起業成功率は20%?成功する起業に必要な事

登録日:2019.2.13  |  最終更新日:2019.2.14

起業して自分でビジネスをしたい、あるいはお店を始めたいと考えている方はかなりいると思います。ただ、実際に起業できる人はその中の一部の人ですし、実際に起業した人の中で10年後もうまくいく人は2割程度ともいわれます。

税理士が語る“起業”のリアル:「会社に必要なのはお金」綺麗事だけなら起業は失敗する

起業するためには何をすればいいのでしょうか。そして、実際に成功するには、どのような点に気をつけなければならないのでしょうか。ここでは起業するために知っておくべき事、そして起業して成功するために必要な事を解説していきます。これから自分で何かを始めようとしている方も、漠然と将来に対する不安をお持ちの方も、ぜひ参考にしてください。


起業するためにまず必要なのは、自分自身の意志と目的


起業するのに一番大事なのは、起業に対する強い意志や目的があることです。この意志や目的は具体的であればあるほど、困難を乗り越える原動力となります。「社長になりたい」「お金持ちになりたい」という漠然とした目標だけでは、起業する前に挫折してしまうでしょうし、仮に起業したとしても失敗する可能性が高くなってしまいます。


今の職場を辞めてでも起業したいのはどうしてなのか、起業した後どのようなビジネスを展開したいのか、あるいは自分自身がどのようになりたいのかを具体的に考えてみましょう。自分自身の目標や行動だけでなく、起業した後の会社や事業が、地域社会や取引先・顧客に対して果たす役割というところまで考えられるといいでしょう。様々なことを考える中で、新たなアイデアが思いついたり本当の自分の気持ちに気付いたりすることができるはずです。


起業するまで、そしてそこから成功と思える結果を出すまで数多くの困難を乗り越えていく気持ちがあるかどうか、まずは自分自身に確認してみましょう。

起業して何をするのか、ビジネスプランを考えよう


起業する具体的な意志や目的を確認したら、それを達成するためのプランを考えてみましょう。

ビジネスプランを考えるうえで重要なのは、現時点で実現可能なプランであること、そしてそのプランが収益性のある継続可能なものであることです


将来的にこうしたいというような考えがあるかもしれませんが、それはビジネスプランではありません。一歩一歩確実に実現していくものがビジネスプランです。

ビジネスプランを考える以前の問題として、何をしたらいいか具体的に思い浮かばない場合には、日常生活の中から起業のためのアイデアを考えてみましょう


例えば、日常的に利用している商品やサービスの中に、改善したりより便利になるようなものはないでしょうか。あるいは、仕事で利用しているサービスから新しいアイデアは浮かんでこないでしょうか。


そもそも今の仕事とは関係なく、趣味や好きなことの中に起業につながるものがあるかもしれません。何気なく生活しているだけでは、特に便利さも不便さも感じないかもしれませんが、気にしてみるといろいろなところにヒントが眠っているのです。そのヒントに早く気付けた人が、その後のビジネスチャンスをつかんでいます


ただ、自分の考えだけでは限界があります。そのため、家族や職場の同僚との会話、あるいはSNSや様々なサイトの口コミから世の中の流れを感じるのも大事なことです。情報収集は起業のため、そしてその後の成功のためにも欠かせません。

具体的にビジネスプランを考えるにあたっては、どのような形で利益を生み出す仕組みを作りあげるかを検討していきます。このとき、ビジネスモデルキャンバスという設計書のようなフレームワークを用いると、ビジネスモデルの重要な要素を一覧性のある用紙にまとめることができるため、全体像を見つめやすくなるという特徴があります。

