株式上場の8つの条件とメリット・デメリット総まとめ
登録日:2017.8.31 | 最終更新日:2020.6.5
あなたは株式上場の仕組みについて知っていますか?
ここでは、金融商品を取引する市場の開設運営に関わる日本取引所グループで、新しい上場商品の開発をしている現役担当者が、各市場に株式上場するメリットとデメリットを中心に株式上場するために必要な条件や仕組みについて紹介します。また、株式上場するには上場市場の選択が重要になってきます。日本国内には10種類の株式上場市場があり、それぞれに特徴やメリットとデメリットがあります。この記事を最後まで読めば、非上場企業でも早期上場を実現することができます。
株式上場をするためには必要な条件があり、ほとんどの条件は直ぐに取り掛かれる一方で、結果が出るまでには時間がかかります。上場することで利益体質企業に変わることや時価総額の向上、労務管理の改善、内部監査制度の構築、予算管理体制の整備など、どれも数カ月から数年程度の期間を要します。そのため、株式上場の意思決定をした段階で早急に着手することをおすすめします。
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■株式上場の条件とは!各証券取引所の必要項目を一挙に紹介
それでは上場の仕組みについて解説していきますね。証券取引所への株式上場は、各証券取引所によって上場条件が違います。
こちらでは、各取引所の上場条件を一覧表にまとめました。
詳しくは各取引所の紹介欄にも乗っているので、ご確認ください。
【東京証券取引所(一部、二部)・名古屋証券取引所(一部・二部)】
東京証券取引所(一部) | 東京証券取引所(二部) | 名古屋証券取引所(一部) | 名古屋証券取引所(ニ部) | |
株主数 | 2,200人以上 | 800人以上 | 2,200人以上 | 300人以上 |
流通株式 | 流通株式数2万単位以上 | 流通株式数4,000単位以上 | 流通株式数2万単位以上かつ流通株式比率35%以上 | 流通株式数2,000単位以上かつ上場株式数の25%以上 |
上場時価総額 | 250億円以上 | 20億円以上 | 250億円以上 | 10億円以上 |
純資産の額 | 連結純資産の額が10億円以上。さらに単体純資産の額が負でないこと | 東証一部と同様 | 連結純資産の額10億円以上 | 連結純資産の額3億円以上 |
利益の額 | AかBのどちらかに適合 A.最近2年間の利益の額の総額が5億円以上であること。 B.時価総額が500億円以上(最近1 年間における売上高が100 億円未満である場合を除く) | 東証一部と同様 | 最近2年間総額5億円以上又は時価総額500億円以上 | 最近1年間総額1億円以上又は時価総額500億円以上 |
【福岡証券取引所・札幌証券取引所・マザーズ・TOKYO PRO Market】
福岡証券取引所 | 札幌証券取引所 | マザーズ | TOKYO PRO Market | |
株主数 | 300人以上 | 300人以上 | 200人以上。ただし、上場時までに500単位以上の公募が必要 | 形式基準なし |
流通株式 | 流通株式数2,000単位以上かつ上場株式数の25%以上 | 上場時の流通株式数2,000単位以上かつ上場株式数の25%以上 | 2,000単位以上 | |
上場時価総額 | 10億円以上 | 上場日10億円以上 | 10億円以上 | |
純資産の額 | 連結純資産の額3億円以上 | 3億円以上 | ― | |
利益の額 | 最近1年間5,000万円以上 B.時価総額が500億円以上(最近1 年間における売上高が100 億円未満である場合を除く) | 最近1年間の経常利益が5,000万円以上 | ― |
【ジャスダック・セントレックス・Q-Board・アンビシャス】
ジャスダック | セントレックス | Q-Board | アンビシャス | |
株主数 | 200人以上 | 200人以上 | 200人以上 | 100人以上 |
流通株式 | ― | ― | 500単位以上の公募 | ― |
上場時価総額 | 5億円以上 | 3億円以上 | 3億円以上 | ― |
