創業融資の審査を通す5つのコツ!あなたも無担保で3000万円借入出来る

公開日:2017.3.7  |  最終更新日:2025.2.14


「創業資金」とは読んで字の如く、創業時に必要な初期費用資金です。似たような言葉で「運転資金」というものがありますが、こちらは事業所の家賃や給料などの資金などのこと。少し違います。

起業される段階での数少ない資金調達方法である「創業融資」、喉から手が出るほど欲しいという方がほとんどだと思われます。

その創業融資の中でも「日本政策金融公庫」が提供している新創業融資制度は、無担保・無保証で融資額限度額3000万円を借入れることができる制度です。事業を開始して2期を超えてないなど条件はいくつかありますが、これから独立・起業される方々からは注目が集まっています。

今回は資金調達に強いファイナンシャルプランナーの立場から、日本政策金融公庫の創業融資を受けるコツと、審査の段階で重視されるポイントを5つご紹介させていただきます。以下5つをキッチリと満たしていただければ100%、とはいいませんが創業融資をゲットする確率がかなり上がりますので、ぜひともご参考にしてください。


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No.1 「資料は最低限でいい」と「自己資金0」に騙されるな!

日本政策金融公庫の担当者に連絡をとると、「融資申し込みテンプレートはHP上にあります。とりあえず資料はこれだけで大丈夫です!」「保証人、担保は必要ありません。融資制度によっては自己資金も0で大丈夫です!」という返答があります。実際に聞いたことがあるかたもいらっしゃると思います。

結論から申し上げます、これは「ウソ」です。

「ウソ」、というと語弊がありますが、正しくは「申し込みに必要な資料および資格がそれだけなのであって、【融資を下ろす基準】にはこれだけでは足りない」というのが政策金融公庫の本音です。

2016年現在、ファイナンスをサポートする業務を行う傍ら、創業希望の方とともに政策金融公庫窓口にて金融公庫の融資担当者の方との面談に同席する機会が多々あります。そのなかで確実に聞かれるのが、以下のような質問です。

【創業融資面談でよく聞かれる質問】

  • 「なぜ、いま起業するのか?」
  • 「売り上げ目標は?」
  • 「その根拠は?」
  • 「事業継続性は?」

日本政策金融公庫上でアップロードされている申し込みの雛形を、「とりあえず」で埋めていっただけでは回答しきれるようなものではありません。かなり本格的な準備が必要です。

また「自己資金0」についても同様のことが言えます。日本政策金融公庫が提供している新規創業融資(起業融資)においては、一定の水準を満たせば「自己資金0」で融資が可能です。しかし、これもあくまで「申し込む資格」であって、「融資が通る条件」ではありません。

単純な話をしましょう。例えば「500万円貸してください!」という申し込みが同時に2件入ったとします。片方が一文無し(自己資金0)、片方が200万円持っていて、500万円+200万円の計700万円を事業に投下します!という2者がいた場合を考えてみてください。どちらの方がより「本気」で、「計画性があるな」と感じますか?大抵の方は後者ですよね。これが「相対的にみて自己資金0円」が融資に通りにくい理由です。

日本政策金融公庫は「新規起業を補助する社会的制度」という意義があるため、申し込み条件の門は広く開かれています。ですが、提示されている条件はあくまで「必要最低限の申し込み基準」であって、「それさえ満たせば融資が下りる」というものではないので、注意が必要です。

No.2 起業理由を明確に!「なぜ、いま起業するのか?」

政策金融公庫の面談において、まず真っ先に聞かれるのが「なぜ、いま起業を決意したのか?」です。

一般的な企業の業務を習熟する場合、「とりあえず3年は勤めてみて、仕事を覚えよう」という考え方があります。これにならって「○○という企業で、△△という業務に□年間携わった経験を活かして・・・」といったある種テンプレートと化した受け答えをする方がいらっしゃいます。はっきりといいますが、これでは融資は高確率で撥ねられます