ビジネスモデルキャンバス

⑧キーパートナー

⑦主要活動

②価値提案

④顧客との関係

①顧客

⑥キーリソース

③チャネル

⑨コスト構造

⑤収益の流れ

①顧客:ビジネスの対象となる顧客は誰なのか。例えば会社なのか、消費者なのかといった分析をします。


②価値提案:顧客に対して商品やサービスがどのような価値をもたらすか。逆にいえば、顧客が商品やサービスを選ぶ際の理由となるものです。


③チャネル:通常は販売経路のことをいいます。ここでは、どのように商品やサービスを顧客に提供するか、その方法を考えます。対面販売もあれば通販やネット販売もあります。


④顧客との関係:顧客を実際に対応する時間の長さと深さはそれぞれ違います。顧客との関係が短ければ一回きりの関係となり、単発の仕事が増えます。逆に顧客との関係が長くなるとその分ビジネスチャンスも増えるでしょう。また、顧客との関係が深ければ、実際に顔を合わせて対応することとなります。この場合、顧客がライバルに奪われる可能性を低くすることができるだけでなく、既存の顧客から新しい顧客を開拓することも期待できます。逆に関係が浅い場合には、セルフサービスや接客対応をしないで事業展開することが考えられます。数多くの顧客を確保できれば、高い収益性が期待できます。


⑤収益の流れ:どのように収入を得るか、その具体的な方法です。物の販売、サービスの利用料、仲介料、保守料、会費などの収入があります。また、収益の利益率や継続性がそれぞれ異なります。


⑥キーリソース:価値を生み出しビジネスを実現するための経営資源をいいます。よくヒト・モノ・カネといいますが、それだけでなく情報やノウハウなどの無形資産、店舗や工場などの固定資産も含まれます。


⑦主要活動:キーアクティビティともいわれます。ビジネスを実現するために行うことです。価値を創造し提供するための活動と、キーリソースを生み出したり強化したりするための活動に分けられます。


⑧キーパートナー:販売を行う小売店や製造を行う工場など、価値の創造に欠かせないパートナーです。仕入先や提携先・代理店などもキーパートナーに含まれます。


⑨コスト構造:事業を行ううえで、何にコストがかかるかです。キーリソース・主要活動・キーパートナーにかかるコストのうち最も主要なものが該当します。コストには売上とともに変動する変動費と、売上に関係なく発生する固定費があるので、いずれに該当するかを考えてみます。

新規に事業を立ち上げようとする場合は、顧客のニーズを考え、誰をターゲットにするのか、あるいは自身が持っているスキルや知識をキーリソースとして活用できないか、さらには社会情勢の変化や規制緩和などから新たな価値提供のチャンスがないかというところから考えてみましょう。

起業に必要な資金を算出し、準備しよう


起業するにはお金が必要です。いくらあればいいかというのは、起業の内容やその後の見通しなどによっても大きく違います。まずは、どれくらいの資金が必要になるかを考えてみましょう。


新たな事業を始めるにあたって会社を作る場合でも、資本金は1円から設立可能なため、そのためのお金は必要ありません。しかし、会社が設立できても事業を行う場所の家賃、事業に使う資産や備品など、開業直後はあっという間にお金が出て行ってしまうのです。


ここで、開業にあたって必要なお金の具体例をあげてみます。

事務所・店舗

敷金、礼金、仲介手数料、リフォーム費等

内装・設備

デスク、いす、パソコン、プリンター、電話、棚、レジ、厨房機器等

備品

制服、食器、携帯電話等

広告宣伝費

チラシ、ホームページ開設、ロゴ作成、名刺等

開業にあたって必要なお金には、事業の内容によっては他に必要となる項目があるかもしれません。これらは、実際に開業して収益を得る前に必要となるものですから、事前にいくらくらいになりそうかを見積もっておいて、準備しておかなければなりません。

また、開業のために必要なお金とは別に、毎月の運転資金として必要な資金を計算しておく必要があります。運転資金には、次のようなものがあります。

売上の額に連動して変わるもの

仕入代金、外注費

毎月ほぼ同額が必要なもの

家賃、人件費、水道光熱費、通信費、広告宣伝費

資金調達の方法により必要なもの

借入金返済、リース料

その他

自分や家族の生活費

売上の額に連動する費用を変動費、毎月一定額が必要なものを固定費といいます。これらの支出が毎月どれくらいになるかを計算したら、その2~3か月分の資金を開業資金とは別に確保しておく必要があります