純資産の額 | 連結純資産2億円以上 | ― | ― | 1億円以上 |
利益の額 | AまたはBに適合すること。 A. 最近1年間の利益の額が1億円以上 。 B.時価総額が50億円以上 | ― | ― | ― |
■株式上場の前に押さえておきたい2つの要素
株式上場を考える企業経営者にとって、まずは株式上場の心構えと上場市場の特徴を押さえておきましょう。 この仕組みを理解しておくことで上場時に役立つことは言うまでも有りません。
【1】株式上場とはパブリックカンパニーになること
株式上場する前の非上場企業は経営者の判断で事業を進められますが、株式上場企業になるとパブリックカンパニーになるため経営者の一存で何もかも進められるとは限りません。株主からは持続的な黒字経営や企業価値アップを求められるため走り続けなければなりません。
もちろん、株式上場企業としてパブリックカンパニーになれば知名度が向上して資金調達がしやすくなり、事業のスピードアップが期待できますが、株式上場企業に潜むリスクについても考慮しておきたいところです。
【2】上場市場ごとの特徴を押さえて目指す上場市場を決める
株式上場と言っても、上場できる市場は多岐にわたります。国内で最大の上場市場は東京証券取引所ですが、上場基準は厳しいため中小企業が株式上場するのは簡単ではありません。各市場の特徴を押さえ、どこの市場への株式上場を目指すべきかをじっくり検討するのが良いでしょう。
■有名な株式市場10選!株式上場の条件と特徴
ここでは、日本国内にある10種類の株式市場の特徴と上場するための条件や仕組み、上場するメリットとデメリットを紹介します。なお、上場条件については株主数、流通株式、純資産の額、利益の額、時価総額などの主だった部分を紹介します。
東京証券取引所
まずは東京証券取引所の仕組みや株式上場条件を一覧で見ていきましょう。
日本最大の証券取引所が東京証券取引所です。大企業と呼ばれる株式上場企業のほとんどは東京証券取引所に上場しているといわれています。東証1部と東証2部では上場の条件や仕組みが異なりますので確認しておきましょう。
東証一部では大企業が上場し、東証二部には中堅企業が多く上場しています。
株式上場の条件
市場第一部に直接上場する要件 | 市場第二部形式要件 | |
株主数 | 2,200人以上 | 800人以上 |
流通株式 | 流通株式数2万単位以上 | 流通株式数4,000単位以上 |
上場時価総額 | 250億円以上 | 20億円以上 |
純資産の額 | 連結純資産の額が10億円以上。さらに単体純資産の額が負でないこと | 東証一部と同様 |
利益の額 | AかBのどちらかに適合
A.最近2年間の利益の額の総額が5億円以上であること。 B.時価総額が500億円以上(最近1 年間における売上高が100 億円未満である場合を除く) | 東証一部と同様 |
上場するメリットとデメリット
東証1部は大企業の上場企業が中心で東証2部は中堅企業の上場企業も多く見られる市場です。どちらにしても日本最大の市場であるため活発な売買が行われます。ただし、上場には多大なコストが必要ですから、どのような企業でも上場できる市場とは言えません。
名古屋証券取引所
続いて名古屋証券取引所の仕組みや株式上場条件の一覧です。
愛知県とその周辺に本社のある企業の上場や、事業運営実績のある企業の上場が目立ちます。ただし、東京に近い分だけ株式の流通シェアは東京証券取引所に流れる傾向にあります。
株式上場の条件
市場第一部に直接上場する要件 | 市場第二部形式要件 | |
株主数 | 2,200人以上 | 300人以上 |
流通株式 | 流通株式数2万単位以上かつ流通株式比率35%以上 | 流通株式数2,000単位以上かつ上場株式数の25%以上 |
上場時価総額 | 250億円以上 | 10億円以上 |
純資産の額 | 連結純資産の額10億円以上 | 連結純資産の額3億円以上 |
利益の額 | 最近2年間総額5億円以上又は時価総額500億円以上 | 最近1年間総額1億円以上又は時価総額500億円以上 |
上場するメリットとデメリット
