安定志向から線路に乗って起業家に。ネガティブな感情をプラスに転じて成長速度を増していく 株式会社インサイトコア 代表取締役会長 島田大介様
公開日:2019/9/13 | 最終更新日:2019/9/13
株式会社インサイトコア 代表取締役会長 島田大介様に起業ストーリーをうかがいました。
総合商社、VCでキャリアを積み、2003年にインサイトコアの前身、株式会社エンターモーションを創立します。商社に入社した頃、保守的で安定を望んでいた島田様が起業を志したきっかけとは。また、起業後に訪れた逆境を乗り越えたことで身に付いた思考についてもお話しいただいています。
まずは起業された経緯をお聞かせください。
私の起業はちょっと変わっていて、「線路に乗っかった起業」という感じです。
新卒で入社した会社の経営危機、所属部署の分社化と売却、転籍、出向など、目の前に起きた出来事を懸命にこなした結果、ベンチャー企業を創業していました。
元々は非常に保守的な思考で、起業には全く興味がなかったんですよね(笑)。
大学時代も、サークル、バイト、飲み会、合間に授業の繰り返しみたいな感じで、決して褒められたものではない大学生活を送り、「海外での事業展開かっこいい!」「大きくて安定していそうだ!」という理由で、日商岩井(現 双日)に新卒で入社しました。
「終身雇用で一生勤めあげるぞ!」と思っていましたが、入社3年目の時に会社が経営危機に直面し、所属していた部署が分社化され売却されることになりました。
ドナドナですよね(笑)。
分社化した会社の事業内容はベンチャーキャピタル事業で、ベンチャー企業に出資をする事が仕事でした。そこで最初に出資をさせていただいた会社が「ネットエイジ」でした。
当時、BitValleyという「渋谷を中心にベンチャー企業を盛り上げていくぞ!」というムーブメントが起こっていて、そのBit Valleyの中心的な会社が「会社を創る会社 ネットエイジ」でした。そんなネットエイジに出資をした関係で、「島田行ってきて。」といわれ、出向することになります。
「安定・保守的」がキーワードのはずが、ベンチャーへ出向…。
辞令が出た時は正直複雑な気持ちでしたが、出向してベンチャースピリッツに触れた瞬間、自分の中に熱い化学反応が起きたことを今でも明確に覚えています。
胸をえぐられる様な強烈な感覚でしたね。保守的だった自分の人生観や価値観が、一瞬にして180度変わったんです。
情熱バキバキのメンバーが、少人数で世界を変えようと本気で思っているんですよね。「これはヤバイ!楽しすぎる!」って思いました。圧倒的なスピード感があって、熱い魂をもった集団がそこにありました。
なにがきっかけで、人生が変わるのか本当に分かりません。少なくともネットエイジに出向するまでは自分の意志ではないですからね。
出向が起業を志すきっかけだったのですね。
そうですね。でも実際に起業をしたのはもう少し後で、プロモーションズに出向して役員を経験した後です。
とにかくネットエイジでインスパイアされていたので、能力はあまりなかったですが、熱い魂で必死に仕事に向き合っていたら、26歳で買収した会社の役員に抜擢されました。
自身のスペックと求められるものの乖離が大き過ぎて死にそうになりましたが(笑)、絶対に負けんぞ!と食らいついていましたね。振り返るとあの時にかなり成長できたのではと思います。本当にありがたかったです。
当時、PCの懸賞サイトの事業をやっていたのですが、「今後、絶対にモバイルの世界になっていく。今からモバイルに全リソースを投下するべき。」と思いましたが叶わず。
いろいろな違和感を感じていた頃に、日商岩井の同期と焼き鳥屋で構想を練ったものが、後の「エンターモーション」となります。溜池山王で月6万円の四畳半のオフィスを借りてスタートしました。
起業後に大変だった事はありますか。
社員に裏切られたり、3000万円の売掛金が飛んだり、会社運営で想定されるマイナスは殆ど経験したんじゃないですかね(笑)。今となっては笑えますが、当時はめちゃくちゃ大変でした。
資金に余裕がなかった時に、「こんなプロダクトを開発してくれたら、絶対売ってお返しをするので開発してもらえませんか。営業権折半で利益を半分返します。」とタダ同然で開発をお願いしたこともあります。
先方にとっては完全に先行投資でしたが、我々のアイデアを現物出資のような形で開発をしてくださったおかげで事業が成長しました。
それこそ必死に販売しましたね。キャッシュがなくても、やれる選択肢や戦術があるのだと思った出来事でもありました。
逆境はどのように乗り越えていったのでしょうか。
ネガティブなマイナスパワーをプラスに転じたら、人生変わります。
会社員だった頃、ある取引先の責任者に、理不尽な理由でコテンパンに怒られた事がありました。怒りと心が折れた状態になってしまって、内心穏やかではなかったのですが、次の予定で重要なプレゼンがあったんですよね。
「この心持ちでプレゼンに臨んだら、絶対に失敗する。」と感じたその時に、「島田を怒って損をした…と思われるぐらい、大きな成功をしてやる。」って思ったんです。
マイナスのパワーって大きな熱量があるんですよね。
ネガティブを考え方次第でプラスのエネルギーに変える事が出来れば大きな力になるんだって思いました。
これがきっかけで、どんなにマイナスなことがあっても常に笑っていよう、撥ね退けられるくらいのプラスのエネルギーに変えていこう!と考えるようになりました。
この様な気付きを与えてくれた全ての方、特に取引先の責任者には心の底から感謝してます。理不尽に怒ってくれて有難うございます!と(笑)。