というのは、開業してもすぐに売上があがるわけではなく、特に最初の数か月は売上がゼロの日があったり、売上があってもマイナスになったりする月があってもおかしくないからです。開業して忙しくなる前に運転資金を確保しておくようにしてください。


開業して思ったように売上が伸びない場合、どうしても事業の方に集中せざるを得ず、資金確保のために飛び回ることはできません。また、自分自身や家族の生活費も確保しておかなければ、事業に集中できません。


開業資金と運転資金をあわせていくら必要かわからないという場合はできるだけ多く、少しでも余裕をもてるようにしておきましょう。そのためにも、必要資金の見積計算は厳しめに行っておくといいでしょう。


資金調達の方法


開業資金と数か月分の運転資金の額を計算したら、実際にそれだけの資金をどのように準備するかを考えなければなりません。資金調達の方法には様々なものがあるため、その特徴とあわせてご紹介します。

①自己資金をためておく

起業する前に、自分でためておいたお金を開業資金や運転資金として利用する方法です。全額自己資金で起業すれば、開業後に借入金の返済が発生しないため、その後の事業計画が立てやすくなりますし、借入時にかかる諸費用や保証料、月々の返済時にかかる支払利息がないため、トータルの支出を少なくすることができます


ただし、自己資金ですべて賄おうとして無理に支出を抑えたり、自分の貯金がゼロになったりしてしまっては逆効果です。投資すべきところには投資をして仕事をしやすい環境を整えておかないと、その後の売上があがらなくなってしまいます。また、自分自身の生活費がなければ、心の余裕が失われ事業に集中できなくなってしまいます。


一般的に、開業する際に金融機関から融資を受けるのは、開業した後に資金が底をついたため融資を受けるのに比べてハードルが低く、融資が受けやすいといえます。また、金融機関と関係を築いておくことで、資金面はもとより、会社設立や税金・社会保険など経営者や事業主として避けられない問題の相談相手となってもらえます。


また、会社や事業に対する対外的な信頼が増すほか、金融機関の担当者を通じて取引の可能性が広がるかもしれません。起業する際に借入をするのは決して悪いことではないため、自己資金と借入のバランスを考えてスタートを切れるようにしましょう。

②金融機関から融資を受ける

借入をするのは悪くないとは言っても、いきなり近所の銀行に飛び込んで行ったのでは、融資を断られてしまいます。どのような金融機関を利用するか、あるいはどのような手順で融資を受けるかを確認しておくことで、事業計画を後から練り直す必要がなくなります。

代表的な融資の一つに、日本政策金融公庫を利用する方法があります。

日本政策金融公庫とは、国民生活・中小企業・農林水産の3つの分野に関する事業を行っている政府系金融機関です。中小企業の資金調達に関する業務を行っており、民間の金融機関ではなかなか実行できないような事業を始めたばかりの中小企業向けの融資も行っています


日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を利用すれば、新たに事業を始める人でも一定の条件を満たせば、無担保・保証人なしで3,000万円(うち運転資金1,500万円)までの融資を受けることができます


またほかにも、「新規開業資金」、「女性、若者/シニア起業家支援資金」、「再挑戦支援資金」という形で、新たに事業を開始しようとする人が利用できる融資制度があります。それぞれ条件がありますが、利用すれば最高で7,200万円(うち運転資金4,800万円)の融資が受けられます。起業の際に融資を受けるのであれば、まずこれらが第一候補になります。

