銀行融資を受けるには?現実的な事業計画で審査を通すコツ
登録日:2018.10.8 | 最終更新日:2018.11.9
「資金調達のハードルが低い!公的融資制度で事業拡大」では、「開業資金を調達する7つの方法」に加え、政府系の金融機関(日本政策金融公庫)から融資を受ける方法をまとめた。
今回は資金調達方法の中で最もポピュラーと思われる「銀行融資」についてご紹介したい。
政府系機関と比べ、民間企業である銀行から融資を受けるには、より慎重かつ現実的な事業計画を練る必要がある。だが、メリットもやはり大きい。
銀行融資のポイントと、銀行の審査を通過しやすくする9つのコツを見ていこう。
銀行融資とは
銀行はお金を借りる場所として最も親しみ深い機関ではないだろうか。
経営者でなくても住宅ローンや車のローンなどの日常的なシチュエーションで、銀行からお金を借りるケースは多い。
銀行は、なにも慈善事業でお金をバラまいているわけではない。銀行には融資で利益を得る仕組みがちゃんとあるのだ。

銀行融資の仕組みを解説していこう。まず銀行は預金者からお金を預かる。銀行はそうやって集めたお金を資金として、それを別の人に貸し出す。
返してもらう時は時間に応じて利息をとる。お金を貸した相手から支払われる「利息」が、銀行側の儲けになる。
開業資金の融資でも同じだ。金額が大きくなるほど利息(儲け)も大きくなるため、まとまった金額を借入・返済してくれる事業主は、銀行にとって上客なのだ。
ただし、ここで重要になるのが「きちんと返済できるかどうか」だ。
もしも融資した企業が倒産したら、銀行は貸したお金を回収できない。そうなれば利息で儲けるどころか、「貸し倒れ」といって大損になる。
だから、金額が大きければ大きいほど、銀行は融資に対して慎重になる。銀行から融資を受けたいと思ったら、銀行側のそうした心理を把握しておくと成功率がぐんと上がる。
銀行融資を選んだ場合のメリット
銀行融資にはさまざまなメリットもある。代表的なメリットは次の4つだ。
- メリット1.低金利
- メリット2.今後の融資が有利になる
- メリット3.返済の手間が少ない
- メリット4.信頼感があり安心
それぞれ解説していこう。
メリット1.低金利
銀行融資はノンバンク等と比べると金利が圧倒的に低い。
その理由は銀行とノンバンク(クレジットカード会社、信販会社、消費者金融など)との業態の違いにあるのだが、これは一般には意外と認識されていない。
簡単にいうと、銀行とノンバンクの違いは預金者の有無だ。
銀行は預金者からお金を集めそれを元手にお金を貸す。だがノンバンクには預金者がいない。つまり預金もない。
ではノンバンクは、どこから資金を調達して運営しているのか? ズバリ、銀行に借りている。

ノンバンクの仕組みを簡単に言うと、銀行から借りたお金の上に更なる金利を乗せて他人に貸し、その差額で利益を得ている。そのため銀行よりも審査は緩いが、必然的に金利が高くなる。
個人向けのカードローンで金利を比べてみると、その差は顕著。
銀行系カードローンの金利は現在、年率15.0%以下であることが多い。一方ノンバンクが発行するカードローンの金利は、法律の上限に限りなく近いケースがほとんどだ。
このあたりは順をおってまた説明しよう。
とにかく、銀行融資は金融機関の中でもかなりの低金利。これは大きなメリットだ。
メリット2.今後の融資が有利になる
銀行融資はそれ自体が会社の実績になる。
金融機関が審査をする際「借りたお金をきちんと返済した」という事実は、確かな実績としてポジティブに評価される。
誰かにお金を貸すとき、1番気になるのは「きちんと返してもらえるのか」だろう。それは金融機関も同じだ。
銀行からの融資を計画どおりにきちんと返済していけば、それはプラスの信用情報として記録に残る。将来的にもっと事業拡大用の融資が必要になったとき、審査の通過がしやすくなるのだ。
ちなみに、信用情報に関する記録はほとんどの金融機関が共有している。プラスの情報は別の金融機関を利用する際にも有利に働く。
この効果を狙って、起業家の中にはとくに資金に困ってなくてもとりあえず借りておく人もいる。
メリット3.返済の手間が少ない
返済の手軽さは、融資を受ける機関をチョイスする際の重要な選択基準の1つだ。
大手銀行・都市銀行から融資を受ければ、返済方法が圧倒的に身近で楽な手段になる。
銀行融資の返済は、預金や振込と同じようにATMで行える。近所の銀行やコンビニで支払いができるのは、忙しい起業家にとって想像以上にありがたい。
法人口座を開設してそこから自動で引き落とすようにすれば、さらに楽だ。残高不足にさえ気をつければ、何もせずとも期日ごとにきちんと返済できる。
引き落としが同行内なら手数料がお得になることも多い。手数料は金額は小さくとも毎月必ずでていく固定費だ。けずるに越したことはない。
メリット4.信頼感があり安心
開業資金として借入するのは数百万円〜数千万円という大金だ。融資をする側だけでなく、受けるこちら側だって当然緊張するだろう。
返済している最中に何か疑問が生まれたとき、その金融機関は腹を割って話し合える相手だろうか?
