スクラッチ開発とは|時代遅れ?パッケージ開発との違いやメリット、費用相場を解説
公開日:2023.6.16 | 最終更新日:2023.7.15

システム構築をスクラッチ開発で行うか、パッケージ開発で行うか、一長一短があり判断に迷うのではないでしょうか。
スクラッチ開発はゼロから作るため、時間はかかりますが、過不足のない要件通りのシステム構築が可能です。パッケージ開発は、短時間でできますが、似たようなシステムになり不要な機能も含まれます。
今回は、どちらにするか悩んでいる方のため、以下について解説します。
- スクラッチ開発の有効性
- パッケージ開発との違い
- メリットとデメリット
- 開発の流れ
- 開発の費用相場
- おすすめできる案件
これから解説する内容を参考にすれば、自社のシステム構築のため、どちらの手法が適しているかの判断が可能です。
加えて、開発に関するコンサルサービスDX-PLANを活用すると、実績とノウハウをベースとしたアドバイスが得られます。その結果、ベストな開発手法を再確認できるはずです。
スクラッチ開発とは|意味や特徴を解説

スクラッチ開発とは、パッケージや既存ソフトなどを活用せず、「最初から」オリジナルのシステムを開発する手法です。スクラッチ開発の意味や特徴を、次の2つの項目別に詳しく解説します。
- フルスクラッチ開発との違い|フレームワークを使用するかどうか
- スクラッチ開発は時代遅れ?今後はどうなる?
英語の「scratch」は多くの場合「ひっかく」という意味で用いられます。地面にひっかいて書いた線、すなわちスタートラインも「 scratch」と表現されます。スクラッチ開発という用語は、このような言葉の意味から生まれ、広く活用されるようになりました。
これまでに、社会インフラなど多くの大規模システムがスクラッチ開発され、安定的に稼働して人間社会を支えています。
フルスクラッチ開発との違い|フレームワークを使用するかどうか
スクラッチ開発を分類すると、フルスクラッチ開発とスクラッチ開発に分けられます。
フルスクラッチ開発は、フレームワークやテンプレートを使わずゼロから開発する手法です。
ゼロからのスタートなので、開発期間は長くなりコストも高くなる傾向があります。
スクラッチ開発は、セミスクラッチ開発と呼ばれることもあり、さまざまなフレームワークやテンプレートを活用して開発します。フレームワークやテンプレートの活用範囲が増えるほど、期間は短くなりコスト低減が可能です。
スクラッチ開発は時代遅れ?今後はどうなる?
現在は、多数のパッケージやASP、クラウドサービスなどが安価で提供されています。
そのため、開発期間が長くコストが高いスクラッチ開発は、時代遅れなのではとの意見があります。
しかし、使いにくいパッケージを採用すると、仕事のパフォーマンスが低下し、システムを導入する意味がありません。
スクラッチ開発で仕事に適合した独自システムを構築すれば、仕事のパフォーマンスが上がり、従業員の満足度向上にもつながります。
とくに、パッケージとして提供されていない新規ビジネスなどの場合、スクラッチ開発でシステム構築が必要です。個別の用途や予算に応じて、スクラッチ開発は今後も行われていくと考えられます。
スクラッチ開発と比較されるパッケージ開発とは

システム開発を行う場合、スクラッチ開発あるいはパッケージ開発のどちらにするか、最初の段階で決断が必要です。
スクラッチ開発とパッケージ開発の違いは、洋服に例えると、オーダーメイドと既製品の違いに似ています。オーダーメイドであれば、自分の体にジャストフィットな洋服が手に入りますが、完成まで時間がかかります。
既製品であれば、一般的なモデル体系が多数用意されていて、サイズがあえばほぼフィットしてすぐに着用可能です。さらに、量産されているため安価で入手できます。
洋服と同じように、スクラッチ開発はオーダーメイドであるため高価で時間がかかります。パッケージ開発は既製品であるため安価なうえに短期間で構築可能です。
スクラッチ開発のメリット5選