次に候補になるのが、制度融資と呼ばれる方法です。

制度融資とは、起業しようとする人のために、地方自治体、信用保証協会、金融機関の三者が協力して資金調達を行うものです


地方自治体が金融機関に対して保証料や支払利息の一部を負担するなどの支援を行う一方で、信用保証協会が融資の保証人となり金融機関が貸し倒れるリスクを軽減してくれます。そのため、金融機関が起業しようとする人に対しても有利な条件で融資を行えるようにしているのです。


制度融資を利用しようとする場合、まずは住んでいる地域か開業しようとしている地域の都道府県・市町村に問い合わせをする必要があります。そのうえで、都道府県の制度融資を利用するか、市町村の制度融資を利用するかを選択するのです。


制度融資を利用すれば、自治体を通して金融機関に融資の申し込みをすることとなるため、審査に通りやすくなります。これは、自治体が起業した人の創業支援を行うことが前提とされているため、開業直後でも誤った方向に進まないだろうという金融機関の信頼があるからです。また、自治体の支援を受けられるため、金利が低く抑えられます。


開業直後には、利息だけを負担していれば元金の返済をしなくてもよい据え置き期間が設定されることも多く、売上が安定するまでの間の負担を抑えることができます。さらに、返済期間が長期間に設定されることが多いため、月々の返済が楽になるのも特徴です。


その一方で、三者が絡むため融資を受けるまでの手続が煩雑になってしまいます。必要な書類も多く、実際に融資を受けるまで時間がかかることが想定されます。また、地方自治体、信用保証協会、金融機関の三者がそれぞれ審査を行うため、場合によってはいずれか一つだけ審査が通らずに融資を受けられないという可能性もあるのです。


自治体ごとに制度の種類や融資を受けるための条件が異なります。どこで開業するかによって、手続きをする自治体が変わるため、利用を検討している人は、どの自治体の制度融資を利用することとなるのか、その条件はどのようになっているか事前に確認しておきましょう。

③自治体の補助金・助成金を受ける

多くの自治体では、新規で事業を立ち上げようとする人を支援する制度があります。このような制度をうまく利用すれば、資金調達や税制面での優遇を受けることができるのです。


低金利で融資が受けられる制度、固定資産税などの税率を減免する制度、経費の一部を助成する制度など自治体ごとに様々なものがあります

制度融資よりも融資を受けられる人の範囲は狭い場合が多いと思いますが、融資を受けられれば、その後の条件は有利になることが多いと思います。ただ、細かい内容は自治体ごとに異なるため、必ず対象となる自治体の条件を確認しましょう。


また、補助金や助成金を受けるためには、さらに厳しい条件をクリアしなければなりません。ただし、これらは返済する必要がないため大きなメリットがあります。利用できるものがないか、ぜひ確認してみてください。

④その他

クラウドファンディングは、インターネット上で自身のプランを公表し、それに共感してくれる人が資金を提供するというものです。起業に関するすべての資金を調達することは難しいと思いますが、起業して始めようとしている一部の商品やサービスについて利用することは考えられます。


また、資金調達だけでなく新規事業に対する注目・関心を集めることもできるため、うまく利用できれば一石二鳥となります。ただ、あまりにずさんなプランであったり共感を得られにくい商品であったりすると、インターネット上で逆の意味で話題になってしまうこともあるため、安易に考えない方がいいかもしれません。


起業方法


自己資金とそのほかの方法を利用して資金調達のめどがついたら、いよいよ起業の手続きに取りかかることとなります。その際に注意しなければならないのは、許認可や届出が必要となる業種があるということです。


飲食店であれば飲食店営業許可が必要ですし、ケーキ屋であれば菓子製造業許可が必要です。許認可が必要な業種の場合、いくら開業準備が整っても許認可がなければ営業を開始できないため、必ず確認しておきましょう。

起業の方法として、個人事業主となる方法と会社を設立してその経営者となる方法があるため、どちらにするかを選ばなければなりません。それぞれにメリット・デメリットがあるので、まずは両者を比較してみましょう。