東証、大証と並び日本の三大市場として位置付けられているとおり、上場により安定した企業として認知されるでしょう。ただし、名証一部の上場条件は東証一部の上場条件とほぼ同じであるのに売買シェアが小さいというのがデメリットです。
福岡証券取引所
福岡証券取引所の仕組みや株式上場条件を一覧で見ていきましょう。
主に福岡県に本社のある企業が上場しているほか、九州周辺に本社のある企業の上場、福岡県内で実績のある企業などの上場も見られます。
株式上場の条件
株主数 | 300人以上 |
流通株式 | 流通株式数2,000単位以上かつ上場株式数の25%以上 |
上場時価総額 | 10億円以上 |
純資産の額 | 連結純資産の額3億円以上 |
利益の額 | 最近1年間5,000万円以上 |
上場するメリットとデメリット
東証や名証に比べて規模が小さくなる分だけ平均して上場の条件が緩くなっているのがメリットです。一方で、単独上場企業の減少や上場廃止申請が増えているなどの側面もあります。
札幌証券取引所
札幌証券取引所の仕組みや株式上場条件の一覧はこちら。
主に北海道に本社を置く企業の上場、または事業実績のある企業が上場しています。本則市場の単独上場企業は9社と非常に少なくなっています(2017年6月時点)。
株式上場の条件
株主数 | 300人以上 |
流通株式 | 上場時の流通株式数2,000単位以上かつ上場株式数の25%以上 |
上場時価総額 | 上場日10億円以上 |
純資産の額 | 3億円以上 |
利益の額 | 最近1年間の経常利益が5,000万円以上 |
上場するメリットとデメリット
条件面では福岡証券取引所と同様に上場条件が平均して緩いところが魅力的です。いずれは東証への上場を考える企業のステップを踏む市場としては良いかもしれません。ただし、市場規模の小ささはデメリットと言えるでしょう。
マザーズ
マザーズの仕組みや株式上場条件の一覧です。
ベンチャー企業が中心に上場している市場です。いわゆる新興市場のなかでは代表的な存在で、将来性が見込まれるベンチャー企業の多くがマザーズに上場しています。
急成長が見込めるベンチャー企業が多く、投資家の期待も大きいので初値が跳ね上がる確率も高いのが特徴。
株式上場の条件
株主数 | 200人以上。ただし、上場時までに500単位以上の公募が必要 |
流通株式 | 2,000単位以上 |
時価総額 | 10億円以上 |
上場するメリットとデメリット
本来は東証1部や2部に上場できるベンチャー企業でも、マザーズにとどまることによって注目され続け、安定した資金調達ができる可能性があります。ただし、投資家にとってはハイリスクハイリターンの市場として認知されているように、資金調達の計画に狂いが生じるリスクがあります。
TOKYO PRO Market
TOKYO PRO Marketの仕組みや株式上場条件の一覧がこちら。
ロンドン証券取引所と東京証券取引所グループが共同で創設したマーケットです。前身は「TOKYO AIM取引所」で、2012年7月に現在の名称に変更しました。主にプロの投資家を対象にした市場です。
株式上場の条件
TOKYO PRO Marketは形式基準がない特殊な市場です。2008年の金融商品取引法改正によって設けられたJ-Adviser制度を導入しており、一部抜粋して紹介します。
東証に上場するのに相応な企業 |
内部管理体制やコーポレートガバナンスが整備され適切に機能している |
リスク情報や企業内容の開示している |
反社会的勢力との関係がないこと |
上場するメリットとデメリット
形式基準がないため、平均的に上場しやすい市場と言えます。一方、東証にありながらも上場している企業数は少なく、また個人では取引できない市場のため資金調達の面で苦労するかもしれません。
ジャスダック
ジャスダックの仕組みや株式上場条件の一覧です。
ベンチャー企業や中小企業が中心に上場している市場で、革新性、信頼性、地域・国際性をコンセプトにしています。新興市場の部類に入るものの、有名企業も多く上場しています。
株式上場の条件
・スタンダード形式要件
株主数 | 200人以上 |
流通株式時価総額 | 5億円以上 |
純資産の額 | 連結純資産2億円以上 |
利益の額 | AまたはBに適合すること。A. 最近1年間の利益の額が1億円以上 。B.時価総額が50億円以上 |
