キャリアアップ助成金の申請3つのコツ!受け取る為の手続き方法

公開日:2017.10.27  |  最終更新日:2025.3.13



社内での非正規雇用労働者に対して、人材育成や処遇改善などを実施した際に支給されるキャリアアップ助成金。従業員にとってはキャリアアップや賃金アップにつながり、事業主にとっては事業の生産性アップや優秀な人材の確保につながるなどメリットの多い制度ですが、平成28年の施行以来、何度も制度内容が変更されていることや、膨大なページ数のマニュアルへの抵抗感などからあまり普及しておらず、実際に助成金を申請している企業は全体の2割以下だといわれています。

この記事では、10年以上にわたり中小企業の労務管理や労働問題についてアドバイスを行ってきた社会保険労務士が、平成29年4月に改正されたばかりのキャリアアップ助成金について、申請のコツや支給額など最新の情報をたっぷりとご紹介します。

キャリアアップ助成金のイロハを知りたい方から申請を検討している方まで、これを読めば助成金が100%受け取れます。


■キャリアアップ助成金とは?

有期契約労働者やパート従業員、アルバイト、派遣労働者など非正規雇用の労働者に対し、正規雇用に転換したり、健康診断制度を導入して処遇改善を図ったり、何らかのキャリアアップを促す取組を実施する事業主に支給される助成金です。非正規労働者の減少を目的として厚生労働省が管轄しています。

助成内容に応じて複数のコースがあり、これまでも何度か改正が行われてきましたが、平成29年4月からは新たな改正内容が適用され、これまでの3コースから全8コースへと区分が変更されました。さらに生産性要件も設定され、一定の要件を満たした企業は支給額が増額する仕組みも取り入れられています。

生産性要件とは、生産性を高めた企業に対して、その生産性向上の取組を支援するために助成額や助成率の割増しを行うためのものです。とは言っても労働者が生み出す付加価値は感じ方によって異なり、目で見て計ることができないため、平等性を保つために以下の計算式で算出します。

(営業利益+動産・不動産賃借料+人件費+減価償却費+租税公課)÷雇用保険被保険者数=生産性

この計算によって算出された生産性が以下のいずれかに該当すれば、生産性要件を満たしたと判断されます。

  • 3年前に比べて6%以上伸びている
  • 3年前に比べて1%以上(6%未満)伸びており、金融機関から一定の事業性評価を得ている

それでは、平成29年10月現在に利用できる8コースを順に見ていきましょう。

正社員化コース

期限付きの労働者等を正社員等へ転換、もしくは直接雇った場合に受けられる助成金です。正社員には、勤務地や職務が限られている正社員や短時間働いている正社員も含まれるため、多様な正社員に適用されます。

中小企業、大企業が受けられる助成金は以下の通りです。なお、金額は1人あたりの額を表しています。

中小企業の場合

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
有期→正規57万円72万円
有期→無期28万5,000円36万円
無期→正規28万5,000円36万円

大企業の場合

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
有期→正規42万7,500円54万円
有期→無期21万3,750円27万円
無期→正規21万3,750円27万円

また、以下の場合にはそれぞれ所定の金額が加算されます。

  • 派遣社員を派遣先で直接正社員としてする場合
  • 母子家庭の母、または母子家庭の父の場合
  • 若者認定事業所で対象となる35歳未満の労働者を転換等した場合
  • 勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定した場合

人材育成コース

有期契約労働者等に対し、以下のいずれかの訓練を実施した場合に受けられる助成金です。

  • 一般職業訓練(OFF-JT)
  • 有期実習型訓練(ジョブ・カードを活用したOFF-JT+OJT)

OFF-JTとは職場外訓練を意味し、講習会への参加や通信教育の受講などにより、専門的な知識の習得を目的とした訓練です。必ずしも職場外で行われるとは限らず、実施場所が職場内だとしても日常の業務を離れて実施した訓練の場合はOFF-JTに該当します。

また、OJTとは職場内訓練を意味し、日常業務に従事しながら上司や先輩をはじめとする指導者から業務指導を受ける訓練です。

OFF-JTを実施する場合には1時間あたりの賃金が助成対象となります。なお、金額は1人あたりの額を表しています。

中小企業の場合(OFF-JT)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1時間あたりの賃金760円960円