この章では、スクラッチ開発のメリット5つを詳しく解説します。パッケージ開発と比べ、どのようなメリットがあるかを参考にしてください。
- 開発の自由度・拡張性が高い
- 長期間にわたって使用できる
- 予算に応じて調整しやすい
- 他社と比較して特徴を出せる
- 要件定義が最適化される
スクラッチ開発は、パッケージ開発と比べると、コストが高く開発期間が長くなる傾向があります。しかし、スクラッチ開発だからこそ得られるメリットは大きく、自社のオリジナリティを実現する手段として最適です。
開発の自由度・拡張性が高い
スクラッチ開発は、自由度と拡張性が高く、導入する企業のビジネスにプラス効果を与えます。自由度が高いため、予算に余裕があり開発者にスキルがあれば、望み通りの要件を満たすオリジナルシステムの構築が可能です。
また、社内業務に合致したシステムを構築すると、社員の生産性を上げられることも特徴の1つです。
さらに、ユーザーにより高い付加価値を提供して、ビジネスに効果をもたらすシステムを実現します。
スクラッチ開発は拡張性が高いため、段階的リリースが可能です。開発計画にあわせて、最初の段階では必要最小限のシステム規模と機能にとどめられます。ユーザー数の増加や反応が良ければ、システム規模を拡張し機能を追加できます。
開発の自由度と拡張性の高さは、ビジネスに大きく影響する要因の1つです。
長期間にわたって使用できる
スクラッチ開発の場合は、使用する企業が構築はもちろん保守も行うため、企業の意思次第で長期間にわたって使用可能です。社会インフラのように長期間使用されるシステムは、スクラッチ開発が向いているといえます。
パッケージ開発の場合は、サポート期間が提供するベンダーにゆだねられており、サポートが打ち切りとなるリスクがあります。
サポートが打ち切られたら他のパッケージで再開発するか、新たにスクラッチ開発を行う必要があり、コストと時間の無駄遣いになりかねません。
予算に応じて調整しやすい

パッケージ開発に比較すると、ゼロから作るスクラッチ開発のコストは膨大になります。さらに、保守費用も必要となるため、トータルコストはさらに大きくなります。
しかし、スクラッチ開発は要件をすべて使用する企業が決められるため、予算に応じて開発計画が調整可能です。パッケージは提供するベンダーによって仕様と価格が決められますが、スクラッチ開発はフレキシブルに仕様と開発計画が立てられます。
必要な仕様だけに絞り、最小限の機能でリリースすれば、コスト削減が可能です。スクラッチ開発は、予算に応じたフレキシブルな計画が立てられるメリットがあります。
他社と比較して特徴を出せる
要件をすべて使用する企業が決められるスクラッチ開発は、同業他社と大きく異なるシステムの構築が可能です。パッケージ開発でも、カスタマイズによって独自性を出すことはできます。しかし、ベースが同じであるため、出来栄えが似通ったものになりがちです。
新たに開発するシステムで、独自性を強くアピールしてユーザーに良いサービスを提供すれば、ビジネスに好影響をもたらします。パッケージにはない自社オリジナルの機能を実装するためには、スクラッチ開発が適しているといえます。
要件定義が最適化される
パッケージ開発に比べて、スクラッチ開発は自由度が高く、必要な要件をすべて搭載できます。自社の仕事の流れにそって、使い慣れた帳票や画面のイメージが実現可能です。
パッケージには、汎用性の高い機能が優先的に盛り込まれ、自社には不要な機能やイメージの異なる画面も含まれています。
スクラッチ開発の場合、要件定義で必要な機能だけに絞り込むため、不要な機能や画面が搭載されることはありません。要件定義で最適化され、使い慣れた必要十分な機能のみを搭載したシステム構築ができます。
スクラッチ開発のデメリット3選

次に、スクラッチ開発のデメリットを3つ選び詳しく解説します。パッケージ開発と比べ、どのようなデメリットがあるかを参考にしてください。
- 開発コストがかかる
- 開発に時間がかかる
- 開発者のスキルに依存する
スクラッチ開発には、ゼロから開発する自由度など多くのメリットがある反面、コストや時間がかかるなどデメリットもあります。デメリットをよく理解し、システムの規模や目的、機能レベルなどにより最適な開発方法を選ぶことが大切です。
開発コストがかかる
スクラッチ開発の最大のネックはコストで、システムの規模が大きくなると、要件次第では億単位になることもしばしばです。難易度の高いシステムを開発するためには、スキルの高い人材が必要で、当然確保するためには人件費が高くなります。
ビジネスが好況で、開発の予算を十分に確保できる場合は別ですが、通常は限られた予算内でシステム構築をしなければなりません。初期の比較検討段階で、スクラッチ開発を除外する例が散見されます。
開発に時間がかかる
スクラッチ開発は開発期間が長く、要件次第で2~3年かかるケースもめずらしくありません。
パッケージ開発なら、既製服がすぐに着用できるのと同じように、機能がそろっていれば最小限の開発期間で済みます。
開発期間中にビジネス環境が変われば、業務プロセスを見直さなければならず、要件定義への手戻りが発生します。変化の激しい今の時代ではスピード感が求められ、スクラッチ開発を断念することもしばしばです。
開発者のスキルに依存する