万が一返済が難しくなったとき、相談しやすい相手だろうか?
法律の整備が行き届き、時代の流れも変わりつつあるため、テレビドラマでよく見るような「怖い取り立て」に関しては、今はほとんど見なくなっている。とはいえ、確実に無くなったと言い切れないのも事実だ。
その点、銀行や信用金庫はやはり安心感がある。
銀行側も、顧客から得た信頼とブランドイメージを損なわないよう必死で企業努力を重ねている。違法な取り立てを行わないことはもちろん、返済が難しくなった際にも相談しやすく適切な対応をしてくれる。
日々、奮闘している起業家にとってこの安心感は強い支えになる。
銀行融資を選んだ場合のデメリット
メリットを把握したところで、デメリットについてもきちんと検証していこう。
- デメリット1.審査が厳しい
- デメリット2.審査期間が長い
特徴的なデメリットはこの2つだ。
デメリット1.審査が厳しい
銀行融資の最大のデメリットは、融資を受ける際の審査が比較的厳しい点だ。
銀行と言ってもその本質は民間企業。できるだけ多くの利益を出し、損失は最小限に抑えたがる。
融資した企業がもしお金を返してくれなかったら、銀行にとって大損失だ。
貸し倒れを可能な限り予防するため、「この事業は本当に成長するのだろうか?」「この経営者はきちんと返済できるだろうか?」と、あらゆる角度から検証する。
この検証作業が「審査」と呼ばれるものだ。
正確な審査基準や方法は、ほとんど公開されていない。だが、1件の融資に対して何人もの人間が目を通し検討、可否を見極める作業が行われているのは確実だ。
審査に関わるのは1人や2人ではない。営業担当者、融資担当者、それぞれの上司、その上の次長、そのまた上の支店長……。
申し込んだのが得意先企業であればその担当者、業界動向に詳しい部内の人間、さらに支店では判断を保留して、本店の決裁を仰ぐケースも少なくはない。
これだけ多くの人間が、さまざまな視点から「この経営者は本当に返済できるのか?」と検証を行う。
事業計画があいまいだったり、経営者の印象が悪かったりと、何かしら信頼できない要素があれば融資を受けるのは難しくなる。
デメリット2.審査期間が長い
上記のとおり念入りな審査が行われるため、銀行融資の審査期間はおのずと長くなる。
最短でも1週間程度、長いとさらに数週間かかることもあるため注意が必要だ。
「今日か明日にでも、今すぐ資金が必要だ」という場合は、短期間で現金を手に入れられる別の方法(ファクタリングやビジネスローンなど)を検討する必要がある。
銀行融資を受ける手順
仕組みやメリット・デメリットといった要素を把握してもらえたと思う。
開業資金の調達手段として銀行融資が向いているか否かの判断が、しやすくなったのではないだろうか。
では、実際に「銀行融資を受けよう」と考えたときにはどんな行動を起こしたら良いのだろうか。
銀行融資を受ける手順をおおまかに区分すると、以下の5つのステップだ。
- アポイントをとる
- 面談する
- 審査を受ける
- 契約する(融資を受ける)
- 返済する
それぞれ解説をする。
1.アポイントをとる
まずは電話でアポイントをとろう。
いきなり窓口に押し掛けてはいけない。誰とも知れない訪問者が突然やってきて「お金を貸してください」と言っても、良くて相手にされず丁重にお断りされ、悪ければ警戒されて今後あなたの印象が悪くなる。