上場するメリットとデメリット
新興市場のなかでも最大級の市場ですから多くの投資家からの資金調達をしやすい、条件も厳しくないなどのメリットがあります。一方で、ライバル企業が多いことからなかなか存在感を示せないという面もあります。
セントレックス
次にセントレックスの仕組みや株式上場条件の一覧です。
名古屋証券取引所が開設しているベンチャー企業用の株式市場です。上場会社数は少なく、愛知県周辺のベンチャー企業の上場が目立ちます。
株式上場の条件
株主数 | 200人以上 |
上場時価総額 | 3億円以上 |
上場するメリットとデメリット
形式基準の緩さがメリットです。セントレックスをステップにして東証の新興市場に上場するのも戦略のひとつでしょう。ただ、審査基準が緩い分だけ信用性に欠けるという見方もされているようです。
Q-Board
Q-Boardの仕組みや株式上場条件の一覧です。
九州に本社を置く企業や九州周辺での事業実績や事業計画のある企業の上場を対象にした新興市場です。
株式上場の条件
株主数 | 200人以上 |
流通株式 | 500単位以上の公募 |
上場時価総額 | 3億円以上 |
上場するメリットとデメリット
新興市場ならではの上場条件の緩さは大きなメリットになるでしょう。本則市場の条件に適合できれば市場変更も可能です。ただし、上場対象は地域経済に貢献できる企業となっているため、九州で事業計画のない企業の上場は難しいでしょう。
アンビシャス
続いてアンビシャスの仕組みや株式上場条件の一覧です。
北海道に関連のある企業の上場を対象にした市場で、本則市場への鞍替えを視野に入れた中小企業の育成市場という位置付けです。市場の名称は、クラーク博士の「Boys,be ambitious.」だとされています。
株式上場の条件
株主数 | 100人以上 |
上場時価総額 | 基準なし |
純資産の額 | 1億円以上 |
上場するメリットとデメリット
やはり上場基準の緩さが大きなメリットです。国内の証券取引所のなかで、もっとも上場基準が緩くなっています。ただし、「ヒト・モノ・カネ」の面で北海道に関連しない企業の上場はできないのがデメリットと言えます。
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■上場を目指す企業が押さえておくべき8つの条件
株式上場で重要なもののひとつに管理体制があります。実際に上場した企業の多くが上場前の管理体制の再整備に苦労した経験があるようです。そこで、どのような点に着目して見直すべきかを紹介します。
【1】高利益体質である
上場するための高利益体質の企業を作りあげるには、売上を上げるか経費を下げるかに注目するのではなく、仕組みの改革が必要です。
うまく仕組みを作れていないと、人為的なミスが発生したり、市況が変わったりしたときにうまく適応できません。
どんな状況にもうまく対応し、利益を上げられるような仕組み作りが求められます。仕組みづくりが上手く行けば問題に対して適切に対処できます。逆に仕組みづくりが上手くできていないと後手後手に回ることになりかねなません。
たとえば、部署ごとの採算管理の仕組み化。売上やF/Lコストなどのすべてを部署ごとに管理させて競わせれば、社員それぞれが経営者意識を持って業務に臨むことが期待され、高利益体質企業に成長でき、時価総額も上がるでしょう。
【2】予算管理体制が整備されている
上場審査では予算管理ができているかの確認が行われます。
予算管理とは、一定期間の内でどれくらいの売上を立てるか・経費を減らすかなどの目標設定を管理することです。期間が終わった後には振り返り行い、また新たな目標を設定します。
上場企業は事業計画書も開示されるため、信頼性を保つためにも欠かせないものになります。いきなり管理体制の整備をするのは難しいため、上場の意思決定をした段階で予算管理の体制整備に着手しましょう。
【3】コンプライアンスが徹底されている
業務に関連する法令は上場審査において必ずチェックされます。規則や法令をしっかりと守れる企業でないと、上場に不適合とされてしまうのです。
