【最新】創業計画書の書き方6つのコツ!あなたも日本政策金融公庫から確実に創業融資を受けられる

公開日:2017.10.27  |  最終更新日:2025.3.13



日本政策金融公庫が取り扱う創業融資を受けるためには創業計画書が欠かせませんが、多くの起業家が見本通りに書類を作成しているにも関わらず失敗しています。

それもそのはず。創業計画書は、インターネットなどで掲載されている見本通りに作成しても日本政策金融公庫が行う審査には通らないのです。いくら夢や希望を語ってアピールしても、あなたの事業で利益が見込めるという根拠を示さなければ融資は受けられません。

この記事では、数々の創業計画書作成をサポートしてきた創業融資専門のコンサルタントが、確実に融資を受けられる創業計画書作成のコツについて詳しくご紹介します。これを読めばあなたの計画書がレベルアップすること間違いなし。熱い思いを創業計画書に「正しく」乗せて、日本政策金融公庫から確実に融資を受けられるようになりましょう!

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■創業計画書とは?

創業計画書とは、開業に必要な資金を調達するため、日本政策金融公庫に提出する書類です。日本政策金融公庫は日本政府が出資している政府金融機関で、銀行から融資を受けるのが難しい中小企業や、起業前で実績をアピールできない起業家などへ融資を行っています。

なお、同じく融資を申込む際に提出する書類として事業計画書がありますが、これは開業後の事業拡大などを理由とした融資の申込みに必要な書類です。創業計画書を事業計画書と呼ぶこともありますが、厳密にいうとこれらは異なるためご注意ください。

創業時に利用できる日本政策金融公庫の融資は、以下の通りです。

  • 新創業融資制度
  • 新規開業資金
  • 女性、若者/シニア起業家支援資金
  • 中小企業経営力強化資金

いずれの融資に申込む際にも創業計画書の提出が必要となります。

日本政策金融公庫へ事業について説明するだけではなく、事業が実現できるかどうか自分自身で再確認するためにも重要な項目のため、しっかりとポイントを押さえて作成しましょう。

創業計画書のテンプレートは、日本政策金融公庫や信用保証協会のホームページからダウンロードでき、日本政策金融公庫のホームページでは記入例として業種別のサンプルも掲載しています。


サンプルを見ると、各項目の記入欄は比較的小さく、記入例も短い言葉でシンプルにまとめられているため、想像よりも簡単そうに見えるかもしれません。しかし、ただサンプル通りに書き進めるだけでは担当者へ起業家の熱意やアピールポイントが伝わるとはいえないでしょう。

ここが創業計画書の難しい点でもあります。創業後の事業拡大のために作成する事業計画書では、これまでの実績があるため、過去の業績をもとに未来の事業についてアピールしやすいといえますが、創業計画書を書く起業家の多くは業績がない分、数字を用いたアピールがしにくい特徴があります。

そこで、創業計画書の作成時には、数字だけでは伝わらない起業家の熱意をいかに上手くアピールできるかが重要となるのです。

創業計画書の記入項目9つを徹底解説

日本政策金融公庫が用意している創業計画書のテンプレートには、大きく分けて9つの記入項目が存在します。

  1. 創業の動機
  2. 経営者の略歴等
  3. 取扱商品・サービス
  4. 取引先・取引関係等
  5. 従業員数
  6. お借入の状況
  7. 必要な資金と調達方法
  8. 事業の見通し(月平均)
  9. 自由記述欄

それぞれ詳しく確認していきましょう。

【創業計画書の記入項目1】創業の動機

最初の記入項目は、創業の動機です。なぜ創業を決意したのか、どのような経緯があったのかなどを詳しく書くようにしましょう。

どんな創業形態であっても、動機というものは少なからず存在しますよね。ただし「何となく」や「お金が稼ぎたかったから」という理由では、政策公庫側の理解を得られず、融資を受けられないかもしれません。

どういう目的を持って創業したのか、なぜ会社を作らないとダメなのかという深い理由を丁寧に書き、政策公庫に「この理念があればお金を貸してもいいだろう」と思わせるような動機を考えましょう。

