起業するなら一番最初に考えるべきユーザー視点について
登録日:2018.10.7 | 最終更新日:2019.2.6
起業しようと決めたとき「まず最初に考えるべきことは?」と問われたら、あなたはいったい何を思い浮かべるだろうか。
売るべき商品のアイデア?
これから参入する業界の相場感?
人脈やコネを拡げる方法?
実はどれも最初に考えるべきことではない。
あなたが最初に考えるべきこと。その答えは「集客の方法」だ。
そして集客方法を探るためには「ユーザー視点」に立ってビジネスをチェックする必要がある。
つまりユーザーの立場や背景、欲しいものや好むものについて必死に考え、知恵を絞る必要があるのだ。
結局、ビジネスはユーザーあってのものだ。
どれだけ素晴らしいアイデアが浮かんでも、そのアイデアをユーザーが欲しがる形に変換しなければお金を支払ってもらえない。
お金を支払ってもらえなければビジネスは成り立たない。これは非常にシンプルな理論だ。
この記事では、以下の内容についてご紹介していく。
- ユーザー視点に重要な「4C」とは?
- ユーザー視点を意識することで得られるメリット
- ユーザー視点を失ったビジネスの末路(実話を交えつつ)
- ユーザー視点を身につけるトレーニング方法
順をおって説明しよう。
起業に必要不可欠なユーザー視点
何かを売ろうとしたときに、ユーザー視点に立って物事を考えるのはマーケティングにおける基本中の基本だ。
ユーザー視点とは、簡単に言えば顧客側の視点。ユーザー視点に立つというのは、つまりお客さまと同じ立場に立って、同じ思考で物事を考えるということだ。
こう言ってしまえば簡単だが、これは何の思考のトレーニングもしないまま誰でもひょいひょいとできることではない。冷静になって一度想像してみてほしい。
あなたは、隣にいる他人の思考を読むことができるだろうか?
毎日同じ職場にいる同僚や上司のニーズさえ、的確に汲み取ることは難しいと感じるのではないだろうか?
ユーザー視点に立つということ意識してやるべきことだ。意識して考えて、調査をして微調整もするべきことだ。
逆に言えば、意識して考えて、調査をして微調整すればユーザー視点は身につけられる。
ユーザー視点に立つスキルを身につけることはあなたにも可能なのだ。
そのために、まずは「マーケティングの4C」という考え方から学んでいこう。
マーケティングの4Cとは、まさにユーザー視点に立つための手法として定説された4つの考え方のこと。
広告学者でありノースカロライナ大学(アメリカ)のマスコミ学科教授でもあるロバート・ラウターボーンにより1990年に定義された。
4Cとは以下のの4つ。顧客・ユーザーの視点から商品やサービスを評価するためのフレームワークだ。
- 顧客価値(Customer value)
- 顧客コスト(Customer cost)
- 利便性(Convenience)
- コミュニケーション(Communication)
それ以前のマーケティング業界では4Pという手法が用いられていた。
4Pでは「商品をいかにして売るか」という企業側の視点から、以下の4つの要素を考えていたのだ。
- Product(製品:品質、デザインなど)
- Price(価格:値引き条件など)
- Place(流通:店舗の場所、営業日など)
- Promotion(販売促進:PRの方法など)
だがこれはあくまでも企業側の視点。ユーザー視点が重視されるようになった現在のマーケットにはこの考え方だけでは足りない。
そこで、ラウターボーンが新たに4Cを考案・発表した。
4つのCはそれぞれ4Pに対応しており、企業側から考えていた各要素を顧客・ユーザーの視点から改めてチェックできるように作られている。
- 製品(Product) → 顧客価値(Customer value)
- 価格(Price) → 顧客コスト(Customer cost)
- 流通(Place) → 利便性(Convenience)
- 販売促進(Promotion) → コミュニケーション(Communication)
それぞれの「C」について、どんなものなのかを見ていこう。
①顧客価値(Customer value)
まずは顧客価値だ。
顧客価値とはその製品・サービスを購入することで顧客(ユーザー)にとってどんな価値が得られるかという視点だ。
その製品・サービスを利用することで解決できる課題や満たされる欲求がユーザーにあるだろうか?
