事業資金の借り換えのコツと知っておきたい5つのポイント!他銀行からの融資の提案はどうすればいい?

登録日:2017.8.1  |  最終更新日:2020.3.17



世の中の中小企業が利用できる銀行は、1行だけではありません。会社の所在地によっては数多くの選択肢があり、経営者であれば「よりお得な形で融資を受けたい」と考えているはずです。

事業資金の借り換」はまさに経営者が悩まされやすいポイントであり、選択肢によっては会社の経営に大きな影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

特に銀行側から「私たちの銀行に借り換えをしませんか?」と提案されるようなことがあると、迷ってしまう経営者は多いはずです。

そこで今回は、借り換えのコツやポイントに加えて、他銀行から提案された時にどのような選択肢を選ぶべきかについてご紹介していきます。


■事業資金の借り換えとは?

401(K) 2012

事業資金の借り換えとは、例えば銀行Aからすでに事業融資を受けている場合に、銀行Bから同等以上の金額を融資されることを言います。具体的な仕組みはケースによって異なりますが、上記の例では銀行Bが銀行Aに融資分を全て支払い、代わりに銀行Bが債権者になるケースが一般的です。

この事業資金の借り換えを利用すると、以下のような流れで債権者が移ります。

 

【STEP1】債務者である企業が、銀行Bの借り換え商品に申し込む。

【STEP2】銀行Bは審査を実施し、融資の可否を判断する。

【STEP3】審査に通過すると、銀行Bから銀行Aに全ての元金・利息が返済される。

【STEP4】債権者が銀行Aから銀行Bに移る。

 

事業資金の借り換えを利用すると、債務者である企業には以下のようなメリットが生じます。

 

①金利が変動することで、支払う利息分が減る。
②返済期間が長引き、今よりも余裕を持った返済プランになる可能性がある。
③借り換え先の銀行と良好な関係を築きやすくなる。
④複数の金融機関から借入している場合、返済を一本化できる。

 

事業資金の借り換えでは上記3つのメリットが生じるので、得をするのであれば積極的に検討したいところでしょう。ただし、借り換えは必ずしも得をするものではなく、場合によっては逆に負担が増大してしまう恐れがあります。

また、そもそも審査に通過しなければ事業資金を借り換えることはできません。そこで次からは、事業資金を借り換えるコツをご紹介していきましょう。

■事業資金借り換えの3つのコツ!

事業資金の借り換えでは、以下のコツを意識することで審査に通過できる可能性が高まります。より良い条件で借入するためにも、審査のコツをしっかりとつかんでおきましょう。

 

【借り換えのコツその1】借入残高を意識して申し込む

他社からの借入残高が多く残っている状態では、事業資金を借り換えることは難しい傾向にあります。借り換えローンを提供している金融機関も、確実に返済される状態でなければ融資を行わないためです。

したがって、事業資金を借り換える際には借入残高を意識して、申し込むタイミングを選ぶようにしましょう。具体的には、当初の借入残高が少なくとも2分の1まで減ってから申し込むことが大切です。

なお、事業資金を借り換えたとしても返済は続くので、その後の返済負担も意識しましょう。事業資金を借り換えて返済を滞納すると、それだけで金融機関からの評価は大きく下がります。「返済負担が不安…」と感じている場合は、当初の借入残高が3分の1に減ってから借り換えることをおすすめします。

 

【借り換えのコツその2】経営状況が好転する材料がある時期を選ぶ

財務内容が健全な会社であれば、特に対策をしなくても事業資金を借り換えられる可能性があります。しかし、赤字や返済不能の状態に陥った会社は、きちんと対策をしないと審査に通過することはできません。

そのような会社にとって重要になるのは、「経営が好転する材料」です。現時点で経営状況が悪かったとしても、今後回復が望める材料がそろっていれば、審査に通過できる可能性は高まるでしょう。

経営が好転する材料としては、例えば流行や需要の変化、質の高い事業計画などが挙げられます。これらのような材料が見つからない場合は、見つかるまで待つというのも手段のひとつとなります。