創業者の過去の経験に基づいたオリジナルの内容を取り入れると、独自性が出て効果的です。

【創業計画書の記入項目2】経営者の略歴等

経営者の略歴を、フォーマットに沿って記入します。

こちらは職務経歴書を書くような気持ちで記入していけば問題ありません。

正しい年月日と、正式な会社名、どのような部署でどのような仕事をしていたかを嘘偽りなく書いてください。

  • 過去の事業経験
  • 取得資格
  • 知的財産権等

という項目は、自分が持っている情報を正直に書けばOKです。

【創業計画書の記入項目3】取扱商品・サービス

取扱商品・サービス欄には、創業した会社がどのような事業を行っているのかを記入します。

こちらが会社の根幹部分にあたるので、わかりやすく丁寧に記入しましょう。

取扱商品・サービス欄には4つの項目が存在します。

  1. 取り扱いサービスの内容
  2. セールスポイント
  3. 販売ターゲット・販売戦略
  4. 競合・市場など企業を取り巻く状況

それぞれ説明します。

取り扱いサービスの内容

どのような商品やサービスを取り扱っているのか、売り上げシェア率がどれくらいなのかを記入します。

項目は3つあるので、会社の主力になる予定のサービスを考えてみてください。

売上シェア率はざっくりで構わないので、商品の単価や月間利用者数を計算して算出します。

セールスポイント

取り扱うサービスのセールスポイントを記入します。

顧客にどのような価値を提供できるか、競合他社と比べてどのような差別化ができているかなど、自社サービスの強みを書きましょう。

販売ターゲット・販売戦略

顧客対象や、顧客に向けてどのように販売していくかを記入します。

サービスや商品を販売したい相手の年齢・性別・抱えている悩みなどを細かく洗い出してみてください。

また、その層に向けてどのように販売をすれば最も効率がいいのか、戦略も考えましょう。

インターネットや実店舗による営業など、想定される利用者に応じた施策を用意できると効果的です。

競合・市場など企業を取り巻く状況

同じようなサービスを展開している競合や、市場状況などを記入します。

  • 他社はどのようなサービスを、どれくらいの値段で販売しているのか
  • 利用者が抱えている不満点は何か
  • 市場における課題と、その解決方法

などを詳しく書くことで、創業する説得力を高めましょう。

【創業計画書の記入項目4】取引先・取引関係等

創業にあたって、どのような取引先とのやり取りを行うかを細かく記入します。

  • 販売先
  • 仕入先
  • 外注先
  • 人件費の支払い

を、考えているサービスに応じて記載してください。

販売先や仕入先が企業でない場合は「一般個人」と書けば問題ありません。この場合は販売先の情報(年齢・性別・職業など)を詳しく書きましょう。

販売先や仕入先が企業の場合は、その取引先とどのような契約をしているか、契約書などの控えがあれば添付するようにしてください。

情報は詳しければ詳しいほど効果的なので、相手先に確認したうえで細かく資料を用意しましょう。

【創業計画書の記入項目5】従業員

こちらには、3ヵ月以上継続雇用を予定している従業員数を記入します。

特にコツなどは無いので、正直に記載するようにしてください。

【創業計画書の記入項目6】お借入の状況

現在、銀行やカードローンなどから借り入れを受けている状況を記入します。

融資審査を受ける際に、信用情報を必ずチェックされるので、嘘が無いように書きましょう。

【創業計画書の記入項目7】必要な資金と調達方法

創業するにあたって必要な資金と、その調達方法について記入します。

基本的にはテンプレートに書かれている内容に沿って書けばいいのですが、数字の具体性はとても重要です。

なぜ必要なのか、いくら必要なのか、どうやってそのお金を集めるのかを、かなり詳細に書くようにしましょう。

事務所の家賃や人件費、導入する機械など、必要経費をじっくりと計算してください。

左側の「必要な資金」と右側の「調達方法」の金額が一致すればOKです。

【創業計画書の記入項目8】事業の見通し(月平均)

