仕事に差がでるマナー10選!ビジネスメール・ビジネス文書の基本を文例付きで理解できる

公開日:2018.5.24  |  最終更新日:2020.3.16



成功に近づける起業家の条件として、「社会人として一定年数勤めた経験を持つ人」がよく挙げられます。組織の中で身につけた基本的なビジネスマナーは、起業後の経営活動においても重要になることでしょう。

挨拶や大切な業務連絡をご自身で行う機会が多い起業家にとって、ビジネス文書の正しい書き方が身についていることは必須条件ともいえます。そこで今回は、業務メールをはじめとするビジネス文書の、基本的なマナーをもう一度チェックしていきましょう。

意思の伝達がスムーズにできれば、ビジネス拡大にも100%役立ちます。企業におけるマナー講習なども10年以上担当している、現役マナー講師の視点からご紹介します。

■【メールのマナーその1】基本的なメールの構成を理解する

まずは、基本的なメールの構成からご紹介していきます。


【その1】メールの書式は読みやすく!

業務連絡でメールを使うときは、「見やすい」「読みやすい」ことは前提条件と考えましょう。パッと見れば内容がすぐ頭に入るようにメールの体裁を整えておくことは、先方への礼儀でもあります。

まず、「企業名(社名)」「送信者名(あなたの氏名)」「メールアドレス」は、必ず受信ボックス内やメール本文の冒頭で表示されるように設定しておきましょう。メールの冒頭には必ず「宛名」を書きます。相手先の企業・団体名、部署、肩書き、敬称付きのお名前を、それぞれ1行を使って改行しながら記載しましょう。

本文内でも、宛先の方に呼びかける際には敬称を必ず記載することを忘れずに。また、先方の社名を記載する際には略称や(株)などの使用は避けて、正式な社名を誤記なく書くことが基本です。


<メール本文の体裁例>

〇〇株式会社

営業部 営業1課

□□ △△様


いつもお世話になっております。

株式会社◎◎の鈴木でございます。

(中略)

お手数で恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。


上記の例の通り、書き手が名乗る前に簡単な挨拶文を入れて書き始めましょう。「お世話になっております」などが無難ですが、先方へメールを久しぶりに送るなら「大変ご無沙汰しております」などの内容に変更しても可です。

また、結び(末尾)の文も「よろしくお願いいたします」などの内容を含めた、簡単な挨拶文を必ず記して締めましょう。


【その2】件名はひと目見て分かるように

件名(メールの題名)は、見ただけでメールの内容が簡潔に伝わるタイトルを付けるようにしましょう。ときどき、件名に「お世話になっております」「おはようございます」など挨拶文を記載するケースが見られますが、ビジネス連絡としてはあまり適していません。


<適切な件名の例>

「〇月×日予定の打ち合わせについて」
「御見積書のご送付」 など


上記のように、本文を開く前にメールの中身がある程度推測できる件名を付けると親切です。


【その3】本文を書くとき意識したい「PREP法」とは?

分かりやすい文章を書くときの手法として、よく挙げられるのが「PREP法」です。聞いたことはあるけれど、実際の使い方はご存じないという方もいるかもしれません。

PREP法とは、文中で優先して伝えたい内容を、以下のように順に書いていく方法です。


1.Point:メールの主旨・結論
2.Reason:主旨・結論に至った理由
3.Example:(挙げる必要があれば)事例
4.Point:主旨・結論・事例の総括


出典:伝わるプレゼンテーションの構成:ビジネスコミュニケーションの基礎知識1 | 製造/建設エンジニアの情報サイト「Tech Note」


ビジネス上の会話でも大切なことですが、同様にメールにおいても「結論を先に伝える」ようにすると、冒頭の段階で何を言いたいのかが伝わります。結論を出すに至った理由などはその後に説明すればよいと考え、「もっとも伝えたいこと」を優先しましょう。


【その4】署名は必ず付けること

メールの末尾には必ずご自身の署名が表示されるよう、あらかじめ設定しておきましょう。署名であるとすぐ分かるように、上下を記号などで区切って表示するケースが一般的です。


