整形外科経営で失敗しない!リスクを軽減する5つの開業のコツを徹底解説!
公開日:2018.3.9 | 最終更新日:2025.3.19

病院のひとつである整形外科医院を経営する医師は決して少なくありません。整形外科医が勤務医として働き続けるのではなく、独立を目指すのであれば、整形外科医院を自分で開業するのが近道です。しかし、資金を用意してただ開業すれば成功するという単純なものでもありません。
整形外科医院を経営していくのなら、失敗しないためのリスク軽減対策は必要不可欠でです。リスクに備えた開業のコツさえしっかり掴んでおけば、開業したそばから赤字経営になってしまうといった問題は避けられるでしょう。では、どうすれば整形外科の経営を軌道に乗せていくことができるのでしょうか?今回は整形外科医院開業実績のある筆者が絶対成功できる方法を具体的に紹介していきます。
この記事を読めば、リスクを徹底的になくした状態で開業を行うことができるでしょう。
■整形外科医の現状
2006年の厚生労働省の調査によると、最も医師数が多いのは内科の約7万人で、整形外科は約1万9,000人ですが、それに対しての病院数の比率は大きく異なります。診療科目別にみた2006年の一般病院の施設数は内科医院が7,256に対し、整形外科は5,173です。つまり、医師の数や病院数自体は内科に比べると多くはないものの、医師数に対しての施設数の比率は整形外科が圧倒的に高いことがわかります。つまり、それだけ病院を開業する整形外科医が多くなっていると言えるでしょう。勤務医は1カ月あたりの収入が約80万円に対し、クリニックを開業している開業医の場合は1カ月約290万円の収入があるといわれています。もちろん勤務する地域や病院の規模、患者数などによって正確な数値は左右されてきますが、開業医のほうが高い収入が見込める可能性があるのは確かです。より高い収入を得たいと考えているのであれば、勤務医として安定した収入を得続けるよりも開業したほうがいいと言えるでしょう。
| 勤務医の収入 | 約80万円 |
| 開業医の収入 | 約290万円 |
■整形外科の開業手順
整形外科を開業するのなら、開業するのに必要となる手順について知っておきましょう。開業するにはどのような準備が必要となるのか、そしてどんな順番で準備を進めていくのがスムーズなのかをチェックしてみてください。【手順1】医院の方針の決定
まずは開業する医院の方針を細かく決めるところから始めましょう。どんな方針の病院にしたいのか、どんな患者をターゲット層にしたいのか、そしてどんなことを病院の強みにしたいのかを考えていきます。具体的にイメージしていくことで、今後経営していく医院のスタイルが定まっていくでしょう。【手順2】開業計画の作成
イメージが具体的に固まってきたら、本格的に開業をするための計画書を作成しましょう。どの行程をいつまでに終わらせるのかという開業計画を立てることで、時間が無駄に経過してしまう事態を防げます。計画書には期日や数字を明確に書き、計画通りに進められるように努めてみてください。【手順3】物件・内装を決める
計画を立てたら次は物件と内装の決定です。自院のコンセプトに合った条件の物件を選び出し、希望通りの内装にできるようにしましょう。満足のできる施設にできるよう、依頼する内装業者選びを慎重に行うことも忘れないようにしてください。【手順4】資金の調達
物件が決まり、初期費用に必要な金額が明確になったら、次は資金の調達です。最初にかかる運転資金や備品購入のための資金を集めましょう。家族や知人にあたって借りる方法もありますが、整形外科医院の場合は必要な開業資金が膨大であるため、銀行で借入をするのが一般的です。【手順5】備品購入
物件が決まり、資金の調達もできたら、自院に必要となる備品や設備を購入していきましょう。特に、医療設備として充実させていくために医療機器の購入は欠かせません。診察用のベッドやX線撮影装置など、さまざまな医療機器がありますが、本当に必要なものを必要な数だけ用意するように努めましょう。【手順6】スタッフの確保と教育
病院は1人きりで経営していくことはほぼ不可能なので、人材の確保と教育が必要です。医療事務のスタッフや看護師、作業療法士など、病院の規模に合わせた人材を確保しましょう。教育については経営者である自分自身が指導することも大切ですが、予め経営方針や業務上のルールなどをまとめたマニュアルを用意しておくとスムーズでしょう。【手順7】開業に必要な手続きを行う
