【13選】DX事例集！自治体や製造業、中小企業などの事例を紹介

登録日：2023.6.28  ｜  最終更新日：2023.7.23

IoT技術の普及により、業務のDXを進めている企業担当者も多いのではないでしょうか？

しかし、DXを推進したいけど、進め方や方法がわからないという方も少なくありません。

そこでこの記事では、DXを行って業務効率の改善に成功した企業や団体の事例を紹介します。

この記事ではDXにより業務効率を改善した事例を13選紹介するため、皆さんの役に立つDX事例が見つかるでしょう。紹介するDXの事例を参考に、自社のDXに取り組んでみてください。

DX-PLANでは、皆さまに適したDXのプランを提案し、事業のデジタル化推進をお手伝いしています。DXによる業務改善を検討している方は、ぜひご相談ください。

経済産業省が推進するDXの取り組みとは？

経済産業省では現在、古い業務システムの刷新を目的として、企業や大学など業種を問わずDXを推進しています。

現在さまざまな法人や自治体で使用されている基幹システムには、1980年代に導入されたシステムも珍しくありません。そして導入から30年以上経過し、旧システムに精通した人材が減少しはじめています。

旧システムを熟知した人材が減少することは、多くの企業で業務が立ち行かなくなるリスクに直結します。

そこでDXに取り組むことで、基幹システムがブラックボックス化するリスクを回避し、業務を革新的に改善することが可能です。

下記の記事では、DXが推進されている理由や背景を詳しく解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

DX推進とは？わかりやすく簡単に解説！目的やメリット、5つのポイントを事例と共に紹介

【業種別】DX事例11選

ここからは実際にDXを行った法人や自治体の事例を紹介します。経済産業省も積極的に推進しているDXに成功しているのは、次の11の法人や自治体です。

• 【製造業】ブリヂストン
• 【建設業】清水建設
• 【小売業】セブン＆アイ・ホールディングス
• 【教育】トライグループ
• 【物流業】日立物流
• 【農業】Kalm角山
• 【自治体】東京都三鷹市
• 【医療】医療法人三州会大勝病院
• 【介護】社会福祉法人久寿会
• 【大学】東北大学
• 【観光】静岡県

それぞれの事例を詳しく見ていきましょう。

【製造業】ブリヂストン

タイヤ製造の大手であるブリヂストンでは、職人の匠の技とデジタル技術を融合させる取り組みを行い、DXを推進しています。

製造業において優れた技能を持った職人の技術は、将来まで継承したい会社の財産といえます。しかし、職人の技術はデジタル化が難しく、継承されないまま失われてしまうことも珍しくありません。

ブリヂストンでは、データ化の難しい職人の技術をカメラやセンサーで計測し、可視化することに取り組んでいます。優れた職人の技術をデータとして残すことで、新入社員が技術習得に活用できるようになりました。

ブリヂストンではDXの導入により優れた職人の技術を新しい人材に継承し、製品開発など製造の現場以外でも活用しています。

【建設業】清水建設

建設業大手の清水建設では、建設現場や管理業務でDXに取り組んでいます。

危険も多い建設現場ではDXを推進し、これまで人間が行っていた作業の一部をロボットに置き換えています。工事でつきものの検査でもDXを取り入れ、精度の高いカメラを使ってリモートによる完了検査が行えるようになりました。

現場作業以外でも、多様な働き方に対応するため全社員にスマートフォンを配布しています。業務用のスマートフォンを持つことで、社員はどこでもスムーズにコミュニケーションが取れるようになりました。

このように清水建設では、DXの導入により現場やバックオフィスなどの業務で効率化を実現しています。

【小売業】セブン＆アイ・ホールディングス

引用元：セブン＆アイ・ホールディングス公式HP

コンビニエンスストア大手のセブン＆アイ・ホールディングスでは、グループを横断したDXを推進しています。

セブン＆アイ・ホールディングスでは、AI技術を活用し、効率的な商品配送プロセスの構築を進めています。

商品の配送を効率化することで、消費者は自宅にいながら快適に買い物を楽しむことが可能です。

また、大切な資産である7iD会員の情報を守るために、高度なセキュリティレベルの情報インフラを構築しました。

セキュリティに携わる人材はすべて本部に集約し、グループ各社に助言を行っています。

セブン＆アイ・ホールディングスは、DXの推進によりすべての消費者が安心して買い物ができる環境を構築しました。

【教育】トライグループ

全国で家庭教師派遣を行っているトライグループでは、DXを推進し、高いレベルの教育を多くの中高生に提供しています。

トライグループはDXの取り組みとして、映像授業サービス「TRY IT」を行っています。時間や場所を選ばず学習ができるTRY ITの導入により、効率的な学習と学習の継続しやすさを実現しました。