 

【借り換えのコツその3】各金融機関の傾向を理解しておく

事業資金を借り換えられる商品は、提供元の金融機関によってその特徴が異なります。金利や返済方法などはもちろん、審査の傾向なども金融機関ごとに異なるので、各金融機関の特徴をつかんでおくことは審査対策に役立つでしょう。

そこで以下では、主な金融機関と特徴について簡単にまとめました。

 

金融機関の種類借り換え商品の特徴審査の傾向
銀行・金利が低い

・信用性が高い

・審査基準が厳しい
日本政策金融公庫・金利が低い

・融資実行までに時間を要する

・中小企業に対しても積極的に融資を行っている
消費者金融(事業者金融)・金利が高い

・融資実行までのスピードが速い

・審査基準がそれほど厳しくない
地方自治体(制度融資)・金利が低い

・融資実行までに時間を要する

・銀行や自治体、信用保証協会の3者と面談を行う

 

一般的には、特に金利が低い銀行を希望する方が多い傾向にありますが、銀行は返済能力がある申込人にしか融資を行いません。そのため、「銀行の審査に通る自信がない…」という場合には、日本公庫や消費者金融なども選択肢として考えてみましょう。

また、より良い条件で事業資金を借り換えるには、利用前にいくつか確認しておきたいポイントがあります。そこで次からは、事業資金借り換えのポイントを5つご紹介していきます。


今すぐ事業資金調達を考えている方はこちらの記事も参考にしてください。

確実に事業資金調達!融資を受ける8つの秘訣とは?あなたも1,000万円借入できる

■【借り換えのポイントその1】借り換え後の金利を細かく確認する

事業資金の借り換えを利用した結果、返済総額が増えてしまっては意味がありません。借り換え後の金利が必ずしも低いとは限らないので、利用する商品の金利は細かく確認しておきましょう。

融資を受ける際に金利を確認する経営者は多く見られますが、実際に数%の金利差によってどれくらいの金額差が生じるのかについては、意外と把握できていない方も見られます。金利の重要性を再確認するために、以下では借入金額を500万円、返済期間を5年間、元利均等返済とした場合の返済総額を見ていきましょう。

 

金利(年率)返済総額
3%5,390,579円
2.5%5,324,179円
2.0%5,258,296円

 

上記の表を見ると、金利が0.5%変わるだけで返済総額は約7万円変わることが分かります。返済期間が長いほど、借入金額が大きいほどこの差は開いていくので、「たかが数%」と金利差を軽視するべきではありません。

そのため、事業資金の借り換えを利用する場合には、借り換え前と借り換え後の金利を細かく確認し、実際に返済をシミュレーションすることをおすすめします。その計算の結果で、返済総額が少ない選択肢を選ぶようにしましょう。

■【借り換えのポイントその2】借り換え前後の返済期間をチェックする

事業資金の借り換えでは金利差と同様に、返済期間の違いもチェックしておきたいポイントです。返済期間が短くなると月々の返済負担が大きくなりますし、返済期間が長くなると金利が低くても、返済総額が増えてしまう恐れがあるためです。

したがって、まずは借り換え後の返済期間を確認し、無理のない返済計画を立てられるのかについて確認しましょう。返済総額が減ったとしても、月々の負担が増えると資金ショートを引き起こしかねません。

逆に、返済期間が長くなり過ぎる借り換えにも注意が必要です。例えば、借入金額500万円、金利2.0%、元利均等返済の融資を受けた場合、返済期間によって返済総額は以下のように変わってきます。

 

返済期間返済総額
5年5,258,296円
10年5,520,756円
15年5,791,483円

 

上記を見て分かる通り、返済期間が5年延びるだけで返済総額は25万円以上増えてしまうのです。返済期間が長くなる点は、月々の返済額を減らしたい方、余裕を持った返済プランを立てたい方にとってはメリットと言えます。しかし、「少しでも返済総額を減らしたい…」と考えている方にとってはデメリットになりかねないので、やはり事業資金の借り換えでは借り換え前後のシミュレーションをきちんと行っておくべきでしょう。