開業をするのなら開業に必要となる手続きがいくつかあります。まず、事業の基本である開業届と青色申告申請許可書は基本ですから忘れないようにしましょう。整形外科開業の場合は、ほかにも保健所への書類提出や保険の手続きなどがあるのでチェックしてみてください。保健所への開設届提出
整形外科医院として開業するためには保健所への開設届の提出が必要不可欠です。施設の状況に問題がないかどうかチェックされることもありますから、その場合には保健所の職員に直接みてもらうことになります。主に内装の構造や衛生面をチェックされるので無事に許可を得られるようにしておきましょう。指定医療機関コードの取得
病院を開業する場合、指定医療機関コードというものが必要になります。指定医療機関コードとは、いわゆる正式な保険医療機関として登録されるコードのようなものです。処方箋発行などに必要となるコードなので取得しておきましょう。労災保険の手続き
スタッフを雇う場合、労働者をサポートするための労働保険に加入する必要があります。労災保険は労働保険のひとつで、業務や通勤で労働者が負傷した場合や病気になった場合、死亡した場合などに保険給付を行う制度のことです。労働保険は加入が義務付けられていますし、スタッフの身の安全への配慮のためにもきちんと加入しておきましょう。雇用保険の手続き
雇用保険は労災保険と同様に、労働保険に分類される保険です。労働者の雇用の安定と促進を目的としてできた制度で、失業による給付金や教育訓練による給付金があります。スタッフが働きやすくなるために必要な制度ですから手続きを忘れないようにしましょう。社会保険・厚生年金保険の手続き
スタッフを雇用する場合、社会保険や厚生年金保険の手続きも忘れてはなりません。生活のなかで起こる病気やケガ、死亡などに備えた保険であるため、加入しておいたほうがスタッフは働きやすく感じます。加入するためには加入条件を満たす必要がありますので手続きをするときには注意しましょう。
■整形外科の開業資金の目安は?
どこでどれくらいの規模の整形外科クリニックを開業するのかにもよりますが、土地や建物だけでも3,000万円以上はかかるといわれています。また、整形外科の場合、何よりも医療機器や設備にお金がかかりやすく、それだけでも2,000万円前後はかかるとされているのです。つまり、合計でおよそ5,000万円の投資が必要となりますから覚えておきましょう。そのほかにも、当面の運転資金や宣伝費用、生活費などがかかってくるので余裕を持った資金調達をするのが望ましいでしょう。費用を少しでも抑えたいのであれば、開業時にはリハビリ用の医療機器は購入しないようにするといった方法があります。
■整形外科開業で考えるべきリスク
整体外科を開業したいのなら、どんなリスクがあるのかを踏まえてから行動を起こすべきです。安易に開業してしまうと思わぬトラブルに発展したり、経営が困難になってしまったりといった事態になりかねないので必ずチェックしておきましょう。クレームや訴訟への対処が求められる
病院では医療ミスやトラブルがあった際、クレームや訴訟に発展してしまうものですが、勤務医であれば病院の上層部が矢面に立ってくれるものです。しかし、開業医である場合、自分自身が経営者であり、最高責任者ですから自分で対処しなければならなくなります。この際、対応の仕方を間違ってしまうと余計に大きなトラブルに発展する可能性もありますから、慎重に行動することを忘れないようにしましょう。設備費用や運転資金が高額
整形外科の場合、高額な医療機器を使用することになるため、設備の購入費用やリース料金はもちろん、メンテナンス費用にお金がかかりやすくなっています。設備費用を節約することはなかなか難しい問題ですが、いかに無駄な医療機器の購入や契約をしないようにするかが重要なポイントです。資金繰りの失敗
どんな部分で資金が出ていき、いくらの収入を得られているのかが明確ではないと資金繰りに失敗しやすくなります。気が付いたときにはもう資金が底をつきてしまっていたという事態になりかねないので、きちんと管理をして資金繰りに失敗しないようにしましょう。開業したが人が集まらない
準備を進め、無事に開業したものの患者がなかなか集まらないということもあります。他院との差別化をし、集客活動を徹底しないと想定していたよりも来院数が少なくなってしまうというリスクがあるので注意が必要です。ただ開業の準備を進めるのではなく、どのように開業し、経営をしていくのかをよく考えながら進めていくことが重要だと言えるでしょう。■整形外科でリスクを軽減する5つのコツ
