起業しない方がリスクだった。ご近所助け合いアプリ「エニタイムズ」で幸せの尺度を持った社会の実現のためにシェアリングエコノミーの仕組みを広げていく 株式会社エニタイムズ 代表取締役CEO 角田千佳様
公開日:2018/7/3 | 最終更新日:2019/4/30
女性起業家にお話を伺い、その体験を元に女性が起業するための役立つ情報をお届けする新企画
第1弾の今回は、〝豊富な幸せの尺度を持った社会の実現〟をビジョンに掲げ、新しい形のご近所マッチングサービス「エニタイムズ」を展開する株式会社エニタイムズの代表取締役 角田千佳様に、起業の背景やノウハウなどを、女性ならではの視点でお話しいただきました。
—まずは角田様の自己紹介をお願いします。

株式会社エニタイムズ代表取締役 角田千佳と申します。
私は幼少の頃から本、とくに伝記が好きで、小学校低学年の時の愛読書はガリレオガリレイ。影響されて当時は天文学者を目指していたほどです。
その後もさまざまな本を読んでいたのですが、なかでも衝撃を受けたのが、日本人初の国連難民高等弁務官である緒方貞子さんの著書でした。私たちは日本で衣食住、何不自由のない生活を送っているのに、世界に目を向けると今この瞬間にも戦争が起きていて、難民問題も深刻であることに衝撃を受けました。
そこで彼らの一助になりたいと思い国際公務員を志すようになりました。大学で実家の東京を離れるのは禁じられていたため、それに近しい地域研究や政治経済、社会学を幅広く学べる慶應義塾大学法学部政治学科に縁あって入学しました。その後、新卒で野村証券に入社し、株・債券・投資信託等の営業を担当した後にサイバーエージェントの子会社でPRプランニング業務に従事。2013年に株式会社エニタイムズを創業して、今に至ります。
—国際公務員と起業家。接点は少ないように思いますが、エニタイムズを創業した経緯ときっかけとは?
新卒で入社した野村証券はリクルーターの方のお誘いで入社したのですが、入社の決め手は3つ。幅広くさまざまな業界を見ることができる、業界ナンバーワン、経済を学べる、ということでした。国際公務員には経済の知見も必要ですし、ゆくゆくは途上国のプロジェクトファイナンスにも携われる、とのお話もありましたので。でも実際は、日本企業の、幸せとは程遠い働き方や超高齢化社会等の社会課題を目の当たりにすることになりました。もちろん、ビジネスや金融について学べたことに感謝しています。
そんな時に、学生時代インターンシップをさせて頂いていたサイバーエージェントの元上司からお誘いを受けて、PRプランニングの仕事に。始動したばかりの企業でしたので、0から1、1から10と創造できることにやりがい、充足感を得る事が出来た上、沢山の失敗をしながらも刺激と勉強となる経験の毎日でした。そこで、世界に目を向ける前にまず、身近なところからビジネスで社会問題を解決することが出来るのでは、と考えるようになりました。そこで、新しい働き方や多様な働く選択肢を提案すべく、エニタイムズを創業したのです。
—エニタイムズのサービスについて紹介をお願いします。

エニタイムズは、家事代行やペットのお世話、家具の組み立てなど、日常のちょっとした「困った」ことについて、サービスを受けたい人、サービスを販売したい人(サポーター)をつなぐマッチングサービスです。
既存のサービスだけではなく、サービスを受けたい人はリクエストもできます。例えば、高齢者の方が病院に連れていってほしい、と思っても、それがボランティアの方にお願いするとしたら「申し訳ない」という思いが先に立って気が引けてしまいがち。でもエニタイムズでは、サポーターに報酬を支払うためそんな思いも軽減され、お互いwin-winとなるわけです。
現在ユーザー数は約5万人、その3分の1は口コミ、3分の2はメディアを通じて会員になってくださっています。年齢層は20代から60代までと幅広く利用いただいています。
—ほかのマッチングサイトとエニタイムズが異なる点は何でしょうか?

サイト上の「カテゴリーから探す」を見ても分かりますが、サービスジャンルが多岐にわたる点です。
掃除などの家事代行からペットの散歩、恋愛相談まで、なかには「お花見の場所取り」なんてユニークなサービスも。また、「地域から探す」こともできるので、ご近所さんにサービスをお願いできることができて、地域交流にもつながります。得意分野を眠らせている立場の方でもエニタイムズを利用することで改めてその道のプロになり、ご自身で起業なさったケースもあります。そうした点で、起業の一助にもなっています。
—起業にあたって、不安や懸念点はありませんでしたか?

