法人住民税とは?知っておきたい3つのポイント!他の税金との違いやカンタンな計算方法も紹介!

登録日:2019.7.2  |  最終更新日:2019.8.31


法人には様々な税金が課せられます。法人住民税も、法人に対して課せられる税金の一つです。

法人化して長い方であれば、法人住民税がどういったものなのか把握しているはずです。しかし、まだ法人を設立して間もない方。もしくは、設立すらまだ終えていない方であれば「法人住民税って何だろう」「どうやって支払うのだろう」「計算はどうやるのだろう」と疑問が絶えないと思います。

今回は、はじめての方でも分かるように法人住民税について徹底的に解説します!

具体的には以下の項目に分けて解説しますね。

  • 法人住民税とは
  • 法人税・法人事業税との違い
  • 法人住民税の課税対象は?
  • 法人住民税について知っておきたいポイント
  • 法人住民税の計算方法

ここで解説する内容を把握してもらえば、今後、法人住民税の取り扱いについて困ることはなくなります。サクッと読める内容になっていますので是非参考にしてみてください!


まずは法人住民税の概要を把握しよう


まずは、法人住民税とは何なのかを基礎的な内容を把握しましょう。
法人住民税は、法人に対して課せられる税金のひとつ。個人に課せられる税金に住民税がありますよね。簡単にいうと、住民税の法人版が法人住民税です。事業所所在地の自治体が法人に対して課税します。そのため、税金の種類としては地方税に分類されますね。毎年度、決算が終了してから納付します。

法人住民税とはあくまで総称です。道府県民税と市町村民税を合わせたものを法人住民税と呼んでいます。ちなみに東京23区に事業所を持つ法人は、2つの税金が法人都民税としてひとつにまとめられています。

なぜ自治体が法人住民税を徴収するのかというと、法人も法的に人格を持ち、自治体が提供する公的サービスを教授していると考えられるからです。

法人住民税を把握するには、ほかの税金についても知っておくとより理解しやすいでしょう。以下で、ほかの税金と比較しながら解説していきますね。

法人税・法人事業税との違い・関係性


法人に課せられる税金は「法人住民税」だけではありません。法人に対して課せられる主な税金は「法人住民税」「法人税」「法人事業税」の3つです。

法人住民税と他2つの税金とを比較することで、法人住民税への理解が深くなります。

  1. 法人住民税と法人税の違い・関係性
  2. 法人住民税と法人事業税の違い・関係性

上記の2点に触れながら、違いを解説しますね。

法人住民税と法人税の違い・関係性

まずは法人住民税と法人税の違い・関係性を確認していきましょう。

法人税とは、法人が得た所得に対して課せられる税金です。所得が発生しなければ、当然法人税の支払いも発生しません。所得に応じて税率が定められています。計算式は以下のとおり。

【法人税=所得×法人税率】

法人税の支払い先は自治体ではなく国です。そのため、地方税ではなく国税として扱われます。法人住民税は地方税であるため、法人税と法人住民税の違いのひとつです。


実は、法人住民税は法人税の額によって定められます。つまり、間接的にですが、法人住民税も所得に応じて税額が決まると考えることができます。詳しい計算方法を解説すると長くなるので、また後程、別の章で解説しますね。

このように、法人税と法人住民税は国税と地方税という違いがあるものの、法人税の額に基づいて法人住民税が決まるという強い関係性を持っています。

法人税についてさらに詳しくしりたい方は以下の記事をご覧ください。

関連記事: 法人税について知っておきたい3つのポイント!計算や節税方法は?

関連記事:【保存版】法人税の計算方法はカンタン!3つのポイントをチェックしてすぐに金額がわかる!

法人住民税と法人事業税の違い・関係性

次に法人住民税と法人事業税を比較していきましょう。

法人事業税とは道路や消防や警察など、公共サービス、公共施設について、運営に必要な費用を賄うために自治体から徴収される税金です。自治体に収める税金なので、法人住民税と同様に地方税として扱われます。

法人事業税も、法人税と同様に所得に対して課税される税金です。そのため、所得が発生しなかった場合や赤字の場合は法人事業税の課税はありません。計算式としては以下のとおり。

【法人事業税=所得×法人事業税率】

また、法人事業税は法人税や法人住民税と違い、損金として算入可能である点も法人事業税の特徴のひとつですね。
まとめると、法人事業税は法人住民税と同じく地方税ではあるものの、所得から計算される点や損金として参入可能な点は法人住民税と異なります。

法人住民税の課税対象について


国内に事業所を構える法人であれば、原則すべての法人に対して法人住民税の納税義務が発生します。それは非営利団体であっても同様です。ただし、場合によっては法人であっても法人住民税が課税されないケースがあります。

例えば、事業を正式にお休みしている休眠会社。こういった法人にたいしては、自治体によって法人住民税の減額あるいは課税しないなどの対応をとっています。また、自治体によって非営利団体の一部を課税対象としないと定めているケースも。

法人と名のつく団体であれば基本的に法人住民税の課税対象となるので、法人を設立する際は頭にいれておきましょう。

法人住民税の計算方法を2つ解説!


