アップした調査です。調査の目的と効率を考慮して、どちらが適しているかを選択してください。インタビューは対象者と対面で行うため、調査員が対象者の回答によって質問内容を臨機応変に変えられます。
対象者の要望や意見が聞けるため、対面でのインタビューは、商品開発や満足度調査に向いています。
5.街頭でのインタビュー調査
街頭でのインタビュー調査は、街頭で対象者に声をかけ、インタビュー調査を行う方法です。展示会場などで行う場合もあります。事前にリストアップされた対象者ではなく、その場で選ぶため、生々しい声を聞き取れるメリットがあります。
しかし、突然声掛けされて答えてくれる対象者は少なく、想定通りに数が集まらないかもしれません。その場に居合わせた対象者であるため、回答内容が偏ることも考えられます。
街頭インタビュー調査は、特定の地域限定やイベントなど、その場の満足度調査に向いています。
6.ホームユーステスト

ホームユーステストでは、商品を対象者に使ってもらい、アンケートで使用後の感想や意見を回答してもらいます。一般的には、商品とアンケート用紙を送り、返送してもらう方法を取ります。詳しく回答内容を確認したい場合は、対面で行う調査が有効な手段です。
調査員が対象者を訪問し、対面で意見の聞き取りを行うこともあります。商品を使用した対象者に指定した場所に集まってもらい、対面でグループ調査をすると詳細な情報収集が可能です。
ホームユーステストは、商品の満足度や具体的な改善点を見つけたい調査に向いています。
7.覆面調査
覆面調査は、ミシュランガイドで注目されるようになった調査方法で、ミステリショッパーとも呼ばれます。一般客を装い店舗や施設を訪問し、実際に商品やサービスを体験し調査する方法です。
調査される側は、調査員が誰なのかを知らず、いつ来るかも知りません。突然訪問し、調査員と気づかれずに、ありのままを調査できます。しかし、調査員がばれてしまうと、調査の目的が達成できません。
覆面調査は、飲食店や店舗スタッフのサービス調査などに向いています。
市場調査の重要なポイント3つ

市場調査は調査のために行うのではなく、ビジネスの意思決定を行うために活用します。ビジネスでは4半期ごとに目標が設定され、1年・中期・長期とそれぞれ明確な目標があります。
市場調査は、それぞれの目標達成を検討する中で、重要な判断基準として欠かせません。ビジネスに活用するためには、決め手となるポイントがあります。市場調査を成功に導くために、重要な3つのポイントを解説します。
- 目的を明確にする
- 期間と予算を決める
- 適切な調査方法を選ぶ
目的を明確にする
市場調査で最も重要なことは、調査目的の明確化です。目的が不明瞭だと、ターゲット市場のあらゆることをカバーしてしまうため、事業の意思決定には役に立ちません。結果として、無駄なコストと時間を消費してしまいます。
企業の中に存在する課題を明確にすれば、調査目的は決められます。調査目的を決めた後、調査結果をどのような意思決定に用いるかを検討してください。
調査目的と意思決定の例を以下に示します。
- 調査目的:「商品X売上低迷の要因を明確化」
- 意思決定:「来期のマーケティング戦略を決める」
このように目的を明確にすることで、マーケティング戦略策定の調査にフォーカスできます。
期間と予算を決める
市場調査は、ビジネスの意思決定のタイミングまでに結果が求められます。たとえば、市場調査に6週間かかるとすれば、余裕を見て意思決定の8週間前にはスタートする必要があります。
市場調査は社員だけで行えば、社員の工数以外に費用はほとんど掛かりません。商品のユーザー1,000人へのアンケートなど大規模な市場調査の場合は調査会社が必要でコストが発生します。
市場調査が与えるビジネスへの投資対効果により、予算を決めてください。
適切な調査方法を選ぶ

自社の市場調査目的を明確にして、調査方法を選んでください。不明瞭なまま市場調査を行うと、自社のビジネスに生かせず、時間とコストの無駄遣いになります。市場調査の方法は、その目的に応じてさまざまです。
市場調査の方法を大きく分類すると、定量調査と定性調査の2種類があります。自社の社員だけでできる方法もあり、調査会社の協力が必要な場合もあります。自社が求める結果によっては、複数の調査方法の組み合わせが必要です。
市場調査を自分で行うor専門業者に依頼する?各メリットを紹介

市場調査のやり方には、自社で行う方法と専門業者に依頼する方法があります。
自社で調査を行えば、コストセーブはできますが、調査スケジュールが遅延することがあり注意が必要です。専門業者に依頼すると、経験豊富でノウハウもあり、予定通りの日程とコストで結果が得られます。
自社で行う場合と市場調査会社に依頼する場合を、比較して詳しく紹介します。
- 自社で行う場合
- 市場調査会社に依頼する場合
コストの余裕と目的・日程・方法を検討し、自社に適する市場調査のやり方を決めてください。
自社で行う場合
自社で市場調査を行う場合は、インターネット・郵送・電話などを利用したアンケート調査が考えられます。対面での調査はハードルが高いため、インターネットや郵送で調査票を対象者に送り、返送してもらう方法をおすすめします。
自社で行う最大のメリットは、コストセーブです。初めて市場調査を行う場合は、アンケート内容や進め方で悩み、時間がかかることがあります。調査のクオリティ低下を招かないために、調査日程に余裕が必要です。
市場調査会社に依頼する場合
市場調査会社は、豊富な経験とノウハウを持っています。市場調査の目的を明確にして市場調査会社に依頼すると、決められた日程とコストで確実に結果が得られます。市場調査を依頼する前に、自社のマーケティングに関するアドバイスを受けることも可能です。
市場調査会社により価格は異なります。一般的には、調査方法と調査サンプル数によって、価格は見積もられます。複数の会社から見積もりを取り寄せて、内容を比較してください。
市場調査を活用して自社商品・サービスのビジネスを拡大

市場調査は、ビジネス拡大のヒントを与えてくれます。市場調査を成功させる秘訣は、調査目的を明確にすることです。目的が不明瞭では、漫然とした結果しか得られず、事業戦略に結び付けられません。
自社が抱える課題を洗い出せば、調査目的は決められます。調査目的に最適な調査方法を選択してください。自社の社員で出来る調査方法と、市場調査会社でなければできない方法があります。
下記の記事では、事業拡大についてメリットや実際の事例を解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
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