各銀行のホームページには融資専用の問合せ先が掲載されているはずだ。そこに電話して、丁寧に予約をとろう。
その際注意したいのが、説明の仕方だ。
アポイント電話の時点であなたの人となりについての審査が始まっていると考えた方が良い。
- 自分の氏名
- 自社の名前(あれば)
- 融資の目的(開業資金を調達したい旨)
- 担当者と面談したい旨
- 持参すべきものはあるか
- 準備すべき書類は何か
これらを簡潔に、また丁寧な言葉で、説明・質問できるよう心がけたい。
言いたいことを頭の中でまとめておくか、箇条書きにして手元に置いておくべきだ。またアポイント可能なスケジュールをすぐ確認できるように手帳を開いておこう。
当日持参すべきものや準備すべき書類についても、必ず確認しておきたい。
過不足ない状態で面談に臨むことができれば、心の余裕ができる。当日の会話もスムーズになるし、経営者として物事にきちんと対処できる能力を持っている、という印象も与えられる。
ちなみに提出を求められる書類は各銀行や申込みの内容により変わるが、次の2点はほぼ必ず含まれる。
(1)決算書類
法人の場合は、貸借対照表、損益計算書、科目別付属明細書、資金繰り表など。
個人事業主の場合は、確定申告書。いずれも直近3期分(+4ヶ月以上経過していれば今期分)を準備する。
(2)資金用途を明確にする書類
事業計画書は必須。これは新規開業でも既存事業の拡大の場合も、銀行側に重要視される書類だ。しっかり作り込んでいこう。
既存事業を拡大する場合は、資金繰り表も必須だ。返済計画が明確になる。他に、設備投資なら該当設備の受注書、見積書、請求書、売買契約書など。
これらの書類はどんな場合もほぼ間違いなく求められる。融資金額や融資目的を明確に説明するためにも、アポイントの電話をかける前にあらかじめ作成しておこう。
2.面談する
面談では事業計画書をもとに、融資の目的や金額を銀行側と擦り合わせる。
このときのポイントは、融資が事業に与えるプラスのインパクトについて明確に理解してもらうこと。そのためには、自分自身がそれを他人に説明できるくらい深く理解している必要がある。
また、返済が滞らないことについても確信を持ってもらえるように努めよう。予測できる利益や経費について具体的な数字を示し、無理のない返済計画であることを証明するのだ。
まずは融資担当者その人に、「この計画ならきちんと返してもらえそうだ」と確信を持ってもらわないことには、先へ進めない。
また、どんなに計画が素晴らしくても、あなた自身が不信感を抱かせる人物では意味がない。服装や立ち居振る舞いに注意を払い、実績はなくとも信頼に足る人物であるという印象をめざそう。
3.審査を受ける
面談が完了したら、審査に入る。
銀行融資の場合、審査には短くとも1週間はかかる。その間に、追加の質問への回答や資料の提出を求められる場合も多い。
これは担当者が上司や支店長、本店審査部などから決裁を得るために必要な情報を集めているのであって、ある意味良い兆候とも言える。
多忙な時期に細かいことまで突っ込まれると面倒に感じるかもしれないが、誠意を持って丁寧に対応しよう。
4.契約する(融資を受ける)
審査を無事通過したら、いよいよ契約手続きだ。
署名・捺印する前に、契約内容にきちんと目を通そう。銀行員も人間なので、ミスをすることもある。契約を結んでしまってから「ここは間違いだった」と言っても、後の祭りだ。
