役員報酬の決め方7つの注意点!税金を抑えるポイントとは?
公開日:2018.1.7 | 最終更新日:2025.3.11

-経営者だから、役員報酬は自由に決められる。
-役員報酬を増やせば、自分の収入も一気に増える。
-取締役の自分はガッポガポだ
役員報酬について、上記のように安易に考えてはいませんか?
自分1人の会社であれば、役員報酬はある程度自由に決められます。しかし、役員が複数人いる場合や、多くの従業員を抱えている場合は、役員報酬を慎重に設定しなければなりません。また、役員報酬は税金にも関わってくるので、節税面も踏まえて金額を設定するべきです。
そこで今回は、現役18年の税理士が役員報酬について徹底的にまとめました。節税面についても解説しているので、この記事を最後まで読めば節税にも100%つながります。
■役員がもらえる「役員報酬」と「役員賞与」の違いは?
役員報酬とは、その文字通り役員に支払う給与を指します。ここで言う役員とは、会社の取締役や監査役に該当する者のことです。
取締役や監査役は、給与ではなく「役員報酬」という形で会社からお金をもらっているのですね。
一般的な企業では、従業員の給与とは別にこの役員報酬を設定しなくてはなりません。会社の利益や税法、資金繰りなど、さまざまな要素を踏まえて慎重に金額を決定する必要があります。
そんな役員報酬と似た言葉に、「役員賞与」と呼ばれるものがあります。字面が似ているため混同されがちですが、これらのお金は以下のように意味が異なるので注意しておきましょう。
では、役員報酬を決める際には、具体的にどのようなポイントを意識すれば良いのでしょうか?次からは、役員報酬を実際に決める際の注意点についてご紹介していきます。
■【役員報酬の3つの種類】
役員報酬には3つの支払い方法があります。その3つ以外の方法を選ぶと役員報酬を損金計上できない恐れがあるので注意が必要です。
では、その3つの支払方法について、以下で詳しく解説していきましょう。
【役員報酬の支払方法その1】定期同額給与
1ヶ月以下の期間で毎回支払われる、定期的な給与のことです。また、各事業年度で支払われる金額が同額でなければ、「定期同額給与」としては認められません。一般的な会社では、毎月同じタイミングで支払われるケースが多くなっています。
この定期同額給与を選んだ場合、税務署への届出などは特に必要ありません。
【役員報酬の支払方法その2】事前確定届出給与
役員に対して、賞与として支払われる給与です。かつての税法では、役員賞与は損金に含まれませんでしたが、2017年12月現在では下記の条件を満たす場合にのみ、役員への賞与を損金計上できるようになっています。
察しの良い方であれば、この「事前確定届出給与」は節税に使えるのでは?と感じるかもしれません。しかし、「事前確定届出給与に関する届出書」については提出期限が定められているので、駆け込み的な節税目的での利用は難しくなっています。
下記のいずれかのうち、早い日が税務署への提出期限となるので注意しておきましょう。
【役員報酬の支払方法その3】利益連動給与
有価証券報告書に記載されている、「利益に関する指標」に基づいて役員に支払われる給与です。ただし、以下のケースのように、同族会社の法人が役員に対して支払う給与に関しては、利益連動給与としては認められません。
上記の3つ以外に、ストックオプションや退職金なども損金として計上できるものです。ただし、これらの給与は発生する頻度が低いので、基本的には上記3つの支払方法を選ぶことになるはずです。
「定期同額給与・事前確定届出給与・利益連動給与」の金額については、法人税の申告をする際に書類に記載をする必要があるので、各給与の内容をきちんと理解しておきましょう。
■役員報酬の決め方3つのポイント
上で述べたように役員報酬は株主総会での決議が必要であることから、周りが妥当だと感じる金額を提示する必要があります。
妥当な金額を提示するために、役員報酬を検討するときには3つのポイントを考慮しましょう。
役員報酬の決め方のポイント1 世間の相場を把握する
世間の相場を知らずに高額な役員報酬を提示すれば、疑問をうむ原因となります。相場に合わせた金額を提示することで、根拠があり周りが納得しやすくなるでしょう。
以下は、国税庁が平成25年に発表した、中小企業における役員の平均年収をまとめたデータです。
上記のデータを見て、「意外と少ないな…」と感じた方は多いのではないでしょうか?世間的には、役員は高給取りといったイメージを持たれていますが、実はそうではない中小企業は数多く存在しています。
もちろん、必ずしも上記の平均年収を意識する必要はありません。しかし、従業員も含めて周りの方が納得できるように、上記のデータをひとつの目安として考えてみてはいかがでしょうか?