<署名の例>

________________________

株式会社◎◎◎◎

鈴木太郎

Mail:suzuki@△△.jp

TEL:03-XXXX-XXXX

住所:〒123-4567 東京都〇〇区〇〇

________________________


上記の署名例は、あくまで最小限の内容で構成されています。もし業務用の携帯電話などをお持ちならその番号も付記するなど、ご自分に合わせて工夫してもよいでしょう。あなたの氏名と連絡先、そして使える連絡手段が簡潔に分かる内容にすることが大切です。

■【メールのマナーその2】To・Cc・Bccなど、宛先の選択を正しく行う

メールの宛先選択欄「To・Cc・Bcc」を「届けばよい」と、ただなんとなく設定してしまっていませんか?メールで割り当てられる宛先選択には、それぞれ異なる役割があります。それらを理解し、送り先に合わせて宛先の設定を選ぶこともマナーです。


〇宛先「To」とは?

メールの内容を、必ず伝えなければならない相手に対して設定します。基本的には、本文中の宛名として相手先には必ずToでメールを送信します。「絶対に見てほしい・読んでほしい」という相手には、宛先「To」でメールを送るようにしましょう。


〇宛先「Cc」とは?

Ccとは「同報」を意味します。「念のため読んでおいてほしい」「別の方に宛てたメールだが、この人にも内容は確認しておいてほしい」という送り先に用いるケースが一般的です。

送られた相手側も、「○○さん宛てのメールだけど、Ccで送られてきたから一応確認しておこう」というスタンスで、受け取って読むことができます。


〇宛先「Bcc」とは?

これまでBccを使った経験があまりなく、「何のための宛先かよく知らない」という方も少なくないかもしれません。Bccとは「隠し同報」を意味し、「ToやCcで送った相手には通知されない宛先」となります。

たとえば、「○○さんに送るメールではあるが、参考として××さんにも見ておいてほしい。でも、××さんにも送ったことは○○さんには知られたくない」というケースなどで使用します。あるいは、「一斉に沢山の相手に同報する必要があるが、送り先が多すぎて大量表示されると迷惑」という場合にも用いられます。


出典:【初心者必見】メールが100倍便利に!「To」「Cc」「Bcc」の違いを徹底解説 | カミアプ


〇宛先選択の注意点

ビジネスメールを送り慣れてくると、つい沢山の相手先にCcなどを付けて送りたくなります。しかし、内容を確認してもらう必要がない相手にまでむやみに同送することは控えましょう

メールを見ておいてほしい相手が増えるのは分かりますが、相手方が受け取るメールの数がその分増えることも意識しなければなりません。先方にさほど関係のない内容のメールを大量に送ると、場合によっては迷惑につながりますので注意が必要です。

また、To・Ccを複数の送り先に設定する場合は、設定の順序にも配慮が必要です。基本的には、取引先など他社の宛先から先に設定し、自社側の宛先はその後に表示されるようにしましょう。

■【メールのマナーその3】メール返信時のルールを守る

受け取ったメールに返信する際にも、気を付けたい点がいくつかあります。ここでは、先方から受け取ったメールに返信する際のマナーについてご紹介します。


【その1】返信メールに元の文を引用する場合

メール返信時や、特定の問い合わせへ返答する際などには、元のメールの内容を引用すると便利です。その際には引用文であることが分かるよう、下記の例のように記号「>」または「>>」を行頭に付記して区別しましょう。


<引用文の記載と返答の例>

>打ちあわせの日時ですが、7月23日(金)13時とさせて頂けますと幸いです。

>ご確認の程、よろしくお願いいたします。


承知いたしました。ご提示いただいた日時で差し支えございません。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。


上記の例文では、1~2行目が引用文で、それに対する回答が3~4行目となっています。引用文の行頭には「>」の記号を付記し、見分けられるよう区別していることが分かります。

利用しているメールサービスやソフトによっては、引用文をさらに簡易な手法で記載できる機能を設けている場合がありますので、それらの方法を活用しても便利です。


【その2】返信のタイミング

メールを受け取ったら、できるだけ早期に返信するようにしましょう。

しかし、問い合わせメールなどの回答には時間を要することもあるかと思います。すぐにお答えできない場合には、「メールを受領したことの確認」と「正式な返答まではしばらく時間をいただきたい旨をお願いする」という意味合いで、下記の文例などを参考に差し当たって返信しておくとよいでしょう。


