ETCの領収書(利用証明書)の受け取り方と経費にする方法!経理処理・税務上はどうなる?
公開日:2018.1.7 | 最終更新日:2025.5.30

高速道路を料金所で停止することなく、スムーズに利用できる「ETC」。移動時間の短縮につながるので、現代では多くの企業がETCを車両に搭載しています。
さて、このETCの利用にかかった料金は、果たして経費として処理できるのでしょうか?また、経理処理には領収書が必要となりますが、ETCの領収書はどのように入手するのでしょうか?
今回はそんな疑問にお答えするため、現役15年以上の税理士がETCの経理処理についてまとめました。この記事を最後まで読めば、ETCに関する疑問は一切なくなります。
初心者でも100%理解できる内容なので、ぜひ最後まで読み進めていきましょう。
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■高速道路料金は経費として処理できるの?

そもそも、高速道路の利用料金は経費として計上できるのでしょうか?結論から言ってしまえば、仕事や事業を目的とした高速道路料金であれば、問題なく経費として計上ができます。
では、具体的にどのようなケースが該当するのかについて、以下でいくつか例を挙げてみましょう。
・遠方の取引先の事務所に、高速道路を利用して向かった |
・顧客を開拓するために、高速道路を使って営業回りをした |
・事業資金を融資してくれる投資家が見つかり、高速道路を使って向かった |
・仕事や事業に関する荷物を、高速道路を使って運んだ |
・仕事の相談をするために、知人に高速道路を使って会いに行った |
理由によっては経費として認められない可能性もありますが、仕事・事業を目的とした高速道路料金であれば、基本的に問題はないでしょう。
仕事と称してプライベートの旅行に行く、ストレス解消のためにドライブをするなど、仕事・事業との関連性が低い場合には、経費として認められないので注意が必要です。
これは、ETCカードを使った場合も同様です。ETCカードを使っても、高速道路料金が発生したことに変わりはないので、仕事・事業目的の料金であれば経費として計上ができるでしょう。
■ETCカードを使った場合、領収書はどうやって手に入れる?
高速道路料金を現金で支払った場合、料金所ではすぐに領収書を受け取ることができます。では、もしETCカードを使って決算する場合は、いつ領収書を受け取るのでしょうか?
実は、ETCカードでは現金のやり取りが発生しないので、「領収書」と呼ばれるものは発行されません。その代わりに「利用証明書」を受け取ることができるため、この利用証明書を領収書代わりに使用します。
利用証明書の受け取り方法は主に3つあるので、以下では各方法について詳しく解説していきましょう。
【方法その1】入口はETCレーンを、出口は一般レーンを利用する
高速道路料金の利用証明書をその場で受け取りたい方は、有人の一般レーンを通る必要があります。あまり見かけない光景かもしれませんが、ETCカードで決算をする場合でも、一般レーンを通過することは認められています。
一般レーンの有人ブースには料金所係員がいますが、この係員にETCカードを提示します。
すると、ETCカードを使ってその場で清算をしてくれるので、清算のタイミングで「利用証明書が欲しい」と伝えれば、現金払いと同じように利用証明書を受け取れるでしょう。
ただし、この方法を実践する際には、以下の点に注意をする必要があります。
・ETC無線走行が割引対象になっている区間では、割引サービスを受けられない |
・ETC専用のインターチェンジ(スマートインターチェンジ)では利用できない |
近年では、ETCカードによってサービスが適用されるケースは珍しくないので、損をしたくない方はサービスの有無をきちんと確認することが大切です。
【方法その2】ETC利用履歴発行プリンタを利用する
ETC利用履歴発行プリンタは、各サービスエリアやパーキングエリアに備え付けられている機械です。このプリンタを使用すれば、過去のETCカード使用履歴が表示されて、無料で印刷をすることができます。
以下の4つの情報が記載されているので、こちらの印刷書類も領収書代わりとして使用できる可能性があるでしょう。
・入口料金所 |
・出口料金所 |
・利用年月日 |
・利用料金 |