大企業の場合(OFF-JT)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1時間あたりの賃金475円600円

また、経費助成として実費助成を受けることも可能です。その場合は、訓練時間に応じて以下のように限度額が設けられています。なお、金額は1人あたりの額を表しています。

一般職業訓練・有期実習型訓練・育児休業中訓練の場合

中小企業大企業
100時間未満10万円7万円
100時間以上200時間未満20万円15万円
200時間以上30万円20万円

ただし、育児休業中訓練では経費助成のみとなります。

中長期的キャリア形成訓練の場合

中小企業大企業
100時間未満15万円10万円
100時間以上200時間未満30万円20万円
200時間以上50万円30万円

有期実習型訓練終了後、正社員等に転換された場合

中小企業大企業
100時間未満15万円10万円
100時間以上200時間未満30万円20万円
200時間以上50万円30万円

OJTを実施する場合にも1時間あたりの賃金が助成対象となります。中小企業、大企業それぞれの助成金は以下の通りです。なお、金額は1人あたりの額を表しています。

中小企業の場合(OJT)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1時間あたりの賃金760円960円

大企業の場合(OJT)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1時間あたりの賃金665円840円

賃金規定等改定コース

全て、または一部の期限付き労働者等に対して基本給を上げるように規定を改定し、昇給した場合に受けられる助成金です。

全ての有期契約労働者等に対し賃金規定等を2%以上増額改定すると、対象労働者数に応じて以下のような助成金を受け取ることができます。

中小企業の場合(全ての有期契約労働者)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1人~3人9万5,000円12万円
4人~6人19万円24万円
7人~10人28万5,000円36万円
11~100人(1人あたり)2万8,500円3万6,000円

大企業の場合(全ての有期契約労働者)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1人~3人7万1,250円9万円
4人~6人14万2,500円18万円
7人~10人19万円24万円
11~100人(1人あたり)1万9,000円2万4,000円

また、雇用形態別、職種別など一部の有期契約労働者の賃金規定等を2%以上増額改定した場合も同じく、対象労働者数に応じて以下の助成金を受け取ることが可能です。

中小企業の場合(一部の有期契約労働者)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1人~3人4万7,500円6万円
4人~6人9万5,000円12万円
7人~10人14万2,500円18万円
11~100人(1人あたり)1万4,250円1万8,000円

大企業の場合(一部の有期契約労働者)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1人~3人3万3,250円4万2,000円
4人~6人7万1,250円9万円
7人~10人9万5,000円12万円
11~100人(1人あたり)9,500円1万2,000円

また、以下の場合にはそれぞれ所定の金額が加算されます。

  • 中小企業において3%以上の賃金規定等増額を実施した場合
  • 「職務評価」の手法の活用により実施した場合

健康診断制度コース

有期契約労働者等を対象とした「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、4人以上に実施した場合に受けられる助成金です。1事業所あたりの金額は、以下ように規定されています。

中小企業の場合

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1事業所あたり38万円48万円

大企業の場合

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1事業所あたり28万5,000円36万円

賃金規定等共通化コース

有期契約労働者等と正社員に対し共通する賃金規定等を新たに作り、適用した場合に受けられる助成金。1事業所あたりの金額は以下の通りです。

中小企業の場合

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1事業所あたり57万円72万円

大企業の場合

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1事業所あたり42万7,500円54万円

諸手当制度共通化コース

有期契約労働者等と正社員に対し共通する手当制度を新たに作り、適用した場合に受けられる助成金です。1事業所あたり以下のような金額が支払われます。

中小企業の場合

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1事業所あたり38万円48万円

大企業の場合

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1事業所あたり28万5,000円36万円

選択的適用拡大導入時処遇改善コース

労使合意に基づいた社会保険の適用拡大の処置により、社会保険が適用される期限付き労働者等に対して基本給をアップした場合に受けられる助成金です。

助成金額は、基本給の増額割合に応じて以下のように規定されています。なお、金額は1人あたりの額を表しています。

中小企業の場合

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
3%以上5%未満1万9,000円2万4,000円
5%以上7%未満3万8,000円4万8,000円
7%以上10%未満4万7,500円6万円
10%以上14%未満7万6,000円9万6,000円
14%以上9万5,000円12万円

