銀行借入の金利が決まる10の法則!中小企業のあなたの利率はどの段階?

公開日:2017.7.30  |  最終更新日:2025.2.14



銀行借入で融資を受ける場合、返済時には元本に加えて利息も支払うことになります。この利息の金額を決めるのが、「金利」と呼ばれるものです。

金利は年率で表されるケースが一般的であり、例えば銀行借入では5.0%~12.0%のように表されます。この例の場合、5.0%を最低金利、12.0%を最高金利と言い、適用される金利は申込人によって変わってきます。

では、銀行借入で実際に適用される金利はどのように決められるのでしょうか?金利の決まり方を把握しておけば、対策を立てることでよりお得な形で融資を受けられるかもしれません。

そこで今回は、銀行借入の金利が決まる法則をご紹介していきましょう。


■【金利が決まる法則その1】利用する銀行の種類

Matt Brown

銀行と一口に言っても、銀行にはいくつかの種類があります。銀行の種類は大まかに分けると、以下の3つに分類できるでしょう。

 

・都市銀行東京都などの大都市に本店を構えており、広いエリアに支店などを構えている銀行。日本全国で利用できるケースが多く、国内の銀行の中でも最大級の規模である。
・地方銀行大都市ではなく地方に本店を構えており、特定の地域に限定して経営を行っている銀行。都市銀行に比べると規模は小さいが、地域に特化したサービスを提供している銀行も見られる。
・信用金庫、信用組合本店のある地域の住民などが会員になり、各地域の中小企業や個人を対象に商品・サービスを展開している金融機関。地方銀行よりもさらに規模が小さい傾向にある。

 

上記のように銀行は種類によって規模が異なりますが、規模が大きいほど金利は低い傾向にあります。利用者が多い大規模な銀行は、金利をある程度下げても利益を確保できるためです。また、銀行も別のところから利息を支払う形で資金を調達していますが、規模の大きい銀行ほど低コストで資金を調達できるので、都市銀行などは金利が低いといった特徴が見られます。

もちろん例外も見られますが、低金利で融資を受けたいのであればまずは都市銀行から検討し始めると良いでしょう。では、金融機関によって具体的にどれくらい金利は異なるのでしょうか?以下で金利の目安を見てみましょう。

 

金融機関の種類金利の目安
・都市銀行2%~10%前後
・地方銀行2%~15%前後
・信用金庫、信用組合2%~15%前後
・ノンバンク10%~18%前後

 

■【金利が決まる法則その2】金利の種類

融資の利息を抑えたい場合に、必ず意識しておくべきポイントが金利の種類です。金利にはいくつかの種類があり、銀行や金融商品によって適用される金利の種類は異なります。申請時の年率が同じであっても、金利の種類が異なると返済総額に大きな差が生じることもあるので、金利のシステムはある程度把握しておくべきでしょう。

細かく見ると金利にもさまざまな種類が見られますが、大きく分けると以下の2種類に分けられます。

 

・固定金利借入~完済までの間に、年率が変動しないタイプの金利。借入の前に返済総額を把握できるので、返済計画を立てやすい傾向にある。
・変動金利借入~完済までの間に、何回か年率が変動するタイプの金利。日本の経済状況や銀行の経営状況などによって金利が変動する。

 

固定金利と変動金利については、どちらが優れているとは言えないものです。金利が将来的に上昇しそうであれば固定金利、下落しそうであれば変動金利を選ぶほうがお得になるので、将来の動向を予測して選択することが重要です。

また、さらに細かく見ると、数年に数回ほど年率が見直されるタイプの固定金利、上限が決められている変動金利などが見られます。金利は返済総額に直結する要素なので、融資を受ける前に各商品の仕組みをきちんと理解しておきましょう。

 

金利の種類金利の傾向
固定金利銀行側が利益を確保する目的で、変動金利より0.5%~2%ほど高いケースが多い。
変動金利返済当初に関しては、固定金利より低いケースが一般的。ただし、状況によっては固定金利より年率が上がる可能性もある。

 

■【金利が決まる法則その3】融資の種類

銀行の融資(事業用銀行融資)には、大きく分けて以下の2種類があります。

 

・プロパー融資銀行が独自に審査を行い、融資をする金融商品。
・保証付き融資信用保証協会が申込人への融資を保証する形で、銀行から融資が行われる商品。

 

一般的にはプロパー融資のほうが審査が厳しいとされており、プロパー融資を利用できない中小企業などが、保証付き融資を利用するケースが多くなっています。金利に関してもプロパー融資のほうが低い傾向にあるので、可能であればプロパー融資から申し込むことが望ましいでしょう。

