【丸わかり】信用保証協会の申込から融資実施まで全解説!書類一覧と審査ポイント5つ

公開日:2018.12.9  |  最終更新日:2025.5.20



円滑な会社経営のためには「資金調達」が必要不可欠です。資金調達と言えば低金利で借入できる銀行融資が人気ですが、中小企業の経営者、特に個人事業主の場合は厳しい審査に通過できず、断られてしまうことが多いでしょう。

そこでご紹介したい方法が、信用保証協会を利用すること。信用保証協会を通して銀行融資に申込むことで、審査がぐんと通りやすくなります。

ここでは、そんな頼れる存在である信用保証協会の利用ガイドを徹底解説。申込から融資までの流れはもちろん、申込時に必要な書類や押さえておきたい審査ポイントも詳しくご紹介します。

この記事を読めば、突然やってくる資金難にも余裕を持って対応できるでしょう。そして、効率の良い資金調達によってその問題をスッキリ解決できます。


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信用保証協会とは?

信用保証協会は、中小零細企業の経営者や個人事業主の金融サポートを目的として活動する公的機関です。1953年、信用保証協会法に基づいて全国の都道府県に設立されました。

金融サポートと言っても、信用保証協会が直接お金を貸してくれるわけではありません。

そのサポート内容は、簡単に言えば「保証人の代わりになる」というもの。事業者が民間の金融機関で融資を申込む際に、信用保証協会が申込者の「信用保証」をしてくれるのです。

信用保証協会のしくみ|茨城県信用保証協会について|茨城県信用保証協会

そのサポートを受けることで、以下のようなメリットがあります。

【メリットその1】民間金融機関で借入しやすくなる

信用保証協会を利用する一番のメリットは、銀行などの金融機関の融資審査に通りやすくなることです。

銀行が事業者に行っている融資は、プロパー融資(銀行が事業者に保証なしで直接行う融資)と、今回ご紹介している信用保証協会の保証付き融資の2種類。

そのうちプロパー融資は審査基準が大変厳しく、信用力の低い中小企業の経営者や個人事業主が利用することは非常に難しいです。

なぜなら、もし貸付を行った企業が倒産してしまうと「貸倒れ」となり、銀行側は多大な損失を被ることになるためです。そのため、銀行は信用力の高い企業にのみプロパー融資を行い、貸倒れリスクを未然に回避しています。

しかし、事業者が信用保証協会経由で銀行融資を申込むことにより、銀行は安心して融資を実行してくれます。その理由は、万が一申込者の返済が滞ったり貸倒れになったりしても、信用保証協会がその返済を肩代わりしてくれるためです。

もちろん「ビジネスローン」など、信用力の低い企業が利用しやすい資金調達法は銀行融資以外にもあります。ただし他の方法は金利が高めで返済を圧迫するため、やはり最善な手段は銀行融資と言えるでしょう。

信用保証協会を利用すれば、審査のハードルが下がるため、起業したてで実績のない企業や経営難に悩む企業にも融資を受けるチャンスがあります。信用保証協会を利用することで、メリットの大きい銀行融資を、ぐんと身近に感じられます。

【メリットその2】低金利になる

信用保証協会を利用して銀行融資に申込めば、金利が低くなります。なぜなら、銀行は貸倒れのリスクを考慮した上で金利の利率を決めているためです。

例えば資本力があり利益もしっかりと出ていて、過去の実績を見ても優良で信用力が高いと判断される企業には、銀行は低い金利で融資を行います。

このケースは貸倒れのリスクが低く、付けた利息をそのまま利益にできる可能性が高いためです。きちんと返済してもらえるという信頼があるため、銀行は安心して低い金利で貸すことができます。

一方、業績が芳しくなかったり、負債をかかえていたり、あるいは起業したてで実績がなかったりと信用力の低い企業には、銀行は高い金利で融資を行います。

このケースは貸倒れリスクが高く、完済前に倒産して貸したお金をすべて回収できない可能性があるため、銀行側は初めから高い金利で貸して、できるだけ利ざやを稼いでおこうとします。

しかし信用保証協会を利用すれば、万が一貸倒れになっても信用保証協会が代位弁済してくれるため、銀行は貸倒れリスクを気にせずに低金利で融資ができます。

ちなみに信用保証協会を利用する際には、年0.45%~1.90%程度の「保証料」を支払う必要があります。しかし、保証料込みで考慮しても、信用保証協会を利用する方がトータルコストは少なくなります。

また、保証料は経費として落とすことができる他、非課税のため消費税がかかりません。このように節税面でも有利になるため、可能であれば積極的に利用しましょう。

【メリットその3】長期で借りやすい

銀行などの民間融資の場合、新規申込者に対しては短期融資をすすめる傾向があります。なぜなら、契約が長期になればなるほど、貸倒れリスクが高まるためです。

しかし信用保証協会を利用すれば、新規申込であっても長期融資をしてもらえるケースが多く見られます。長期融資の良い点は、毎月コツコツと返済できるため、資金繰りがしやすいことです。安定した経営を目指すことができるでしょう。

