アジアのグローバルマーケティング事業で日本の旅や食の素晴らしさを世界にPR。描いた未来を起業で実現する為に臆する事なく進み続ける 株式会社iNTO 代表取締役 小松﨑友子様

公開日:2019/4/26  |  最終更新日:2019/4/26


代理店時代に培った企画力・営業力を礎に、圧倒的な行動力で香港・台湾でのメディアや旅行関係者とのネットワークを確立し、日本の魅力を海外にアピールする、ワクワクするイベントや独自のSNSマーケティングを展開している株式会社iNTO。創業者の小松﨑友子様は様々な企業での厳しい環境下の業務をへて、起業という道を選択しました。小松﨑様の起業に至るまでのストーリーや、iNTOの強みでもある香港・台湾へのマーケティングへの思いなどをお伺いしてきました。

まず株式会社iNTOの事業内容についてお聞かせください。

Made in japanをアジアへー株式会社iNTO

株式会社iNTOは香港・台湾・日本の3拠点を中心としたグローバルマーケティングの専門家として、様々なソリューションを提供しています

香港・台湾から日本に来られる訪日客のインバウンドや、日本から香港・台湾に進出したい企業に向けて、マーケティングの基礎となる調査リサーチ、アジア圏で欠かすことができないSNSを活用したデジタルプロモーション、PV制作、記者発表会のようなPRイベント、KOLやメディアからの情報発信など多岐にわたります。また、インバウンドの分野では香港・台湾現地の旅行会社と組んで、旅行商品の造成から販売も行っています。

小松﨑様の起業までのストーリーをお聞かせください。

生まれも育ちも葛飾区で、サラリーマンの父と専業主婦の母という、本当に普通の家庭で育ちました。

起業は全く考えておらず、教師を目指して大学は教育学部に進学しました。元々好奇心は旺盛だったので、大学時代にいろんな大学の学園祭やサークルに顔を出したり、社会人の方の話をいっぱいお聞きしたりしている内に、自分は教師には向いていないと思い始めました。

そして、新卒就活時期に就職活動をしたのですが、私の卒業年である2001年は「超」がいくつも付くくらいの就職氷河期でした。「今年の新卒採用はありません」という企業が半数以上。しかも私は教育学部で、周りはみんな教師を目指していたので、就職課に行っても募集がゼロでした。自分から説明会に行くしかなく、やっと内定をもらったのが、今はなくなってしまった某英会話学校です。

社会人になって最初の仕事はどのような内容でしたか?

スクールマネージャーという仕事でした。

誰よりも早く出勤して鍵を開けて掃除して、駅前でチラシ配りをしたり、大学に営業に行ったりして、新規の生徒さんを獲得する仕事です。

毎日、毎月ノルマが課せられて、「売上があがるまで帰ってはいけない」と言われて、学校で寝泊まりしたこともありました。今であれば「ブラック企業」と言われるのでしょうね。でも私は、全部任されてノルマの数字を追うのが、そんなにストレスではなかったんです。むしろ、数字をつくっていれば、後はすべて自分の自由にできる環境が自分には合っていると思っていました。

生徒の方と積極的にコミュニケ―ションを取ったり、イベントの企画をしたり、サークルのような楽しい環境づくりを行ったりすることで、自分だからこそ提供できる「付加価値」をつくりあげて、生徒の方に満足してもらうことに仕事の楽しさを感じていました。

また、一般消費者向けのBtoCの営業経験がなければ、いまの自分はいないと思っています。売上をつくるためには、実際にお客様と接している方々の力が欠かせません。マーケティングの理論を勉強しているだけではわからない、生の現場を経験できたからこそ、本当の意味のマーケティングを知ることが出来た。そんな素晴らしい経験でした。

起業にも繋がったPRの仕事との出会いについてお聞かせください。

情報発信をするPR関係の仕事がしたいと思って転職した、オンライン専業の広告代理店での企画営業の仕事がきっかけです。

当時はITバブルのような時代で、SEOとかターゲティングメールを手がけている代理店でした。当時の副社長が世界的に有名な外資の大手総合代理店の出身で、マーケティングの知識をみんなに合宿とかで教えてくださって、それが今の仕事のノウハウの礎になっています。

その後、映画と企業をタイアップさせてプロモーションを行う、映画とPRが大好きな私にとって夢のような会社に転職しました。自分で企画を作って、好きな会社に営業して、ディレクションまで全部自分の裁量に任されました。その会社には「テレアポタイム」というものがあって、毎週水曜日の10時から12時はひたすら営業電話をかけて、新規のアポが5件取れるまで継続しないといけないというものでした。

見ず知らずの方に電話をして、アポイントを獲得するためには「時間を割いて会ってみたい」と思ってもらえる魅力がないといけません。アポイント獲得のため、相手が求めていることは何か、忙しい中でも「話を聞いてみたい」と思ってもらえる魅力や、会う意義をどの様に提示することができるのかを、とことん突き詰めて考えたことで、あらゆる業界の現状や課題感を瞬時に頭の中で考え、解決策を言葉にしていく、というトレーニングをすることができました。