社員にどのような通達をしているか、どのような規則で仕事を進めているかなど、会社の上層部だけでなく、一般社員への通達具合も確認されます。
上場の準備段階において主幹事証券会社や監査法人、顧問弁護士などがいるはずですから確認してもらいましょう。
【4】労務管理に問題がない
時間がかかる体制整備のひとつが労務管理です。
労務管理とは、社員の勤務時間をうまく調整したり、福利厚生や安全衛生管理を徹底したりして、社員が気持ちよく働ける環境を作ることを指します。
労働基準法を守れていないのは確実にアウトで、他にも社員が不満を持たずに働ける環境づくりが重要です。
ただし労務管理には専門的な部分も多くあるため、起業単独で労務管理の見直しや改善をするには無理があります。上場審査でも特に注目されやすいポイントでもあるため社労士や弁護士、主幹事証券会社を交えて話し合いましょう。
【5】迅速で不備のない財務管理ができている
上場会社は財務報告の体制構築ができていなければなりません。資金の調達方法や、キャッシュフローの流れをしっかりと理解する必要があります。
これは、金融商品取引法によって定められているもので、専門的な知識が必要になります。社内に詳しい人材がいない場合は新たに雇用することも考えましょう。
【6】社内規定が整備されている
起業のなかには社内規定を用意していないところもあるようですが、上場企業では社内規定と業務マニュアルの整備が必要です。
どのような勤務形態をとっているのか、どういう規則があるのかなど、会社の規定について詳細に記録した書類を作成しなければなりません。
新しく入社する社員だけでなく、上場する際にも審査員が確認するので、誰が見てもわかりやすくまとまっている資料がベストです。
また、社内規定は整合性が取れない内容だと審査が止まることもあるので、しっかりと準備しましょう。
【7】内部監査制度がある
上場審査において内部監査の実施は必要不可欠です。内部監査はその名の通り、社内の人間が会社を監査することで、会社の業務効率化の提案を行ったり、不正を未然に防いだりする目的で設置されます。
上場審査では実施状況以外に、実施内容もチェック項目です。
ところが内部監査の制度構築までには長い期間を要するので、短期間で実施内容を充実させることはなかなか難しいでしょう。。上場の意思決定をしたら、速やかに社長直属の内部監査室を設置して整備に着手することをおすすめします。
【8】広報・ブランディングができている
より多くの投資家を集めるためには、自社を魅力的に見せる必要性があります。そのためにも広報・ブランディング担当者の存在は欠かせません。
企業ホームページの設置はもちろん、SNSの運用やネット広告の配信・地域での定期的なPR活動など、企業の存在を多くの人に認知してもらう必要があります。
企業を存分にアピールするのはもちろん、投資家がどのようなメリットを享受できるのかも訴求できるかがポイントになるでしょう。
■株式上場する5つのメリットとデメリット
株式上場が実現できれば、経営者は多大なるメリットを享受できますが、一方でデメリットも少なくありません。ここでは株式上場におけるメリットとデメリットを確認しておきましょう。
上場する5つのメリット
まずはメリットから紹介します。主な内容は以下の5つです。
【1】知名度が向上する
上場することで公の企業となるため、また株式市況欄をはじめとしたメディアへの露出が増える可能性もあることから、上場前に比べて明らかに知名度が向上します。ビジネスチャンスが増える以外に優秀な人材の確保につながる期待もあります。
【2】資金調達手段が多様化する
上場することによって資金調達能力が増し、市場からの資金調達が多様化します。たとえば、新株予約権付社債の発行や公募による時価発行増資などがあるほか、単純に企業の信頼度が上がることで融資を受けやすくなるという面もあります。
【3】会社の信用度が高まる
上場することで知名度の向上とともに信用度も高まるのが一般的です。また、非常に厳しい上場の審査基準をクリアできたとして、金融機関や取引先からの信頼を得やすくなるため営業活動を勧めやすくなるでしょう。
【4】創業者利益を享受できる