面倒がらず、恥ずかしがらず、その場できちんと全文読むこと。これは融資に限らず、契約書類に署名・捺印する際の鉄則だ。
書類に間違いがなければ、晴れて契約となる。あとは事業を成功させるように励み、返済計画に沿って返済するだけだ。
5.返済する
返済は、必ず期日までに行おう。遅延はたとえうっかりミスであっても信用情報に記録され、その後の信用を落としてしまう。
確実に期日を守って返済すること。これだけは徹底したい。
とくに口座からの自動引き落としにする場合、振替日にうっかり残高不足で引き落とせない、という事態が起きないように注意しよう。
信用保証協会を利用するか、しないか
開業まもない起業家には、実績が少ない。返済能力を客観的に判断しづらいため、銀行側から何らかの保証を求められる場合がある。そんなとき証人になってくれるのが、信用保証協会だ。
信用保証協会は、国が運営に携わる公的機関である。中小企業や小規模事業者が融資を受ける際、保証人になり、審査を通りやすくするサポートをしてくれる。
融資を受けた事業主が万一お金を返済できなくなった場合、信用保証協会が肩代わりして後を引き継ぐ。その保証を得ることで、銀行も安心して融資しやすくなるのだ。
信用保証協会に保証人になってもらうには、保証料としてお金を支払う必要がある。一見もったいなく感じるかもしれないが、それで融資が可能になりビジネスがうまく回るなら必要経費と考えるケースも多い。
通常、信用保証協会の名前が出るのは銀行の融資担当者との面談中か審査の最中のどちらかだ。融資金額に対して実績不足の場合など、信用を補強するために「信用保証協会を保証人にしませんか」という提案が出る。
了承したら、提出書類等は全て銀行側が作成してくれる。保証料を支払うだけで融資が可能になるなら、検討の価値がある。
ちなみに、信用保証協会を介さず銀行と融資を受ける事業者のみで成立する融資は「プロパー融資」と呼ばれている。
プロパー融資は保証料を支払う必要がないため有利ではあるが、それなりの信用と実績を積んでいないと難しいことを覚えておこう。
融資を申し込むか、向こうから言わせるか
銀行融資の申込みには、じつは2通りのルートがある。
1つ目は上述のとおり、アポイントをとって銀行に出向き窓口で相談するルート。
2つ目は、自社へ訪問してきた銀行の営業担当者に相談するルートだ。
当たり前だが、後者の方が融資の成功率は高い。こちらから「お金を貸してください」と言うよりも、銀行側に「お金を借りませんか?」と言わせた方が有利というわけだ。
銀行経営は、融資による利息収益で成り立っている。長期的に利息を支払ってくれる大口融資は(返済が滞りさえしなければ)銀行にとっても基本的に歓迎だ。
銀行の営業担当者は、日々街を走り回って「これは」という企業に飛び込み営業をかけたり、通い詰めて融資の機会を狙ったりしている。
あなたの事業が成功し、返済能力に問題がないことを実証できれば、あちらから「お金を借りませんか?」と提案してくるはずだ。
そのレベルに到達すれば、もう資金調達に頭を抱えることはなくなるだろう。このあたりは非常に重要な内容なので順をおって後で説明する。
銀行から融資を得るための9つのコツ
返済能力に問題がなく、ビジネスの発展が見込める場合は、銀行も積極的に融資を検討してくれる。
では、銀行から融資を得やすくするためには、どのような点に気をつけたら良いのだろうか?
