お菓子屋さんの開業は甘くない?失敗しない5つのコツ!

公開日:2018.3.20  |  最終更新日:2025.3.19



甘いものが好きな人の中には、自分でもお菓子屋やケーキ屋などの経営にチャレンジしてみたいと思っている人もいるのではないでしょうか。毎日自分の好きなものに囲まれて商売をしていくことができれば日々の生活も充実したものになりそうです。しかし、実際に実行するのはそう簡単ではありません。

お菓子屋を始めるにはただお菓子を作れればよいというわけではなく、内装、陳列、宣伝といった具合にやるべきことは多岐に及ぶからです。それに加えて、多くのライバル店がいる中でどのようにしてお店の独自性を打ち出していけばよいのかといった問題もあります。

そこで、お菓子屋やケーキ屋にチャレンジしてみたいけれどその方法がよくわからないという人のために、50店舗以上の飲食店をプロデュースをしてきたプロが開業する方法や失敗しない経営のコツなどについて解説をしていきます。この記事を読めばお菓子屋さんの失敗する確率はグーンと下がるでしょう。

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■お菓子屋の開業は甘くない?開業する前に知っておきたいこと

お菓子屋になること自体はそう困難ではありません。お菓子屋をオープンするには、まず製菓学校を出て資格を取得し、製菓衛生士や菓子製造技能士などといった国家資格を取得します。それから、ケーキ屋やパン屋などで実務経験を積みながら開業のチャンスを待つというのが一般的な流れです。

しかも、国家資格や実務経験は必須条件ではないため、極端な話、資金さえ用意できればいつでも開業は可能という話になります。しかし、オープンした店舗の経営を継続するとなると話は別です。まずはお菓子屋の現状についてみていきましょう。

お菓子屋以外にも競合が多い

お菓子屋を継続して経営するのが難しいのは競合店が多いからです。まずお菓子屋自体の人気が高く、街には和菓子屋、洋菓子屋、ケーキ屋といったお菓子関連の店舗がたくさん並んでいます。また、お菓子の販売店以外にもカフェやコンビニといった異業種との競合にも勝ち残らなければなりません。

特に、コンビニのお菓子コーナーは男性でも買いやすく、値段も手ごろといったアドバンテージがあります。したがって、近くに他のお菓子屋がないからと安心していると、周囲を取り囲むコンビニにお客をごっそり奪われてしまったということにもなりかねません。それに加えて、インターネット通販の普及などによって全国の有名店が競合相手になる場合もあります。

商品力だけでなくブランド力も重要である

顧客は商品の違いによって入るお菓子屋を選別するといったことはあまりありません。むしろ、お店の雰囲気やお店全体のブランディングで選ぶことが多いものです。そのため、漠然とした店づくりをしていると没個性な店舗となり、ライバル店との差別化を図ることが困難になってしまいます。

それに、商品で差をつけようと思っても、他の店にはない素晴らしいお菓子を開発するのは至難の業です。そこで、開業前にじっくりと時間をかけてブランディングを練り上げていく必要があります。まずは自身の店舗が何を強みにできるかを考え、それをブランディングしていく方法を考えることが大切です。逆にいえば、それができなければ安定した店舗経営は難しいといえるでしょう。

力仕事も多い

パティシエといえば女性が多いイメージがあるため、少なくとも肉体的には楽な仕事だと思われがちです。しかし、実際は意外に力仕事の側面が多くあります。たとえば、お菓子の原料となる小麦粉や砂糖は大きな袋に入っているため、それを運ぶにはかなりの力が必要となります。

また、お菓子の調理工程においても原料がたっぷりと入った重い容器を移動させることが多いので大変です。おまけに、機械のレバーを引くのにも少なからず力を要する場合があります。お菓子作りは優雅なお仕事だと勘違いしていると、理想と現実のギャップに戸惑うことにもなりかねません。

■お菓子屋開業にかかる費用はいくら?

お菓子屋を始めようと考えた場合に、まず気になるのが開業を行うのにどの程度の費用が必要なのかといった問題です。もちろん、どういうお店にするのか、あるいはどの程度の規模の店舗を構えるのかによっても必要な費用は変わってきます。ただ、ケーキ屋の場合、一般的に目安とされているのが1000万円以上という数字です。(内訳は表を参照)細部にまでこだわったお店づくりをしていけばその金額は跳ね上がっていくことになります。
必要な費用の内訳
店舗を借りる物件取得費用 150万円
内外装工事費用 400万円
設備費用 200万円
広告宣伝費 50万円
初期の原料仕入れ費 100万円
リサーチ費用やその他開店に必要な資金 100万円

■お菓子屋開業で失敗しないための5つのコツ

お菓子屋の開業のためには多額の資金が必要となり、また、開業できたとしても競合店との激しい競争に勝ち抜かなければならないというシビアな現実が待っています。その中で成功を収めるためにはポイントを押さえた準備や経営を進めていく必要があります。そこでまず、失敗を回避するためのコツを5つに分け、それぞれの内容について解説をしていきます。

