人生を導くご縁を繋ぐサービスexpeetを提供。起業での経験を全て学びとして前進していく 株式会社expeet 代表取締役CEO 若月舞子様【女性起業家インタタビュー】
公開日:2019/4/9 | 最終更新日:2019/4/15
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)在学中に、エキスパートと気軽に出会えるスキルシェアサービスexpeet(エクスピート)を立ち上げて起業した、株式会社expeet 代表取締役CEO 若月舞子様。
起業から1年、そして大学卒業を迎え、これまでの失敗や学びを生かして次のステップに進もうとしている若月様に、起業までのストーリーや出資者を決めた経緯、大学と事業の両立、女性起業家ならではの悩みに対するアドバイスなどをうかがいました。
最初にexpeetのサービス内容についてご紹介ください。
expeetは、エキスパートとの出会いの場を提供するマッチングアプリです。
コンセプトは「ご縁をつくる新しいスキルシェア」。従来のスキルシェアは、何らかのスキルを持つ人が仕事を出品し、その仕事をしてほしい人とマッチングするというもので、仕事が終わればその人たちの関係も終わってしまっていました。
対してexpeetは、人と人のご縁をつなぐことを目的としていて、仕事を依頼する前段階として、まずはスキルを持つ人に気軽に会いに行き、情報交換や悩み相談が行える機会を提供するサービスになっています。
そこから仕事が生まれるかもしれないし、友達になるだけかもしれませんが、人からつながる気軽なスキルシェアを広めたいと考えたのが、起業をしてexpeetをスタートしたきっかけになります。
なぜ起業をしたいと思われたのでしょうか。
自分と同じ境遇や悩みを持つ人に対して、何かを提供していきたいと思っていました。
原点に立ち返ると、私はハーフであることが理由で子どもの頃にいじめを受けたことがあり、周囲との違いにずっとコンプレックスを抱いてきました。そんな折に多様性を尊重している慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以下、SFC)の存在を知り、SFCに進学するために自然にITの勉強を始めました。
また同じころに、AppleのCEOであるティム・クックさんがゲイであることを公表し、自分のようなマイノリティでも影響力を与える人になれることを訴えました。私はその話を聞いてとても感動し、元気が出たんです。そして、私もITを使って新しい価値をつくるサービスを生み出したいと思うようになりました。
それから、どのように行動を起こされたのですか。
高校生の時からSFCに遊びに行き、授業やゼミに潜り込んでいました。高校3年の9月にSFCへの合格が決まってからは、ゼミの先生に紹介していただいた会社でインターンとして、エンジニアからプロデューサーまで幅広い経験をさせてもらいました。いずれ経営者になるのであれば、エンジニアとプロデューサーの両方の視点を持っておいた方がいいと考えたんです。
もう一つ、起業への大きな刺激となったのは、ティム・クックさんとお話しできたことです。私は18歳のときに、毎年6月に開催されるAppleのカンファレンスへ参加しました。そこで、学生は特別にティムさんと話す機会をいただけたんです。そのときにティムさんのマイノリティのお話に感動したことを話しました。
後日、Appleのサイトの「Appleダイバーシティ」というトピックスに、その時に撮影した友達数人で写った写真が掲載されていました。私もダイバーシティへの思いが有ったので、感銘を受け、思わずティムさんにお礼のメールをしたところ、なんと返信が!
その後シリコンバレーに見学に行った際、偶然ティムさんに再会します。メールの話をすると覚えてくださっていて、私のサービスをつくりたいという夢に「楽しみにしています」と言葉をかけてくださいました。ティムさんとの交流は、今でも私のモチベーションの源泉になっています。
すごい行動力ですね。それからどのような経緯で起業に至ったのでしょうか。
大学入学時に、起業に向けて動き出すのは早くても大学3年からだと考え、1、2年はゼミに集中して大半の単位を取り終えました。3年からはインターンを始めたのですが、その時は起業、就職、大学院へ進学するのかをとても悩んでいました。
そんな中、起業へ至った理由は、3年の秋にexpeet創業メンバーの山村藍琳に再会したことです。彼女とは以前から友人でしたが、会うのは久しぶりでした。その後頻繁に彼女と会うようになって話すうちに、フリーランスのデザイナーとしても活動する彼女が、自分のポートフォリオになるような大きな仕事をしたいと考えていることが分かりました。
私と山村は性格が真逆で、スキルもお互いにないものを持っています。
私はポジティブな性格で外向的で営業が得意。一方、彼女は内向的ですが、デザインが得意です。私が外で営業などをすべてこなすため彼女はデザインに没頭でき、私は彼女のデザインに自信があるので安心して売れる。
彼女を誘って一緒に起業したい!と思い、熱烈に口説きました。そして彼女も「舞子となら一緒にやりたい」と言ってくれ、大学4年の春に共に起業することになったんです。
共同創業者がいる場合、事業の方向性を自分の一存だけでは決められないことが大変なのではと思いますが、どうされているのですか。