事業の見通し欄には、簡単な損益計算を記入します。

「創業時」と「軌道に乗ったとき」の2つを、具体的に書いてください。

想定する客単価、利用者数から月間の収入を算出し、人件費や家賃などの固定費を差し引きます。

具体的で説得力のある損益計算ができていると、政策公庫側も融資を出しやすくなるので、じっくり考えてみてください。

【創業計画書の記入項目9】自由記述欄

1~8の項目で書けなかったアピールポイントや、政策公庫側から受けたいアドバイスなどがあれば記載しましょう。

無ければ空欄でも構いませんが、アピールのために何か記入しておくと効果的です。

創業計画書の完成度をグッと高める、3つのコツ

こちらでは創業計画書の書き方について、全ての項目に共通した3つのコツをご紹介します。

【書き方のコツその1】書式は手書きで記入する

日本政策金融公庫や信用保証協会のホームページからダウンロードできる創業計画書のテンプレートはエクセルファイルのため、ダウンロードすればすぐにパソコンで作成を進めることができます。

パソコンで作成すれば手軽な上、仕上がりも綺麗で、ミスがあっても簡単に修正ができるでしょう。

しかし、融資の審査では事業に対する起業家の熱意を確認するため、創業計画書をきちんと本人が作成しているかどうかを重視する傾向にあります。そこで、パソコンでの創業計画書では、誰が作成したのかわからないことを理由に評価が下がる可能性もあるのです。

したがって、時間がかかってしまったとしても、書式への清書は手書きで行うのがコツ。あらかじめパソコンで下書きを作成しておけば、文章に悩むこともないでしょう。

とは言え、どうしても手書きに自信がなかったり文章量が多く文字が小さくなってしまったりするなど、読みやすさを重視してパソコンで作成した方が良い場合もあるため、手書きで作成できないからといって思いつめる必要はありません。

【書き方のコツその2】空欄は作らない

記入項目をきちんと埋めているかどうかも起業家の熱意を計るポイントとなるため、書式の項目は全て埋めましょう。事業に対して熱い思いを抱いていたとしても、それが担当者へ伝わらなければ意味がありません。

たった数行だけしか創業の動機について記していない起業家と、記入欄がいっぱいになるまで思いを記した起業家がいたとしたら、たとえ両者が同じだけの熱意を抱いていたとしても担当者は後者の起業家に良い印象を持つでしょう。

融資を受けて事業を行おうと行動を起こしたのですから、どんな起業家にも思いやこだわりがあるはず。言葉が足りないために相手へ伝わらないのは、起業家であるあなた自身にとっても、未来と可能性に満ちた事業にとっても残念なことです。

書式に書き切れないほどの思いは審査面談時にアピールすることもできますが、面談では緊張してしまい、思うように伝えられない可能性があります。

また、融資を行うかどうかを判断するのは面談に立ち会った担当者ではなく、その上司です。上司は創業計画書の内容をもとに判断を下すため、いくら面談担当者にアピールしてもその熱意が届かない恐れもあります。よって、創業計画書作成時には各項目をきちんと埋めることが重要なのです。

【書き方のコツその3】言葉選びに注意する

普段は当たり前のように使用している言葉でも、その業界に詳しくない一般人にとっては意味が通じないことがあります。数々の審査面談を経験した担当者でも、全ての業界に精通している訳ではありません。

創業計画書では、相手があなたの業界について全く知らないつもりで言葉を選ぶことがポイントです。

知識量や経験をアピールするために、業界で使われる専門用語を多用して少しでも難しいことを書こうとする方もいますが、専門用語ばかりの創業計画書を提出しても相手に理解できなければ熱意を伝えることは難しいでしょう。

事業を説明する上で専門用語の使用が避けられない場合には、別紙で用語の説明をするなど相手への配慮が大切です。

また無意識に書いていても、文章にはその人の人柄が表れるものです。専門用語だけに限らず些細な言葉選びにも気を遣い、意図しない文章になっていないか何度も読み返してみてください。

どの項目においても、この3つを意識しておくことで仕上がりのクオリティがグンと上がり、担当者の記憶に残る創業計画書になります。

では、ここからは融資を受けやすい創業計画書を作るために、さらに詳しいポイントを見ていきましょう。


■【融資を受けるポイントその1】動機は本気度が伝わるように書く

あなたがなぜこの事業を始めようと思ったのかを記入します。原点を振り返り、起業しようと思ったきっかけは何でしょうか。

好きなことを仕事にしたい、この業界で儲かる自信がある、お金持ちになりたい、自分の店を持つのが夢だった、など人それぞれに様々なきっかけがあるはずです。しかし、創業計画書にその動機をそのままに書いたのでは、融資を受けることは難しいでしょう。