大企業の場合

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
3%以上5%未満1万4,250円1万8,000円
5%以上7%未満2万8,500円3万6,000円
7%以上10%未満3万3,250円4万2,000円
10%以上14%未満5万7,000円7万2,000円
14%以上7万1,250円9万円

なお、このコースは平成32年3月31日までの暫定措置となっているため、申込みを検討中の方はご注意ください。また、複数の労働者を対象とし、それぞれの基本給の増額割合が異なる場合は、対象労働者のうち最も低い増額割合の区分が適用されます。

短時間労働者労働時間延長コース

短時間労働者の労働時間を週5時間以上延長し、社会保険を新しく適用した場合に受けられる助成金です。

平成32年3月31日までの間は支給額が増額されています。中小企業、大企業それぞれの金額は以下の通りです。

中小企業の場合(延長+社会保険適用)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1人あたり19万円24万円

大企業の場合(延長+社会保険適用)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1人あたり14万2,500円18万円

また、労働者の手取りが減少しないよう週所得労働時間を延長し、新たに社会保険を適用させた上で、上記でご紹介した「賃金規定等改定コース」または「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」を実施した場合、延長した時間に応じて1人あたり以下のような助成金が支給されます。

こちらも平成32年3月31日までの暫定措置となるため、申込みの際は注意が必要です。

中小企業の場合(延長+社会保険適用+コース実施)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1時間以上2時間未満3万8,000円4万8,000円
2時間以上3時間未満7万6,000円9万6,000円
3時間以上4時間未満11万4,000円14万4,000円
4時間以上5時間未満15万2,000円19万2,000円

大企業の場合(延長+社会保険適用+コース実施)

生産性の向上<なし>生産性の向上<あり>
1時間以上2時間未満2万8,500円3万6,000円
2時間以上3時間未満5万7,000円7万2,000円
3時間以上4時間未満8万5,500円10万8,000円
4時間以上5時間未満11万4,000円14万4,000円

■申請の流れ

キャリアアップ助成金は、実際に賃金規定の改定やOFF-JT・OJTの実施など各コースで規定されている実施実績が必要なため、思い立ってすぐに申請できるわけではありません。そこで、助成金の手続きを希望する場合は1年程前から準備を始めるなど早めの行動が大切です。

キャリアアップ助成金の申請は申込むコースにより手続きの流れが異なるため、厚生労働省が発行しているキャリアアップ助成金のガイドラインに従って進めるのが基本。大まかな流れは以下の通りです。

人材育成コース

  1. キャリアアップ計画の作成・提出
  2. 労働局・ハローワークがキャリアアップ計画の作成援助・確認を行います。
  3. 訓練計画届の作成
  4. 有期実習型訓練の場合、訓練対象者はキャリア・コンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受けます。
  5. 訓練計画届の提出
  6. 労働局・ハローワークが訓練計画届の確認を行います。
  7. 訓練の実施
  8. 労働局・ハローワークが訓練実施状況の確認を行い、ジョブ・カードセンターが訓練実施に関する相談や援助を行います。
  9. キャリアアップ助成金の支給申請
  10. 労働局・ハローワークが支給審査を行い、支給が決定されれば助成金を受けられます。

人材育成コース以外

  1. キャリアアップ計画の作成・提出
  2. ハローワーク・労働局がキャリアアップ計画の作成援助・確認
  3. 取組の実施
  4. キャリアアップ助成金の支給申請
  5. 労働局・ハローワークが支給審査を行い、支給が決定されれば助成金を受けられます。

キャリアアップ助成金の申請にあたり、全てのコースで共通している必要書類は以下の6種類です。

  • キャリアアップ計画書(管轄労働局長の確認済みのもの)
  • キャリアアップ助成金支給申請書
  • 支給要件確認申立書
  • 対象労働者の賃金台帳
  • 対象労働者の出勤簿、タイムカード
  • 生産性要件に関わる支給申請を行う場合の添付書類