役員報酬の決め方のポイント2 従業員の事業に対する貢献度合いを把握する
役員報酬はコストを考えることも重要ですが、従業員の気持ちも軽視してはいけません。従業員の力で成り立っているのにも関わらず、役員報酬のみが上がっていくような会社では、従業員のモチベーションは一向に上がらないでしょう。
従業員とのバランスを考えるときの指標の一つが「付加価値分配比率」という考え方です。
ここでいう付加価値とは、その会社の労働によって付け足された価値を指します。
具体的には、総人件費と営業利益を足したものが付加価値です。
この付加価値の分け方の目安を示したものが付加価値分配比率と呼ばれています。
付加価値分配比率を考えるときには、どのような形態の事業を行なっているかを考えなければなりません。
例えば、コールセンターのように設備投資はほとんどいらず、社員の労働で成り立っているサービスでは社員により多くの報酬を与えるべきでしょう。
一方で、装置産業など社員の労働以上に設備投資の良し悪しが業績に影響する場合は、経営判断をする役員が報酬をもらっても問題ないと言えます。
そこで、利益をあげるために人件費がどの程度かかっているかを検討します。これを労働分配率といい、下記の式で計算できます。
労働分配率 = (人件費➗売上総利益)×100
この値が大きいほど、利益を生み出すのに必要な人件費が大きいので、社員の力が大きいビジネスモデルであると言えます。
この労働分配率の値を元に、付加価値分の配分を考えようというのが付加価値配分比率という考え方です。具体的には、労働分配率に応じて、下記のように配分するのが適切であると言われています。
このように、人件費の割合からビジネスモデルを客観的に把握することで、従業員も納得できる金額を設定しやすくなります。
役員報酬の決め方のポイント3 従業員との報酬格差のバランスをとる
付加価値配分比率は合理的な役員報酬の計算方法ではありますが、社員との報酬格差に気を配る必要があります。
合理的であっても、報酬格差が大きくなりすぎると従業員のモチベーションが削がれてしまうからです。
役員と従業員の報酬格差が20倍を超えると不満を抱きやすくなると言われているので、バランスをとった額を設定しましょう。
このとき、従業員全体が納得するには、平均値ではなく、年収の下限と比較しなければなりません。従業員を多く抱えている場合には注意が必要です。
■役員報酬を決める際の7つの注意点
役員報酬の決め方のルールと、金額を考える上で配慮するポイントを説明してきました。
実際にはこれらを加味した上で、節税できるように報酬額を決めた方が良いでしょう。
ここからは、役員報酬を決定する上で注意しておくべき点を解説します。
■【役員報酬を決める際の注意点その1】金額が少ないほど法人税は増える
役員報酬は、会社が役員に対して支払う給与のことです。そのため、役員報酬を支払った分だけ会社の利益は減少し、結果として法人税などの税金を抑えることにつながります。
これは、役員報酬を決める上で非常に重要なポイントであり、「会社に多くのお金を残したいから」と言って役員報酬を減らすと、税金面で損をしてしまいます。もちろん、役員個人にも税金は発生しますが、役員報酬を増やしたほうが節税につながるケースは珍しくありません。
税金面で得をしたいのであれば、きちんと税金のシミュレーションをした上で、役員報酬を決定することが望ましいでしょう。
■【役員報酬を決める際の注意点その2】社会保険料とのバランスを考える
役員報酬を決める際には、税金だけではなく社会保険料も意識することが大切です。法人税などの税金とは違い、社会保険料は役員報酬が高いほど増えるので注意しておきましょう。
社会保険料を抑える手段としては、「役員報酬として支払っていた分を、役員賞与として支払う」方法が挙げられます。では、この方法を実践した場合、どれくらいの節約につながるのでしょうか?
具体的な計算方法は割愛しますが、以下では2パターンの社会保険料をご紹介します。
上記のいずれのパターンでも、役員には1,200万円の収入が発生しています。では、同じ収入金額であるのにも関わらず、なぜ社会保険料は2倍近くも異なるのでしょうか?