<すぐ回答できないメールへの返信内容の例>

このたびは、お問い合わせ頂きありがとうございます。

誠に恐縮ですが、正式なご回答までには少々お時間を頂きたく存じます。

回答内容がまとまり次第、改めてご連絡いたしますので今しばらくお待ちくださいませ。

引き続き、何卒よろしくお願いいたします。


【その3】返信に件名を新しく付ける場合

通常、メールに返信すると「Re:○○について」と、自動的に元の件名にRe:が付記された形の件名となります。そのままの件名で返信しても厳密にはマナー違反にあたりませんが、可能であれば返信内容が伝わりやすいよう、新しい件名を冒頭に追記するのがおすすめです。

なおこの際に、元のメールの件名は削除しないようにしましょう。


<返信時の件名の例>

「回答いたします Re:○○について」
「【スケジュールのご連絡】Re:○○について」
「承知いたしました Re:○○について」

■【メールのマナーその4】必要がある時はメールと電話を併用する

メールは文書の形でやり取りのすべてが残るため、比較的ビジネス連絡では好んで用いられる傾向があります。しかし、メールを送った後に電話をかけ、改めて用件を伝えるなどの方法も、その重要度や緊急性次第でときに活用すると安心です。

メール送信後すぐに電話をかけ、その内容について知らせる際には、

「先ほどお送りしたメールに記載いたしました、○○の件ですが……」

などの内容で、いったん前置きするようにしましょう。これから話す内容をメールで先にお知らせしていることを伝えると、双方でメールを確認しながら受け答えができます。コミュニケーションがスムーズになるため、場合によっては「メール+電話」での連絡も効果的で親切です。

■【メールのマナーその5】メールの転送時のルールを守る

送られてきたメールを、別の宛先にそのまま送りたいときには「メール転送」の機能を使うと便利です。大抵のメールソフトやメールサービスでは転送ボタン1つですぐに操作できますし、転送メールの件名には「Fw:」という記号が自動的に付記されます。この記号が付くことで、相手先でも転送メールであることがひと目で識別できるようになっているのです。


〇転送する内容の改変はNG

メールを転送する際には、元のメールの内容を改変しないことが原則です。ただし、冒頭に「株式会社◎◎◎◎の○○でございます。以下転送します」などの内容を付け加えて送ることはOKです。

先方でメールを確認する際に、誰が転送したのかすぐに分かって親切でしょう。


〇メール転送時は個人情報などに注意!

メールの転送においては、注意する点もあります。転送文の冒頭には、元の送信者に関するアドレスなどの情報が必ず付記されますし、末尾の署名にも連絡先が含まれているかもしれません。

それらは個人情報にあたるので、機密保持などの面でそのまま転送先に知らせることが望ましくなければ、必ず削除しておきましょう。


■【ビジネス文書のマナーその1】ビジネス文書の種類を知っておく

ビジネスメールの書き方をひととおり押さえましたが、ここからはビジネス文書を作成する際のマナーについてもご説明しましょう。ビジネス文書の種類は、大きく分けると以下の2種になります。


【1】社内文書

社内の人たちに向けて知らせる情報を記した文書です。「業務報告書」や「議事録」、事業所同士の伝達文書などが含まれます。


【2】社外文書

取引先の他社など、社外の相手に連絡する場合に作成する文書です。「依頼書」「注文書」「納品書」などのほか、督促やクレームなど例外的な事態にあたって必要となる文書もあり、それらの内容に合わせた記載のルールがあります。


■【ビジネス文書のマナーその2】読み手に合わせることを意識する

ビジネス文書に限りませんが、文書の作成には「読み手を意識する」ことが大切です。読み手の知識やあなたとの関係性、相手先における立場などを弁えて、理解してもらいやすい内容と文体を心がけましょう。

たとえば、読み手の上司の方も文書を読む可能性があるなら、上司の方も読み手の1人として含める必要があります。文章の癖は人によって変わりますが、読み手を意識することで伝わりやすさは大きく変わってきます。


■【ビジネス文書のマナーその3】「5W3H」を意識する

「ビジネス文書では『5W1H』を意識する」と、マナー講座などで聞いたことがある方も多いはず。しかしさらに配慮を徹底するため、最近では2つのHを加えた「5W3H」を唱えるケースが主流になりました。5W3Hを簡単に説明すると、以下のようになります。