また、多くのコースで提出が必要とされる書類には以下のような種類があります。

  • 対象労働者の雇用契約書
  • 労働協約または就業規則、そのほかこれに準ずるもの
  • 中小企業事業主の場合は、その旨を確認できる書類(登記事項証明書、事業所確認表など)

そのほか、申請するコースによって提出書類も細かく規定されているため、申込みの際には提出漏れのないよう十分にご確認ください。


■【申請のコツその1】しっかりしたキャリアアップ計画書を作る

申請するコースに関わらず、まず始めに作成しなければならないのがキャリアアップ計画書。あなたが実施する計画がキャリアアップ助成金制度の主旨に合っているかどうかをチェックする大切な書類のため、不備のないようしっかりとした書類作成が大切です。

冒頭でもご紹介したように、キャリアアップ助成金制度の大きな目的は「非正規労働者の減少」にあります。正社員化コースのように直接非正規労働者が正規雇用されるものばかりではありませんが、社内の処遇改善や賃金規定の改定、職業訓練などを実施することで労働者のキャリアアップや満足度につながり、将来的に正規雇用希望者の増加も予想されます。

したがって、これから立てる計画を実施することで、非正規労働者の減少につながることがポイント。どのコースに申請するとしても、非正規労働者、会社双方にとってメリットのある計画であるかどうかを念頭に置いて作成しましょう。

では、記入する項目について記入例とともにご紹介します。

キャリアアップ計画期間

キャリアアップ計画の実施は3~5年が目安。労働者の育成や労働時間の延長など、長期的に継続してコースに準じた取組をすることが求められています。

キャリアアップ計画期間中に行う実施内容

ご紹介した8コースのうち、該当するものに丸印を付けます。複数の労働者に対しそれぞれ異なった措置を講じる場合は、該当するもの全てにチェックを入れましょう。それぞれの実施開始予定月も忘れずに記入します。

対象者

どのような労働者に対し、どのコースでの措置を講じるかを記入する項目です。単にコース名と労働者の雇用形態を書くのではなく、「〇〇部門に配属後〇年を経過したパートタイム労働者」「〇〇部門で○○業務に従事する、配属後〇年の契約社員」など、労働者の所属部門や配属後の年数も記入しましょう。

目標

その措置を講じることで対象者がどのようになるのか、その目標を記入します。例えば、人材育成コースの場合は「○○に関する知識・技能を習得する」、正社員化コースの場合は「対象者のうち〇名に対し正規雇用への転換を図る」など、取組実施後の明確な目標を書きましょう。

目標を達成するために講じる措置

上記で掲げた目標を達成するためにどのような取組を行うのかを記入する項目です。例えば、人材育成コースで「職業訓練を通じて○○に関する知識・技能を習得する」という目標を掲げた場合には「○○に関する知識・技能習得のため、社内で○○の職業訓練を実施する」など、簡潔かつ具体的に記入します。

キャリアアップ計画全体の流れ

上記の目標や取組内容をもとに、キャリアアップ計画全体の流れをまとめましょう。例えば、短時間労働者労働時間延長コースでは「短時間労働者のうち週所定労働時間の延長について希望者を募集し、面接後に週所定労働時間の延長を実施し、社会保険を適用する」など、目的や目的実現に向けた課程を記入します。

取組前にキャリアアップ計画書の提出が求められているのは、それぞれのコースを実施するにあたって、事前に立てた目標の実現に向けて計画的に取組んでほしいという意味合いも含まれています。そのため、審査担当者が読んでわかりやすい文章で作成することは大前提ですが、特に重要なポイントは「計画と取組内容の整合性」だといえるでしょう。

例えば「プログラミング技術の向上」を目的として人材育成コースに申請しているにも関わらず訓練内容が「マナー講習会の実施」だった場合、客観的に見て整合性があるとはいえません。このままでは審査には通らないため、書類が作成してもすぐに提出せず、何度も読み返して計画と取組内容に整合性があるか検証を行うことが大切です。

なお一度計画書を提出しても、その後内容に変更があった場合にはその都度「計画変更届」の提出が必要です。もしも変更届を出さずに計画書と異なる取組をしていれば助成金が支給されない可能性もあるためご注意ください。