 

■【借り換えのポイントその3】各銀行との関係性を考える

Flazingo Photos

銀行は業績が良い企業だけではなく、返済実績や取引が多い企業も高く評価する傾向にあります。例えば、特定の銀行に預ける資金を増やしたり、メインでやり取りをする口座を開設したりすることで、その銀行から融資を受けられる可能性は高まるのです。

では、そう考えた時に事業資金の借り換えを検討している銀行は、あなたにとって今後も長く付き合っていきたい銀行と言えるでしょうか?今後もその銀行から融資を受ける場合は、借り換えによって良い関係を築けるというメリットが生じます。

しかし、現在融資を受けている銀行と今後も良い関係でありたい場合には、借り換えを行うべきではないかもしれません。借り換えを利用せずに、その銀行で返済実績を積み重ねたほうが、将来得られるメリットが大きい可能性があるためです。

今融資を受けている銀行に「借り換えを利用したこと」が伝わると、「経営に困っているのかもしれない…」と判断されかねません。このように、シーンによっては借り換えを利用することで将来的にデメリットが生じるので、今後の銀行との付き合い方もきちんと考えておきましょう。

■【借り換えのポイントその4】そもそも借り換えを利用できるかチェックする

他の銀行から借り換えを提案されない場合は、経営者が自ら借り換え先の金融機関を探す形になります。その場合は、通常の融資と同じように審査を受けることになりますが、そもそも審査に通過できなければ事業資金の借り換えは実現しません。

事業資金の借り換えを利用すると、借り換え後の銀行からはある程度まとまった資金を融資されることになります。そのため、各銀行は借り換えには慎重な姿勢を見せており、「返済能力がある」と判断した場合にしか基本的に融資を行いません。

そこで重要になってくるのが、財務状況と事業計画の2つです。現時点で財務状況が悪ければ、銀行からは「今の財務状況では返済が厳しい」と判断されるので、借り換えを利用できる可能性はぐっと下がってしまうでしょう。

また、事業計画に関しても同様であり、利益が少なかったり実現性が低かったりする事業計画書を提出すると、「返済財源を確保できないだろう」と判断されてしまいます。きちんと利益を生み出すことができ、その状態を長期間継続できるような事業計画を伝えなければなりません。

提出書類は銀行によって異なりますが、事業計画書や決算書、試算表などはほとんどのケースで提出が求められます。提出書類に関して自信がない場合は、提出書類を作成し直すことも検討してみましょう。

なお、銀行の審査にはある程度の時間がかかるので、通過する可能性が低いにも関わらず申し込むと、書類作成などの時間を無駄にしてしまう恐れがあります。したがって、「審査に通過する可能性が低い」と判断した場合には、自社の財務状況が好転するまで待つのもひとつの手段でしょう。


■【借り換えのポイントその5】申し込む時期を意識する

事業資金の借り換えでは、申し込む時期も重要なポイントになります。時期によって銀行の金利は異なりますし、【ポイント4】で触れたように審査に通過する可能性も、企業の財務状況などによって変わってくるためです。

したがって、借り換えを行っている金融機関や自社の財務状況は、こまめに確認しておくことが望ましいでしょう。最適なタイミングを選べば、よりお得な形で借り換えができるだけでなく、申し込みや審査にかかる時間も短縮できるはずです。

 

■他銀行から融資の提案を受けた場合は?