性能の良い家電を買うことで「家事の時間を短縮できる」
憧れのブランドの時計を買うことで「日々の生活に潤いが生まれる」
こうした、ユーザーに起きる何らかのプラスの変化が「顧客価値」だ。
自分が提供する商品・サービスがユーザーにどんな価値を与えられるのか。ここをきちんと把握していると、起業はうまくいきやすい。
「顧客価値」は、顧客のペルソナを設定する「ターゲティング」にも深く関わってくる。
人にはそれぞれの人生がある。生活の中で、どんな課題を解決したいのか、どんな欲求を満たしたいのかは、人により異なるだろう。
「便利に暮らしたい」
「もっと時間が欲しい」
「楽しい気持ちを味わいたい」
「リラックスしたい」
「感動したい」
「優越感を持ちたい」
などなど、顧客価値の種類は無限だ。
自分の商品・サービスがどんな顧客価値を提供できるかを考えるということは、どんなユーザーをターゲットとして想定するかに直結する。
たとえば「お得な気分を味わいたい」と思っている人に「細部まで作り込んだ職人芸が光る高級スプーン」は響かないだろう。
しかし、「個性的で上質な食器を使いたい」と思っている人の目には同じ商品が魅力的に映るかもしれない。
売ろうとしている商品・サービスは、ユーザーにどんな価値を与えることができるのか。
提供する商品・サービスが持つ顧客価値をあらゆる角度から検証し、正しく理解すること。それがユーザー視点に立つ第一歩だ。
②顧客コスト(Customer cost)
次に顧客コストについて見てみよう。
顧客コストとは、商品購入の際に顧客・ユーザーが支払うさまざまな費用のことだ。
多くのユーザーにとって、商品を購入する際に最も注目するのがこのコストの部分だろう。
あなたも、自分が何かを買う場面を想像してみてほしい。
その商品の性能や、得られる効果も気になるが、最終的な購入の判断指標には必ず「コスト」が含まれるのではないだろうか。
ちなみに「コスト」というと、つい価格のことばかり気にしてしまいがち。
だが、ユーザーが支払うコストは、じつは代金だけではない。
その商品・サービスを購入するために支払う時間的負担、身体的負担、そして心理的負担も顧客コストに含まれる。
たとえば、全国で1ヶ所でしか買えない商品・サービスを手に入れるためには、ユーザーはわざわざその場所に足を運ぶ必要がある。観光地や遊園地で得られるサービスが典型的な例だ。
そこに行かないと得られない経験があるからこそ、人は遠くても足を運ぶ。顧客に大きなコストを支払わせるなら、それだけの魅力がなければならない。
また「発売当日に並ばないと手に入らない新商品」といったケースでは、並ぶための時間的・身体的負担はもちろん、心理的負担も大きくなる。
「手に入るか、入らないか」とハラハラする気持ちはユーザーにとっては一つのコストともいえる。
ただし、この心理的負担は商品を手に入れた時点で満足感や優越感に変わることもある。
商品・サービスそのものの価値+「先着◯名様限定」といった手法を用いて提供できる満足感や優越感が顧客コストを上回る場合は、テクニックとして利用するのも一つの手段と言えるかもしれない。
(かなり高等なテクニックではあるが)
しかし基本的には、「顧客コスト」は少なければ少ないほどユーザーにとっては手を伸ばしやすい。
- 価格
- 手間
- 心理的負担
こうした顧客コストをできるだけ減らすことで、より多くのユーザーに好まれやすくなる。
③利便性(Convenience)
続いて利便性について見てみよう。利便性とは、その商品やサービスを購入する際の便利さの度合いだ。
例えば、店舗の立地や営業時間、webサイトの見やすさ、決裁方法の多様さなどが、利便性の要素に含まれる。
購入するまでの手間が少なければ少ないほど、ユーザーにとって利便性の高い商品といえる。
例えば、駅から近くて徒歩で行ける店舗であるとか、24時間・年中無休で開店しているコンビニなどは、利便性が高い。
実店舗で購入する商品・サービスであれば、店舗までのアクセス(立地)、店舗の営業時間、定休日などの要素がそれに当たる。