スクラッチ開発は手作り的な要素があり、「作り手」すなわち開発者のスキルにより、システムの良し悪しが左右されます。開発を担当するエンジニアや、ベンダーのスキルが大きく影響します。
要件定義はユーザー企業が主体的に行い、その後実装するのはエンジニアで、要件定義を正確に理解する能力が必要です。さらに、あらゆるケースを想定し、システムが正常に稼働するよう開発を進めるスキルとノウハウが求められます。
初めて依頼するエンジニアとベンダーの、スキルとノウハウを見極めるのは難しい作業です。エンジニアやベンダー選びに悩んだら、豊富な開発実績とノウハウを持つDX-PLANにご相談ください。
スクラッチ開発の流れ

スクラッチ開発の進め方には、大きく分けて2種類があります。
- アジャイル開発で進める場合
- ウォーターフォール開発で進める場合
ここでは、仕様確定後のスクラッチ開発の流れを解説します。仕様確定前の要件定義が重要で、要件定義があいまいだと、良いシステムは出来上がりません。
「どのような機能が必要か?」「何を実現したいか?」など、要件を明確にしましょう。
アジャイル開発で進める場合
スクラッチ開発にもスピード感が求められ、それに応える手段としてアジャイル開発があります。アジャイルは俊敏という意味を持ち、アジャイル開発は早期立ち上げを目指す企業向きです。
大まかな仕様を決め、小さな単位ごとに設計・実装・テストを行い、これを何度か繰り返してシステムを完成させます。何度も繰り返すことから、反復型あるいはプロトタイプ型と呼ばれることもあります。
アジャイル開発のメリットは、小さな単位で開発を行うため、仕様変更対応に対して俊敏に対応可能です。しかし、全体の開発に要するリソースや期間を把握しにくい点がデメリットとなります。
下記の記事では、アジャイル開発の特徴やメリット・デメリットを解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
アジャイル開発とは?メリットや向いている事例をわかりやすくご紹介
ウォーターフォール開発で進める場合
古くから行われている開発手法が、ウォーターフォール開発です。ウォーターフォールは滝を意味する言葉で、滝が上から下へ流れるように、以下に示す工程順に開発を進めていきます。
- 基本設計
- 外部設計
- 内部設計
- プログラム設計
- プログラミング
- テスト
- 運用
工程ごとに管理するため、スケジュールが立てやすく、進捗管理が容易というメリットがあります。しかし、前の工程が終わらなければ次の工程に進めないため、期間が長くなりがちなデメリットがあります。
スクラッチ開発の費用相場は?

スクラッチ開発の相場は500万円~2,000万円という説がありますが、この金額は最低ラインで、機能が多ければ億を超えることもしばしばです。
スクラッチ開発に占める費用のほとんどは人件費で、以下の計算式で求められます。
人件費=人月×人月単価×開発期間
たとえば、開発期間が6か月・人月単価が100万円・3名で開発する場合は、次のようになります。
3名×100万円×6か月=1800万円
人月単価はエンジニアのスキルと企業により異なり、目安として以下の通りです。
- 新人エンジニア:~80万円
- 一般エンジニア:100~160万円
- 上級エンジニア:160~250万円
人月単価が高いと感じるかもしれません。しかし、スクラッチ開発は開発者に依存する部分が多く、プロジェクトの成功のためにはスキルの高いエンジニアが求められます。新人エンジニアやオフショアを利用して、全体の人月単価を下げる工夫をおすすめします。
下記の記事では、システム開発における費用相場を解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
システム開発とは何かを簡単に解説!5つの流れや具体例、種類も紹介
スクラッチ開発をおすすめできる案件

スクラッチ開発は時間とコストはかかりますが、自社のオリジナリティを出すシステムの構築ができます。
メリットとデメリットを踏まえ、以下がスクラッチ開発をおすすめできる案件になります。
- 独自性が高くパッケージでは実現できない業務システム
- 企業の生命線となるコア業務に用いられるセキュリティの高いシステム
- 業務フローが一切変更できないシステム
- 他社にない新規事業のシステム
これらの特徴に加え、納期と予算に余裕があることが大前提です。
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スクラッチ開発でシステムを構築し他社と差別化を図る

スクラッチ開発は、「最初から」開発を進め、オリジナリティの高いシステム構築ができます。そのため、スクラッチ開発は、他社と差別化が図れる独自システムを作れることが大きな特徴です。
しかし、パッケージ開発に比べスクラッチ開発はコストと時間がかかるため、導入する企業に余裕が必要となります。スクラッチ開発のメリットとデメリットなどを参考にして、自社に適した開発手法を検討してください。
どちらが適しているか迷われたら、実績とノウハウを待つDX-PLANに相談し、プロの意見を参考にしましょう。
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