担当者が創業計画書を読んで融資をしても良いと判断するポイントは「この事業が起業家の長年の夢であるか」ではなく、「融資したお金がきちんと返してもらえるか」「融資したお金を返すだけの安定した利益が長期的に見込める事業であるか」の2つです。

そのため、漠然と正直な動機を書いても担当者からの信頼を得られるとは言えません。

そこで、創業の動機を記入する項目では、以下のポイントを参考にまとめると良いでしょう。

  • どんな事業を行おうと考えているか
  • なぜこのタイミングで起業しようと思ったのか
  • ターゲット層はどのような人か
  • なぜこの事業で利益を見込めると思ったのか
  • 市場動向はどのような状況か
  • その事業でどのように利益を獲得するのか
  • 事業で扱う商品やサービスは長期的な利益が安定して見込めるか
  • 家族をはじめ周囲から起業に対する理解を得ているか

これらを文章に盛り込んだ上で、事業に対する思い入れや、あなたを情熱も伝えることができれば高評価につながるはずです。

なお、指定のフォームにこれだけの情報を記入するとスペースが足りなくなるため、文章量が多くなる場合はA4サイズの用紙を目安に別紙へ記載してもかまいません。

事業計画を綺麗に書くことだけを意識するのではなく、事業に対する情熱が相手に伝わると好印象です。なぜそのビジネスを行うか明確な理由付けを行なっておきましょう。その場で考えついたような考えでは審査員の心に響くものができません。

社会に与える価値を創出すること、その目的も明確にしておきましょう。起業する事業内容の多くが「既にあるビジネス」です。今までにないビジネスを創造する方はごく一握りの起業家です。

既にあるライバル会社とはどのような差があるのか、あなただけにしかできない事業の強みを持ちましょう。


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【融資を受けるポイントその2】略歴は確実性を重視

略歴や事業経験は、一般的な履歴書の経歴欄のように勤めていた期間や会社名を正しく記載します。それらの略歴や経験年数を見て融資をするか否かの判断材料となるため、経験が乏しい起業家よりも豊富な経験や実績のある起業家の方が評価も高くなります。

しかし創業計画書を作成する起業家の中には、事業に関連する業種での勤務経験や実績のない方もおられるでしょう。だからと言って、略歴欄を「なし」のひとことで終わらせてしまっては誠意も熱意も感じられません。

そこで、あなたがこれまでに培った経験や経歴、資格などを実績として記入するのです。たとえば、未経験でフラワーショップを開業するために創業計画書を作成するとしましょう。正社員としてフラワーショップで働いた経験がなくても、以下のような経験があれば十分アピール材料になります。

  • アルバイトとして働いていた
  • 地域の緑化活動に長年携わっていた
  • フラワーアレンジメントの資格を取得した
  • フラワーアレンジメントのコンクールで多数の受賞歴がある
  • 資格を活かし、ブーケを作って通販サイトで利益を得た

このほか、花に携わる経験がなくても、一般企業などで営業やマーケティング、人事管理、商品開発、経理に携わる経験があれば必ず記入しましょう。


これらは業種に関わらずどのような会社でも共通して必要なスキルのため、根拠のあるアピールポイントとなります。また、アピールする際には自分自身の感情や自信など主観的なものではなく、経験年数(期間や時間)、学歴、資格、実績(売上高など)、受賞歴(回数や年度)など、客観的に見てもわかるものを書きましょう。


年数や売上高、受賞回数など数字で表すことができるものは具体的に記すのがポイントです。

創業の動機欄と同じく、限られたスペースに収まらない場合は別紙にまとめるのがおすすめ。ただし、別紙に記載することで余白が多くなってしまう場合は注意が必要です。

大きな用紙に書いて余白が多いよりも、小さな欄にぎっしりとまとめる方が見た目の印象も違ってくるため、略歴が少ない方は文字が多少小さくなってしまったとしても創業計画書の経歴欄にまとめる方が無難です。

なお、事業の業種に関わらず経験や経歴がひとつもない方は、融資を受けられる可能性は低いと言えます。万が一審査に通ったとしても、経験やスキルが何もないのでは事業が成功する見込みも少ないでしょう。

