発起人とは誰のこと?3つの役割と決定方法などを詳しく解説!
公開日:2019.6.27 | 最終更新日:2019.9.24
会社を設立する際、必ず出てくる言葉に「発起人」があります。
発起人を理解せずに会社を設立することは難しいでしょう。とはいっても、発起人っていったい何をするのかよくわからないですよね。取締役などと何が違うのでしょうか?
今回は発起人にいて以下の点を解説します。
- 発起人とは?
- 発起人の役割
- 発起人にはどんな責任があるのか
- 発起人を決める際の注意事項
発起人という言葉にはじめて触れるかたでも、簡単に理解できるようにまとめました。是非参考にしてみてください。
発起人とは?3つの役割+αをサクッと紹介!

発起人を端的にいうと「会社設立の際に中心となる人物」のことです。しかし、これではよく分かりませんよね。
発起人が何を行なう人物なのか。どんな役割があるのかを理解すれば、発起人について理解が深まります。
まずは発起人の3つの役割についてみていきましょう。

- 会社設立の手続きを行なう
- 資本金の払い込みを行なう
- 取締役の選任
それぞれ詳しくみていきます。
【発起人の役割その1】会社設立の手続きを行なう
上記で、発起人を「会社設立の際に中心となる人物」といいました。それは、発起人が会社設立の手続きを実際に行なう人物だからです。
会社の設立には大きく分けて2つの法的手続きを踏まなくてはいけません。「定款の作成・認証」と「設立登記」です。この2つの手続きを踏まないと、会社が会社として認められることはありません。
「定款の作成・認証」と「設立登記」についてざっくり説明しますね。
まずは「定款の作成・認証」について。
定款とは会社の憲法といわれているもので、会社の取り決めを事細かに記載してあります。具体的には、株式の取り扱いや、役員の選定、事業の目的など。
そして、作成した定款は、公証役場という場所できちんと問題がないかチェックしてもらわなければいけません。定款に捺印、署名して、はじめて正式な発起人として認められます。
次に「設立登記」について。
設立登記とは、会社の情報をだれでも閲覧可能にするための手続きです。だれでも閲覧可能にすることで、取引の際の安全性を向上させる役割があります。
信用できない会社とは誰も取引をしたくないですからね。設立登記を行なうことで、はじめて法人として認められます。設立登記を行なわなければ株式会社と名乗ることはできません。
この定款の作成・認証&設立登記。2つの手続きを行なう人物が発起人です。
【発起人の役割その2】資本金の払い込みを行なう
発起人を「会社設立の際に中心となる人物」と述べた理由はもうひとつあります。それは、発起人が資本金の払い込みを行なうからです。資本金とは、会社の運転資金。
せっかく会社を設立しても、まとまった資本金がないと事業が行なえませんよね。この資本金を用意するのが発起人の役目です。
株式会社の場合、資本金の出資者は株主として扱われます。つまり、発起人は会社設立時の株主であるともいえますね。発起人は少なくとも1株以上、株を保有しなくてはいけません。
この、発起人が資本金の払い込みを行なうという点はかならず押さえておかなければなりません。なぜなら、設立後の会社経営も発起人と同一人物が取り仕切る可能性が高いからです。
株式会社は株の保有率で、経営の決定権がきまります。もし設立時の出資者が発起人のみであれば、発起人が会社の株の全てを保有するということですよね。
ちなみに、一番株を保有している人物を筆頭株主といいます。発起人は、会社設立時に株を払う人物ですので、ほとんどの会社が筆頭株主=発起人です。
【発起人の役割その3】取締役の選任
発起人の大切な役割の1つに取締役の選任があります。取締役とは、会社の経営を行なう人物。
発起人はあくまでも、会社の設立を行なう人物なので、会社の経営を行なう人物はまた、別で用意する必要があります。
【発起人の役割+α】発起人になる人物に制限はない
発起人について補足しておきたいとおもいます。
発起人になる人物に制限はありません。年齢の制限もありませんし、性別の制限もありません。職業や役職による制限もありません。誰でも発起人になれます。法人であっても発起人になれますよ。つまり、だれでも会社が設立できます。
さきほど、発起人とは別に取締役を選任しないといけないと書きました。しかし、発起人になれる人物に制限はないので、取締役が発起人を兼任することも可能です。
さらにいうと、人数にも制限がありません。発起人は1人でも2人でも、10人でもいいんです。このように、だれでも制限なく発起人になれます。発起人を理解する上で抑えておきたいポイントですね。
ただし、会社設立の手続きの際に印鑑登録が必要になる点に注意が必要。15歳未満は印鑑登録ができないので、事実上15歳未満は発起人にはなれません。
発起人の責任3つを徹底解説