その答えは、役員賞与の保険料を計算する過程にあります。
このように、役員賞与については社会保険料の上限が定められており、この制度を上手に活用すれば社会保険料を大きく抑えられます。そのため、役員報酬は税金面だけではなく、社会保険料とのバランスもきちんと確認しておきましょう。
■【役員報酬を決める際の注意点その3】正確に損益計算をする
前述では、役員報酬の決定には期限があると解説しました。その期限までに金額を決めなくてはなりませんが、役員報酬を決定する前には、会社の損益計算をするケースが一般的です。
事前に会社の損益計算をしておかないと、会社に残る利益が分からないので、役員報酬の適した金額を導けません。そのため、最適な役員報酬を設定するには、正しく損益計算することを心がけるべきです。
ここまでを読んで、「自社は売上が伸びるから問題ない」と考えている方もいることでしょう。しかし、売上が伸びる場合であっても、損益計算は正確にしておくべきです。
例えば、会社の売上が増えると仕入の量も増加するので、逆に会社のキャッシュが減ることもあります。このような状況で多額の役員報酬が発生すると、さらに会社は資金不足の状況に陥るでしょう。つまり、会社は売上の増加によって、資金繰りが悪化することもあるのです。
では、正確な損益計算書を作成するためには、具体的にどのような金額を予測するべきでしょうか?特に重要な金額について、以下でまとめてみました。
少なくとも、上記の5つの金額は算出しておく必要があるでしょう。
これまで何年か経営してきている会社であれば、過去のデータを参照すれば上記の金額を導けるはずです。新しい会社については、平均値や統計値などを参考に計画を立ててみましょう。
見た目上は誤差の範囲であっても、予測と実際の数値が異なると大きなダメージとなる恐れがあるので、損益計算は根拠性にこだわって慎重に行うことが大切です。
■【役員報酬を決める際の注意点その4】年度途中で定期同額給与を変更しない
役員報酬を定期同額給与として支払う場合は、年度途中で金額を変更するべきではありません。年度途中で変更を加えると、役員報酬の一部を損金として計上できなくなるためです。
この説明だけでは少し分かりづらいので、以下で具体例を挙げてみましょう。期首から3ヶ月間は毎月50万円の定期同額給与を支払い、それ以降は変更を加えて毎月60万円の定期同額給与を支払ったとします。
○年度途中で変更しない場合
年度途中で金額を変更しない場合は、定期同額給与を損金として計上できます。この例に関して言えば、単純計算すると下記の金額を損金として扱えます。
(50万円×3ヶ月分)+(60万円×9ヶ月分)=150万円+540万円
=690万円
○年度途中で変更を加えた場合
上記の例で途中から資金繰りが苦しくなり、期首から9ヶ月後に役員報酬を40万円に下げたとしましょう。このようなケースでは、定期同額給与は年間を通じて40万円として計算されます。
では、このルールにより、具体的にどれくらいの金額を損してしまうのでしょうか?支払った金額をそのまま全て損金計上できると仮定すれば、計上できる金額は以下のようになるはずです。
(50万円×3ヶ月分)+(60万円×6ヶ月分)+(40万円×3ヶ月分)=150万円+360万円+120万円
=630万円
しかし、年度途中で役員報酬を変更した場合、年間を通じて定期同額給与が40万円とみなされるので、損金として計上できる金額は以下の通りです。
40万円×12ヶ月分=480万円
つまりこの例では、実に150万円分(630万円-480万円)の損をしました。これにより、会社の利益は150万円分増えてしまい、結果として支払う税金が高くなってしまいます。
上記の2つの例を見て分かる通り、定期同額給与を年度途中に変更すると、税金の面で損をします。資金繰りが苦しく、ほかに選択肢がない場合は仕方がないかもしれませんが、基本的には定期同額給与を年度途中に変更しないようにしましょう。
言うまでもありませんが、役員報酬にはこのルールがあるため、下手な変更は自分の首を絞めることになりかねません。
期首から4ヶ月以内の時点で慎重に金額を設定するべきです。
年度途中でも役員報酬を変更できる2つの例外パターン
例外として年度途中であっても、役員報酬の増減を認められる場合があります。
まず、役員報酬の変更で増額が認められる場合ですが、職責変更により役員が昇格した場合は役員報酬の増額変更が認められます。