そのため、一度その業界に勤めて経験を積むなど、創業計画書に記載できるような経歴や実績を作ることをおすすめします。

どうしても未経験のまますぐにでも起業したい方は、関連する企業のフランチャイズに加盟したり、その業界に詳しいパートナーを見つけて共同で事業を行ったりと、自分に足りない部分を補って融資担当者を安心させると良いでしょう。

フランチャイズと聞くと継続的なロイヤリティーを取られるマイナスイメージを持っている方も多いと思いますが、フランチャイズの形も変わっており、初期費用だけで起業できるプランは様々あります。

フランチャイズを調べる利点は多くのビジネスモデルに触れることができることです。どのようにして売上を上げているか、多くの会社を研究することで、事業の創出に役立てることができます。

■【融資を受けるポイントその3】商品のことをわかりやすく、差別化して書く

創業計画書の顔とも言える、取扱商品やサービス内容欄。あなたが見込んで選んだ商品やサービスを盛大にアピールしたいところです。

記載したターゲット層に関する情報などを盛り込みながら、商品のセールスポイントを説明しましょう。同じような競合他社を徹底的に調べて、弱みと強みを知ることがおすすめです。

他社はなぜその弱みがあるのか、改善できることができればあなたの事業の強みとなります。

この項目では、大きく分けて以下の3つのポイントをもとに記入するとスムーズです。

商品やサービスなど会社のセールスポイント

あなたの会社で扱うメイン商品やサービスを詳しく記入します。頭の中で描いていることを記入しますが、表現が難しいからといって「明るい雰囲気の店」「にぎやかなイベントを実施」「美味しい南国料理を提供」などの曖昧な表現は避けましょう。

何をすることで明るい雰囲気になるのか、どんなイベントで会場がにぎわうのか、どんな食材を用いて調理するのか、など読み手があなたの商品やサービスについて鮮明にイメージできるような書き方がベストです。

商品の良さやサービスの仕組みなど言葉だけでは伝わりにくい場合は、写真やカタログ、パンフレット、データなどを添付資料として提出するのもおすすめです。根拠を明示しなければ、絵空事だけで終わってしまいます。

競合他社との差別化

似たような商品やサービスを扱う競合他社がいる場合は、それらと差別化をしなければ集客は難しいでしょう。何も差別化がなければ商品の購買者やサービスの利用者は価格で判断するようになり、業界内の価格競争が始まります。価格を下げ続けると経営が悪化し、会社も長く存続できないことは容易に想像できます。

そこで、新規顧客が競合他社ではなくあなたの商品やサービスを選ぶ根拠や理由を記入しましょう。

価格だけで差別化できる時代は過ぎ去っています。価格をどれだけ安くできたとしても顧客満足度が低いサービスや商品は淘汰されています。お金以外の価値で差別化するようにしましょう。

ただし、競合他社との差別化をアピールするために「世界初」「日本初」「業界内初の試み」など成功事例や前例がないことをイメージさせる言葉の多用は、融資担当者に良い印象を与えにくいケースもあるためご注意ください。

新しい挑戦をするのは競合他社との差別化になり使い方としてはアピールポイントになり得ますが、冒険心をあまりに強く感じさせる場合には、利益が出ない可能性などを考慮して融資を踏みとどまる可能性もあります。

審査する側は壮大なプランを聞きたいわけではなく、利益を上げることができる【根拠】を求めています。

集客方法

ターゲット層に対し、どのような手段で集客を試みるかも具体的に記入しましょう。インターネット広告やチラシ、ダイレクトメールなど一般的な集客方法のほか、SNSの普及を活かしSNSアカウントの開設、ラジオ広告、宣伝カー、イベント参加、無料セミナーの開講など様々な方法があります。

扱う商品・サービスの特性やターゲット層の年代によって効果的な手段が異なるため、ターゲット層や市場動向などを織り交ぜながら具体的な集客方法を説明するのがポイント。実際に試作したチラシなどがあれば、参考資料として添付するのも良いでしょう。