通常、付加価値の高いサービスは、料金を支払い提供を受けます。しかしTRY ITは誰でも無料で視聴可能です。スマートフォンやパソコン、タブレットさえあれば、わかりやすい講義を手軽に受けられます。

トライグループはTRY ITの取り組みもあり、登録会員数が100万人を突破し、多くの現役中高生の学習に役立っています。

【物流業】日立物流

企業内の包括的な物流を請け負う日立物流では、輸送に携わるさまざまなDXソリューションシステムを開発しました。開発したDXソリューションシステムにより、満足度の高いサービスを提供しています。

たとえば、顧客のサプライチェーンの情報を管理・可視化するシステムを活用することで、業務の最適化を実現しました。また輸送効率を改善するプラットフォームを開発し、交通事故の減少を支援しています。

さらに倉庫保管からデータ連携までを一括したパッケージとして提供し、顧客が効率的に在庫を管理することが可能です。

日立物流では、物流業というさまざまな業界とかかわりを持つ特性を活用し、産業界全体のDX推進に寄与しています。

【農業】Kalm角山

北海道で酪農を事業として運営するKalm角山では、DXにより農場をスマート化することに成功しました。

通常、酪農というと農場の作業員が動物の世話を行わなければいけません。過酷な仕事のため人手不足も叫ばれています。Kalm角山ではさまざまなシステムを導入したDXにより、農場管理の省力化を実現しました。

Kalm角山が運営する農場では、乳牛の搾乳や牛舎内の清掃をロボットが行います。農場の作業員はカメラやセンサーを使い牛舎内の状況を監視し、管理しています。一頭一頭の乳牛を常に見守っているため、変化にも柔軟に対応が可能です。

Kalm角山は、DX導入による効率的な農場経営で、人間にも牛にも優しい新しい形の酪農を実現しました。

【自治体】東京都三鷹市

東京都の中央部に位置する三鷹市では、スマートシティ実現のためにDXに取り組んでいます。

三鷹市のDXは、行政手続きの簡略化や、災害時の情報提供など市民生活に深く携わっているのが大きな特徴です。市民生活に直接かかわるだけでなく、AIによりデータを解析し、地域の課題解決にも取り組んでいます。

また、三鷹市では行政サービスやイベント情報などを包括的に提供する、情報サイトを開設しています。このサイトを通じて、市民や三鷹市に事業所を置く事業者は、利便性の高い行政サービスを受けることが可能です。

三鷹市はデータを活用したDXを推進し、利便性が高く誰でも安心して暮らせる新しいまちづくりに取り組んでいます。

【医療】医療法人三州会大勝病院 

鹿児島市の三州会大勝病院では、DX推進により入院患者も家族も安心の病院運営に取り組んでいます。

三州会大勝病院では、入院患者が一人で病院を離れてしまう「離院」に悩んでいました。

その対策のために導入されたのが、顔認証システムによるDXを活用した管理体制です。

病棟に設置したカメラで患者の動向を見守り、異常があればすぐにスタッフに通知されます。

これまでの離院対策では、スタッフが常に患者の動向に注意を払っていたため、スタッフの負担になっていました。しかしDXの活用により、スタッフの負担は軽減され、業務効率が改善しています。

三州会大勝病院ではDX導入により、患者も家族も医療スタッフも全員が安心できる体制を整えました。

【介護】社会福祉法人久寿会

神奈川県で高齢者福祉施設を運営する社会福祉法人久寿会では、DXを活用し効果的な機能訓練サービスを提供しています。

久寿会では専門家による高度な機能訓練サービスを提供するために、リモートによる専門家との連携を図りました。

この取り組みにより、利用者の機能訓練の様子を理学療法士などの専門家がリモートで確認し、適切な助言を行えます。

機能訓練は作業療法士などが立ち会う必要がありますが、リモート訓練の導入で利用者は好きなときに機能訓練に取り組めます。

自分のタイミングでできることで、利用者が積極的に機能訓練に取り組むようになり、機能訓練の効果が向上しました。

またDX導入により施設職員の業務負担も軽減されたため、業務の効率化にもつながっています。

【大学】東北大学

仙台に本部を置く東北大学では、教育や研究、業務など大学のあらゆる面でDXに取り組んでいます。

たとえば学生一人ひとりにIDを発行し、出席確認や証明書発行、授業情報の提供など利便性の高いサービスを提供しています。

また授業や履修登録もオンライン化され、学生は好きな場所で授業を受けて、手続きが行えるようになりました。

東北大学のDXは学内から募ったメンバーが主導し、学生サービスの向上や教員の研究サポートなどに活用されています。東北大学の取り組みと成果は広く公開され、他の大学のDXを推進することになりました。