理由はシンプルで、「独自性的な強みがないから」です。

日本政策金融公庫は全国で運営をしています。そういった形式上、日夜融資案件が持ち込まれているわけですが、ハッキリ言ってしまうと「一定の業種で数年間経験を積んだ」という人は、掃いて捨てるほどいらっしゃいます。むしろ、経験を積んでいるのが「創業融資での最低条件」と言ってしまっても過言ではないほどです。よって、例えば「脱サラして飲食店を始めよう!」といった融資には非常にシビアな採点が下されることが多く、融資はそれだけで難しくなります(フランチャイズなど実績を挙げている業者と提携する場合はその限りではありません)。

そこで、起業理由を明確にする必要があります。ポイントは以下のとおりです。

【「なぜ、いま起業するのか?」:回答のポイント】

・「あなた個人が」どのような優位性を持っているか、を明確化する

→OK例:◯◯の実力・優位性と、タイミングがあるため

→NG例:△年の業務経験を活かして…(独自性がない)

融資担当者が聞きたいのは、「あなた個人が」既存他者もしくは他の起業希望者と比べ、どんな優位性を持っているかです。それをキッチリと説明した上で、「こういった実力・優位性と、タイミング(市場情勢・今後の顧客ニーズなど)があるため起業を思い立ちました!」と強く説明できなければなりません。

政策金融公庫は「起業のチャンスを与える」ための国営金融機関ですが、決して予算無制限の「慈善事業」ではありません。そのあたりをシビアに考え、もう一度「起業する理由」をキッチリと明確化することが融資承認への第一歩です。

No.3 収益計画を数値化する!

次に聞かれるのが「短期的な売上目標」および「長期的な収益計画」です。早い話が「事業によっていくら儲かるのか」、それにより「この人(事業)にお金を貸して、キッチリと融資金を回収できるのか」ということがチェックされます。

よくありがちな例として、「いい商品を作れば売れる!自分はこんなにすばらしいものを作ることができる!だからお金を貸してください!!」という起業希望者がいらっしゃいます。

はっきり言います。確実に落ちます。なぜなら、「良いものを作れば売れるが、売れたからといって利益にならないこともある」からです。

単純に考えて、500円ぐらいの商品があったとしましょう。これを一つ作るのに5千円かければ、当然すばらしいクオリティの商品が出来上がります。ですが、事業者としては売れば売るほど、一つにつき4500円の赤字です。これでは事業は立ち行きません。

ここで金融機関側から見ると、このように起業希望者をチェックしたいわけです。

【金融機関側からの見方】

  • 「商品だけにこだわっている、経済観念のない人ではないか?」
  • 「事業の売上および利益率を理論立てて説明できるか?」
  • 「数字に当てはめて、会社を回していけるのか?」

そこで、具体的に用意すべき資料は2点。

1点目は「売上に対しての利益率」。これはどれだけのコストで商品・サービスを提供し、収益を挙げられるのか。またその収益根拠はなんなのかを確認するための指標です。

次に、「半年および一年後に売上をどれだけ達成するつもりなのか?」。これは事業の成長性および継続性を図るための指標にします。大まかでかまいませんが、顧客数を増やす方法および増加数の根拠が必要です。その他の資料として、月々いくらのキャッシュが手元に残るかの「資金繰り表」や、経営の段階的な「成長戦略資料」もあれば喜ばれます。

こういった形でまとめてみると、「起業アイディアを持っているだけ・・・」という方にはかなりハードルが高く聞こえるかもしれません。ですが、見方を変えると「ここまでキッチリと説明できる人が少ない」ということでもあり、すなわち「この部分を押さえればかなり融資に近づいた」ことになります。

最悪、この部分は自身で行うのではなく、「経営計画をたてるプロ」に依頼してもいいわけです。起業志望が強い方は「なんでも自分でやらなければ!」というのが強い傾向がありますが、それは違います。自分の得手・不得手を理解し、他者の力を借りることができる、ということも立派な「実力」です。まずは自分でやってみて、もし難しそうなら経営計画をたてるプロに相談してみましょう!