【コツ1】ライバル店にはないコンセプトを打ち出す

競合店が多い中で存在感を示すためには独自のコンセプトを打ち出すことが不可欠です。たとえば、ケーキ屋なら、「バースデイケーキに力を入れているお店」「日持ちするケーキを中心にそろえたお土産ショップ」などといった具合です。もちろん、コンセプトを明確に打ち出すことでマーケットを狭めてしまうリスクはあります。

しかし、競合店が多い場合はその中に埋もれてしまうよりも独自性を強調した方が、自店のアピールになるはずです。 そして、そのことによって共感や信頼感を獲得して顧客にとっての価値を高めていく戦略が、冒頭でも言及したブランディングです。分かりやすくいえば、お店のファンを作るのです。ブランディングが確立されると他店の動向に左右されることなく、常に一定の来客数が見込めるようになるため、経営の安定化につながります。

最初はアイデアを思いつく限り出してみる

コンセプトを考えろといわれても、よいアイデアというのはなかなか思い浮かばないものです。そこで、まずは「どんなお菓子屋を経営したいのか」という自分の希望を素直に書き出してみましょう。内容はどんなものでもかまいません。たとえば、「お客同士の交流ができるお菓子カフェ」「ダイエット用の低カロリーお菓子専門店」「地域色を活かした創作お菓子のお店」などといった具合です。

とにかく、できるだけたくさん、思いつくかぎり羅列していきます。よいアイデアを出すためには結論を急がず、こうしたプロセスを経ることが大切です。そして、その中から実現性の高さを考慮しつつ、候補を絞っていきます。ただし、この時点ではあまり集客性は気にせず、「これをやってみたい」という思いの強さを重視して複数のアイデアを候補として残しておきましょう。

ライバル店・憧れのお店から学ぶ

ライバルとなる競合店や憧れのお店などがあれば、それらについて調査してみることも大切です。調査内容は、「成功の要因はどこにあるのか」「主にどのような商品を扱っているのか」「店のコンセプトはどういったものか」「メインのターゲット層をどこに置いているのか」などといった事柄です。

成功しているお店は明確なコンセプトや経営方針を持っています。そして、そうした事柄を把握することは自分のお店を開業する際には大いに参考になるはずです。また、調査結果は整理し、いつでも必要なデータを引き出せるようにしておきます。

ターゲットをイメージする

自分のやりたいことと他店の調査結果が揃えば、次に、どのようなターゲット層をメインにするのかを考えます。たとえば、主婦、学生、子連れ、若いビジネスマンなどといった感じです。そして、他店の調査結果などを参考にしながら、自分のやりたいものの中で、そのターゲット層に喜んでもらえるものはどういったことなのかを検討していってください。

お菓子屋は顧客ありきの商売であるため、最後の絞り込みはあくまでもターゲットのニーズを満たすことを最優先とします。こうした段階を踏んでアイデアを練り上げていき、やりがいと集客性の高さを兼ね備えたコンセプトを完成させていきましょう。

【コツ2】最初の機材は必要最低限にする

開店を目指して機材を揃える際には、最先端のものがほしくなるものです。しかし、安易に目新しいものに手を出すと、コストはたちまち膨れ上がってしまいます。「もしかしたら使うかも?」などと考えるかもしれませんが、機材は後からでも買い足せるものです。まずは必要なものだけに絞って、極力コストを下げる努力をしていきましょう。

また、コンセプトがぶれていると、不必要なものまで買ってしまう確率が高くなってしまいます。そういった意味でも、最初にコンセプトを固めておくことが重要だといえます。

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【コツ3】料金の決め方に気をつける

コンセプトが定まったならば、それに沿った形でお店に並べるメニューや料金設定をどうするかについて決めていく必要があります。特に、料金の設定はお店の成否を決めかねない重要な要素であるため、慎重に行わなくてはなりません。それではどのようにして料金を決めればよいのでしょうか。そのポイントは大きく分けて二つあります。

ターゲット・コンセプトから価格をイメージする

一つ目のポイントは想定したターゲット層を考慮した値段設定が重要だという点です。まず、ターゲット・コンセプトから自分のお店に訪れる顧客が何を期待しているかを考えてみましょう。たとえば、「特別な日に食べたくなるようなお菓子」というコンセプトのお店だったとします。そうすると、訪れる顧客は普段口にしないような高級感あふれるお菓子を期待している可能性が高いはずです。それなのに、並んでいるお菓子が普通のお菓子よりも値段が安ければ失望感を覚えるかもしれません。

たとえ、味は抜群だったとしてもその安さによって高級というイメージから遠ざかってしまうからです。こういう場合はむしろ強気の値段設定を行った方が相手によいイメージを与える可能性があります。逆に、安いお菓子を求めているターゲット層に対して強気の値段設定を行えば確実に客足は遠のいてしまうでしょう。以上のように、値段の設定を行う際にはターゲット層の目線から考えることが重要なポイントとなってきます。

原価だけ考えて価格設定をしない

価格設定に関するもう一つのポイントは原価と価格の関係についてです。当たり前の話ですが、いくら安売りをアピールしたくても原価を割ってしまえば赤字になってしまいます。その逆に、原価を低く抑えればそれだけ販売価格を安くして顧客に提供することができるわけです。

