取締役と執行役員で違う3つのポイント!報酬や業務の違いまで詳しく解説!
登録日:2019.9.30 | 最終更新日:2025.3.5
この記事では以下のような疑問をもつ方に向けて記事を書いています。
「取締役と執行役員って何が違うの?」
「取締役と執行役員ってどっちが偉いの?」
「〇〇執行役員とか〇〇取締役とか、ややこしくてよく分からない」
法人を設立すると、取締役や執行役員が設置されますが、どのような違いがあるのか理解できていない方も多いのではないでしょうか。社会人であればぜひともこの2つの違いについては理解しておきたいですよね。
今回は、取締役と執行役員について徹底的に調べました。
具体的には以下の点について解説していきます。
- 取締役と執行役員の違い
- 常務・専務と役職のつく取締役、執行役員とは?
- 取締役や執行役員に関する注意点
この記事を読んでもらえば、取締役と執行役員について混同することはなくなります。内容的にはそこまで難しくないので、この機会にサクッと理解してしまいましょう。
取締役と執行役員の違い
取締役と執行役員の違いを端的に述べると以下にまとめらます。
- 役員or従業員
- 経営する立場or業務を執行する立場
- 給与or役員報酬
より詳しくみていきましょう。
【取締役と執行役員の違い1】役員or従業員
最もわかりやすい違いが、役員か従業員かという違いです。取締役は役員であるのに対して、執行役員は「役員」という文字が入っているにも関わらず役員ではありません。執行役員は会社法では役員として規定されていないんですね。会社法上では執行役員は通常の従業員と同じ扱いです。取締役は役員なので、登記する必要がありますが、執行役員は役員ではないので登記する必要はありません。
会社法で役員として扱われるのは以下の3つのみ。
- 取締役
- 監査役
- 会計参与
これにプラスして役員等という役員ではないものの、会社法上役員と同等に扱う役職が存在します。役員等にも執行役員は含まれていません。
このように述べると「うちの会社では、執行役員を役員として呼んでいるぞ」とおっしゃる方もいるでしょう。実際に、ANAのホームページなどを確認しても取締役や監査役とならんで執行役員を役員として記載していることが確認できます。https://www.ana.co.jp/group/about-us/officer/
しかし、執行役員というのはあくまで敬称。部長とか課長とか、専務や常務などと同じような取り扱いです。執行役員を役員と呼ぶのはあくまで一般的な話というだけであって、法律では執行役員は役員ではありません。
あくまで、執行役員は役員に雇われている従業員であるという立場です。つまり、一般的な目線でいうと執行役員よりも、取締役の方が立場が上であるといえるでしょう。まずは、取締役が役員で、執行役員は会社法上は役員ではないと理解しておけばOKです。
【取締役と執行役員の違い2】経営する立場or業務を執行する立場
取締役と執行役員の違いをさらに掘り下げていくと、取締役は会社の意思決定に携わり会社を経営する立場であるのに対して、執行役員は取締役等によって決められ事項を執行する立場にあります。例外もありますが、原則執行役員が会社の意思決定に携わることはありません。
とはいっても、執行役員は取締役が決めた事項を執行するという重要な役割をもつため従業員のなかでは特別に高い地位を持っています。執行役員=従業員の中のリーダーと考えてもらえば分かりやすいのではないでしょうか。
【取締役と執行役員の違い3】給与or役員報酬
取締役は役員で執行役員は従業員であると上記で述べました。つまり「雇用する」「雇用される」関係であるということです。当然報酬の支払われ方も違います。
執行役員は従業員であるため、ほかの社員と同様に給与という形で報酬が支払われます。対して、役員に対しては役員報酬が支払われます。役員報酬は一定の規定のもと役員自身で決めることができるのが特徴です。
このように、取締役と執行役員とでは、報酬の支払われ方も違います。
役員報酬についてより詳しくしりたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
【保存版】役員報酬を徹底解説!報酬の3つの種類と給与との違い、決め方など
【取締役と執行役員の違い+α】選任のされ方が異なる
取締役と執行役員の違いについて補足していきますね。
取締役と執行役員は立場が大きく異なるので、当然選任のされ方も異なります。
まず取締役についてですが、取締役は会社法によって定められた役員であるため株主総会によって選任されます。会社設立の段階では発起人が選任することになります。会社法によって最低でも1名の設置が義務付けられているのが取締役です。
対して、執行役員は会社法にて規定がないので、これといった選任方法はない。一般的には取締役会で選任されることが多いようです。ただ、取締役会から選任されたからといって、法律上なにか特別な権利などが認められているわけではありません。
このように、取締役と執行役員とでは選任のされ方も大きく異なります。
常務・専務取締役や常務・専務執行役員とは?