No.4 市場分析と独自の強み!

ここまでくれば、融資ゲットまであともう少しです。

次の融資実行のために押さえたいポイントは、「市場の分析」と「独自の強み」です。それでは、簡単にまとめてみましょう。

【市場の分析とは?】

  • 「自分が起業するつもりの業界はどういった状況なのか」
  • 「今後数年、どうなっていくと想定するのか+その根拠は」というポイント

【独自の強みとは?】

  • 「市場の状況を踏まえ、○○という独自性があるため起業しました!」というポイント

起業希望者の方は、これらのポイントを理論的に説明できればいいわけです。

政策金融公庫における創業融資というのは、「業種の連続性(経験のある業種)」に融資を下ろすことがほとんどです。起業しようと思っているのであれば、大なり小なり、起業するつもりの業種に対する現状と、今後の見通しは語れるはず(無理だとしたら見切り発車の起業の可能性が高いためかなり厳しいです)。その上で、理論立てて「自分なら顧客のこういったニーズを満たすことができる!」と力説できれば問題ありません。

ここで融資担当者が聞きたいのは、「起業の勝算と意義」です。

なんとなく「自分がやりたいからやる」といった起業ではなく、「現状の業界状況を良くする」もしくは「今後こういったものが必要となる!」といった社会的意義のある起業であるか否か、を判断したいわけです。往々にして「やりたいからやる起業」というのは独りよがりになる可能性が高く、それだけに失敗確率も高いため、融資は二の足を踏まれる傾向があります。ここは理論立てて、「いかに自分の事業が必要とされているのか!」という部分を示すことが重要です。

No.5 最後は熱意!ポイントは「信用」

ここまでを完璧にクリアーしていれば融資承認は下りるはずです。むしろここまでやってOKが貰えないなら、事業そのものに何らかの欠陥がある、と判断されているということですので、起業しないほうが良いでしょう。

さて、最後のポイントとなってくるのは「熱意」です。といってもこれはいわゆる「根性論」ではなく、社会的な「信用」という意味での熱意です。

はっきりといいますが、創業融資において上記に挙げた経営計画や独立理由、収益計画といったものは全て「口約束」でしかありません。この段階で融資担当者が重視するのは「本当に約束を守る人物なのか?」です。空手形で「なにが何でも成功します!」といった熱意は無意味ですが、数字的・理論的な根拠を提示した上で「やります!」と言えば、担当者の方も「じゃあ、この方に賭けてみるか・・・」というつもりになります。

勘違いしないで頂きたいのは、「熱意」というのはあくまで最後の一押しであること。理論的な裏づけがあった上で、「キッチリとやりきります!」と提示することが重要です。そうすれば、担当者の方もアナタを信用して融資に前向きになってくれるかもしれません。

「論理的・数値化」で創業融資の審査に挑もう

1:日本政策金融公庫は「慈善事業」ではない!

あくまで「起業を促進し、公共性のある事業の設立を支援する」という名目で行っている国営金融機関であって、予算無制限の「慈善事業」ではありません。そのため「とりあえず申し込めば融資が下りる」や「自己資金0、返す当てがなくても貸して貰える」といった甘い考えは捨ててください。

担当者が審査し、金銭という形の信用をアナタに託す以上、それなりの計画性・継続性が求められます。

2:数字で理論立てて説明する

「必ず上手くいきます!」「良いものを作れます!」といった意気込みは大事ですが、融資においてはこれだけでは意味はありません。

金融機関にとっての「上手いこといった」や「良い製品」とはイコール品質が高いだけのものではなく、「収益を上げて、貸したお金を回収できる物・サービス」です。

数字化するのが苦手なようでしたら、そこは素直に専門家の力を借りて数値化を行いましょう。

そこで採算が合わないようでしたら計画自体を見直すことから始めてみてください。

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