発起人には3つの責任が伴います。具体的には以下の3つです。
- 会社が設立できなかった場合の後始末
- 設立できず会社に損害を与えたとき
- 現物出資の場合は不足分を補う
それぞれみていきましょう。
【発起人の責任その1】会社が設立できなかった場合の後始末
会社が設立なかった場合、会社設立のために行なった行為はすべて発起人が責任をもって後始末を行なわないといけません。
設立にかかった費用は全て発起人が負担します。出資金を第三者から集めていた場合の返金なども発起人が行ないます。
【発起人の責任その2】設立できず会社に損害を与えたとき
万が一会社を設立できず、損害が生じてしまった場合は、発起人の責任として損害金額を負担しなくてはいけません。
負担の対象は会社の関係者にとどまらず、第三者も対象に含まれます。
【発起人の責任その3】現物出資の場合は不足分を補う
会社設立時に発起人は出資を行ないますが、現金でなくても出資可能です。具体的には、家や自動車などでも資産価値があれば出資可能となっています。これを現物出資といいます。現物出資を行なう際は定款に現物出資を行なった旨を記載する必要があるので注意しておきましょう。
現物出資を利用すれば、資本金を1000万円用意したい場合などは、現金500万+評価額500万の家という組み合わせも可能だということ。
ただし、このときの見積もった評価額500万が実際のところ、100万だった場合。差額を発起人が埋め合わせる責任があります。
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発起人と株主・取締役の違いとは