ただし、増額による変更で全体の役員報酬の金額が、株主総会で役員報酬の金額や上限額を上回る場合、新たな株主総会決議が必要になります。
そして、役員報酬を減額して変更できるの以下の4つが代表的です、
・役員が降格した場合
・病気・怪我など長期的に業務を行えなくなった場合
・役員が不祥事を起こしたことにより懲戒処分を受けた場合
・会社の業績の悪化
このようなケースに当てはまる場合は、役員報酬を変更し減額することができます。
■【役員報酬を決める際の注意点その5】使用人兼務役員は税務調査の対象になりやすい
使用人兼務役員とは、従業員としての肩書も持っている役員のことです。具体例としては、「取締役管理部長」や「取締役営業部長」などが挙げられるでしょう。
この使用人兼務役員には、役員報酬に加えて給与手当を支払うことが可能です。また、賞与についても役員として、従業員としての両方を受け取ることができます。つまり、使用人兼務役員を用意すれば、会社は役員報酬・従業員報酬の両方を支払えるので、節税の選択肢を増やすことにつながるのです。
ただし、どのような役員も使用人兼務役員として扱えるわけではありません。使用人兼務役員として認められるには、以下の条件を満たす必要があります。
簡単に言えば、使用人兼務役員として認められるには普段から従業員と同じように、仕事をこなしている役員であることが必要です。また、代表取締役や副社長のように、経営に深く関わる役員は使用人兼務役員として認められません。
この使用人兼務役員についてですが、実は税務調査の対象になりやすい傾向にあります。これは、使用人兼務役員を上手に活用して、脱税を目論んでいる会社が存在するためです。
したがって、使用人兼務役員に報酬を支払う場合には、税務調査で指摘されないように以下の点に注意しなくてはなりません。
上記のいずれかを守れていないと、調査官から脱税と疑われてしまう恐れがあります。使用人兼務役員は節税に活用できる存在ですが、ルールはきちんと守るようにしましょう。
■【役員報酬を決める際の注意点その6】基準を超えた金額にすると、損金計上ができない
役員報酬には一定の基準があり、この基準を超えた金額に設定すると、これまでご紹介したルールを守っても「過大」とみなされる恐れがあります。過大とみなされた場合は、その分を損金として計上できなくなるので、会社の税金の負担は増えてしまうでしょう。
役員報酬の基準については、以下の2つの基準が設けられています。
【基準その1】形式基準
形式基準では、以下の3点が守られているのかがチェックされます。
上記の3点は、前述でも解説してきた内容です。そのため、中には「そんなの当たり前」と感じる方もいるかもしれませんが、疑いをかけられないようにするには証拠となる議事録が必要です。
したがって、株主総会・取締役会を開催して上記の3点を決めたら、必ず議事録を作成するようにしましょう。なお、議事録の作成方法については、定款などに記載されているルールを守る必要があります。
【基準その2】実質基準
実質基準については、形式基準のように明確なルールはありません。以下で挙げる点を調査し、「総合的に適正金額であると判断できるか」がチェックされます。
したがって、役員報酬の適正金額を決める際には、事前の情報収集が欠かせません。「どれくらいの収益なら、いくらぐらいが適切か」「同業他社と比較して高すぎないか」などを調べた上で、金額を慎重に設定することが望ましいでしょう。
仮に、従業員の給与や同業他社の役員に比べて金額が多い場合には、税務署が納得できる理由を用意しておく必要があります。「節税のため」では税務署も納得しないので、自社の経営状況などと紐づけて、合理的な理由を用意しておくようにしましょう。
上記の形式基準・実質基準は、税務調査が入ると高い確率でチェックされるポイントです。税務調査が決まってからでは遅いので、両方の基準を満たせるように普段から準備を整えておきましょう。
■【役員報酬を決める際の注意点その7】逆に、役員報酬とみなされる場合もある
前述では役員報酬として支払った金額が、役員報酬としてみなされない可能性がある点を解説しました。しかし、実はその逆のケースも存在しており、従業員分の給与などとして支払ったつもりが、役員報酬として扱われる場合もあります。
では、具体的にどのようなケースが該当するのかについて、以下で詳しく見ていきましょう。
【ケースその1】会社が役員に対して無利息でお金を貸した場合