ここからは、法人住民税がどのように計算されるのか、計算方法をみていきましょう。

法人住民税は「法人税割」と「均等割」と呼ばれるものを合計して算出します。計算式で表すと以下のとおり。

【法人住民税=法人税割+均等割】

つまり、法人税を計算するためには法人税割の計算方法と均等割の計算方法を把握すればOKです。用語の解説も含めてそれぞれの計算方法を確認していきましょう。

【法人住民税の計算方法1】法人税割の算出

まずは法人税率の計算式を先にご覧ください。

【法人税割=法人税×住民税率】

上記の式を見てもらえば分かるとおり、法人税割は法人税に住民税率と呼ばれる税率をかけることで算出されます。法人税は所得に応じて高くなるため、自ずと法人税割の金額も所得に応じて高くなりますね。法人税の課税がなければ、法人税割も0円になります。
住民税率は国によって決められているのですが、自治体ごとに税率を変更することが可能となっています。税率を一律にしている自治体もありますし、資本金従業員の人数に応じて税率を変えている場合もありません。法人税割を計算するには、管轄の自治体が税率をいくらで設定しているのかをまず確認する必要がありますね。一般的に10%から20%の間で設定されていますね。

このように、法人税割は法人税によって算出されるため変動が大きいです。

【法人住民税の計算方法2】均等割の算出

法人住民税の均等割は所得にかかわらず課されます。たとえ年度中に営利活動を行っておらず、所得が0円であった場合でも、はたまた赤字であってもです。

法人住民税の均等割は自治体ごとに定められています。均等割の金額は資本金と従業員の人数によって定められるのが特徴です。特別な計算は特に必要ありません。法人税割のように所得によって変化しませんし、税率が定められているわけではないからです。自身がどの金額にあてはまるのかを確認すればOKです。最低7万円程からスタートする自治体が多いですね

言い換えると法人の規模が大きければ大きいほど均等割の金額は大きくなるということですね。

法人税含めて、税金の手続きを外注したい場合は以下の記事をご覧ください。

関連記事:【保存版】税理士の顧問料や報酬相場はいくら?5つのケース別にわかりやすく解説!

法人住民税計算の具体例を紹介


上記で法人住民税の計算方法がわかったところで、具体的な数字を挙げながら法人住民税の計算を行なっていきます。

今回の条件は以下を想定します。

  • 資本金1500万円
  • 従業員25人
  • 今期の法人税100万円

である法人Aに対して、道府県民税10%と市町村民税5%が適応されるケースを例に計算していきますね。まずは法人税割を計算していきます。

今期の法人税が100万円なので、道府県民税が10万円、市町村民税が5万円となり、合計15万円です。この15万円が法人税割となります。


次に均等割をみていきましょう。法人Aの自治体では均等割が以下のように定められていたとします。

 資本金・従業員数 均等割
 1000万円以下・従業員50人以下 50,000円
 1000万円以下・従業員50人超 100,000円
 1000万超~1憶以下・従業員50人以下 150,000円
 1000万超~1憶以下・従業員50人超 300,000円
 1憶超~10憶以下・従業員50人以下 200,000円
 1憶超~10憶以下・従業員50人超 400,000円

法人Aは資本金1500万円、従業員25人ですから均等割は15万円が適応されます。


法人住民税は、法人税割と均等割を足したものなので今回のケースだと15万+15万=30万となります。つまり、法人Aは法人住民税を30万円支払う必要がありますね。

法人の住民税について知っておくべき3つのポイント


ここからは、法人住民税について知っておいた方がよい3つのポイントを解説します。

  1. 税金の納付方法と納期
  2. 法人カードを活用
  3. 所得と利益の違いを把握

【法人住民税のポイント1】税金の納付方法と納付期限

法人住民税の納付はそこまで難しくありません。自治体から納付書と申告書が届くので、必要な情報と現金を用意して金融機関か自治体の窓口にて納付します。

納付期限は、決算が終了した翌日から2か月以内です。期限が終了すると罰金が科せられたり、青色申告の取り下げがされたりとあまりよいことはないので早め早めの納付を心がけましょう。

【法人住民税のポイント2】法人カードの活用

法人カードは、法人が事業に必要な費用を払うためのクレジットカードのことです。実は地方税や国税はクレジットカードで支払えるのですが、ご存じでしたか?法人住民税に限らずですが、税金の支払いをクレジットカードで行うと多くのメリットにあずかれますよ。

まず、支払元がひとつになるので会計処理が行いやすいです。また、税金の支払いはタイミングがバラバラなので支払い漏れの可能性があるのですが、クレジットカードでの支払いにしておけば税金の支払い漏れがなくなります。クレジットカードなので資金繰りの関係でキャッシュがない場合でも支払いが可能です。そして、選んだクレジット会社によっては税金の支払いでポイントがたまります。


手数料が必要になったり、クレジットカード払いに対応していない自治体もある。法人住民税に限らず法人税など、ほかの税金の支払いにも使えるので是非取得してみよう。

【法人住民税のポイント3】所得と利益の違い

ここまでの説明で「所得」という言葉を使ってきましたが、所得についてきちんと把握できていますか?似た言葉に「利益」がありますが、所得と利益は似ているようで違います。法人住民税の計算においても所得は重要なのできちんと把握しておきましょう。

所得は、決算を行って最終的に確定した手元にはいるお金のことを言います。つまり、事業年度中は所得がいくらになるかはわかりません。決算は事業年度の最後に行うからです。

「所得は決算までわからないけど、最終的には利益=所得になるんじゃないの?」と思うかたもいるかもしれませんね。しかし、利益=所得となることは、ほぼほぼありません。

利益は以下の計算式で算出されます。

【利益=売上-費用】

事業年度中において売上や費用とは、単にお金の増減を指します。決算では、すべてのお金の増減を計算するわけではありません。決算の計算に使う売上を益金、費用を損金といいます。そして所得は益金から損金を引いて算出されるんですね。計算式は以下のとおりです。

【所得=益金-損金】

このように、すべての売り上げや費用を決算に使うわけではないので利益と所得ではズレが生じてしまいます。


税金の取り扱いの前に、法人をどのように設立すればよいのか知りたいかたは以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:【意外とカンタン】法人登記を行うまでの7つの手順!必要な書類とかかる費用もあわせて紹介

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