ただし、ここに落とし穴があります。原価を考える際に材料費だけを念頭におき、それ以外のコストを想定していない場合が多いのです。そこを見落とすと最終的に大きな損失につながってしまいます。したがって、お菓子の価格を決める場合には調理過程にかかる人件費や包装代などといったすべてのコストを考慮し、適切な計算に基づいて行うことが大切です。

【コツ4】安易に方向性を変えない

お店を開店した当初は思うように結果が出せないことも多いものです。そうなると、不安な気持になってコロコロとコンセプトを変えてしまいがちです。しかし、来店するたびにコンセプトが変わっているようでは顧客がそのお店に対するイメージを掴みづらくなってしまいます。

すると、お菓子屋を経営する上で重要なブランディングが確立しにくくなってしまうのです。開業前に入念にコンセプトを練り上げたのであれば、最初はうまくいかなくてもそれを継続し続けることが大切です。

【コツ5】トレンドに乗り遅れない

ぶれることなく自分の考えたコンセプトにこだわる姿勢は大切ですが、お菓子業界にも流行り廃りがあることは事実です。それに乗り遅れると時代に取り残されることにもなりかねません。店のコンセプトとはまた別に流行に対するアンテナを張り巡らせて、それをお店に取り入れていくことも継続的な成功を収めるためには必要であるといえるでしょう。

SNSのチェックは欠かさずしよう

トレンドを把握する方法は数多くありますが、鮮度の高い情報を集めようと思えばInstagramやTwitterといったSNSの活用は欠かせません。SNSには特定の情報を自動的にリスト化するなどといった便利な機能もあり、それらを使いこなすことができれば必要な情報をより効率的に引き出せるようになります。

鮮度の高い正確な情報を把握してそれをいち早く反映できれば、流行に敏感なお店との評価が定着し、それが集客の原動力にもつながっていくはずです。

■お菓子屋の経営を成功させるためのポイント4つ

ここまで、お菓子屋を成功に導いていくためのコツとしてコンセプトの決め方、価格設定についての考え方、トレンドの把握の仕方など、経営における基本ポイントを中心に解説をしてきました。ここからはより具体的なポイントとして商品の開発や陳列の仕方、あるいは効果的な宣伝方法などについても言及していきます。

【ポイント1】おしゃれな内装や商品の陳列

お菓子屋の売り上げを伸ばそうと思えば単に品ぞろえだけでなく、店内の雰囲気をよくすることも重要なポイントになってきます。おしゃれな内装のお店に見栄えよく商品が陳列されていれば、同じお菓子でも何倍も美味しそうに見えるからです。つまり、雰囲気作りひとつで売上は大きく変わってくるのです。見栄えをよくするには照明の当て方を工夫しておしゃれな雰囲気を演出し、木材を使った内装で優しい高級感を表現するなどといった方法があります。

それに、お菓子自体も並べ方や配色、ボリューム感などを計算することで美味しいイメージをより一層引き上げることが可能です。最初は他の店や雑誌に掲載されている写真などを参考にしながら、徐々に自分の店ならではのおしゃれな空間を築き上げていきましょう。

【ポイント2】期間限定メニューの導入

いくら自信のあるメニューであってもずっと同じものでは顧客も飽きてしまいます。かといって、めまぐるしく商品のラインナップを変えていったのではコストもかかりますし、顧客もとまどってブランディングの構築が難しくなります。そこでおすすめなのがトレンドを取り入れつつ、季節限定メニューといった形で新メニューを定期的に作る方法です。これならば顧客を飽きさせず、同時にコンセプトの一貫性も維持させることが可能となります。

【ポイント3】SNSの拡散を意識した商品開発

商品開発を行う際には味はもちろんですが、見た目のインパクトも重要になってきます。お菓子屋さんは女性の客層が多いため、見た目に特徴のあるお菓子であればSNSを通して情報を拡散させやすくなるからです。そうすれば、宣伝費をいっさいつかわずに商品の知名度を一気に高めることができます。

したがって、商品の見た目以外にもSNSで拡散してもらえそうな話題をいかに提供するかというのもお菓子屋にとっては重要な施策の一つだといえるでしょう。

【ポイント4】イートインスペースの設営

お菓子の販売コーナーの他にもイートスペースなどを設ければカフェとしても利用でき、より幅の広いニーズに応えることができます。それによって、客層の拡大も期待できます。ただ、その分、スペースや人件費といったコストも過剰にかかってくるのが難点です。

したがって、イートスペースは新しい要素を取り入れたいときには有力な選択肢になるものの、導入の際にはメリットとデメリットを秤にかけて慎重に検討する必要があります。

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■失敗しないお菓子屋づくりをしよう!

お菓子屋の経営は魅力的である一方で、競合店が多い、ある程度のブランド力が必要、意外と力仕事などといった厳しい面も多々あります。まずはこの記事などを参考にしながら、注意すべき点と成功のためのポイントをよく理解することが重要です。その上で、慎重に準備を整え、目標に向かってチャレンジしていきましょう。

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