取締役と執行役員の違いについては上記で理解していただけたのではないかと思います。
もう少し掘り下げてみていくと、会社によっては「常務取締役」や「専務執行役員」など取締役や執行役員といった役職の前後に別の役職を与えられている場合がありますよね。こちらについても正しく理解していきましょう。まずは、常務や専務がどういった意味なのかを理解するとよいです。
常務とは、日常的に会社の業務も行うという意味をもちます。専務とは業務全般の管理も行っているという意味です。ただし、常務や専務の意味合いは会社ごとに多少ことなります。あくまで一般的な意味と理解してください。
例えば常務取締役であるならば、通常の業務の行うけど、取締役として会社の運営にも携わる役職であるといえます。現場と経営を行き来するポジションと理解していただければOKです。
専務取締役であれば、業務の管理を行いながら取締役の仕事を行う。専務執行役であれば業務の管理を行いながら執行役としての仕事も行うということになりますね。
仕事の内容から、一般的には常務より専務の方が役職として上であることが多いです。
常務や専務についても、会社法上特別な規定はなく、課長や部長と同じような取り扱いです。
ちなみに、専務や常務、代表などの肩書がついていない取締役を「ヒラ取り」などといい、肩書きがついていないので、取締役の中では最も地位が低くなります。
このように、取締役や執行役員に対して常務や専務など別の役割が充てられる場合があります。常務、専務、取締役、執行役員それぞれの意味を把握していれば理解がしやすいはずです。
取締役と執行役員に関する5つのポイント
取締役と執行役員に関して押さえておきたいポイントを5つ紹介します。
具体的には以下のとおりです。
- 取締役と執行役員は兼任可能
- 取締役には雇用保険がない
- 取締役と執行役員とで求められる人材が異なる
- 執行役員はみなし役員とされる場合もある
- 執行役員と執行役は異なる
それぞれどういうことなのか、具体的にみていきましょう。
【取締役と執行役のポイント1】取締役と執行役員は兼任可能
これまで取締役と執行役員の違いについて述べてきたのですが、取締役と執行役員は兼任可能です。本来、取締役と執行役員は役割が大きく異なるため、それぞれに人員が割かれるのが一般的ではあります。しかし、会社によっては人員の都合により取締役が執行役員を兼任しているケースもあるんですね。
その場合の肩書は「取締役執行役員」となります。
【取締役と執行役員ポイント2】取締役には雇用保険がない
取締役は役員であり、従業員ではありません。つまり、雇用保険が適応されないんですね。もし、取締役として指名された場合や取締役を選任する場合は、この点を理解しておく必要があります。
執行役員は会社法上は従業員なので雇用保険は通常通り適応されます。
【取締役と執行役員ポイント3】取締役と執行役員とで求められる人材が異なる
取締役は会社全体の方向性を考える立場。執行役員は具体的に業務執行を行う立場です。当然ですが求められる人材は大きく異なります。候補者の選定は向き不向きを考えたうえで行うべきです。
【取締役と執行役員ポイント4】執行役員はみなし役員とされる場合もある
執行役員について気を付けておきたいのが、執行役員がみなし役員として取り扱われる場合です。みなし役員とは、従業員ではあるものの実質的に役員と同じ働きをしているために税法上役員として扱われる従業員のこと。執行役員は、法人税法の上では役員として扱われるケースもある。
みなし役員とされると、執行役員への報酬が給与ではなく役員報酬として扱われるため、損金として参入できないなどが考えられます。
【取締役と執行役員ポイント5】執行役員と執行役は異なる
執行役員と似ている役職に執行役があります。執行役員と執行役は明確に違うので、混同しないようにしましょう。
執行役とは、会社法において役員等に含まれる役職です。理事や監事も役員等に含まれます。
これまで述べてきたとおり、執行役員は会社法にて規定はありません。執行役員と執行役の違いは、会社法にて明記されているか、明記されていないかの違いがあります。
執行役の選任方法や取締役会にて選任されます。執行役員は選任方法が規定されていないものの一般的に取締役会にて選任されるので、この点も執行役と執行役員を混同させる原因のひとつとなっています。
今回の記事に関連するオススメ記事は、以下のとおりです。是非参考にしてみてください。


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