私にしかできない世の中に役立つことを形に。女性の起業や働き方の選択肢を増やす技術を広めてサポートしていく 株式会社凛 代表取締役 柳田亜沙美様
公開日:2019/9/2 | 最終更新日:2019/9/2
株式会社凛 代表取締役 柳田亜沙美様に、起業経緯やエピソードをおうかがいました。
ご自身の経験から、女性の働き方をひろげるためにも、「プログラミング」が今後重要だと感じ、女性向けのプログラミングスクール「GeekGirlLabo(ギークガールラボ)」の運営を開始します。プログラマーとしてサービスを開始した経緯や、組織にリモートワークを積極的に導入している柳田様へ、採用時の課題や企業側が注意すべき点についてもお話しいただきました。
起業のきっかけと経緯をお聞かせください。
会社員としてプログラマーをしていましたが、友人がIT会社を創業して、開発者が欲しいということでお誘いを受けたのが起業のきっかけです。
すぐに法人設立はしましたが、従業員は採用せずに開発の仕事やWEB制作を請け負って、同じように独立している仲間と共に仕事をしていたので、フリーランスに近い形態ではありました。法人として組織らしくなったのは、2016年に初めて社員を採用したあたりなのかもしれません。
柳田様はなぜプログラマーを志したのでしょうか?
きっかけは、新卒で入社した会社で事務職についたことでした。
この時、プログラミングの知識は全く無い状態でしたが、4枚複写の伝票を書いたり、月末に支払先ごとの総計を電卓で計算したりする作業がとても無駄に思えてしまって…。どうにかして簡単に出来ないかと考えた結果、データベースソフトを導入してもらい、全て独学で在庫管理システムを構築した経験がキャリアの始まりでした。
わたしってすごくめんどくさがり屋なんです。面倒な事を簡単にする為に、面倒な作業をやるのがプログラマーなので(笑)わたしは向いていたのだと思います。
その後、情報システム部署と兼務になりましたが、ある時、業界全体の平均年収を調べてみたら、事務職とプログラマーやシステムコンサル職の年収差が500万以上あることを知りました。システムの奥深い部分に足を踏み入れていく程、すごく楽しくなっていたし、この先の自分のキャリアを考えたときに、プログラミングの方へ振り切ってしまおうと思って、転職してプログラマーになったという流れですね。
起業への不安はなかったのでしょうか。
起業は全て自分次第なので、収入がなくなったらという不安もありましたが、当時は20代後半だったので、バイトでもすれば生き延びる事は出来ると考えていました。それよりも、その先の結婚や出産を考えたときに、自分の裁量で自由に仕事ができる環境を手に入れておきたい思いが強くありましたね。
というのも、会社員時代に同僚だった女性プログラマーは、結婚や出産を機に辞めてしまう人が多かったんです。例えば、終業直前にシステムの不具合が出てしまうと、放って帰るわけにはいかないし、でも帰らなければいけないし…という葛藤が生まれたりする事は度々ある場面だと思います。
時短勤務の制度があっても、業務的にも気持ち的にも活用し難い。でも、起業という選択をすれば、場所や時間を問わず裁量をもって仕事ができる。わたしにはそういった働き方が合っているのではと思いました。
2011年に女性向けのプログラミングスクール「GeekGirlLabo」をリリースされていますが、サービス立ち上げの理由は何だったのでしょうか。
私にしかできない、世の中の役に立てる何かをしたいと思っていたので、女性の働き方の可能性を広げる手助けができればと思っていました。
当時は女性の技術者が今以上に少ない業界でしたが、WEB制作は場所を問わずに行える作業も多い為、結婚や育児をしている女性にとって働きやすい状況を作ることができます。なので、この仕事をもっと女性に広めていきたいと思ったんです。
ただ、わたしがプログラミングを始めた頃も、「背中を見て学べ」という職人の世界で、手取り足取り教えてもらえる環境があまりありませんでした。その体験から、もっときちんと体系立てて学べる場所があれば、活躍できる女性をふやせるのでは…と思いましたね。
そこで、女性プログラマーの私でしかできない役割として、プログラミングスクールのサービスを始めようと思いました。
経営やサービスを運営していくうえで、苦労されたことは何ですか。
人材の採用面ですね。定着率が課題です。
急いで人手が欲しいという感じで、きちんとした採用フローを通さずに採用してしまったことが一つの原因です。
凛のメンバーは大半の業務をリモートワークで行っています。応募者は、「在宅で仕事ができる」の一面のみを切り取って応募をしてきているので、もともとのモチベーションがあまり高くはない印象でした。そのうえ、業務に対しての向き不向きや、結果が出ないと辛かったりというメンタル面での問題などもありました。
今までの経験を踏まえ、自分でモチベーションが維持できない人や、「報連相」ができない人はリモートでは仕事ができないと判断し、最初から採用しないようにしています。