経営者は、会社のお金を役員に貸し付けることが可能です。これを「役員貸付金」と言いますが、役員貸付金には利子をつけなくてはなりません。これは借手が経営者であっても同様であり、無利息で役員にお金を貸し付けると、その無利息分が役員報酬として扱われる可能性があります。
また、役員貸付金の利子については、以下のルールが定められているので注意しておきましょう。
つまり、役員貸付金には少なくとも、年利数%の利息が発生するのです。貸し付けられた役員は、当然この利息分も会社に支払う必要があるので、安易に役員貸付金を利用しないようにしましょう。
【ケースその2】土地や建築物を相場より安く貸した場合
会社が所有する土地・建築物は、役員などに貸し付けることが可能です。そのため、会社から土地・建築物を借りて、その不動産を住居として使用している方もいることでしょう。
しかし、このようなケースでは、借手は会社に対して適正な家賃を支払わなければなりません。会社の持ち物だからと言って、割安で貸すような行為は認められていないのです。
もし、適正な家賃よりも安い賃料で貸している場合は、以下の金額が役員報酬として計上される可能性があります。
役員報酬として計上される金額=家賃の適正金額-実際に支払っている金額
【ケースその3】資産を無償で譲渡した場合
会社の資産を無償で譲渡すると、その資産の時価額相当分が役員報酬とみなされることがあります。高額な資産を譲渡すると、多額の役員報酬が計上される恐れがあるので注意しておきましょう。
上記の3つのケースを見て分かる通り、会社の資産を役員がプライベートで活用する行為は禁止されていることがあります。もし悪質な場合は、税務調査において脱税とみなされる恐れがあるので、そのような行為は控えるようにしましょう。
もし、会社から資産を借りる場合は、適正な利息や賃料を発生させることが必要です。
■最後にチェック!最も税金を支払わなくて済む方法は?
ここまでは、役員報酬を決める際の注意点について解説してきました。では、結局どのような決め方をすれば、税金を最も抑えることができるのでしょうか?
基本的な考え方としては、「経営者個人の現金+会社の現金」を最大の値にさせることが必要です。これには税金の細かい計算が必要ですが、以下では役員報酬を決める目安として、利益金額500万円~5,000万円の7パターンに分けて、実効税率を最も低くできる金額をご紹介します。
では、上記の表のように役員報酬を適正金額にすると、具体的にどれくらい節税効果を見込めるのでしょうか?上記の①を例に挙げて、以下で実際の金額を計算してみます。
①のケースでは500万円の利益に対し、実効税率が19.93%であるため、支払う税金の総額は以下のようになります。
500万円×19.93%=996,500円
一方で、会社の利益を全て役員報酬にした場合はどうでしょうか?細かい計算は割愛しますが、この場合の実効税率は20.42%となります。つまり、支払う税金の総額は以下のように計算できます。
500万円×20.42%=1,021,000円
このように、役員報酬を変えるだけで2万円以上の差が生じました。この金額差は、会社の利益金額が多いほど大きいものとなります。
役員報酬の適正金額については、上記の表を目安にすれば特に問題はありません。仮に、ご自身で実効税率を計算して導き出す場合には、以下の2点に注意をする必要があります。
上記の点を見て、「表の①~②には当てはまらないのでは?」と感じた方もいることでしょう。表①~②に関しては、法人の軽減税率を利用するよりも、法人にかかる税金自体をなくす方向で考えたほうが、実効税率を下げやすくなります。
表③~⑤については、軽減税率が大きく効果を発揮するので、800万円というラインをきちんと意識しましょう。なお、会社の利益が4,000万円を超えると、役員報酬もそれなりの金額となり住民税・所得税の金額が跳ね上がるので、軽減税率はもちろん個人の住民税・所得税の税率も意識することが大切です。
■まとめ
今回は、役員報酬について詳しく解説してきました。いかがでしたか?
役員報酬は適正金額を設定することが難しく、最適値を導くには細かい計算が必要になります。そのため、「あまり手間をかけたくない…」という方は、本記事でご紹介した表を参考に金額を決めてみましょう。
ただし、役員報酬は必ずしも損金として計上できるわけではないので、ルールはきちんと守ることが大切です。
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