ただし、全てのサービスエリア・パーキングエリアに備わっているとは限らないので、利用する方は事前の情報収集をおすすめします。
【方法その3】ETC利用照会サービスを利用する
ETC利用照会サービスは、インターネット上で利用できるサービスです。このサービスでは、過去15ヶ月間の全走行明細を表示できるので、そのページを印刷すれば利用証明書の代わりになります。
ただし、過去15ヶ月間の記録を確認するには、利用登録をしなければなりません。利用登録をしない場合、62日前までしか遡れないので注意が必要です。
では、利用登録をする場合の具体的な手順について、以下で簡単にご紹介していきましょう。
【手順1】ETC利用照会サービスのホームページへアクセスをする |
【手順2】「新規登録」をクリックし、登録ページへ進む |
【手順3】利用規定を読み、メールアドレスを入力して仮登録を済ませる |
【手順4】届いたメールを確認し、本登録を済ませる |
この利用登録は、以下の条件を満たす方でないと済ませることができません。
・過去15ヶ月以内に、ETCカードを使って料金を精算している |
・ETCカードを使用した日時を把握している |
・ETCカードを使用した時の、車両ナンバーやETC車載器の管理番号を把握している |
上記の条件がなぜ必要になるかと言うと、利用登録の途中で入力が求められるためです。つまり、普段しているETCカードのほか、場合によっては手元に利用明細書を用意しておく必要があるでしょう。
利用登録に手間はかかりますが、一度登録を済ませてしまえば自由なタイミングで履歴をチェックできるので、高速道路の利用頻度が高い方には登録をおすすめします。
■利用証明書は領収書代わりになる?

ETCの利用証明書は、厳密に言えば領収書とは異なる書類です。では、この利用証明書を領収書として使用することはできるのでしょうか?
この点については、実はケースによって異なります。例えば、会社の規則で「利用証明書は領収書として使用できない」と決められている場合には、利用証明書以外の証明書類を準備する必要があるでしょう。
もちろん、利用証明書が領収書として認められるケースもあります。ただし、確実に経費として計上したいのであれば、利用証明書に加えてカード会社からの明細書を用意しておくことが望ましいでしょう。
ちなみにですが、ETCカードを使わず現金で決算をした場合の領収書は、証明書類として問題なく使用できます。
■利用証明書がない場合は?経費処理はできる?

ETCカードを利用した場合、利用証明書の入手には少し手間がかかります。一般レーンを通ってはETCカードの魅力が半減しますし、忙しい方であればETC利用履歴発行プリンタやETC利用照会サービスの利用ができないこともあるでしょう。
では、高速道路の利用料金は、利用証明書がなければ経費として計上できないのでしょうか?実は、クレジットカード会社からの明細書をきちんと保管しておけば、利用証明書がなくても経費処理できる可能性があります。
一般的なクレジットカードの明細書には、主に以下の情報が記載されています。
・ETCカードの利用日時 |
・ETCカードを利用した区間 |
・ETCカードで決済をした金額 |
上記の3つの情報があれば、利用証明書がなくても申告内容をまとめられるでしょう。個人事業主の場合は1月1日~12月31日までの期間で区切り、翌年1月からは翌期分として処理をします。
ただし、万が一クレジットカードの明細書を紛失すると、経理処理に膨大な時間を要するので注意しておきましょう。また、クレジットカード会社の対応が何らかの事情で遅れて、申告時期までに明細書の発行が間に合わないケースにも注意が必要です。
利用証明書を発行しない場合、クレジットカードの明細書がなければ経理処理が難しいので、明細書が手元にない方はクレジットカード会社に問い合わせてみることをおすすめします。
※ なお、「今すぐに事業資金が必要」「お金がなくて困っている」方に最もオススメなのは、SMBCモビットなどのカードローンに申し込んでお金を手に入れることです。
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■法人・個人事業主はETCカードを発行するべき?ETCカードのメリット・デメリットまとめ
最後に、ETCカードのメリット・デメリットについてご紹介します。法人・個人事業主は、果たしてETCカードを普段から使用するべきなのでしょうか?