採用はわたしだけでは見極めることができないため、外部のキャリアコンサルタントに依頼し、適性検査や面接を行ってもらっています。特に、つまずくことがあっても、自分で調べて何とかできるような高い調査力があり、人に対する依存心の低い方がリモートワークではうまくいっていますね。
人材の定着に苦労している経営者の方は多いと思いますが、自社だけで採用しようとすると見抜けないことも多いので、プロの方の知見に頼ることも考えてみてほしいと思います。
リモートワークを活用する上で、企業側が気を付けるべきことはありますか。
やはり、お互いがコミュニケーションを取りあうよう意識することが大切です。
リモートワークという働き方は一見楽そうに思えますが、誰にも聞けないし教えてもらえないなかで、業務もモチベーションも自分で管理して結果を出さなければならない。働く側にとっては予想以上に大変なんですよね。
わたしはリモートワークの勉強会や講師を行ったりもしていますが、リモートワーク経験者にアンケートをとると、大変だった事の回答は「コミュニケーション」が断トツです。
凛ではその対策として、定期的に顔を合わせる機会を設けて面談なども行い、リモート時の報告や相談も気軽にできる機会や環境、雰囲気作りを心がけています。
起業をするうえで、大切だと思うことは何でしょうか。
人とのつながりはとても大切にすべきだと思います。私自身はプログラムが書けるだけだったので、周囲の友人の助けがあってこそ、ここまで来られました。逆に、人とのつながりがなかったら、私は今ここまでやってこられていないなと思っているほどです。
また、例えば、誰かが営業の人材がいなくて困っていたら、知り合いで安く請け負ってくれる営業代行の会社を紹介するという事も、できる限り行うようにしています。
人と人のつながりの中で助けられることがあれば積極的に手を貸すことで、いずれは自分の事業にもプラスになって返るときがあると思うからです。
あらためて、株式会社凛の事業内容をお聞かせください。
GeekGirlLabo [ギークガールラボ] | 女性のためのプログラミングスクール
女性向けのプログラミングスクール「GeekGirlLabo(ギークガールラボ)」とプログラミングの実務経験が積める「Prog-Laboratory(プログラボラトリー)」の運営、人材紹介、受託開発を行っています。
GeekGirlLaboの在籍生徒数は現在約300名。10種類ほどのコースがあり、習得したい技術や目指す働き方に合わせてコースが選べるようになっています。例えば、ホームページのデザインや制作に欠かせないPhotoshopやHTML/CSSなどの技術を学びたい方には「Webデザイン・制作コース」、フリーランスを目指したい方にはフリーランスの仕事に多いWebサイト作成やWebデザインに必要なスキルなどが学べる「フリーランスコース」等を用意しています。
コースによって修了までにかかる期間は異なりますが、まずは空いた時間に自宅でパソコンを使って決められたカリキュラムをこなします。その後、実際の案件を使ってOJTで制作実習を行い、最初の実績がつくれるようになっています。
事業を通して実現したいのは、IT技術やプログラミングという武器を身につけられる場をつくることによって、人が強くなれるようにすること。特に、子育て中の女性など、何かの制限によって一般的な働き方が難しい方が武器を身につけ、互いに穴を埋め合うことによって強くなれるという世界観を目指しています。
今後の展望をお聞かせください。
これまで「GeekGirlLabo」は、安いコースでも十数万円かかっていたのですが、最近「学び放題プラン」という安価な月額制のプランをスタートし、さらにママ向けに「ママ割」を設け、シングルマザーの方にもどんどん受講していただけるようにしています。
シングルマザーの方は、おそらく最も在宅勤務ができる環境が必要としている層だと思うので、支援していけたらと考えているんです。
起業を志す方へ向けてメッセージをお願いします。
起業という働き方は、会社の経営や取引などにすべて自分で責任を持つ反面、すごく自由のある働き方だと感じています。
出産や育児と仕事を両立するには自由が必要だと私は思うので、起業という選択肢は女性に合っていると思います。今後もどんどん女性起業家が増えていってほしいなと思いますね。
また、経営者になると、業務の幅も想像以上に広がります。全て自分で行うと本来のやるべき事が中途半端になってしまうので、任せられる業務は外部のプロに任せ、自分は経営者として会社の拡大や人のマネジメントなどの本来の仕事に徹するのがいいと思います。
■株式会社凛
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GeekGirlLabo [ギークガールラボ] | 女性のためのプログラミングスクール
プログラボラトリー: Prog-Laboratory|プログラミング未経験者が実務経験を積むためのスクール


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