そして、このユーザー視点での利便性を最も高くできるのがインターネットによる通販だ。
通販で商品を手に入れることができる場合は、ぐっと利便性が高くなる。ユーザーにしてみれば、わざわざ外出しなくても家まで届けてくれるなら、より便利だ。
商品にしろサービスにしろ、「欲しいものを探す→比較検討する→購入手続き・支払いをする」という一連の作業を全てパソコンやスマホの画面上で完結できるのは、やはり大きな強みだ。
インターネットの手軽さ・利便性の高さは、現存する販売方法の中でも群を抜いている。他の追随を許さないと言っても過言ではないだろう。
インターネットによる通販の場合は、webサイトの見やすさ(ユーザビリティ)、価格帯や性能による検索のしやすさ、購入ページへのアクセスのしやすさ、選択肢の多い決済方法などが利便性を高めるポイントだ。
決済方法は多様であればあるほど、購入する側にとっては便利だ。
たとえば代引き配達や銀行振込のみではなく、クレジットカード決済も可能であればそれだけ手軽に購入できる。この法則は、実店舗でも変わらない。
ユーザーがどれだけ便利に利用できるかを考えるのがポイントだ。
④コミュニケーション(Communication))
ユーザー視点でマーケティングをチェックするフレームワーク4C。最後の視点は、コミュニケーションだ。
4Cにおけるコミュニケーションとは、企業とユーザーが必要な情報のやりとりを適切に行えているかどうかを指す。
【企業側→ユーザー側】のコミュニケーションとしては、以下のものが挙げられる。
- 店舗での接客
- 広告、webサイトにおける説明の見やすさ
- 付加価値の提供(広告に好感度の高い有名人を起用する、サイトを楽しい作りにするなどの工夫)
【ユーザー側→企業側】へのコミュニケーションは何かと言うと、といったフィードバックに他ならない。
- 店頭でのやりとり
- アンケートへの回答
- 掲示板への書き込み
- 不満やクレームの伝達
企業発信のコミュニケーションについてチェックしたいのは、ユーザーに必要な情報をわかりやすく提供できているかという点だ。
これにくわえ、ユーザー側が商品やサービスについての感想もしくは評価を企業に発信しやすいかチェックする。
この2点が揃って初めてユーザー視点のコミュニケーションが成立する。
ほとんどの企業は、webサイトの見栄えや店舗スタッフの質にこだわるなど前者にはよく注力している。
だが、後者にはあまり気を配らないケースがまだまだ多い。
これは、じつにもったいない。コミュニケーションをチェックする上で、今最も重要なキーワードは双方向のやりとりなのだ。
今の時代、企業からユーザーへと一方的に発信するだけでは足りない。
むしろ、商品・サービスに対するユーザーからの評価や感想を、手軽に伝えてもらえる手段を確立した企業は強い。
さらに、不満やクレームといったフィードバックを受けるシステムが適切に機能しているならば最強だ。
人は、苦痛を感じた出来事ほど強く印象に残るものだ。商品やサービスを満足して利用したときよりも、何かしら不満を感じたときの方が、印象に残りやすい。
不満を伝える場がなければ、「その商品を二度と買わない」という判断を下して終わりだろう。これでは、ユーザー側には不満の記憶しか残らない。
でも、不満やクレームを伝えるコミュニケーションの場がしっかりと確立されていて、なおかつアフターフォローが満足のいくものだったらどうだろう。
「私の不満を受け止め、きちんと対応してくれた」という満足感は、とても大きい。
最初から不満なく利用していた企業の商品よりも、むしろ大きな満足感として鮮烈に印象に残るだろう。
クレームは、熱心なファンを作る最大のチャンスだ。
そのチャンスを逃さないためにも、【企業⇔ユーザー】という双方向のコミュニケーションを意識していこう。
重要視すべきマーケティングの「4C」
ここまでの情報を整理しよう。
マーケティングの「4C」とは以下の4つの視点のこと。
- 顧客価値(Customer value)
- 顧客コスト(Customer cost)