【メリットその4】担保・保証人不要で借りられる

信用保証協会の保証付き融資は、基本的に無担保・無保証人で借入できます。中には担保付きの融資もありますが、近年はできるだけ担保や保証人不要の方向性で融資を行うスタイルが根付いてきているようです。

ちなみに法人事業者の場合は、その代表者(経営者)が連帯保証人になる必要があります。ただし、個人事業主の場合はこの限りではありません。

また、法人であっても、企業が信用保証協会が定める一定の基準を満たしていれば、代表者が連帯保証人にならなくても良いケースもあります。

【メリットその5】次回からの融資が容易になる

一度でも信用保証協会経由で融資を受け、きちんと完済した実績を残すと、次回からその金融機関での審査に通りやすくなります。

これは金融機関から直接融資を受けるプロパー融資も含めて言えることで、2回目以降は信用保証協会を通さずに低金利で借入を行える可能性が高まります。

 このように、信用保証協会を利用して融資を受けるとさまざまなメリットがあります。創業資金、設備資金、運転資金など、用途に合わせてスムーズに調達できるため、プロパー融資に難を感じる場合はぜひとも利用したいところです。

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では、実際に信用保証協会を利用するにはどうしたら良いのでしょうか?次の項目では、信用保証協会への申込から融資までの、具体的な流れをご紹介します。

信用保証協会への申込から融資までの流れ

東京信用保証協会/ご利用の流れ

まず把握しておきたい点が、信用保証協会の融資は申込から融資まで、1ヶ月~1ヶ月半程度かかること。融資実行までにある程度の期間がかかるため、余裕を持っておくことが大切です。

【手順】申込手続き

申込方法には、信用保証協会に直接申込する方法と、金融機関を窓口として申込する方法の2通りがあります。

信用保証協会に直接申込する場合

各地域の信用保証協会に出向き、利用相談を行います。申込書を受け取り、後日添付書類と合わせて提出します。

金融機関経由で申込する場合

融資を希望する金融機関の窓口で「信用保証協会の保証付き融資を利用したい」旨を伝え、利用相談を行います。金融機関が「融資利用に適している」と判断した場合にのみ申込書を渡され、添付書類と合わせて金融機関経由で信用保証協会へと提出します。

【手順】審査

信用保証協会にて審査が行われます。案件によっても異なりますが、現地調査が入る場合もあるようです。事前にしっかり確認の上、きちんと対応しましょう。

【手順】融資実行

信用保証協会の審査に無事通過できれば「信用保証書」が発行され、希望する金融機関から融資が実行されます。その際、信用保証協会が定める「保証料」を金融機関経由で支払うことになるため、その料金や支払い期日について事前に確認しておくことが必要です。

ちなみに、ほとんどの事業者が金融機関の窓口で申込を行っているようです。その際、可能であれば、すでにその銀行の融資を利用している知り合いからの紹介という形で相談しましょう。

なぜなら、銀行は新規の利用者に対して融資を躊躇する傾向があるためです。すでに取引している顧客からの紹介であれば、多少なりとも信用度が高まり、初めから親身になって相談に乗ってくれるでしょう。

申込に必要な書類

手続きの流れがわかったところで、次に申込時に必要な書類を覚えておきましょう。不備のないように揃えておけば、スムーズな手続きができます。

必要書類

内容・注意事項

信用保証委託申込書(保証人等明細)

(表面)事業内容や申込内容について記載

(裏面)連帯保証人や物上保証人(担保提供者)に関する情報を記載

申込人(企業)概要

申込人や企業の概要、取引先との取引内容、所有不動産などの情報を提示する書類

 特に「取引状況」や「所有不動産概要」は記入漏れがないように注意

信用保証依頼書

金融機関から信用保証協会に信用保証を依頼する書類

信用保証委託契約書

信用保証に関して、申込人および連帯保証人と信用保証協会との間に締結する基本契約書類

特に「資金用途」と「連帯保証人」は記入漏れがないように注意

個人情報の取扱いに関する同意書

信用保証協会利用にあたり、個人情報を第三者に提供することに対して同意する書類

確定申告書(決算書)

税務署に提出したすべての申告書類(法人の場合と個人の場合で必要書類が異なるため、事前に確認が必要)

商業登記簿謄本

登記事項を証明する書類(法人の場合のみ)

印鑑証明書

申込人と連帯保証人の印鑑証明書が必要

地域によっては、上記以外の書類も求められる場合があります。各金融機関や信用保証協会にあらかじめ確認の上、準備を進めましょう。

書類を揃えて申込みを行ったら、信用保証協会による審査が実行されます。確実に審査を通過して融資を得られるように、次からご紹介する「審査ポイント」を事前に押さえておくことが大切です。

【信用保証協会の審査ポイント1】事業計画書がしっかりしているか

信用保証協会の審査を突破するためには、自社がいかに優れていて将来性があるかをアピールすることが求められます。そこで重要となってくるのが、事業計画書の質です。

事業計画書には、現在の事業についてはもちろん、今後のビジネスプランやそのプランをどのように遂行していくのかという具体的なアクションを詳しく記載することができます。

