起業は予想外の一言から。スポーツ×漫画で世界中の人が喜ぶ「ONE」を創っていく株式会社マウントゼロ 代表取締役社長 丸山龍也様
公開日:2019/7/31 | 最終更新日:2021/4/9
株式会社マウントゼロ 代表取締役社長 丸山龍也様に、起業ストーリーをお伺いしました。
プロサッカー選手を引退後、人との出会いやさまざまな出来事をきっかけに起業をした丸山様へ、Jリーグとライセンス契約を結んで制作している、各チームのマスコットが活躍する漫画「キング・オブ・エンブレム」の企画の経緯や、起業後1年となる現在の心境について、お話しいただきました。
起業に至るまでの経緯を教えてください。
起業のきっかけとなるアイデアは、たわいのない会話から生まれました。
私は25歳までサッカー選手として活動していました。海外でプロとして契約していたこともあります。引退後1年くらいは、イベント出演やコーチ、記事の執筆など、サッカー関連の仕事をフリーでやっていました。当時は組織に属さず、縛られずに生活していければいいと気楽な感じで過ごしていましたね。
そんな中、「佐々木ディエゴ剛実」と出会います。彼は学校で漫画研究会の会長を務めていたほどの漫画好きで、スポーツと漫画という組み合わせで何かビジネスをやろうという話で盛り上がっていたところ、周りにいた先輩方からも「面白そうだ」「応援するからやってみろ」と後押しをもらいました。
その時点では、「ディエゴが立ち上げる会社で社員として一緒に働く」という認識でいたのですが、「共同代表でやってみたら」という提案があって。正直なところ、「唖然」でした。覚悟の前に予想もしない展開だったので。
「起業」「会社設立」「経営者」が突然目の前に訪れたのですね…
そうですね。楽しく生きれればいい…くらいの感覚で過ごしていたわたしが、突然社長と言われても不安しか感じる事ができなかった。
ただ、色々話していくうちに、ディエゴの漫画とわたしのサッカーを掛け合わせた事業の構想が膨らんでいきました。
現役時代に海外で、「日本人がつくる漫画は、世界中から愛される魅力がある」と感じる出来事が多くありました。例えば、サッカーを教えてくれる人がブラジル人だったら嬉しいように、「アニメや漫画=日本」のイメージは、どこへいっても共通なので、「本場の人」が生み出す商品やサービスには、それだけで価値があります。
日本の漫画は世界一です。世界の人びとは、「誰かに漫画やアニメを描いてもらうなら日本人がいい」と思っているに違いありません。
サッカーに限らずスポーツの人気は言わずもがなでしょう。世界中の誰もが好きなもの同士を掛け合わせることで、最高のコンテンツをつくりたい。そのような想いから、ストーリーのアイデアが浮かんでいきました。
そんな話をしていくうちに2人でやった方がいいなと思えてきて。そして2018年の8月に会社を登記して起業をしました。
起業してから大変だったことは何ですか?
全てが大変だった…が率直な思いです。
創業時のメンバーは5 人全員が、マンガの企画制作や出版は初めての経験。なので「書くのは漫画家さんだから、時間に余裕があるのでは。」くらいに思っていましたが、現実は全然違いました。
予定どおりに制作が進むことはほぼなく、「キング・オブ・エンブレム」のVol.1は、締め切りオーバーを重ね、最後の2週間はメンバー全員で何回徹夜をしたのか数えきれないくらいです。特にコミュニケーションの調整の部分は、トラブルの度に苦慮しましたね。
どのような点で苦慮されたのでしょうか
漫画家さんなど、外部とのコミュニケーションも苦労はしましたが、制作がスムーズに進まない事で、自社のメンバー間で衝突する場面も多く、殺伐とした雰囲気になっていました。
全ての問題の根源が「コミュニケーション」だったのだと思います。それに耐えきれずに抜けるメンバーが増えていって、実はわたしも逃げてしまおうと思った事があるんですよね。
辞めようと思った中で、なぜ続けられたのですか?