- 利便性(Convenience)
- コミュニケーション(Communication)
それぞれの視点で特に重要なポイントは以下の通り。
- どんなユーザーに、どんな価値を提供できるのか
- 「価格」だけでなく、「手間」や「心理的負担」もコストに含めているか
- インターネットなどを活用し現時点で最も利便性が高いと言えるか
- 「企業⇔ユーザー」型の双方向なコミュニケーションを確立できているか
起業の際は、以上のポイントに注意して提供する商品・サービスをチェックしよう。そうすれば、ユーザー視点に立ったマーケティングが自然とできる。
ユーザ視点を意識することで得られる3つのメリット
私が起業家としてスタートしてから大きな挫折が3度あったことは、「3度の大きな挫折から見えた「安定したビジネス」の2つの条件」という記事で詳しく述べた。
その際に何が挫折の根本原因であったかを、あなたは覚えているだろうか。
答えはユーザー視点に立って考えきれていなかったことだ。
大前提として、ビジネスはユーザーあってのものだ。
どんな商品もサービスも、欲しがりお金を支払ってくれる人がいて初めて成り立つ。
たとえば飲み会の幹事をするときに、実費経費を差し引いて自分の手元に1000円が残るようにお金を徴収したとしよう。
参加者を満足させることができれば、それはユーザー1人につき1000円儲かるビジネスとして成立したことになる。
飲み会を例に挙げるとフランクすぎるかもしれないが、街コンはこれを大規模に行ったビジネスともいえる。
逆に、どんなに立派な志を持ってどんなに丁寧で細やかな作業を頑張ったとしても、それを欲しがる人がいなければビジネスとして成立しない。
(欲しがる人に届けることができなかった場合も一緒だ)
お金を支払うのがユーザーである限り、ビジネスはユーザーがいてこそ成り立つ。
これが、ユーザー視点を意識すべき第一の理由である。
だが、ユーザー視点を意識することで得られるメリットは他にもある。ユーザー視点を極めれば、以下の3つのメリットも同時に得ることができるのだ。
メリット1.ニーズに応えることができ市場拡大が見込める
世の中でたった一人だけが欲しがっていて、他には誰も欲しくない……などという商品は滅多に存在しない。
1人が強く欲しがるものは、他の多くのユーザーも求めているケースがほとんどだ。
たった1人の強いニーズに応えることができる商品・サービスを作りだそう。
そうすれば、そのユーザーの後ろにいるたくさんの隠れニーズを引き出すことができる。
アイデア商品と呼ばれるものを見ればこの傾向は一目瞭然。
誰か一人の「困った」を解決するために作られた商品が、一般に認知された直後バカ売れした例はいくらでもある。
ユーザー視点に立ってニーズを深掘りしていくことで、新たな市場を切り開くことも拡大していくこともできる。
メリット2.効果の高い集客方法がとれるから
ユーザー視点に立つのは、ターゲットを明確に定めることに直結している。
その商品・サービスが顧客にどんな価値を提供できるかによって、それを欲しがるユーザーのペルソナが変わってくるからだ。
主要ターゲットとなる顧客の性別、年齢層、家族構成、生活リズム、インターネットの利用頻度などは、ユーザー視点に立つことでより明確になる。
ユーザーのターゲティングが明確になればなるほど、それに合わせてより効果の高い集客方法を選び取ることが可能になる。
わかりやすい例を挙げると、100円ショップのレジ横に1本数百万円する高級腕時計のチラシを置いても集客効果は薄いだろう。
逆に、銀座の一等地にある高級サロンで「安さ」がウリのスーパーのチラシを配布すれば、顧客が期待するブランドイメージを損ねる可能性もあるし店全体の売上も下げてしまいかねない。
集客においては費用対効果が重要だ。最小限のコストで最大限の効果を狙うべきなのだ。
そして、費用対効果の最も高い、コスパの最も良い集客方法を選び取るためには、ユーザー視点に立つのが一番確実で手っ取り早い。
メリット3.次のビジネスも組み立てやすくなるから
ユーザー視点に立つコツは起業家にとって一生の財産になる。