Ethan Lofton

ここまでは、事業資金の借り換えのポイントを解説してきました。自分で金融機関を探して申し込む場合には、提出書類や時期にこだわることが重要になります。

では、他の銀行から借り換えを提案された場合は、どのように対応するべきなのでしょうか?特に経営状況・財務状況が良い企業については、他の銀行から声がかかる可能性が考えられるので、スムーズに対応できるように準備しておくべきです。

結論から言うと、借り換えをするべきか否かはケースによって大きく変わってきます。以下では、借り換えをすることが望ましい主なケースについていくつかご紹介していきましょう。

 

【借り換えをするべきケースその1】返済総額が大きく減る場合

借り換えによって返済総額が大きく減るのであれば、言うまでもなく借り換えを利用するべきでしょう。返済総額が減ると経営の負担も軽減されますし、浮いたお金を別のところへ投資することも可能になります。

ただし、利用する借り換えローンによっては以下のコストが発生するので、単に金利や返済総額のみを比較するべきではありません。

 

・印紙税契約書類を作成する際にかかる印紙税。融資金額によって異なるが、金額は1万円~2万円が一般的。
・保証料銀行以外の保証が必要になる場合は、保証会社などに保証料を支払う必要がある。融資金額が1,000万円、返済期間が5年の場合は4万円~5万円の保証料がかかる。
・事務手数料銀行によって計算方法が異なる。3万円~30万円と銀行ごとに大きな差が見られるので、事前に確認しておくべきポイント。
・繰り上げ返済手数料繰り上げ返済をする際にかかる手数料。3万円~5万円が一般的な金額。

 

どのようなコスト、どれくらいの金額がかかるのかは利用する銀行によって異なるため、事前に各銀行の商品をきちんと調べた上で、細かくシミュレーションを行うようにしましょう。

 

【借り換えをするべきケースその2】多数の銀行と関係を築きたい場合

中には、「今後の取引先銀行を増やしたい」と考えている経営者もいることでしょう。取引先が増えれば資金の調達手段を増やせますし、相談できる銀行を多く見つけておくことで、より良い条件で融資を受けられる可能性があるためです。

このように考えている経営者は、積極的に借り換えを利用するべきでしょう。これまで利用したことがない銀行の借り換えを利用すれば、着実に取引先の銀行を増やせるはずです。

 

【借り換えをするべきケースその3】債務の管理を楽にしたい場合

多くの金融機関から融資を受けていると、債務の管理が複雑になってきます。特に借入金額や返済日などがバラバラであると、全ての債務を細かく把握することが難しくなるでしょう。

そのような場合に事業資金の借り換えは便利です。自社の債務を一本化できるので、債務状況の把握に時間がかからなくなります。

連絡を取り合うのは借り換え先の金融機関のみに絞れますし、返済日も統一されるため、返済・連絡などに手間がかかりません。利息の計算もしやすくなるので、これまでよりも返済プランを立てやすくなるでしょう。

 

事業資金の借り換えを提案してくる銀行は、借り換えのメリットのみしか話さないかもしれません。しかし、借り換えには実際にデメリットも存在しており、ケースによっては借り換えをしないほうがコストを抑えられる場合もあります。

そのため、借り換えの利用は情報収集やシミュレーションを行った上で、必ず経営者自身が判断するようにしましょう。

■【番外編】借金を一本化するならおまとめローンもおすすめ!

借り換えの目的が「多数の銀行との関係を築きたい」「債務の管理を楽にしたい」などの場合は、おまとめローンを使うのもおすすめです。

おまとめローンには、

  • 借金の返済額が減る可能性がある
  • 返済日が統一されるので手間が省ける
  • 総量規制が適用されず、限度額が増える場合がある

などのメリットがあります。借り換えをする目的が上記に当てはまる場合は、おまとめローンの利用も検討してみると良いかもしれません。しかし、支払い総額が増える可能性や追加の借り直しができなくなるなどのデメリットも存在するので、利用する際は注意が必要です。

おまとめローンについてはこちらで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

【最新2019】おまとめローン27選。あなたも100万円以上の借金返済がラクになる!借り換え専用カードローンまとめ

■まとめ

いかがでしたか?今回は事業資金の借り換えについて解説してきました。

事業資金の借り換えは、利用者によって生じるメリット・デメリットが異なります。自社の状況を今一度確認し、情報収集やシミュレーションをきちんと行った上で利用を検討するようにしましょう。

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