まずは、発起人、株主、取締役それぞれの特徴を簡単に見ていきます。
- 発起人→会社を設立した人物。会社の経営には関らない。誰でもなれる。
- 取締役→会社の経営を行なう人物。
- 株主→会社の所有者。
「所有」「経営」「設立」に着目して理解しておけば、それぞれの大まかな違いが捉えやすいでしょう。
さらに詳しく理解するために「取締役」と「株主」について掘りさげていきますね。
「取締役」とは、会社の経営業務を行なう人物のことです。会社を設立する際に発起人によって選任され、選任された取締役は定款に記名、捺印を行います。
みなさんがよく聞く代表取締役とは、取締役のなかでも中心となって経営を行なう人物のこと。つまり、社長です。
「株主」とは、会社の株式を保有している人物です。ほとんどの場合、会社に対して出資を行なうことで株を保有できます。仮に私が任天堂に出資を行ない株を保有すれば、任天堂の株主になれますね。
株主には様々な権利が与えられます。そのなかでも、今回抑えておきたいのは株主総会への参加権、投票権が与えられる点です。株式会社は株主総会という話し合いによって会社の方針を決定します。
株主総会の決定は投票によっておこなわれるのですが、1人1票ではなく、1株1票となっています。つまり、株を多く保有しているほど、会社経営の決定権を握ることが可能であるということ。ここから、株の保有率=会社の保有率であるともいえますね。
株主と取締役の違い
「株主」と「取締役」の違いでポイントとなるのは、所有と経営の分離。これは、経営している人物が必ずしも会社の持ち主であるとは限らないことを指しています。
たとえば、私が会社Aの株を保有すれば会社Aを一部所有したことになるのですが、所有したからといって、業務を行なう必要はありません。
これまで、株を買った経験のある方もいると思いますが「株を持っているなら、この会社で働いてください」と言われた方はいないですよね?これは株式会社において、所有と経営が分離しているからです。
では、経営側である取締役は会社を保有できないのか?というとそんなことはありません。取締役も会社の株を保有することができます。つまり、株主になれます。
むしろ、ほとんどの会社で、経営側が会社の株の多くもしくは全てを保有しています。理由は簡単で、株の保有率が会社の決定に多きく影響を与えてしまうからです。第三者に口をだされたくない、会社の権力を握られたくないと思うのは当然のことですよね。
株主と取締役の違いは、株主が会社を所有している人物で、取締役が会社を経営する人物。取締役=株主となる場合もあると把握しておけばOKです。
発起人と株主の違い
発起人は「会社設立時に資本金を払い込む人物」といいました。資本金を払い込めば、発起人は株式を保有します。つまり、発起人は株主でもあります。
会社設立後に出資を行なった人物は発起人ではありません。発起人と株主の違いは、出資のタイミングが設立時であるか、設立後であるかという点をみれば一目瞭然です。
発起人と取締役の違い
発起人と取締役の違いは「会社の経営を行なうか否か」にあります。設立後の経営に発起人は関与しません。発起人は会社の設立のみを行なう人物だからです。
ただ、実際のところ、発起人が取締役を兼任する場合が多くあります。発起人として会社を設立した人物が、取締役として設立後の会社を経営するということです。発起人が取締役を兼任できるのは、発起人になれる人物に制限がないから。取締役であっても問題なく発起人になれます。
むしろ、規模の小さい会社であれば、発起人=取締役である場合がほとんど。特に、1人で会社を設立、運営する場合は、自動的に発起人と取締役は兼任します。取締役となれる人物が発起人しかいないからです。
このように、発起人と取締役との違いは経営に関与するか否かを見ればよいのですが、実際のところ、発起人が取締役を兼任してその後も経営に携わる場合がほとんどです。
発起人を決めるときの注意事項とは

発起人について、上記で十分に理解していただけたかと思います。さきほど「発起人は誰でもなれる」と説明しましたが、だからといって適当に決めていいものではありませんし、適当に決められないですよね。
ここからは、発起人を決める際に抑えておきたい注意点を紹介しておきます。
具体的には以下の2点です。
- 出資比率に注意
- 意見が合う人物を発起人にする
上記の2点はどちらも発起人が複数人となる場合です。
それぞれ解説していきます。
【発起人決定の注意事項その1】出資比率に注意
発起人が複数人いる場合、もっとも注意しておくべきことは、出資比率です。
株式会社の場合、どのくらい出資したか=どのくらい株を保有しているかで、経営の決定権が決まります。
例えば、発起人が2人だとして、Aさんが会社の株を80%保有し、Bさんが会社の株を20%保有した場合。Aさんが会社の経営の決定権をもちます。トラブルにならないよう、事前に出資比率は話しあっておきましょう。
「じゃあ出資比率を50:50にすればいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、正直オススメしません。
なぜなら、50:50だと、2人の意見が対立したときに事業が進まないからです。
最初のうちは意見があっていても、事業が進展していくと、食い違いが起こる可能性は高いです。
食い違いが起こってしまった場合も想定して、51:49で株を保有しておくのがよいでしょう。51%を保有している側が最終決定権をもつので、入念に話し合ってきめましょう。
【発起人決定の注意事項その2】意見が合う人物を発起人にする
発起人が複数人いる場合、揉めてしまうことで会社経営に影響がでてしまうことは上記で述べたとおり。可能な限り摩擦を減らすためにも、発起人となる人物はなるべく意見が合う、基本的な考え方が同じ人物がよいです。
よくあるのが、友達と会社を立ち上げるという場合です。
一緒に事業を行なう際は仲のよさだけで発起人を設定してはいけません。ビジネスを行なうのですから、事業の目的に賛同できる、経営に対する考え方が似ている人と事業を行った方がよいです。
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