集客は事業を始める前から行なっていくことがおすすめです。独自ドメインのサイトはGoogleに評価されるまで一定の時間が必要です。

商品やサービスが提供できる前から「テストマーケティング」を行うことで、起業前の予測とギャップが生まれにくくなります。

集客は広告費をかけても赤字で終わってしまうことが良くあります。できるだけ広告費をかけない集客方法と並行に効果がある広告を利用するようにしましょう。

また集客するときには売上を上げるだけではなく、リスト取得がおすすめです。テレビやラジオで広告を出す企業は一時的な広告だけで売上を上げることを目的としておらず、リストを取得して継続的な見込み客にすることで広告費以上の金額を稼いでいます。

顧客リストを取得することで新商品や新サービスができたときにアプローチすることができます。広告を出したその日は赤字でも、一定の期間で黒字化することができれば広告を出す価値があります。

■【融資を受けるポイントその4】必要資金について具体的に書く

必要資金や資金調達方法の項目は左右に分かれており、左側には必要な資金(設備資金・運転資金)、右側には資金調達の方法を記入します。

それぞれの項目について、ポイントを押さえておきましょう。

必要な資金(設備資金)

店舗や事務所の内装費や、設備機器、パソコン、業務ソフト、社用車など、事業を行う上で必要な設備について、それぞれの内訳と金額を記入します。

各品目は、価格の根拠として必ず見積書を添付しましょう。店舗内装費も実際の発注で用いた正確なものが必要です。

ここで必要資金を水増しして書いたとしても、相手はお金のプロ。様々な業界で用いる商品に関しては相場を把握しているため、いい加減な見積金額や相場よりも高額を記載していれば、見抜かれてしまうだけではなく信頼も失われてしまいます。

必要な資金(運転資金)

ここでは店舗や事務所の礼金、仲介手数料、求人費用、広告費用などの「開業費」、商品の仕入費など事業が軌道に乗るまでの間に必要な「つなぎ資金」を記入します。

融資した資金の使い道をチェックするため、記入漏れがないよう正確に書きましょう。業種や事業形態により異なる場合もありますが、3ヶ月以内を目安に記入するのが一般的です。

資金調達の方法

資金調達方法は「日本政策金融公庫、国民生活事業からの借入」「他の金融機関等からの借入」「親、兄弟、知人、友人等からの借入」「自己資金」の4つに分類されます。

自己資金は、会社の場合は資本金や資本剰余金に該当し、新創業融資制度では目安として事業に必要な資金のうち10分1以上の金額が必要です。

なお、日本政策金融公庫総合研究所の新規開業実態調査では、2016年度に新規開業した起業家の資金調達額のうち、日本政策金融公庫を含む金融機関などからの借入と自己資金を合わせると全体の87.3%を占めました。


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■【融資を受けるポイントその5】資金計画を漏れなく書く

創業後の収支について記入する事業の見通し欄では、事業が軌道に乗り収入が安定すれば借入れた融資額を無理なく返済できるかどうかがチェックされます。

記入する項目は「売上高」「売上原価」「経費(人件費、家賃、支払利息、その他)」「利益」の4つ。記入欄にはそれぞれ創業当初と軌道に乗った後の金額を記すようになっていますが、金額だけでは根拠を提示できないため、必ず計算過程も記載します。

この項目では、以下の4つをポイントにすると良いでしょう。

各項目の数値は根拠に基づいているか

上述したように、きちんと根拠に基づいて計算された金額かどうかが重要です。業界平均をもとにした数値を心掛けたり、発注書など信頼できる資料を添付したり、客観的に見ても納得できるよう記入しましょう。

同業他社の平均値と比べ、無理のない計画であるか

日本政策金融公庫のホームページでは、卸売・小売業や飲食店、宿泊業、医療、福祉、サービス業など、様々な業種を対象にした「小企業の経営指標」を公開しています。

それらを参考にしながら、自分の売上計画が業界の平均値と比べて妥当かどうかチェックしてみましょう。


借入返済額、生活費も加味されているか

(売上高)-(売上原価)-(経費の合計)を計算すると、月々の利益が算出されます。この利益から毎月の借入金を返済するため、返済額より利益の方が多くなくてはなりません。月々の借入金の返済額は、以下の計算式で割り出しましょう。

(借入総額)÷(返済期間(月))