意見が対立した場合、最終的には代表である私に決断を委ねてもらっています。とはいえ、彼女の指摘は正しいことが多いので、お互いに話し合って譲歩しあい、2人のベストな答えを出すようにしています。
バランスを取りながらうまく運営されているのですね。起業後、expeetはどのように発想されたのですか。
私自身、いろいろな出会いがあったからこそ、今の自分があると思っている所からの発想です。
もし自分がハーフじゃなかったら、Appleのカンファレンスに行っていなかったら、SFCを志望していなかったら、今の自分はありませんでした。そういった偶然のきっかけや出会いを生むサービスはまだないと思い、expeetで実現しようと考えた事が始まりです。
法人設立とexpeetの実現にあたり、幻冬舎から出資を受けました。慶應の後輩として知人に紹介していただいたのが、幻冬舎の代表取締役社長である見城徹様で、起業準備をしていることを話したところ、「すごくおもしろそうだし成功しそうだから、うちで出資したい」と言っていただいた事がきっかけでした。初対面だったので驚いたのですが、その後トントン拍子に話が進み、2回のミーティングを経て出資が決まりました。
スキルシェアサービス自体は新しいものではない。何回も話し合っているうちに、アイデアはどんどん古くなってしまうという危機感があったので、スピード感を重視して決定した形です。
そして2019年4月から資本構成含めた大きな方向転換をされたとの事ですが
はい。expeetの大幅ピボットを見据え、共に歩める仲間と次のステージに挑みます。
サービスに結びついた原体験へ固執し過ぎた事もあって、初期資金の枯渇や新たな資金調達の問題なども含め、長きにわたりピボット案に苦戦してきましたが、2019年4月からは心機一転。受託開発も並行して行いながらexpeetの大幅な改善を行う決断を下しました。改めてユーザーが求めているものを知って、今年中にはリスタートする予定です。資本の追加調達は、次のアイデアを固めてから行います。
私は、会社設立とサービスローンチに対してスピード感を重視しすぎました。今となってはサービスの開発が1、2週間遅れたところで大差ないと分かりますが、当時は早く進めたいの一心でした。これから起業する方は、設立前に出資に関しての知見がある複数の人に相談を行って、事業のスケールに合わせて様々な選択肢を取れるよう、初期段階から模索する事をおすすめします。
起業されて1年が経ちましたが、女性起業家ならではの悩みはありましたか。
未だに一部の人からお遊び起業家だと言われます。
本当に悔しいのですが、結果を出せていないから、そう思われても仕方がない…。でも私は必ず結果を出す自信があるし、愚直に向き合っている姿を誰かは見てくれていると思っています。
一番いいのは結果で見返すことですが、即という訳にはいきません。とにかくメンタルを強く持って、がんばっている姿を見せるべきだと思っています。
女性起業家であれば割と抱えている悩みなので、相談しあえる人をつくるのもいいのではないでしょうか。私はお酒を飲みながら話すことが、一番のストレス発散になっています(笑)。
若月様は女性起業家であると同時に学生起業家でもあります。先日大学を無事にご卒業とのこと、おめでとうございます。大学と事業はどのように両立されたのですか。
先述しましたが、学生で起業することを視野に、1、2年生でほとんどの単位を取得したのが大きかったと思います。起業してからはの4年生1年間は通算10回ほどしかキャンパスに行っていません。それでも卒業できたのはキャンパス外の活動を優遇してくれるゼミに入ったからです。そのゼミも先輩にリサーチをして途中で移籍をしました。計画的に過ごしてきたことが卒業につながったのだと思います。
起業家としての展望をお聞かせください。
今後も自分の軸は、起業家として新しいサービスをつくり続けることだと考えています。これまでexpeetで痛感したミスや失敗をすべて改善し、ピポットを繰り返しながら、いずれ大きなサービスをつくれたらと思います。
最後に、起業家の方へメッセージをいただけますか。
失敗は絶対にあります。でも失敗は次に生かせるし、失敗を恐れて決断しないことよりも、失敗した後にどれだけ早く修正するかの方が大事です。だから、何をするにしてもまず走ってみてから考えるのがいいのではないでしょうか。
また、起業をすれば忙しくなり、友達が減ったという声を聞きます。私は結果的に自分と同じステージにいる人たちに出会えました。一回きりの人生なので、漠然と考えているよりも行動を起こし、悔いなく過ごしてほしいと思います。
株式会社expeet
ホームぺージ エキスパートとの特別な出会いをーexpeet
お問い合わせ info@expeet.com


日本最大級の
起業家・経営者&投資家
マッチングサイト
創業10期目・年商10億円程度のベテラン経営者の方々にも
ご利用いただいております。
No.1
23,762名
No.1
4,436名
無料で投資家が見つかる
1,000万円の事業資金調達が可能
投資先が見つかる
資金繰りやつなぎ資金のサポートもOK
売上アップ
集客数アップ
取引先数100社増
ビジネスパートナーが見つかる






- 昨日の登録数
- 経営者7名 投資家0名
- 昨日の投稿数
-
経営者5件 投資家0件
- 先月のマッチング数
- 78組
- 先月の資金調達総額
- 7億円以上