■【申請のコツその2】就業規則の見直しをする

正社員化コースや賃金規定等改定コース、健康診断制度コース、賃金規定等共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コースなど、申請するコースによっては就業規則の見直しを行い、支給申請書と併せて提出しなければならない場合があります。そのため、正規雇用や賃金規定等改定などの取組を行う前に変更し、あらかじめ労働基準監督署への届出を完了しておかなければなりません。ただこれは労働者の人数によっては例外もあります。

そこで、就業規則の届出を行う条件を見てみましょう。

常時10人以上の労働者を雇用する場合

管轄する労働基準監督署、もしくは地方運輸局(運輸監理部を含む)に届出を行う。

常時10人未満の労働者を雇用する場合

管轄する労働基準監督署等に届出を行うか、事業主と従業員全員による就業規則の実施について連署による申立書を作成すること。

つまり、常時10人未満の労働者を使用する企業の場合、上記の申立書を添付していれば管轄する労働基準監督署への届出は必要ありません。

しかし、万が一何らかのトラブルが発生し労使の裁判が開かれた場合には、就業規則が正しく作成され運用できているかが争点となるケースも起こり得ます。もしも就業規則を作成していないと判断され裁判に負けてしまった場合には、慰謝料や罰金などのコストが増加することも考えられるため、小規模の会社であっても就業規則を作成しておいた方が安心です。

就業規則の作成や変更は容易ではないため、社会保険労務士など専門家に依頼するのがおすすめ。10万~20万程度の依頼料が必要ですが、トラブルを防止するためには決して高い出費ではないでしょう。

■【申請のコツその3】要件を満たしているかチェック

キャリアアップ助成金の申請では、細かい規則や条件が定められています。そこで、ここでは全てのコースに共通した様々な要件についてご紹介します。あなたがキャリアアップ助成金に申請する要件をクリアしているか、確認してみてください。

キャリアアップ助成金の申請を検討している方の多くは中小企業の事業主ではないでしょうか。中小企業の定義は制度や助成金によって異なる場合があるため、今一度確認しておきましょう。

キャリアアップ助成金での中小事業主とは、以下の「資本金の額・出資の総額」「常時雇用する労働者の数」のいずれかの範囲に該当している必要があります。

資本金の額・出資の総額常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
そのほかの業種3億円以下300人以下

また、助成金の支給対象となる事業主は以下の通りです。なお「事業主」には、民間の事業主だけでなく、民法上の公益法人、NPO法人、医療法上の医療法人、社会福祉法上の社会福祉法人も含まれています。

  • 雇用保険適用事業所の事業主
  • キャリアアップ管理者を事業所ごとに設置している事業主
  • 事業所ごとに対象労働者に対しキャリアアップ計画を作成し、管轄の労働局へ提出し、受給資格の認定を受けた事業主
  • 各コースの対象者である労働者に対し、賃金の支払い状況などが明確に記載された書類を作成し、保管している事業主
  • キャリアアップ計画書に記載したキャリアアップ計画期間内に取組を実施した事業主

キャリアアップ助成金では上記のように共通した要件のほかにも、コースごとに事業主・労働者それぞれの要件が細かく規定されているため、申込みの際には各コースの対象者を十分にご確認ください。


ただし、以下のいずれかに該当する事業主は、支給対象ではないため注意が必要です。

  • 申請日から過去3年間以内に不正受給をした事業主
  • 申請年度の前年度以前の労働保険料を納入していない事業主
  • 申請日の前日から過去1年間以内に労働関係法令の違反を行った事業主
  • 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業、もしくはこれらの営業の一部を受託している事業主
  • 暴力団と関わりのある事業主
  • 申請日または支給決定日の時点で倒産している事業主
  • 助成金の不正受給が発覚した場合の事業主名などの公表に同意しない事業主

■まとめ

今回はキャリアアップ助成金を100%受け取るための申請のコツについてご紹介しました。きちんと制度の主旨を理解し、入念に準備を進めていれば、きっと助成金の支給を受けられるはずです。支給された助成金を有効活用し、ぜひ従業員の意欲向上や事業の生産性アップにつなげてください。

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