5つのW
When/日時(いつ)、Where/場所(どんな場所で)、Who/人(誰が)、What/目的(何をするか)、Why/理由(何故そうするのか)
3つのH
How/手段(どうするか)、How much/予算(いくらか)、How many/数量(どれだけか)


どのような文書にも、上記の要素すべてを盛り込まなければならないわけではありません。文書の内容や特性に合わせ、適宜選択しながら取り入れましょう。


■【ビジネス文書のマナーその4】「目的」「結論」は先に述べること

メールにおけるマナーでも少し述べましたが、ビジネス連絡では結論は先延ばしにせず最初に提示しましょう。伝えたい要点を最初に知ってもらえれば、続く内容の理解もスピーディになります。

ビジネス文書は「1.結論」→「2.結論に至った原因や過程」→「3.それに対する意見など」→「4.まとめ」の順に記載することが基本です。これを踏まえ、以下の2つの文例を見比べてみてください。


<文例1>

このたびは、毎月お願いしております〇〇の発注数量を、次月より2倍の✖✖個とさせて頂きたく、ご連絡いたしました。

〇〇を使用しております弊社製品「△△」の売上が前月より大幅に伸び、品薄が危惧されるため増産が必至の状況となりました。

つきましては、ぜひ前向きにご検討頂けますと幸いです。

当方の都合で勝手を申し上げ大変恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。


<文例2>

日頃より〇〇を使用させて頂いている製品「△△」の売上が、前月より大幅に伸びたことで、品薄の危惧により増産が必要になった次第でございます。

ぜひとも前向きにご検討頂きたく存じますが、つきましては〇〇の発注数量を次月より2倍の✖✖個でご検討頂くことは可能でしょうか?

当方の都合で勝手を申し上げ大変恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。


もっとも重要な「発注数量増加のお願い」が文例1では冒頭にあるため、その時点で内容の把握がスムーズにできるはずです。いっぽう文例2だと、結論が最後にならないと出てこないため「結局何をしたいのか」が、文章の最後まで分かりません

ただし、「お断りの連絡」など、結論を先出ししてしまうと角が立つ可能性がある文章もあるため、すべてのケースに当てはまるとは限りません。それら一部の例外を除き「結論を先に書く」ことが、ビジネス連絡の基本と考えておくとよいでしょう。


■【ビジネス文書のマナーその5】一文を簡潔に

読みやすい文章は、一文が長すぎない」とはよく言われます。ビジネス連絡の場合も、その例外ではありません。分かりやすい例として、前の項目でご紹介した<文例1>の一部分を、以下のように書き換えてみましょう。


<好ましくない例:一文が長い文章>

弊社製品「△△」の売上が前月より急きょ大幅に伸びたため品薄が危惧される状況となり、増産に踏み切らなければ解決が難しいと判断いたしましたので、勝手を申し上げ大変恐縮ではございますが、先のお願いについてぜひ前向きにご検討頂けますと幸いです。


上記はかなり極端な例ですが、ここまで一文が長いと内容を理解する以前に読み疲れてしまいます。文章の読みやすさをチェックする際は、いったん書き終えたら自分で音読してみることが理想的です。

声に出して実際に読んで、「適度に息継ぎしながら、スムーズに読み進められるか」を確かめてみましょう。音読するのが難しい場合は、頭の中で1度ゆっくり読み返してみてください。

■マナーはきちんと押さえて、要点が伝わるメールを作成しよう

この記事では、ビジネスメール・ビジネス文書の基本的なマナーや、「読みやすい文」を書くコツについてご紹介しました。

ビジネスで用いる文書だからといって、必要以上に堅苦しく難解な内容にする必要はありません。むしろ「どなたが読んでも分かりやすく、正しく書かれている」ことが、ビジネス連絡においてもっとも重要なマナーの1つといえます。

表記のルール(敬語や表現法)などはしっかり押さえつつ、相手に要点が伝わる平易な文章で書き進めることを念頭に置くとよいでしょう。


また、メールのマナーについては以下のページでも解説しています。幅広い知識を身につけて、相手により良い印象を与えられるようにしておきましょう。

相手を不快にさせない!催促やお断りで使えるビジネスメール7つのポイントと文例集|Founder(ファウンダー)

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