実際に起業家として活動し、開業後約半年で営業利益1000万円を達成した私が経験から導き出した、とっておきのコツを9つ紹介しよう。
1.融資希望額を明確にする
融資希望額は具体的な数字で提示する必要がある。
勘違いしている人が多いが、銀行に向かって「できるだけたくさん借りたい」とか「いくらまでなら借りられますか?」などと言ってはいけない。絶対にNGだ。
そもそも、なぜ銀行からお金を借りるのか? ビジネスを成功させるために手持ちの資金では足りないからだ。
それなのに必要な資金を調達するために融資を申し込んでいるにも関わらずその金額が言えなくては、厳しい表現をすると「事業の見通しが立っていない」ということだ。この段階では、銀行側にとっては話にならない。
もしも知人に「今度新しいこと始めようと思ってさ。どれくらいの資金がかかるか分からないけど、とにかくお金が必要なんだ。だから貸して」と言われたら、「えっ、それって大丈夫なの?」と心配になるだろう。
「本当に返す気があるのか?」と不信感を抱く可能性すらある。それと同じことだ。融資を検討する余地もない。
自分がやろうとしていることにいくら資金が必要なのか、どうやってお金を返済していくのか。
事業計画書ともう一度向き合い、具体的な数字で把握しなおそう。
2.事前に審査に有利な必要書類を確保する
スタートアップで実績がない起業家の中でも、審査に通りやすい人がいる。
それは、必要な書類をしっかり準備できた人だ。
どんな書類が必要なのかは銀行や融資内容によって異なるが、次の2点の書類はほぼ確実に提出を求められる。あらかじめしっかり準備しておこう。
(1)決算書類
法人の場合は、貸借対照表、損益計算書、科目別付属明細書など。
個人事業主の場合は、確定申告書。
いずれも直近3期分(+4ヶ月以上経過していれば今期分)を準備する。
(2)資金用途を明確にする書類
事業計画書は必須。銀行側に重要視される書類なので、しっかり作り込んでいこう。
これに加え、返済計画を具体的にするための資金繰り表、設備投資目的なら関連書類(受注書、見積書、請求書、売買契約書など)を添えられるとベター。
とくに事業計画書は重要だ。銀行側が知りたい情報を網羅する必要がある。
- 資金が必要な理由(ポジティブな理由)
- 融資を受けることで起きるプラスの変化、インパクト
- 返済が滞らない理由(概要を記載し、詳細は資金繰り表を別添)
- 返済が経営を圧迫しない根拠
これらを明確に、かつ分かりやすく事業計画書としてまとめることで、銀行側に安心感と信頼感を与えることができる。
3.資金用途と返済財源を確保する
繰り返しになるが、お金を貸す側が最も気にするのは「ちゃんと返してもらえるのかどうか」という点だ。その不安を払拭するために、返済の財源を明確に設定しておこう。
また、「借りたお金をどう使うのか」という資金用途も明確化しよう。主に、銀行の営業担当者が上司や他の審査担当者に申請を上げる際、あいまいな理由が嫌われ明確な説明が好まれるためである。
資金用途は具体的に、数字を添えて説明しよう。融資のうちいくらを何に使って、どのような財源で返済を行うのか。計画に無理がないことをアピールするには、資金繰り表が分かりやすい。
まずは自分が接している担当者を不安にさせないよう、分かりやすく伝える工夫をしよう。
4.事業計画と連動した資金繰り表を作る
ここまでに「資金繰り表」という言葉が何度も出てきているが、具体的にどんな表なのか分からず不安になっている人もいるだろう。だが安心してほしい。イメージするほど難しい書類ではない。
資金繰り表とは、事業における「お小遣い帳」や「家計簿」のようなものだ。
収入欄と支出欄があり、入ってくるお金と出ていくお金を記録していく。事業にまつわるキャッシュフロー(お金の流れ)を可視化した表のことだ。
資金繰り表は、毎月作り続けることで収入と支出のバランスを見たり、現在手元にある資金を把握したりするのに役立つ。
必ずしも1円単位で記入する必要はない。1000円単位、1万円単位でざっくり書いてもかまわない。
大切なのは事業計画に沿った内容にすることだ。
たとえば、事業計画の上で仕入れや人件費が増えるならば、資金繰り表の上でも現金の入出金が増えることになる。ボーナスの時期にはそれだけ出金が増えるはずだ。