整形外科で経営が傾いてしまうことのないようにするにはリスクを軽減するための対策が必要不可欠です。どうすればリスクを軽減できるのかですが、これから紹介する5つのコツを抑えるのが近道だと言えるでしょう。一つひとつのポイントをチェックし、今後の開業に役立ててみてください。【コツ1】リハビリ用の器具を購入しない
経費削減の一環ですが、リハビリ用の器具を購入しないようにするというのが最初にできるリスク軽減の対策方法です。ほかの医療機器はともかく、リハビリ用の器具に至っては最初の段階だと稼働率が低い可能性が高いため、無駄にコストをかけてしまう事態になりかねません。導入するのならあくまでも整形外科の事業が軌道に乗ってからにするのが望ましいでしょう。あまり必要ではないものを予め用意しておいても資金面の負担が大きくなるだけなので「今必要かどうか」という点を重視しながら資金を使うようにしてみてください。
【コツ2】立地は駅の近くか、郊外を選ぶ
整形外科に来院する人は大抵の場合、身体に何らかの不調がある人です。なかには歩くのが困難な人もいますから、移動に負担がかかるような場所に病院を建てるのは避けたほうがいいでしょう。無理なく通うことのできる駅の近くがベストですが、車で移動がしやすい郊外に建てる方法もあります。ただし、いずれにしても駐車場を用意できたほうがいいでしょう。駅前だと土地の費用が高額になるため、近くにコインパーキングがあるような場所に病院を建てるのもひとつの手段です。患者の通院のしやすさを第一に考えた立地にすることで、安定した収入にも繋がっていくでしょう。
【コツ3】事業計画書を綿密にたてる
資金が膨大にかかるからこそ、事業計画は綿密に立てることを忘れないようにしてください。適当に計画を立ててしまうと思わぬところで余計なコストをかけてしまったり、収入が思うように得られなかったりといった問題が生じ、資金繰りにも失敗してしまう可能性があります。まずは事業計画書にきちんと明確な数字を記入し、何にいくら必要となるのか、どれくらいの収益を見込めるのかなどをはっきりとさせておきましょう。もちろん必ずしも計画通りに事が運ぶとは限りませんが、計画書があれば、想定と結果がずれてしまった際には即座に対処できるというメリットもあります。経営を安定させていきたいのなら細かなところまでしっかりと計画を立てるように意識しましょう。
【コツ4】自分の医院にしかないアピールポイントを確認する
できれば開業する前の段階から、自分の医院にしかないような強みを明確にするように心がけましょう。整形外科医院はライバルの多い業界のひとつですから、ほかと差別化をしないと簡単に他院に埋もれてしまいます。そうなることのないように、何かひとつでも自院ならではの魅力や強みというものを考えてみてください。たとえば、病院内に託児所を設けたり、お年寄りに優しい設計の内装にしたりといった工夫を施すことで、ほかの病院にはない魅力があると思ってもらえる可能性があるでしょう。
【コツ5】患者へ正しい情報を適切に伝える
ただ診察や施術をするだけではなく、何のためにどのような治療をするのか、施術にはどんなリスクがあるのかといった正しい情報を患者へ適切に伝えられるような説明をすることが重要です。正しい情報を丁寧に説明することで、クレームの防止に繋がりますし、信頼を得るのにも役立ちます。誠意のある態度や親切な対応をすれば、患者には必ずその懸命さが伝わるものです。また、経営者や医師だけではなく、医療事務や看護師など、ほかのスタッフの対応の仕方も同様です。病院全体を通して患者への誠実な対応を心がけていきましょう。
■リスクヘッジを徹底して整形外科を開業!
整形外科を開業し、成功させていくためには起こり得るリスクにどれだけ備えられるのかが重要となってきます。リスクヘッジを徹底していけば、必然的にトラブルや経営不振に陥る可能性は低くなるものですし、それだけ事業を軌道に乗せていくこともできるものです。失敗を避けるためにもどんな風に開業をしていけばいいのか、そしてどうすればリスクが少なくて済むのかを常に考えつつ、整形外科の開業を目指してみてはいかがでしょうか。
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