 個人事業主

メリット

・簡単に事業を始められる

・事業開始まであまり時間と費用がかからない

・事業が軌道に乗るまで税金の負担が少なくすむ

デメリット

・ビジネスとプライベートの区別をつけにくい

・対外的な信用を得るのに時間がかかる

・法人としか契約しない業者との取引ができない

 会社

メリット

・個人と会社を分けてお金などを管理することができる

・対外的な信用を得やすい

・どのような相手方とも取引ができる

デメリット

・設立に費用がかかる

・法人税の申告書を作成するため、税理士に依頼しなければならない

・赤字でも税金が必ず発生する

それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどちらがいいとは言えません。まずは展開しようとしている事業がどのような形のものか、顧客となるのは法人か個人かといった点からも検討していく必要があります。法人をメインの顧客として事業を展開していくつもりであれば、個人事業主とは契約しないという会社もあるため、会社を設立することを第一に考える方がいいでしょう。また、最初から会社を設立するのは難しい場合でも、できるだけ早く法人化することを考えておきましょう。


起業手続き


個人事業主として起業するか会社を設立するかを決めたら、実際にその手続きを開始することとなります。個人事業主として起業する場合、会社を設立する場合のそれぞれについて必要な手続きを見ていきましょう。

①個人事業主の場合

個人事業主になったという手続きは、税務署に対する届出が中心となります。会社を設立した場合のように、登記する必要はありません

個人事業主となる場合には、自身が住んでいる地域を管轄する税務署に、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。この届出書は、事業を開始してから1か月以内に提出することとされています。


また、1年間の所得金額を集計して確定申告をする際に事業所得が生じる人は、複式簿記を行った帳簿を保存するなど一定の要件を満たせば、青色申告をすることができます。個人事業主となって初めて青色申告を開始しようという人は、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。


この申請書は、新たに事業を開始した場合はその開始した日から2か月以内に提出しなければなりません。

また、従業員を雇用して給料を支払う場合は、税務署に「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出しなければなりません。この届出書は、給料を支払うこととなってから1か月以内に提出します。

個人事業主の場合、社会保険への加入は強制適用ではありません。しかし、業種によっては従業員が5名以上いると強制適用となります。そのような場合には、社会保険への加入手続きを行わなければなりません。事務所の所在地など、実際に事業を行っている場所を管轄する年金事務所に「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」と「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」、「健康保険被扶養者(異動)届」を提出することとされています。これらは、加入義務が発生してから5日以内に行わなければなりません。

また、従業員を雇用すると労働保険への加入義務が発生します。そのため、様々な書類を提出しなければなりません。労働基準監督署に提出する「労働保険関係成立届」は、従業員を雇用してから10日以内に提出するものです。


また、ハローワークに提出する「適用事業所設置届」も、従業員を雇用してから10日以内に提出すべきものです。同じくハローワークに提出する「被保険者資格取得届」は、雇用した月の翌月10日までに提出しなければなりません。

②会社を設立する場合

会社を設立する場合には、法務局で法人設立登記を行う必要があります。ところが、法人設立登記を行う際には、会社の決まりを定めた定款が必ず必要となるため、まず先に定款の作成を行わなければなりません。


株式会社を設立する際、作成した定款について、会社の所在地を管轄する公証役場で認証を受けなければならないため、まずは定款の作成と認証を受けるところから始めましょう。定款の認証を受けるには、公証人へ手数料として5万円を支払うほか、書面で作成した定款については収入印紙代4万円も必要です。


ただし、電子定款という形をとれば、印紙代の4万円は必要ありません。

また、合同会社を設立する場合は、定款認証は必要ありません。そのうえ、電子定款にすれば、定款の印紙代4万円も節約できます。


定款が完成したら、その定款を使って法務局で会社の設立登記を行います。株式会社の場合は、登録免許税として最低15万円が必要です。合同会社の場合は、登録免許税として最低6万円が必要となります。