事業計画に沿った資金繰り表でなければ、将来の見通しとして役に立たず、意味がない。作成の際には充分気をつけたい。
自分一人で作成するのが難しければ税理士や会計士に相談するのがおすすめだ。
5.税金の支払いを適正に行う
納税状況は融資に大きく関係してくるので要注意だ。
銀行は「税金を支払っていない経営者」には決して融資しない。税金の滞納があるかぎり、開業のための銀行融資を受けることはほぼ不可能と言って良い。
納税状況が重視される理由は、大きく分けて2つある。
1つは「社会性の重視」という、銀行に課された命題だ。
銀行は民間企業ではあるが多くの国民からお金を預かる、半ば公的な立場にある。監督する国(政府)からも、また国民からも、常に模範となるべき社会性を求められている。
このため、銀行では反社会的勢力や必要悪と言われる企業(風俗店や違法な高利貸し等)に対して融資は行わない。
税金を滞納している経営者は社会性に欠ける事業者と判断され、銀行は融資しない。利益が出ているのに税金を支払わない企業はもってのほかだ。
2つめの理由は「国税徴収法」の仕組みにある。
国税徴収法とは、国が税金収入を確保するための法律だ。この法律により、税金には担保権よりも強い徴収力が発動される。
つまり、経営者が倒産して返済ができなくなった場合、銀行がいくら担保を預かっていても、強制的に未納分の税金支払いの方が優先されてしまうのだ。
これは法律なので銀行側にもどうしようもない。だから、税金を滞納している人間には銀行は絶対にお金を貸さない。
いずれにせよ、銀行融資を受けたいならば納税義務を履行することが絶対条件だ。
もちろん滞納しないことが一番だが、すでに滞納がある場合はノンバンクなど比較的借入しやすい金融機関から融資を受けてでも審査前にしっかり納税しておこう。
6.担保・保証人を用意する
最初に述べておきたいのは、担保や保証人の重要度は昔と比べかなり下がってきているということだ。
「担保さえあれば」「保証人さえいれば」お金を借りられた時代は、すでに過ぎ去っていると知っておいて頂きたい。
とはいえ、万が一返済が滞った際の保証があればあるほど、銀行としては安心できる。担保や保証人の存在はプラスにこそなれ、マイナス要素になることはないので、簡単にご紹介しておこう。

担保とは、返済が難しくなったときに備えて銀行に権利を保証する物品のこと。
土地や建物といった不動産、車や現金・有価証券といった動産まで、いざというとき換金できる価値のあるものが担保になり得る。
担保を用意するときは、できれば事業と直接関わりのないもの、なくなっても事業に影響が少ないものを選びたい。万が一返済が滞って担保を失ったとき、そのせいで事業が立ち行かなくなるのを防ぐためだ。
ちなみに、不動産や車などには価値変動があるため、現在の価値よりも評価額が少なく見積もられるので注意したい。
物品ではなく人を担保にする場合、これを「保証人」と呼ぶ。
融資を受けた本人がどうしても返済できなくなった場合、保証人が代わりに返済を行う。
保証人には「保証人」「連帯保証人」という2種類がある。返済義務の一部を肩代わりすれば良い保証人と異なり、連帯保証人はその全部を代わりに返済しなければならない。
連帯保証人は、債務者と全く同じ責任を負うということだ。これは融資を受ける際だけでなく、友人や家族の連帯保証人になる際にも必ず覚えておきたいポイントだ。
担保も保証人も用意できない場合は、信用保証協会という公的機関に保証を申し込むという手段もある。信用保証協会については、「銀行融資を受ける手順」の項にて前述したとおりだ。
最初に書いたとおり、今は担保や保証人の有無が融資の可否を大きく左右する時代ではなくなってきている。
とくに保証人については政府から金融機関に厳密なガイドラインが通達されており、「債務者(融資を受ける人)の個人の能力を超えた無理な取引はすべきでない」という原則が重視された内容となっている。
また、開業資金を融資する際、事業に関係のない第三者を保証人として求めるケースも非常に稀だ。
一昔前はいざ知らず、今は担保や保証人を確保するために駆けずり回るくらいなら、付き合いのある金融機関とのコミュニケーションを大切にした方がずっと有利に働く時代なのだ。
7.銀行に声をかけるのではなく、銀行に声をかけてもらう