自社の魅力を知ってもらえる大切なツールであるため、綿密な計画書に仕上げましょう。

その際は、最後までしっかりと目を通してもらえるように工夫することが大切です。単にずらずらと文字を並べただけでは、興味を引くことができません。図やグラフを用いたり、特に伝えたいポイントに絞って記述したり、読みやすい工夫を施しましょう。

【信用保証協会の審査ポイント2】返済能力があるか

返済能力に関しては、審査の際に最も重要なポイントと言っても過言ではありません。

もしも企業が完済前に倒産してしまった場合、信用保証協会が残りの額を肩代わりしなければなりません。その状況をできる限り防ぐため、信用保証協会は企業の返済能力を慎重に判断します。

では返済能力はどのようにして判断されるのでしょうか。大きな目安は「債務償還年数」です。これは借入金を完済するまでにかかる期間のことで、一般的には以下の計算式で算出します。

債務償還年数=有利子負債÷(営業利益+減価償却費)


経営コンサルタント日記 : 債務償還年数

これが10年以内の場合は返済能力が高いと判断され、逆に10年を超えれば超えるほど返済能力が低いと見なされます。事前に計算し、もしも10年を超えてしまう場合は、希望融資額の見直しを行うなど対策する必要があるでしょう。

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【信用保証協会の審査ポイント3】会社の規模・業種・区域が条件に合っているか

信用保証協会は、経営者であれば誰でも利用できるわけではありません。あくまでも中小企業や小規模事業者を対象とした保証制度で、信用保証協会の定める「規模」「業種」「区域・業歴」という3つの条件にマッチする企業のみ利用することができます。

規模

事業の業種ごとに、「資本金」と「従業員数」の条件が以下のように定められています。

業種

資本金

従業員数

製造業など

(建築業、不動産業、運送業を含む)

3億円以下

300人以下

ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤおよびチューブ製造業、工業用ベルト製造業は除く)の場合は900人以下

サービス業

5000万円以下

ソフトウェア業、情報処理サービス業は3億円以下

100人以下

ソフトウェア業、情報処理サービス業は300人以下

旅館業は200人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

小売業・飲食業

5,000万円以下

50人以下

医業がメイン事業の法人

     -

300人以下

上記の「資本金」「従業員数」両方に当てはまる必要はなく、どちらか一方の条件を満たしていれば、借入する資格があります。また、個人事業主の場合は、常時携わっている従業員数が該当していれば対象となります。

業種

信用保証協会はほとんどの業種で利用できますが、農林・漁業、風俗関連営業、宗教法人など、信用保証協会側が支援することが難しいと判断し、対象外としている業種もあります。該当しているか不安な場合は、事前に問い合わせて確認しておきましょう。

区域・業歴

申込を行う信用保証協会の管轄区域で事業を営んでいることが原則です。具体的には、法人の場合は本店あるいは事業所のいずれか、個人事業主の場合は住居あるいは事業所のいずれかが管轄区域内に位置する必要があります。

【信用保証協会の審査ポイント4CRDをクリアしているか

CRD」と聞いても、馴染みがないかもしれません。CRDとはCredit Risk Database(クレジット・リスク・データベース)の略語で、経済産業省・中小企業庁が主体で設立したCRD協会が管理している「中小企業信用リスク情報データベース」のことを意味します。

CRDには、200万社を超える企業の財務データが蓄積されています。これは、CRD協会に加盟している信用保証協会および金融機関が提供している取引先データです。

このシステムに、新規申込企業の決算情報をインプットすると、蓄積されている同業他社のデータと自動的に照合されます。そうすることで、申込企業における経営状況の優劣を判断できる仕組みです。

CRDの仕組み:一般社団法人 CRD協会

具体的には、業界内での財務指標偏差値、経営の危険度、1年以内に貸倒れとなる確率、将来の信用度の予測指数がわかります。

CRDをクリアしているかどうかは、事前にある程度調べることができます。無料診断できるサイトもあるため、積極的に利用して経営自己診断をしておくと安心です。

【信用保証協会の審査ポイント5】資金の使い道が明確か

資金の使い道も、審査の上で重要なポイントです。そもそも信用保証協会の保証制度は事業資金にのみ有効で、それ以外の用途では利用することができません。つまり、事業の運転資金、あるいは設備資金のどちらかに該当する必要があります。

そのため、何にいくら必要なのかを明確に提示しましょう。おすすめは、資金表を作成することです。運転資金・設備資金それぞれの項目に細かく数字を入れることで、用途を明確に伝えることができます。

業者の見積書を添付すると、その数字により一層信憑性が増すでしょう。事業の発展を期待できる魅力的な用途で、かつそれに見合った数字の記入を心がけましょう。

信用保証付き融資で確実な資金調達を

信用保証協会の保証制度は、融資を受けにくい中小企業の経営者や個人事業主の大きな味方になってくれます。しかし、利用するためには審査を突破する必要があり、ここでご紹介した審査ポイントをしっかりクリアしているかどうかが大きなカギとなるでしょう。

スムーズな資金調達は、会社経営を成功へと導く秘訣です。ぜひこの記事を参考にして、確実に信用保証付き融資を利用しましょう。


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