それが全くありませんでした。
〝豊富な幸せの尺度を持った社会の実現〟のためには、むしろ私にとっては起業しない方がリスクだと考えました。失敗したらまたチャレンジする、そんな考え方でしたね。あるとすれば「このアイデアを口に出してしまったら、誰かに真似されてしまう」と、誰にも相談しなかった点くらいでしょうか。ただ当時の上司に起業の話をするため事業計画書を見せたところ、「アイデアに価値はない、誰も真似しないからやってみたらいいじゃないか」と背中を押してくださり、それから懸念はなくなりました。確かに、まずやってみなければ良いアイデアだとしても意味がありませんし、真似されたら真似されたでこういう仕組みが広がるのは良いことですから。
—起業されてから苦労された点はありますか?
まず、自分のシステム開発への知識のなさ。起業当時に開発のアウトソーシングを募る際に海外のクラウドワークスを利用したのですが、「デザイナー」という肩書きでも、それがwebデザイナーなのか紙のデザイナーなのかもすらも判断できない状況。「プログラマー」に至っては、どんな仕事をする方なのかも分かっていなかったほどです。分からないことがあると、その都度Google検索に頼りました。
そのような状態でスタートしたので、最初の2年間は試行錯誤。それでなくてもまだ世間的には認知度が低い仕組みだったため、プレスリリースには「生活密着型クラウドワークス」と記載しましたが、なかなか理解を得られませんでした。
また、当時はシステムトラブルが多く、改善不可能なところまでいってしまっていたので、3年目には0からプロダクトを作り直す決定もしました。
やはり事前準備と知識は必要だったと痛感しましたが、一方で、少なからずこういった仕組みの需要はあるという証明もされてきていたので、失敗したらまた挑戦する、という精神で挫折はしませんでした。
—起業後の資金調達はどのようにされたのですか。

まず、起業してから1年後に、この分野に興味を持っていたDeNAさんインキュベイトファンドさんより投資いただきました。また、2015年5月には、グリーさん、DeNAさん(追加投資)、個人投資家さんより総額2億3000万円の第三者割当増資を実施しました。
そのほとんどが、既存の株主や知人の紹介によるものです。そうした人のつながりの重要さを痛感しています。社会課題を解決し、事業としての結果も出していく、というプレッシャーは常にあります。
—女性起業家として、女性ならではの苦悩や葛藤はありませんでしたか。

女性、という響きに常に葛藤がありました。「女性起業家」と紹介された時に、「『女性』は外してほしい」とお願いしていたくらいです。
特に起業当時は男性として生きたい、なめられたくない、そんな気持ちが強くて、あえて男性らしい言葉使いを意図的にしていたこともありました。
今だからこそそんな無駄な努力は不要だった、と振り返ることができますが、当時は必死でした。今の私が当時の私にアドバイスするとしたら、それも「女性」に対する固定観念だ、と伝えたいです。
—角田さんが「Founder」を使うとしたら、どのように活用されますか?
ビジネスの拡大はもちろん、世の中でどのような事業が出てきているのか、どのようなことを求められる投資家がいるのか。参考にしたいと思います。「Founder」はそのような情報も入手できる貴重な情報源だと考えています。
—今後の展開はどうお考えですか?
エニタイムズの事業だけでなく、個人の遊休資産を有効活用する「シェアリングエコノミー」業界をもっと盛り上げていきたいと考えています。競合他社ともまずは手を組んで助け合って築き上げる。それにより潜在的な需要を顕在化させ、シェアリングエコノミーという仕組みの認知度を広げ、〝豊富な幸せの尺度を持った社会の実現〟を目指していきたいと思います。
—最後に、これから起業家を目指す女性にメッセージをお願いします。

起業といっても、エクイティファイナンスをして短期で大きな成長を目指す会社であったり、フリーランスのような形であったり、家族経営だったり、多様な選択肢があります。視野を狭めることなく、固定観念にとらわれず、自分のやり方に合った方法を検討してほしいと思います。そして、失敗したら、それを良い経験にして、またチャレンジすることが大事なのかなと思っています。
インタビューへの御対応ありがとうございました
ANYTIMES (エニタイムズ) は「お困りごと」を解決するご近所サポーターと出会えるマッチングアプリです。
「操作が出来るか心配」という方は、アプリをダウンロード後に「無料デモ」で体験が可能です。カスタマーサービスの手厚いフォローも有るので、まずお試ししてみては如何でしょうか。
株式会社エニタイムズ


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