なぜなら、ユーザー視点が「全く要らない、役に立たない」ビジネスというものは、この世に存在しないからだ。
現在のビジネスを拡大していくにせよ、新たなビジネスを次々開拓していくにせよ、ユーザー視点は確実にあなたの役に立つ。
先にあげたユーザー視点によって得られる2つのメリット(市場の発掘と効果の高い集客方法)は、どんなビジネスにおいても大きなアドバンテージとなるからだ。
起業家人生を歩み始めたあなたが、ある日ふと「こんな商品があれば便利だな、面白いな」と素晴らしいアイデアを思いついたとしよう。
このとき、一度でもユーザー視点に立ってビジネスを組み立てた経験があれば、ある程度のコツが身についているためアイデアを形にするのも比較的スムーズだ。
ユーザー視点に立ったことがない人に比べ、圧倒的に少ない労力で新規ビジネスをスタートすることができるだろう。
ユーザー視点にたてる能力はその経験自体が大きな財産となるのだ。
ユーザー視点のないビジネスの末路
どんなビジネスにも、ユーザー視点は不可欠だ。
仮にユーザー視点をおろそかにしたままビジネスを続けていった場合。その事業は遅かれ早かれピンチを迎えることになる。
その証拠こそが私自身だ。私はユーザー視点の欠如が原因で、起業家としての人生において過去3度ピンチに遭った。
1度目は、Yahoo!とGoogleの検索エンジンの統合による収益の減少だ。
全てのサイトをYahoo!の検索アルゴリズムに特化して作成していた私は、統合によるアルゴリズム変更の煽りをもろに受け、当時200万円あった月収がたったの10万円になってしまった。
2度目は、Googleのパンダアップデートによる収益の減少。
パンダアップデートというのは、検索したとき上位表示されるサイトを選定するためのアルゴリズムのアップデートだ。
上位表示されていた自社運営のアフィリエイトサイトは、アップデートにより軒並み表示順位を落とした。
月収650万円から50万円に減収。3人の社員を雇用していた私の会社は、余命半年の危機に陥った。
そして3度目は、クライアントからのペナルティによる収入激減。
当時の主力であった広告主から、とある事情で厳しいペナルティを受けた。このとき私の会社は月の売上1600万円を達成していたが、そこから一気に月収益300万円にまで転落した。
このあたりの挫折の内容を詳しく知りたい方は「3度の大きな挫折から見えた「安定したビジネス」の2つの条件」でまとめているので参考にしてほしい。
それぞれ違う原因でピンチになっているように見えるかもしれない。
でも、つきつめてしまえば3度にわたる大ピンチの原因はすべてユーザー視点の足りなさが原因だった。
ユーザーが求めているのは、「Yahoo!の検索上位に表示されるサイト」でも「Googleのアルゴリズムに適うサイト」でもない。ユーザーは欲しい情報が見つかるサイトを求めていた。
その視点が足りていなかったため、形を変え3度の挫折を味わうことになったのだ。
ビジネスにおいて最も大事なことはユーザーにとって価値があるかどうかだ。
ビジネスの本質と言えるその事実に気づいたとき、私は挫折を乗り越えて、自分のビジネスを根本から好転することができた。
自分自身があまりにも苦い経験をしたからこそ、私はあなたにその原因をしっかりと伝えておきたい。
これからビジネスを始めようとしている人には、できればあの苦しみを味わってほしくない。
独りよがりなビジネスでは、求めてくれる人が現れるとは限らない。
お金を払ってでも「欲しい」と言ってくれるユーザーがいなければどんなに素晴らしい商品もサービスも、衰退の一途をたどる。
ユーザー視点に立って客観的にビジネスを組み立てることさえできれば、私の失敗はもっと軽く済んだかもしれない。ひょっとしたら、失敗自体おきなかったかもしれない。
ユーザー視点がビジネスにおいてどれほど重要か、ぜひ理解してもらいたい。
ユーザー視点を身につけるトレーニング方法
それだけ重要なユーザー視点。では、そのユーザー視点を身につけるためにはどうしたら良いのだろうか?