なお、保証付き融資を利用する場合には「保証料」を別途支払う形になり、保証料の相場は1,000万円ほどの借入で5万円程度とされています。特に高いコストではありませんが、資金繰りに悩む企業にとっては痛手となる恐れがあるので注意が必要です。

 

融資の種類金利の目安
プロパー融資2%以下~3%前後
保証付き融資保証料と合わせると3%~5%前後

 

なお、不動産担保ローンやフリーローンなど、事業用銀行融資ではない商品を利用する場合にも、融資の種類によって金利の傾向は異なります。では、具体的にどれくらい金利が異なるのかについて、以下で金利の目安を見てみましょう。

 

融資の種類金利の目安
・不動産担保融資2%~10%前後
・売掛債権担保融資4%~15%前後
・フリーローン5%~15%前後

 

■【金利が決まる法則その4】借入希望額

銀行借入の金利は、申込人の借入希望額によっても変動します。借入希望額は申し込む段階で申込人から伝える形になりますが、この借入希望額が多いほど低い金利が適用されやすくなります。

ただし、初めて銀行を利用する場合は信用性が高いとは言えないので、借入希望額が多くても最高金利に近い年率が適用されるケースも見られます。融資では借入金額が増えると返済の負担も増大するため、金利を抑えたいからと言って借入希望額を無駄に多く伝えることは控えたほうが良いでしょう。

 

■【金利が決まる法則その5】資金使途

銀行は企業に対して融資をする際に、「その資金を使って利益を上げ、きちんと返済して欲しい」と感じているはずです。したがって、個人的な借金の返済や生活費など、事業とは無関係な部分への資金投入は警戒される場合もあるでしょう。

銀行の中にはこのような行動を防ぐ目的で、資金使途を「事業性資金」のように限定している銀行も見られます。資金使途を事業性資金に限定しておけば、結果として貸し倒れのリスクを抑えることにもつながるためです。

資金使途が「自由」とされているローンも見られますが、資金使途については限定されている金融商品のほうが金利が低い傾向にあります。そのため、資金を全て事業に費やすことが決まっている場合には、資金使途が限定されている金融商品の利用を検討してみましょう。

 

■【金利が決まる法則その6】借入期間

John Loach

銀行融資では借入期間も、適用される金利に影響を与える要素です。もちろんケースによって異なりますが、一般的には長期返済は金利が高くなりやすく、短期返済は金利を抑えやすいとされています。

そのため、支払う利息を抑えたいのであれば、可能な限り借入期間を短くすることが重要です。ただし、借入期間を短くすると月々の負担が増大するため、返済不能の状態に陥らないように調整しなければなりません。

自社の返済能力や資産状況を今一度確認し、無理のない範囲で借入期間の短縮を考えてみましょう。

 

○短期返済・長期返済の比較

銀行借入では仮に同じ金利であっても、返済期間によって返済総額は変わってきます。借入金額1,000万円、金利3%(元利均等返済)を前提条件として、短期返済(1年)と長期返済(3年~5年)の返済総額を以下で見てみましょう。

 

返済期間毎月の返済額返済総額
1年846,936円10,163,239円
3年290,812円10,469,221円
5年179,686円10,781,191円

 

上記の例では、返済期間が2年延びるだけで返済総額には約30万円の差が生じます。ただし、表を見て分かる通り毎月の返済額も大きく変わってくるので、収入と返済負担のバランスを考えながら、無理のない範囲で返済期間を短縮するようにしましょう。


■【金利が決まる法則その7】企業の将来性

銀行は「返済能力が高い」と判断した企業に対しては、積極的に融資を行う傾向にあります。そのため、現時点で業績が特に良くない企業であっても、将来的に事業で成功する可能性が高い企業に対しては、金利を引き下げて融資をすることがあります。

企業が自社の将来性をアピールするには、事業計画書が何よりも重要になるでしょう。多くの利益を生み出せる計画はもちろん、実現性や根拠性の高い事業計画を作成すれば銀行からの信用性は高まるはずです。

 

■【金利が決まる法則その8】会計の健全性

日本国内の銀行は、金融庁の支配下にあります。金融庁は「会計の番人」とも呼べる存在なので、銀行も同様に企業の会計に対しては厳しくチェックをする傾向にあります。

したがって、会計をした結果「経営状況があまり良くない」ことが分かったからと言って、粉飾決済などの手段をとるべきではありません。真実とは異なる情報を提出書類に記載すると、それだけで銀行からの信用性はぐっと下がります

銀行は申込人の情報を総合的に判断し、適用金利を定めています。信用性を失うと金利を引き下げるどころか、融資自体を拒否されてしまう恐れがあるので、リスクがある方法で会計をしないようにしましょう。

 