上場することで企業経営者個人にとって大きなメリットが創業者利益です。上場した際に高騰したタイミングで保有株を売却できれば莫大な利益を得られる可能性があります。上場まで一生懸命がんばってきたご褒美として受け取るのも悪くありません。
【5】健全な経営体制を実現できる
上場審査を経て上場に至るまでには、厳しい管理体制を敷いてあらゆるチェックを重ねます。その流れのなかで、企業の体質は確実に健全化の道を歩むことになります。上場直前期になる頃には健全な経営と管理体制が実現しているでしょう。
上場する5つのデメリット
上場には嬉しいことばかりではありません。残念ながらデメリットもあります。
【1】管理部門の負担が増加する
上場の意思決定をしてから、実際に上場するまでの数年間は会社の体制が大きく変わるタイミングです。特に管理体制の整備には多大な負担とコストがかかります。経営者としては、管理部の負担を軽減策も考えたいところです。
【2】株主の主張を尊重する必要がでてくる
上場しパブリックカンパニーになれば多くの株主が現れ、多種多様な意見が上がってくることになります。上場する前は経営者の思いのままに進んでいた事業も株主の意向により変更を余儀なくされるケースも出てくるかもしれません。
【3】株価が会社の信頼性に影響するようになる
上場することで上場企業の企業価値は株価で判断されることもあります。現実に即していないとしても、世の中の判断目安は「株価=企業の信頼度」の傾向にあります。適切な情報開示、安定した黒字営業、効果的な広報などで株価が上がることが期待されます。
【4】社会的責任が増加する
企業の社会的責任が注目されるようになりましたが、この基本的な考え方は、社会全般に対しての責任というよりは、企業との利害関係のある人や団体、地域などに対してどんな責任があり、どのように貢献していくかと考えたほうが自然でしょう。
もちろん、企業の成長に合わせて利害関係者は増えていくので、その度に社会的責任も増えていくことになります。
【5】買収リスクが生じる
上場することで誰でも自由に株式を買えるようになるため、その分だけ買収リスクは生じます。買収ファンドの存在は特に注意しなければならず、持株比率の適正化や株主総会の運営対策などを考えましょう。
また、景気悪化に伴い株価がどんどん下落していくようなタイミングこそ買収されるおそれがありますので市場の動きも確認することをおすすめします。
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株式上場と株式公開の違いとは
株式上場と株式公開の違いについてあなたは知っているでしょうか。現在では株式上場と株式公開は同意義で使用されることがほとんどですが、2004年までは株式上場と株式公開は違う意味で使用されていました。
当時は、株式上場とは、証券取引所で取引がされるようになること。株式公開は自社が保有する株式を自由に売買出来ることという意味で使用されていたんですね。
これは、2004年まで証券取引所の他に「店頭市場」と呼ばれる場所が合ったことが’理由です。そのため当時は証券取引所で売買されることを「株式上場」店頭市場での取引を「株式公開」と呼び、明確に区別していたといわけ。
ですが、2004年店頭市場で扱われていた株は、全てジャスダックで扱うことになり、店頭市場は消滅してしまいました。
この結果、現在では株式上場と株式公開に明確な区別はされていません。特に、店頭市場の後釜的な存在であったジャスダックも2013年には東京証券取引所の傘下に入ったため、株式上場と株式公開の差はほとんど無いと言ってよくなりました。
■まとめ
日本国内には上場できる市場がたくさんあります。どの市場に上場するかで、その企業活動にも少なからず影響を及ぼすはずですから、審査基準と資金を照らし合わせながらじっくりと検討することをおすすめします。
また、上場におけるメリットとデメリットもたくさんありました。ただ、デメリットをおそれて上場をためらうのは、せっかくの上場企業というステータスを台無しにしてしまいます。デメリットには正しく対処し、多くのメリットを得られるように前向きに上場を目指しましょう。
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