そして、私はつらい状況の時、「これはバーチャルリアリティーだ。」みたいに第三者的視点を持って俯瞰していますね。今の自分はゲームの中の主人公で、本当の自分はコントローラーをもってゲームをプレイしているイメージです。意外と落ち着いて対応できますよ。
2017年「第2創業」と位置付けた大きな動きがありましたが、どのような背景があったのでしょうか。
それまで行っていた店舗企業向けの事業を、大企業だけではなく、中小レイヤーのお客さまへもすそ野を広げていかないとミッションは達成できないと感じていました。
当時の弊社は、店舗企業向けに受託開発をやっていて、売上も利益も大きく成長していましたが、受託開発は費用感も大きく、比較的大規模な企業向けになってしまうため、2014年から低コストで多くの店舗企業に導入していただける”SaaS型”にピボットする判断をしました。
10年以上店舗企業に対してシステム開発と運用リソースの提供を行い、業界の文化や考え方、そして、経験に基づくノウハウも蓄積していたので、「絶対に受け入れられるはずだ」という強い信念をもっての決意でした。
受託のお客さまには、より安価な新しいソリューションへの乗せ替えをご提案し、SaaSプラットフォームの開発にリソースの100%を集中する方向へ転換していって、その成果が出始めたタイミングで、私は中長期的な戦略や事業提携、資本提携の担当を行い、現場はインサイトコアの立ち上げ時からの責任者、現共同代表の竹村へ任せる体制に移行する判断をしました。
彼はうちの新卒第一号なんですよ。
私も役員を経験したことで成長できました。人的ネットワークも広がるし、入ってくる情報量も格段に増えます。そういう役割が二人いたら、より経営基盤も強固になるなと。
このような経緯もあって、サービスモデル、社名、経営体制も新たに、「第二創業」としました。
株式会社インサイトコアの企業紹介と、事業内容についてお聞かせください。
Insight Core(インサイトコア)-店舗企業に「サブスク(月額定額制)」による来店頻度の増加をコミット
デジタルテクノロジーを使って店舗企業のマーケティングを変革することで、「食」を中心とした店舗での消費行動に変革を起こすという想いから、集客向けアプリ「Insight Core(インサイトコア)」を提供しています。
特に力を入れている外食企業の売上は、来店頻度と平均購買単価の掛け算によって成り立ちます。
インサイトコアでは、居酒屋で「月額4,000円で毎日飲み放題」やラーメン屋で「月額300円で毎日ラーメンのトッピングが無料」等のサブスク(月額定額制)をアプリやWebで簡単に展開できるソリューションを提供しています。
インサイトコアは店舗の利益にコミットする為に、
・利益を最大化するサブスク内容(特典内容と月額課金額)のご提案
・定期券のPDCAを回す為に必要な定期券に加入したユーザーの平均残存期間からLTV(生涯価値)算出や登録月毎の解約率のコホート分析がリアルタイムに把握できるダッシュボード
・Twitter等のSNSの運用代行等サブスクを成功に導くあらゆるサービス
などの提供をしています。
また、課金ユーザーを獲得する為には、「テーブルステッカー、卓上POP、ポスター掲載やのぼり」などの店内メディアの開発も必要です。店舗収益の最大化にはデジタルだけでは完結しません。なので、インサイトコアは「半分IT半分アナログ」で店舗企業の利益にコミットしています。
デジタルでサブスクを簡単に提供出来るプラットフォームを提供し、外食企業を中心とした店舗企業のデジタルマーケティングを変革し、利益にコミットする。
これがインサイトコアの事業と目指すべき方向性です。
今後の展望をお聞かせください
アプリやWEBに限らず、サブスクリプションを活用したシステムやサポートをできる会社になっていきます。
サブスクをもっと気軽に導入いただけるよう、2019年10月に、既に導入済のアプリやWebサイトに”サブスク機能のみを追加できるサービス”と定期券メディア「PASEE(パシー)」をリリースします。
今後も店舗のサブスク展開を成功に導くプラットフォーム開発に集中し、全てのリソースをこの分野に投入して行きます。
様々な店舗のお得定期券が見つかるサブスクメディア PASEE(パシー)
最後に、起業を志す方へのメッセージをお願いします。
困難が立ちはだかったとしても、前のめりでファイティングポーズをとって立ち続けていれば、必ずチャンスが訪れます。
起業のよさは、自分たちが「これだ」と本気で思えることに対して、全力で向かえる幸せがあることです。人生の中で、仕事はある程度大きな比重を占めると思うんですよね。それが楽しめるって最高じゃないですか。
起業をすると事業領域、戦略、一緒に戦う仲間を、全部自分達で選んで突き進める。
本当に大変ですが、最高に楽しいですよ。ヒリヒリする事も多いですが、仲間と荒波を乗り越えていくときに味わえる、興奮とか感動は半端ないです。常に文化祭の前日のような状態が続くわけです。
失敗しても、必ず人生のプラスになると思います。人生の取り返しがつかなくなるようなリスクってないと思うんですよね。少なくとも命を奪われる事は無い(笑)。
私もまだ道半ば。これからも困難の壁が出現すると思いますが、大変なことを大変と思わずに楽しみながら絶対にやり切ります!共に笑顔で人生楽しみましょう。
■株式会社インサイトコア
コーポレートサイト
サービスサイト
Insight Core(インサイトコア)-「店舗集客」を実現するアプリCRM
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