■【金利が決まる法則その9】担保の有無

銀行借入ではそもそも担保が必要ない場合もありますが、設定できる場合は担保を用意したほうが、より好条件で借入しやすくなります。適用金利の低下はもちろん期待できますし、借入限度額が増える可能性もあるでしょう。

ただし、担保は価値が重要であり、例えば資産価値の低い不動産などを担保にしても銀行側は高く評価してくれません。また、担保を設定すると万一返済不能の状態に陥った場合に、その担保を失ってしまう恐れがあるので注意が必要です。

 

■【金利が決まる法則その10】これまでの返済実績

銀行は顧客の信用性を重視する金融機関なので、これまでの返済実績も適用金利に影響を及ぼします。初めて利用する銀行で最低金利が適用される可能性は低いですし、逆に返済能力が高くなくても返済実績が多ければ、ある程度は低い金利が適用されることもあるでしょう。

返済実績を増やすためには、同じ銀行で複数回融資を受けることが必要です。小口融資でも構わないので、今後長く付き合いたい銀行を見つけたら、積極的に融資の相談を持ちかけてみましょう。

ただし、1度でも返済を延滞してしまうと、それだけで銀行からの信用はぐっと下がります。信用情報にキズがつくとほかの金融機関からの借入も難しくなってしまうので、融資を受けたら必ずきちんと返済するようにしましょう。

 

■銀行借入で押さえておきたい金利のポイント

Remco van der meer

ここまでは、銀行借入の金利が決まる法則をご紹介しました。簡単に言えば、銀行からの信用性が高いほど適用金利は低くなりますが、細かく見るとさまざまな要素が適用金利に影響を与えていることが分かります。

では、銀行借入の金利を下げるには、どのようなポイントを押さえて行動をすれば良いのでしょうか?特に重要なポイントについて、以下で詳しく見ていきましょう。

 

【ポイントその1】銀行が積極的に融資をする時期を選ぶ

銀行の融資に対する積極性は、時期によって異なります。国内の景気や銀行の経営状況が良好な時期には、銀行自身も資金の調達に苦しまないので、金利を引き下げるなどして積極的に融資をする可能性があります。

また、銀行にもノルマが存在しており、決算前の時期になると積極的に融資をする銀行も見られます。多くの銀行は3月・9月に決算を迎えるため、特に急いでいない方はこの時期に審査が実施されるように、タイミングを見計らって申し込みをしてみましょう。

 

【ポイントその2】自社の経営状況が良い時期を選ぶ

申し込む時期に関しては、銀行の状況だけでなく自社の状況も考えて選ぶことが重要です。企業の経営状況は時期によって大きく変わるので、少しタイミングをずらすだけで借入条件が好転する可能性もあります。

例えば、長期的に見ると経営状況があまり良くない企業であっても、決算書や試算表の黒字が多い時期を狙えば、銀行に与える印象は大きく変わるでしょう。

 

【ポイントその3】将来を意識して書類を作成する

借入審査の際に銀行が知りたがっているのは、現時点の経営状況だけではありません。銀行は各企業のこれまでの経歴などから、「今後事業が成功して、返済財源をきちんと確保できるのか」という点も重視するので、提出書類の作成時には将来を意識することが重要です。

例えば、質の高い事業計画書を作成すれば評価は高まりますし、数ヶ月先の収支も予測した資金繰り表を提出すれば、銀行側をある程度安心させられるはずです。将来に関する情報を伝えることで、銀行側には「きちんと将来を見据えて経営をしている」といった印象を与えられるので、今後の計画や展望も積極的に伝えるようにしましょう。

ただし、単なる予測では銀行側を納得させることは難しいので、分析などに力を入れて根拠のある計画・展望を伝える努力が必要です。

 

【ポイントその4】金利にこだわり過ぎない

中小企業にとって金利を引き下げることは重要ですが、その部分にのみこだわっていると、銀行側に悪い印象を与えてしまう恐れがあります。その結果、足元を見られて借入条件が悪化したり、審査に落ちてしまったりする可能性も考えられます。

そもそも借入をする目的は、金利を下げることではないはずです。目的である資金調達を実現できなければ、いくら交渉をしても意味がありません。

今後の経営を考えると、多少金利が高くても融資を受けることが望ましいケースは多く見られるので、金利の交渉に余計な時間をかけ過ぎないようにしましょう。


■まとめ

いかがでしたでしょうか?

金利はさまざまな法則によって決められており、より低い金利で融資を受けるには、余裕を持って準備を進めておく必要があります。今回ご紹介した法則やポイントなどを参考にしながら、まずは利用する銀行・商品から探してみましょう。 

なお、「銀行の審査に落ちてしまった…」という方には、売掛金を売却することで資金を調達するファクタリングがおすすめです。ファクタリングは即日融資が可能な調達手段であり、売掛金によっては1億円以上の融資を受けられます。



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