国内の大学のDXをリードする東北大学の取り組みは、新たなカタチの大学運営として注目されています。

【観光】静岡県

静岡県ではスマートフォンアプリを使い、観光情報の発信とデータ収集というDXを行っています。

多くの観光資源を有する静岡県では、デジタル技術と観光資源の掛け合わせが重要と捉え、DXに取り組んでいます。スマートフォンアプリによる観光情報の発信は、新しい観光案内の一環で、観光客は手軽に好きな情報にアクセス可能です。

観光案内のアプリは、位置情報などのビッグデータの収集にも利用されています。収集したビッグデータとAIを活用し、観光客一人ひとりに適した情報を提供し、長期的な観光需要の創出も可能です。

静岡県で取り組んでいる観光DXは、全国の観光地が活性化する可能性を秘めています。

中小企業のDX事例2選

ここからは、中小企業が行ったDXの事例2選を紹介します。

ここまで紹介してきた事例は、規模の大きい法人や自治体が多くありました。そのため、中小企業の取り組みが気になる方もいるのではないでしょうか？

そこでこの章では、以下の中小企業のDXの事例をご紹介します。

• 株式会社木幡計器製作所
• 株式会社ウチダ製作所

株式会社木幡計器製作所

計測・制御機器の老舗メーカーである木幡計器製作所では、DXに取り組み、IoTを活用した計測機器を開発しました。

また、これまで参入したことのなかった医療分野に進出し、事業を拡大させることに成功しています。

木幡計器製作所がはじめたDXの取り組みは、既存製品に無線通信機器を取り付けるという方法です。通信機器を後付けし既存製品をIoT化することで、顧客の利便性を高めることに成功しました。

木幡計器製作所は、DXをさらに推進し、付加価値の高い製品の開発に取り組んでいます。

中小企業でも専門性の高さとDXを組み合わせることで、新たな製品の開発が可能です。中小の各種メーカーの方はぜひ参考にしてみてください。

株式会社ウチダ製作所

自動車部品を製造するウチダ製作所ではDXに取り組み、独自サービスを構築し、地域の金型メーカーの活性化に成功しました。

ウチダ製作所は、取引のある金型メーカーから業界の不安定な現状を聞き、改善のチャンスがあると考えます。

そして、特定の地域内という狭い世界で取引をしている企業同士を、IoT機器を導入することで連携を図りました。その結果、業界全体で発展できる仕組みを構築しています。

金型ユーザーであるウチダ製作所は、地域の金型メーカーが共同で受注できるシステムを構築しました。システムの稼働により、これまで受注が不安定だった金型メーカーは安定的に受注できます。

ユーザー視点でメーカーにDXを提案し、誰も損をしない仕組みを構築した点は、経済界で高く評価されています。

社内でDXを導入するならDX-PLANにご相談ください

引用元：DX-PLAN公式HP

先述した通り、現在はさまざまな法人や自治体がDXに取り組んでいます。

DXを導入することで、業務の効率改善や製品開発などさまざまな分野に応用できるため、自社にとってメリットが多くなるはずです。

DX-PLANでは、相談をいただいた自社の希望に沿ったDXのプランを提案しております。

事業のデジタル化やDXによる新製品の開発など、DXによる業務改善を検討している方は、ぜひ一度相談ください。

選任のコンサルタントが事業戦略の立案から運営までサポートしているので、事業開発が初めての方も安心して活用いただけます。

まとめ

この記事では、大手企業から中小の製造業者までさまざまなDXの事例を紹介しました。

技術発展の目覚ましい現在、DXに取り組まなければ、業務や業務の功績に支障が出る可能性があります。DXに積極的に取り組むことで、時代を先取りしリードすることも可能です。

今まさにDXの取り組みを真剣に検討している方は、この記事で紹介した事例を参考にしてみてください。そして自社の強みとDXを組み合わせ、自社にしか生み出せない価値を社会に提供しましょう。