会社を設立し登記が完了したら、登記簿や定款を添付して、税務署に「法人設立届出書」を提出します。この届出書の提出は、法人の設立から2か月以内に行うこととされています。


個人の場合と同じく、法人の場合も青色申告を行うと税制上のメリットを受けることができます。新たに設立した会社が青色申告をしようとする場合は、税務署に「青色申告の承認申請書」を提出します。


提出期限は、原則として会社設立の日から3か月以内とされているため、忘れないようにしましょう。

従業員を雇用して給料を支払う場合は、個人事業主の場合と同じく、税務署に「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出しなければなりません。この届出書は、給料を支払うこととなってから1か月以内に提出することとされています。

また、会社が従業員を雇用すると、その会社の規模や業種に関係なく、社会保険が強制適用されます。その際の手続きは個人事業主で説明した内容と同じく、管轄する年金事務所に「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」と「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」、「健康保険被扶養者(異動)届」を提出します。


この手続きは、加入義務が発生してから5日以内に行うこととされているため、従業員を雇用する場合、最初に行うべき手続きになるはずです。

従業員がいる場合、労働保険への加入も必要となります。「労働保険関係成立届」は、従業員を雇用してから10日以内に労働基準監督署に提出します。


また、「適用事業所設置届」は、従業員を雇用してから10日以内にハローワーク提出すべきものです。同じくハローワークに提出する「被保険者資格取得届」は、雇用した月の翌月10日までに提出しなければなりません。

個人事業主の場合も会社を設立する場合も、自分で届出書の作成や提出などすべて行うことは不可能ではありません。しかし、起業直後は、形式的な届出書の記載や提出に時間をかけるより本業に集中するべきです


このような手続きは、多少費用がかかっても税理士や社会保険労務士などの専門家におまかせするようにしましょう。設立時だけでなく、その後の経営についてもアドバイスや書類作成をお願いできるため、安心して経営に集中できます。


起業に向いている人・向かない人


起業に向いている人は、行動力のある人柔軟な考え方ができる人素直な人です。起業直後は一人で判断しなければならない場面も多いため、行動力があって決断ができる人が向いています。また、社会の変化に対応してビジネスモデルを変えることのできる柔軟さがある方が成功する確率はあがります。


さらに、起業するとほかの人からアドバイスをもらい、税務・労務などの分野にもかかわっていかなければならなくなります。そんな時に、ほかの人や専門家の意見に耳を傾けることができる人の方が成功するといえるでしょう。


逆に、自分で責任を取らないで言い訳をしたり人のせいにしたりする人何事も決断できず優柔不断な人お金の管理ができない人は起業には向いていません。


ただ、起業に向いているか向いていないかは、その人の性格によってすべて決まるわけではなく、意識して行動すれば変えることができます。ここに書いた起業に向いている人の特徴は、起業する際に必要な行動パターンの一例と考えて、普段の行動から意識するようにしましょう。


起業にまず必要なのは事業についてのアイデアや知識


起業したいと考えている人は、ここまで読んできて、いろいろ考えなければならないことが多く不安に感じているかもしれません。しかし、起業するにあたって一番大事なのは、事業としてどのようなことを行い、どのように収益を上げるのか、そのためのアイデアや知識、技術などです


資金がなければ絶対に起業できないとか、税金や社会保険に関する知識がなければ起業できないわけではありません。起業にあたっての漠然とした不安は、自治体が設置する支援センターや商工会議所などで相談できます。


資金面については、自治体の制度融資担当窓口や金融機関で相談できます。また、税理士や社会保険労務士に開業に関する届出やその後の税金・社会保険の相談もできます。会社を設立する場合は、司法書士に相談してみましょう。様々な専門家の知識を活用しつつ、自身は経営に集中して、自分の持つ起業のアイデアを最大限発揮するようにしましょう

参考:起業の世界Vol.1 「会社に必要なのはお金」綺麗事だけなら起業は失敗する

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