「トリハダが立つ感動」をビジョンに、起業のハイプレッシャーも楽しんでエモテックな未来を創っていく 株式会社TORIHADA 代表取締役社長 大社武様
公開日:2019/6/28 | 最終更新日:2019/6/28
株式会社TORIHADA代表取締役社長 大社武様へ、起業ストーリーと「トリハダが立つ感動を創る組織論」についてお伺いしました。
コト作りへの可能性を感じてから、エモーショナルをプロデュースして感動を創ると決意。目的に向かって行動の逆算をしていった、起業前のメガベンチャーでの仕事や子会社役員経験、そしてTORIHADAを設立後のオリジナリティあふれる組織論についてもお話いただいています。
起業をする事は学生時代から決めていたとの事ですが…
そうですね。19歳くらいの時には、「トリハダが立つ感動を創る会社をやる!社名はTORIHADA!」と発信していましたね。
きっかけは16歳のときにボランティアで参加したフジロックで、こんなにも感動や共感を生み出す空間が、誰かの手でプロデュースされていることを知った時にワクワクして。まさにトリハダが立つ感動を体験しました。デジタルなコミュニケーションが普及していく中でも、トリハダが立つくらい感動するとか、涙が出ちゃうくらい嬉しいとか、エモーショナルな高ぶりが人生を豊かにすると思っていて、勇気や感動で世の中が良くなればいいな、と感じた事が原体験としてあります。
当時、芸術系の大学に進学するために毎日8時間くらいデッサンを描いていましたが、フジロックをきっかけに「モノづくりより、コトづくりの可能性」エモーショナルな動きのプロデュースを一生の仕事にしたいと思う様になりましたね。
トリハダを作る活動ではなく、起業をすると発信した理由は?
個人としての活動の限界を感じたジレンマからですね。
大学時代にサークルの運営をしていて、イベント運営やフリーペーパー発行など、色々なプロデュース活動をしていく中で、規模を大きくしたくても力が及ばないジレンマを感じる事がありました。やはり会社単位にしないと企業としっかりと取引はできないし、より大きな感動は生み出せないと思いましたね。そこで明確に「起業をして会社をつくり、成果の大きさを広げる。」と決めました。
なので、大学卒業後は当時伸びていたインターネット領域のサイバーエージェントに入社して、いつか経営者になるための修行をする道を選択しました。
学生起業も可能だったと思いますが、なぜ就職の道を選んだのでしょうか。
会社を経営するためには、会社自体を学ぶ必要がある。大学生のわたしにはそこが足りていなかった。いずれ株式会社TORIHADAをやるという明確なものがあったからこそ就職を選びました。
選考段階でビジョンシートを書いて提出する過程があって、そこには「3年後…子会社の代表になる」「10年後…株式会社TORIHADAの代表になる」と明確に書いていましたね。
入社後は、どのようにビジョンを実現していったのでしょうか。
最初の配属希望は大きなポイントだったと思います。
「3年後の子会社代表」を実現するためには、約1万人も従業員がいるサイバーエージェントグループ内で突き抜けて目立つ必要がある。そのためには、「成果」と「自分の存在感(人間力や発信力)」が必須だと思い、満たすために逆算して考えていきました。
まずは、ソーシャルゲームを運営する子会社に配属希望を出しました。理由はトッププレイヤーがしのぎを削る広告やブログなどのメディア事業領域では目立ちづらく、自分の成長スピードに影響がでると判断した事と、時代がスマートフォンに切り替わるタイミングでもあったので、スマホコンテンツでマネタイズを大きく実現できるソーシャルゲームの領域で結果を出して目立とう。という選択をしました。
会社のドメインの急成長の波に乗る事は重要です。そして愚直に成果を出すことに向き合って泥のように働くだけではなく、積極的な発信や先輩たちとの交流をへて、結果として1年後には新人賞をいただき、部下も70人ほど抱えるようになっていた。未熟でも自ら選択した環境に飛び込んで、成果にこだわって努力した結果だと思います。そして、わかりやすい成果があると、何かチャンスがあるときに名前が選ばれやすくなります。
逆算通りのストーリーですね。その後はどうだったのでしょうか。
2年目を迎えたとき、GREE株式会社とサイバーエージェントの合弁会社である株式会社グリフォンの取締役に選んでいただきました。
「大社ならやれるんじゃないか。」と、チャンスをくれた会社や先輩方には本当に感謝をしています。それからグリフォンを4年ほどかけて年商50憶程に成長する事ができたので、その後、グループ会社へ異動をして、マッチングアプリのマーケティング領域で戦力となって売り上げを伸ばすことに貢献できました。
その後、2017年に10年越しの夢だった株式会社TORIHADAを設立します。
創業メンバーも「トリハダが立つ感動を創る」というビジョンへ共感してくれたメンバーで、事業モデルありきでは無かった。「感動を作り、届ける。さらに作り手をエンパワーメントする」という大きな軸がTORIHADAにはあるので、人数は増えても共通するビジョンは変わらないのでチームワークも崩れませんね。
大社様が組織作りで意識されている事はありますか?