答えは、意外とシンプルだ。
普段から自分の生活の中で「ユーザーとしての感覚」を意識すること。その繰り返しがトレーニングになる。

たとえば、私の作った「ファウンダー(https://found-er.com)」というサイトは、そうした日常のトレーニングから生まれた。
「ファウンダー」は、資金を得て大きく活躍したいと願う起業家と、面白いビジネスを応援したい投資家を、相互にマッチングするためのサイトだ。
こうしたサイトは今までにあまり例がなく、私は起業家の立場から常々「こういうマッチングサイトがあればいいのにな」と考えていた。
著名な投資家は多忙だ。初対面の起業家が「ぜひ一度会って話を聞いてほしい」と願っても、現実にはなかなかアポイントが取れない。
一方、投資家側にしてみても、面白いビジネスのアイデアを抱える起業家を自力で見つけるのは、なかなか困難な作業だ。
素晴らしいアイデアを持っているのに、資金不足でスタートが切れずにいる起業家がいる。
そんな起業家と出会えればぜひ応援したいのに、見つけられずに残念に思う投資家がいる。
起業家と投資家がもっと楽にマッチングできたらいいのに。
そのためのプラットフォームがあれば便利なのに。
その発想から生まれたサービスこそが、「ファウンダー」なのだ。
ちなみにファウンダーが提供している「顧客価値」は、投資家にとっては応援したくなるような面白いビジネスや起業家に出会えること、と考えられる。
一方、起業家の側から見た「顧客価値」は、資金調達に結びつく出会いが得られること。さらに起業において最重要な存在であるメンターに出会えることと言える。
メンターとは、起業家に対して客観的なアドバイスを与えたり事業に出資して経済的に支援したりする人物のことだ。
会社における上司と異なるのは、指示を出すのではなくあくまでもアドバイスを与えること。ビジネスに悩みが生じたときに、成功して先を歩いているメンターからの助言は何にも替えがたいほどありがたく、心強い。
そのため、起業家にとってのメンターは自分以上に成功している起業家か、もしくは投資家であることが望ましい。
その意味でも、ファウンダーはスタートしたての起業家におすすめできる。
起業したての日常生活でメンターと呼べる人物に出会う確率はまだまだ少ない。ファウンダーならあなたのビジネスに興味を持ち、あなたをより良い方向へと導いてくれるメンターとも出会いやすいのだ。
さて、話を戻そう。
ユーザー視点を養うトレーニングとして大事なのは、普段から「こうだったらいいのにな」「こんなものがあれば便利だな」という自分の感覚を意識すること。
自分の運営するビジネスでも、それ以外でも、既存のビジネスや世の中の仕組みに対して「ここがこう変われば、もっと良くなる」という改善点を見つけることも、良い訓練になる。
これらはお金もかからず、今すぐ始められるトレーニングだ。起業家を志すあなたには、ぜひ今日から始めてほしい。
ここまで読んだあなたには、ビジネスにおけるユーザー視点の重要性から、具体的なユーザー視点のトレーニング法まで、知識がしっかり身についたはずだ。
こうした知識は、頭で理解することも大切だが、じつはそれだけでは足りない。知識を使って実際の利益を得るためには、やはり行動が不可欠だ。
だが、いざ行動を起こす段階になると、挫折して諦めてしまう人も多い。
- いざとなると、何から始めればいいのか分からない
- やることがいっぱいで、混乱している
- もう一歩、飛び込む勇気が出ない
こうした悩みが生じるケースも多いだろう。
そんなとき助けになってくれるのは、やはり先輩であるメンターという存在だ。
次の記事では、起業への道を実現させるための「メンターの必要性」と、その見つけ方についてご紹介していく。
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