自分から「お金を貸してください」と言う人間には警戒するのが銀行だ。
お金を借りたがるということは、今現在お金に困っているということ。「本当に回収できるのだろうか?」という不安がよぎるのは、ある意味自然なことだ。
反対に、儲かっている企業には、銀行は積極的に営業をかけてなんとか融資しようとする。これは貸し倒れのリスクがほぼゼロに近く、銀行にとって安心できる取引相手であるためだ。
融資を受けるのに最も良いのは、銀行側に「融資させてください」と声をかけてもらうこと。では、そうなるためには何をしたら良いのだろうか。
そのために気を付けたい3つの方法も、コツとして伝えておきたい。
1.周囲に紹介してもらう
知り合いの経営者や税理士に、銀行を紹介してもらうのが良い。
銀行にとって優良顧客からの紹介された企業は、新たな取引先候補としてリストに入りやすい。銀行の営業担当者も利益を出さねばならないため、身元のしっかりした相手に対しては積極的に融資を行う可能性が高い。
2.法人積立を行う
融資を受けたい銀行に法人口座を開設しよう。口座に記録されるお金の流れが、そっくりそのままあなたの事業の信用となる。
個人の場合も、自行内に給与口座を持っているサラリーマンは銀行融資を受けやすい。定期的にお金が入ってくることを証明できるため、返済計画に説得力が増すのだ。
3.良好なコミュニケーションをする
法人口座を開設して入出金を重ねると、いずれその銀行の営業担当者が会社にやって来る。
名刺交換の後、雑談も兼ねてさまざまな質問をされるだろう。業界の動向、事業の詳しい内容、社員の人数、事業のビジョンまで、興味を持って知りたがるはずだ。
これは、あなたの会社に融資が可能かどうか、信頼できる企業かどうかを掴むための会話だ。通ってくれる営業担当者とは、できるだけ良好なコミュニケーションをしよう。
これらの行動で信頼を築けば、銀行側から融資を持ちかける可能性がぐんと高まる。
8.政府系金融機関を活用する
民間の銀行からどうしても融資が引き出せないときは、政府系金融機関からの融資に切り替えよう。銀行融資の金額を下げ、政府系機関と併用しても良い。
政府系金融機関の代表格は、日本政策金融公庫だ。
政府系金融機関のメリットは、審査が通りやすい点だ。そもそもが公共事業の一環であるため、お金を儲けること以上に事業者のサポートを重視してくれる。
民間の銀行に比べると少額の融資になることも多いが、きちんと返済すればそれ自体が実績になり将来的に銀行融資も受けやすくなる。
9.自分の信用調査をしっかり理解する
金融機関が審査の際に参照するのは、専門の情報機関が集めた「信用情報」だ。主な機関は、次の4つ。
| JICC | 申込者(主に個人)が他の金融機関で借入している金額・返済状況などが分かる |
| BL | 申込者(法人)が他の金融機関で借入している金額・返済状況・借入方法・担保の状況などが分かる |
| CIC | 個品割賦販売やクレジットカードの利用状況(既存のカードの限度額・利用状況・返済状況など)が分かる |
| KSC | 他の銀行で借入している金額・返済状況などが分かる |
4つの機関の情報は、優良なホワイト情報と延滞・回収不能等のブラック情報に分けられ、ブラック情報に関してはほぼ全ての金融機関に共有される。これがいわゆる「ブラックリスト」だ。
開業資金の融資の際には、ビジネスそのものだけでなく、あなた自身の信用情報も重視されやすい。そのことも頭に入れておこう。
銀行融資を受けるにはコツがある。
魅力的なビジネスプランがある場合にはコツを守れば1000万円の融資を受けるのも決して夢ではない。
この記事で話したコツを活用して、ぜひ理想の融資を勝ちとってもらいたい。
だが、スタートアップの場合はまだ銀行との繋がりもなく、信用や実績が不足していて審査を通らないケースもあるだろう。
そんなときには思いきって視点を変え、融資ではなく「出資」してくれる人を探す選択肢もある。
次の記事ではシリコンバレーのベンチャーや日本の起業家にとってはすでにメジャーな手段となっている、「個人投資家からの出資」を得るコツについて詳しく紹介したい。
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