組織に関しては、既に300人規模を意識して作っています。
創業初期なのに!?…と言われると思いますが(笑)急成長するには、事業軸と組織軸を同時に並走させないといけなくて、このバランスがとても重要だと思っています。客観性や自分自身がプレーイングでありながらマネージャー的役割を行うなどはサイバー時代に経験していることは大きいです。
社内で大事にしている事の1つに「主語:TORIHADA」があります。
各々の「当事者意識」が会社を作っていくと思うので、「I」でしゃべらない「WE(TORIHADA)」でしゃべること。そして、未来を描く事も大切なので、半期に1回「ロマンサミット」というものを開催しています。
これは、TORIHADAの未来をどう創るかをチームでワークして議論するもので、「組織が大きくなったら何ができるか」を当事者として話し合う場にしています。例えば「トリハダの立つ感動を研究するR&Dをやりたい」とか、「グローバルとしてのトリハダ活動」「映画祭やりたい」とか。
会社で働くって究極なカルチャーだと思うんですよ。楽しいとか嬉しいとか成長できるとか、こういう自分になりたいとか。仲間がいれば部活のような青春も感じるはずなので感じて欲しいし、自己実現がTORIHADAではできるという環境を作りたい。なので、わたしは代表ではありますが、自分の夢の実現=会社の目標のような形にはしません。例えば、サッカーでいうとわたしはサッカー場でいたいんですよね。
サッカー場ですか!?(笑)
これを話すとみんな「ポカーン」としていますが(笑)代表大社という存在は、TORIHADAのプラットフォームでありたいと思っています。
自ら絵を描く事からプロデューサーになろうと決めた時、「スポットライトは浴びるものじゃない、つくるものだ」と思った。わたしがスポットライトを作ったらいろんな人を照らす事ができるし、連鎖やシナジーが生まれてくる。そういった意味でもわたしはプラットフォームでありたいですね。
まだ創業1年半なので、「青いな…」と思われるのは当然ですが、それでも高いところを見るように意識しています。思考は現実化します。会社を良くしたければ社長はもっと妄想をしないといけないし、ないものはつくらないといけない。
そして、全員がロマンチストであるべきです。TORIHADAの共通言語として「ロマンとそろばん」をよく使いますが、そろばんを弾けない人にロマンを描くことはできないし、ロマンはあってもそろばんを弾けなければ、それは絵に描いた餅…実現できないただの妄想です。
TORIHADAは思想を持つ完璧な実行部隊として理想を追求して叶えていく。そんな組織にしていきたいと思っています。
そんなTORIHADAの現在の事業について教えてください。
TORIHADAでは共感を最大の軸としたデジタルマーケティングの事業を展開しています。3つの軸「共感を最大の軸としたデジタルマーケティング事業」「TikTokを中心としたショートムービースタジオ事業」「メディア事業」を行っています。
「デジタルマーケティング事業」では、主に企業の動画やCMの制作事業を行っています。さまざまなデバイスに対して最適な映像の制作を行っていて、特にこだわっているのは検証可能な映像素材を扱うこと。ただ目の前の人に見せるのではなくて、投資対効果に見合うのか検証可能な動画制作を目指しています。
「TikTok」では企業のクリエイティブをPGC感にこだわって作っています。TikTokは感動や共感が伝播するアルゴリズムがとても優秀で、今後より一層伸びていくと予想されているプラットフォームです。これからTikTokで広がるエンパワーメントや企業とのコミュニケーションをTORIHADAが設計していきたいと思っています。
THE DIY―Instagram
THE DIY―TikTok
メディア事業は、「THE DIY」というミレニアル世代の情熱大陸をテーマにしたメディアをInstagramとTikTok上で展開しています。これは、デジタルネイティブの領域において活躍しているミレニアル世代のヒーローたちを取材して、感動や勇気を届ける動画メディアです。自分も何かやってみよう。頑張ってみようかな…と思ってもらえるような発信を今後もおこなっていきます。
この3軸を中心に、良いクリエイティブが最も旬な形で生まれる仕組みをTORIHADAで作って、今よりもっとクリエイティブは自由なものに、感動を作りたい人の思いが反映されやすい「エモテック」な未来を考えて展開していきたいです。
今ふり返って、起業をするにあたって経験してよかったと思うことはありますか。
そうですね…少しずれるかもしれませんが、「大恋愛の大失恋」みたいなことかなと思いました。
サイバーエージェントの藤田社長を尊敬しているのですが、著書に「恋愛は想像力を養う」という言葉があります。それは、恋愛を通して他者への思いやりや、過去と他人は変えられないこと、逆に自分と未来は変えられることを強く学ぶことができるという事なのだと思っています。
人生において前触れもなく「突然終わる事」は少なくて、その中の1つが恋愛。その出来事が起こった時に、「自分の人生を強く生きていけるように、どの様にリセットするのか」も大切な経験なのではないでしょうか。
わたしもサイバーに入社する前に大失恋をしていて、その彼女のおかげで自分と向き合い、ある種のリセットをして修行をする事を決心できました。もしかしたら、あの出来事がなかったら中途半端な満足感とともに自分の現状と未来を作っていたかもしれません。
誰かと向き合う苦しみも知っていないと、良いものは生み出せないですからね。人間らしい人が、人が幸せになるための良い仕事を創っていくと思うので。
最後に、起業を志す方へ向けてメッセージをお願いします。
起業は「ノーストレス ハイプレッシャー」。
自分で望んで起業をしたのでストレスはありませんが、責任を背負っているのでプレッシャーはあります。とはいえ、ヒリヒリする健全な成長痛を感じながら、気持ちのいい当事者意識で自分の望んだ道を進めていると思っています。
起業は自分が生きてきた経験やセンス、仕事論やキャリアなどの集大成。だからこそ自分の人生や未来を設計できるのが起業家の醍醐味です。行動を起こしたら、時には不安で眠れない日もあるかもしれません。でも些細な一言や大きな達成感に気持ちよく酒が飲める時もある。ハイプレッシャーだからこそ、自分の人生を思う存分楽しむためにチャレンジした方が良いとわたしは思います。
つねに謙虚に高い志を持って頑張ってみてください。くじけそうになったときはボブ・マーリーの言葉を思い出してみて下さい。「自分の吐いた言葉が自分を生かし、自分の吐いた言葉が自分を殺す」。ポジティブにいきましょう。
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