以下のメリット・デメリットから、その点を判断していきましょう。
○メリット
【その1】時間の節約につながる
ETCカードの最大のメリットは、料金所での精算が必要ない点です。ETCカードを車載器に挿入しておけば、ETCレーンを通るだけで自動的に清算されるので、高速道路の出口で財布を出す必要もありません。
実は、高速道路の渋滞の大きな原因は、この料金所の渋滞と言われています。例えば、1つの一般レーンに10台の自動車が並んでいるとしましょう。
1台の清算につき30秒かかると仮定すると、全ての車が清算を終えるには5分もかかります。高速道路の料金所で、5分以上の時間を待たされるケースは決して珍しくありません。
その点、ETCレーンには渋滞がほとんど発生しないので、この時間を確実に節約できます。
例えば、高速道路を年間で100回利用し、1回につき3分短縮できると仮定すれば、1年間で5時間(300分)の節約につながるでしょう。
【その2】高速道路の利用料金が安くなる
ETCカードには割引サービスがつけられており、決算をETCカードにするだけで利用料金が自動的に安くなります。割引率は使用するカードやエリア、時間帯などによって変わりますが、30%以上の料金が割引されるケースも少なくありません。
この割引サービスは1回限りではなく、ETCカードを使用している限りずっと効果が続きます。そのため、高速道路を利用する頻度が高い方は、ETCカードの導入を積極的に検討するべきでしょう。
【その3】外車でもスムーズに清算できる
外車は国産車とは違い、左座席にハンドルがついています。それに対して、高速道路の料金所は車両の右側にあるので、外車ではスムーズに清算をすることができません。
その点、ETCカードはハンドルの位置に関わらずスムーズに清算を行ってくれます。
【その4】証明書類の管理が楽になる
料金所で領収書を受け取る場合、その領収書は紛失しないように保管しなくてはなりません。しかし、枚数が増えるとどうしても管理は難しくなるので、中には「もしかしたら数枚紛失しているかもしれない…」と不安に感じている方もいることでしょう。
その点、ETCカードによる清算であれば安心です。利用証明書をまとめて発行できますし、クレジットカードの明細書についても利用情報がまとめて記載されています。
○デメリット
【その1】使用頻度が低いと損をする
高速道路の料金をETCカードで精算するには、車載器を搭載する必要があります。このコストは当然自分で負担をする必要があるので、高速道路の利用頻度が少ない方は、金銭的に損をしてしまう恐れがあるのです。
車載器の搭載にかかるコストは、依頼をする業者や車種などによって異なります。相場は1万円~2万円前後ですが、このコストの元を取れるのかどうかについては、事前にきちんと調べておかなくてはなりません。
ETCカードの導入を検討している方は、今後の利用回数などを想定し、受けられるサービスで元を取れるのかについて計算してみましょう。
【その2】導入に手間がかかる
ETCカードによる清算では車載器が必要ですが、当然ETCカード自体も必要です。ETCカードを発行するには、クレジットカード会社に申し込まなくてはなりません。
人によってはこの部分に対して、「手間がかかる」と感じることもあるでしょう。
メリット | デメリット |
・時間の節約につながる ・高速道路の利用料金が安くなる ・外車でもスムーズに清算できる ・証明書類の管理が楽になる | ・使用頻度が低いと損をする ・導入に手間がかかる |
ここまでを踏まえると、下記に該当する方はETCカードによる清算が望ましいと言えます。
・高速道路の利用頻度が高い方 |
・事業用の車両として、外車を使用している方 |
・証明書類の管理を楽にしたい方 |
上記に該当する方は、ETCカードの導入を積極的に検討してみましょう。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
ETCカードによる清算では現金のやり取りが発生しないので、利用証明書や明細書を用意する必要があります。大きな手間はかかりませんが、クレジットカードの明細書を紛失すると経理処理が難しくなるので、特に明細書の管理には注意を払うようにしましょう。
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