たとえば、360万円の借入額を3年(36ヶ月)で返済する場合は、

(360万円)÷(36ヶ月)=10万円となります。

この場合利益が10万円を超えていれば借入金の返済は可能ですが、月々の利益から支払うものは返済額以外に「税金、国民保険、国民年金」「生活費(個人事業主の場合)」があります。そのため、あらかじめ毎月の返済額や納税額、生活費を計算しておき、それらを無理なく支払えるだけの利益が確保されていることを確認しておきましょう。

別途書類が用意されているか

創業計画書に記載する事業の見通し欄は、創業当初と軌道に乗った後の2ヶ月分を記載するだけのシンプルなものです。これだけは、数百~1,000万円前後もの多額の融資を受けるにはあまりにも情報量が少ないでしょう。

そこで、たとえ提出の指定がなくとも、資金繰り表などの別途書類を用意しておくことが大切です。

資金繰り表とは、会社のお金の出入りや将来の収支予想を立て、会社の資金に余裕がある時期や、資金不足になる時期を見極めるための書類です。

融資担当者は創業計画書に記載された2ヶ月分の事業の見通しやその他の項目をもとに、あなたの会社が借入を返済できるかどうかを予測しています。

したがって、融資を受けるあなた自身も、資金繰り表によって会社の資金繰りに問題がなく、きちんと借入金を返済できることをアピールした方が良いでしょう。

資金繰り表の決まった書式はありませんが、大きく分けると主に以下のような金額を記入します。

  • 営業収入(現金売上、売掛金回収額、手形期日入金、雑収入・不動産家賃収入・受取利息など)
  • 営業支出(仕入支払、買掛金支払、支払手形期日、経費、設備費など)
  • 資金調達額(金融機関などからの借入金)
  • 返済額(金融機関などへの借入金返済額)

インターネット上では無料のテンプレートをダウンロードできるため、使いやすいものをダウンロードすると良いでしょう。

ただし、ダウンロードしたものをそのまま利用するのは控えた方が無難です。

たとえば、飲食店の場合はランチ時間の回転率や利用客数、客単価を記載するなど、より詳しく会社の経営状況がわかるようアレンジするのがおすすめ。添付するデータは1年分が目安です。

■【融資を受けるポイントその6】何度もブラッシュアップする

ここまで創業計画書の書き方についてポイントをご紹介してきましたが、ひとりで作成するのは決して簡単なことではありません。初めての書類作成ならなおさら苦労が伴うでしょう。

創業計画書が仕上がっても「これで良いのか」「もっと質を高められるのでは」と悩む方も多いはずです。

創業計画書は多くの情報を必要とするため、一度で完璧に仕上げようとする必要はありません。何度も繰り返し読んでみて、気になる箇所があればすぐに手直しを重ね、少しずつブラッシュアップしていきましょう。

自分で納得のいく仕上がりになれば、家族や友人など身近な人に内容を話してみたり、実際に創業計画書を読んでもらったりすることをおすすめします。あなたの事業計画について何も知らない人が読んでも内容を理解できれば、十分融資担当者に熱意や計画性が伝わるはずです。

仮に理解できなかったとしてもあなたがわかりやすく説明できれば、その創業計画書のクオリティが高いという自信につながるでしょう。

反対に、上手く説明できない部分や相手からの質問に答えられない部分は、再度手直しを行います。これを繰り返し行うことで、仕上がりにさらに磨きがかかるでしょう。

大切なことはまずは作成をしてみることです。作成していくと自分でも気が付かなかった事業の弱点が見つかります。また将来のビジョンを改めて確認する機会になります。

また、以下のような専門家によるブラッシュアップセミナーへの参加や、書類作成サービスの利用もおすすめです。

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■まとめ

今回は創業計画書作成のコツについてご紹介しました。審査に通り、日本政策金融公庫から融資を受けることができても、それはゴールではありません。創業後も、資金調達が必要となる機会が幾度も訪れるでしょう。

しかし、創業融資の審査に通ったあなたならきっと数々の試練も乗り越えられるはずです。

会社を経営していく中でどうしても資金調達に困った場合には、ファクタリングという手段もあります。これは売掛債権を専門業者に売却して資金を得る方法で、すぐに資金が必要な場合や銀行融資を断られた場合に役立つため、心に留めておくと良いでしょう。


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