この経験は今の仕事の礎の大きな一つになっています。相手の気持ちに添って話を伺い、問題を解決するために提案した企画が採用されたときの喜び。そして、目標を達成できた時の大きな喜びを日々感じながら仕事をおこなっていました。ただ、昼間は外回りを行い、帰社した夕方から企画書を作り始める。案件が決まれば当然ディレクションもおこなう。終電まで仕事をおこなっても終わらない。そんな状況に、仕事は大好きだけれど、100%仕事だけで自分の人生の時間があっという間に過ぎ去っていくことに不安を感じてきていました。

そこで、元々いろんな業界の人と話すことが好きで自分の世界を広げてきたので、その時間を確保するために、まずは1時間、明日は2時間、という形で少しづつ早く仕事を終わらせて、少しだけでも話ができる場に行こう、と努力して、さまざまな交流会に顔を出し始めました。一晩に3件くらい交流会のハシゴをしていて、「どこにいっても小松﨑さんがいるね」「あの子は何なんだ?」と噂になっていた位でしたね笑

そこから実際に起業に至った理由をお聞かせください。

組織に属することに向いていないと確信したこと。企画から営業・ディレクションまで一括して全部できていたので、独立してひとりで仕事をしている自分をイメージしやすかったこと。そして何より、交流会でたくさんの起業家の方たちと出逢い、彼らからたくさんのアドバイスや激励をもらえたことが一番大きな後押しとなりました

独立してから最初に手がけたのは、個人としてお付き合いしていた方々のプロモーションやマーケティングのお手伝いといった、日本国内の案件でした。

グローバルとの出会いは、当時2010年の上海万博による中国バブルです。私は中国映画とのタイアップをやりたかったので、香港フィルマーケットという映画マーケットを紹介いただき、香港の会場で会社名のない、自分個人の名前だけの名刺を300枚くらい配りました。そこで一気に香港の映画・メディア関係者とネットワークができました。

そんな中、知り合いの華僑の方に間に入っていただいて、女優の倍賞千恵子さん主演の「東京へ来たばかり」という日中合作映画の監督兼プロデューサーの方を紹介して頂くという縁が生まれました。その方は日本で映画を勉強していて日本語がペラペラ。北京に何度も行ってプレゼンして、独占契約を結んだのが2010年10月でした。

そこから一気にグローバルに向かったのですか?

グローバルマーケティングに軸足を移したきっかけは、その半年後に起きた東日本大震災です。
2011年3月からと決まっていた映画撮影の話も震災の影響で一旦保留になり、日本国内のPRの仕事も全部なくなり「独立したばかりなのに仕事がない。どうしよう…。」と路頭に迷った私は、ひと月ほど実家にこもって、いろんなことを考えていました。

日本が大好きで日本の旅や食などをPRしてくれていて、素晴らしいなと思っていた華僑の方々が、すごい速さで一気に日本から居なくなってしまった。居なくなった彼らに比べて、私は東京から離れることは考えていない。これからは日本人の私が、海外に向けてのグローバルマーケティングに力を入れていこう。そう思って、そこで初めてグローバルを本気でやるスイッチが入りました。

その後、保留となっていた映画の撮影も行われ、2012年3月に、中国の31都市3,000スクリーン以上で公開されました。ここまで大規模な展開になるとは思わず大変ビックリしました。北京で開催された記者発表会には、主演の倍賞千恵子さんにインタビューをしたい、という中国のメディアが押し寄せました。日本側の代表者として北京入りしていた私は、この機会に中国内のほぼすべての大手メディアとのネットワークができ、ようやく本格的に中国でのビジネスがスタートできると思っていた2012年9月、尖閣諸島問題が起きました。

今後のビジネス展開にワクワクしていた矢先に、2年連続で仕事がなくなる経験をする事となります。さすがに落ち込みましたが、華僑の方の励ましとアドバイスもあって、2013年1月に香港でのビジネスに挑戦する事になります。中国での活動で得たネットワークや中華圏での知見を活かし、香港で初めて開催したイベントが、メディアを通じて日本の夜景の魅力を香港の方に伝える「夜景サミット」です。情報発信と同時に、旅行商品の商談会も開き、そこで香港の旅行会社、メディアとのネットワークが一気に出来上がりました。

グローバルマーケティングを成功に導く、iNTOのソリューションについてお聞かせください。

香港・台湾マーケットに特化することで、2つのマーケットにおける圧倒的な知見を活用したトータルなソリューションのご提供をできることが一番の強みです

2015年頃からインバウンド業界が注目され始め、そこからインバウンドに関する会社が大変増えました。扱うマーケットについて全世界、だったり、逆に提供するソリューションがSNS運用のみの企業もあります。

本気でグローバルマーケティングを実施していくためには、個別のソリューションだけでは本質的な解決策にはなりません。ターゲット国の調査リサーチからはじまり、打ち出すメッセージを構築し、メディア・SNS・広告・イベントから情報発信した結果を考察し、あらためてブランドの方向性やメッセージの再構築をしていくという作業を繰り返していく必要があります。

iNTOでは、香港・台湾のマーケットの特性や最新の状況を常に調査・分析し、過去実施した結果から見えてくるデータを整理・共有していくことで、ご相談いただいた課題に対してできる限り正解に近い、クオリティの高いプランを、コストをおさえてご提供できる仕組みを実現しています