全ての問題は「自分の責任」だと認識したことです。
問題が起きると、心の片隅に「自分は関係ない」と思っている部分がありました。
でも、従業員の仕事も、事業の結果も、全て代表の自分にリスクとして返ってくるんですよね。「やるしかない」って最初から思ってはいたんですけど、どこか他人任せになっていて、主体性に欠けていた。それって全て自己責任なのだと認識した瞬間、少し気持ちも晴れましたね。
実は、共同代表だったディエゴが2019年7月末で代表を退任しました。
「追い出したのでは?」と言われる事もありますが、決してそのようなことはなくて、めちゃくちゃ話し合いをして、彼自身が方向性や適性を考えた上で決断した結果です。
改めて前を向いてやっていこうと腹をくくれた出来事でもありましたね。
心機一転、第二章のスタートですね。そんな株式会社マウントゼロの事業内容について教えてください。
株式会社マウントゼロではJリーグオフィシャルライセンスを取得し、各チームのマスコットが活躍する「キング・オブ・エンブレム」等、オリジナル漫画の企画制作・出版を行っています。
キング・オブ・エンブレムは、主人公と共にJリーグのチームマスコットが登場し物語が展開されていくオリジナルストーリーの漫画です。
大きなミッションとしては、世界中の人びとが喜んでくれる漫画をつくること。
各地でさまざまな漫画をつくり、ひとつにつなげる。株式会社マウントゼロでは、このような作品を「ONE」と呼んでいます。
例えば、「主人公が好きになる女の子が、別の漫画作品でヒロインとして登場する」みたいに、作品間のストーリー展開に関連性を持たせる。お互いの作品が、それぞれの伏線になっているのです。この「ONE」は社名の由来のひとつでもあります。
「キング・オブ・エンブレム」の作画依頼は、登場するチームの地元出身の作家さんにしています。理由は、地元のファンに喜んでもらうには、地域のことをよく知り表現できる人にお願いするのが1番だと考えているからです。地元の人が喜び熱中してくれる、リアルなスポーツ漫画をつくること。これが、ミッションであり、これからの展望でもありますね。
キング・オブ・エンブレムで、各チームのマスコットを起用している理由をお聞かせください。
各チームのマスコットは非常に愛されていてファンが多いんですよね。
わたし自身、とあるスポーツチームのマスコットの中の人を少しやっていた経験があります。
マスコットは移籍も引退もケガもない事もあって、人気とキャラに対する愛着度がとても高いんですよ。
それを身をもって体感した経験があるので、マスコットの漫画が作れたらいいよねというのを創業直後から想っていました。この企画にJリーグ側も共感してくれて、ライセンスを取得して出版に至ったかたちです。
マスコット達は、普段からパフォーマンスをしたりTwitterでつぶやいたりはしますが、基本的にはしゃべりません。それがストーリーの中でさまざまな表情を見せるということについて、「面白い」という嬉しい反応をもらっています。
今後の展開について教えてください。
今後は出版に限らず、さまざまな事業を支柱にしながら、世界中に漫画をつくっていきたいと思っています。
直近では、2019年8月にスポーツバー「FLAGONE(フラゴン)」をオープンします。店名の由来は、サッカーの応援などで使われるFLAG(旗)と、われわれが大切にしている概念「ONE」を組み合わせたものです。ドンくさい怪獣のような名前ですが(笑)親しんでもらえると嬉しいです。
スポーツ観戦の場や交流の場、ゆくゆくはサッカー関連のイベントなどもやっていこうと考えています。
「起業してよかった」と思うことはありますか?
自分が理想としている状態に限りなく近づいていけることです。
起業をすると、生活リズムから最終的に生み出すプロダクトまで、やりたいことの枠を自分で広げることができます。自分自身に決定権がある。理想とするライフスタイルや仕事にどこまでも近づいていけるのが、起業の魅力だと考えています。
これから起業をする方にメッセージをお願いします。
時間という資産をフルに活用して欲しいです。
わたしはサッカーしかやってこなかったので、特殊なスキルやビジネスの経験は皆無でした。
唯一あるものは、若い事と若さからくる体力。
ブラック的な考えかもしれませんが、まだ先が長い人生の時間をフルに活用する事は大切だと思って、いろいろな事に消耗しつつも、結果として1年続いているということは、自信につながっています。
資金は手段を選んで集める事はできますが、自分の時間は有限です。その点を考えて行動してみたらよいのではないかと思いますね。
■株式会社マウントゼロ
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