その代表的な事例のひとつに、香港・台湾のマイクロインフルエンサーを活用した千葉県鴨川市の旅館「鴨川館」の体験モニタープログラムキャンペーンがあります。モニターに体験宿泊をしていただき、体験したレポートを彼らのSNS上から発信するという企画です。シンプルな企画ですが、それまでゼロに等しかった香港・台湾からの宿泊客が、年間100名を超えるようになりました。この企画の最も重要なポイントは「誰に体験してもらうか」という点です。モニターは、これまで10回以上の訪日経験があり、「日本の旅」に関して周囲から大きな信頼を寄せられているマイクロインフルエンサーに限定しました。

また、一般的なモニターツアーと違い、空港から旅館への送迎などは一切せず、自分の力で旅館まで来ていただくことを徹底しました。送迎付きの招請ツアーであれば行くけれどそうでなければ行かない、という方を呼んでも、実際の宿泊客獲得において意味がないと考えているからです。私たちはこのように、香港・台湾におけるパワーのある個人との強力なネットワークを構築すると共に、その力を最大限発揮できるように、マーケットの特性を踏まえて細部に渡り企画を設計しています。

香港と台湾に日本の良さを広めたいと思った理由をお聞かせください。

日本に住んでいる華僑の人たちが日本の良さを教えてくれたからです。日本人には当たり前でしかない綺麗な空気や、美味しい安全な食べ物。少し足を伸ばせば自然がたくさんあって四季がある。恵まれていることに日本人は気づいてない。

他の国も同様ですが、海外の人がその国の良さを見つけて発信して、初めて解るケースが本当に多いです。なので、日本の良さを知る為にも、海外の人とたくさん話す努力をしています。ジャパンコレクトに関しても、日本が好きな海外の人が集まる場所を作りたいと思った事がきっかけです。香港、台湾の方は日本語を喋れる方がすごく多いんです。

日本の事が本当に好きで日本に来ているけど、それを日本人はあまり知らないんですよね。国同士の関係は一筋縄ではいかないことがたくさんありますが、個人個人は国境に関係なく友情を築いていける様にしたい、偏見は持ってもらいたくないと思います

香港や台湾の人たちの資質が高いのは、日本のことをすごく思ってくれていて、好きなのが前提でいてくれる方が多いので、こちらを受け入れてくれること。こんなに思ってくれているのだから、いいものをお届けしたいし、日本に来た時に嫌な思いはして欲しくないので、出来る限りの事はしていきたいと思っています。

今後の展開についてお聞かせください。

現在、インバウンド関係事業者さんからよく相談されるのが「富裕層を日本に呼びたい」ということです。富裕層に関しては、今は欧米圏から呼ぶというのがトレンドですが、私は華僑圏から呼んだ方がいいと思っています。

2018年にハリウッドで大ヒットした「クレイジー・リッチ」という映画があるのですが、華僑が世界の経済を動かしているということを、世界中の大金持ちの華僑を登場させることで、非常に面白く表現しています。全世界の華僑圏に対するプロモーションには、大きな可能性があると考えています。

これから起業を志す方にメッセージをお願いします。

起業とまではいかなくても、少しでも自分でやりたいことがあったら、気楽に独立してしまった方が良いと思います。

型にはまらない働き方が当たり前になっていく中、「正社員」という生き方ではなく、「フリーランス」や「個人事業主」として企業と関わっていったほうが、個人の可能性が広がると思うからです。

わたしの場合も最初はフリーランスとして独立して、後に法人化をしました。まずは気楽にフリーランスとして、正社員と企業の間に身を置いて、「これだ!」というものが見つかったら法人化するというステップを踏むことをおすすめします。

それに、起業のために学校へ行ったり、準備万端になってから起業しよう、というのは、やめたほうが良いと思います。すべて準備してから、という方には起業は向いていないと思います。起業すると、予想していなかったことが次々と起こります。そんなとき、「授業で教わったことと違う」「まだ準備が出来ていない」と言っていては前に進めない上、そんなことを言っている間に会社が消滅します。

とにかく行動して前に進み、壁にぶつかったら他者のサポートを得ながら自分の頭で考え、どちらに向かうか自分で決断する。その繰り返しをする中で、自然と力がついていくはずです。やりたいことがあるなら、まずその世界に入ってみることです。やりながら必要なことはわかってきますから、まずは臆することなく勇気を出して飛び込んでいくことです。その後、あきらめず進み続けることです。そうすれば、必ず描いた未来が形になるはずです


■株式会社iNTO

ホームぺージ Made in japanをアジアへー株式会社iNTO

住所 東京都港区浜松町2-2-11廣瀬ビル3階

お問い合わせ 

Mail:info@in2jp.com

TEL:03-5544-8674


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