うつ病の社員への対応はどうすればいい?会社が知るべき5つのポイント

登録日:2018.1.8  |  最終更新日:2018.8.29



2018年現在、うつ病は企業にとって切り離せない大きな問題となっています。厚生労働省の平成28年労働安全衛生調査結果によれば、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所割合は56.6%。平成23年の調査から比べると5年間で13%アップしています。

従業員50人以上の会社においては、ストレスチェックも義務化されました。企業によってうつ病問題へのアプローチは様々ですが、普段から対策をしていないと、実際に社員がうつ病になった時にどんな対策をとるべきか慌てることになってしまいます。

うつ病は特別なものではなく、その割合は100人に3~7人と言われているほど、誰にでも起こり得る病です。経営者としてうつ病に関する知識と対応策を学んで、いざという時に最適な行動ができるようにしておきましょう。

本記事では、数々の企業の相談に乗ってきた現役10年の心理カウンセラーが、うつ病について会社が知るべきポイントをご紹介します。



■そもそも「うつ病」ってどんな病気?


Mike Lawrence


うつ病は精神・身体的ストレスに起因した、脳の機能障害です。多くの方がイメージするのは「無気力になって何もやる気が出ない」「不眠や食欲不振に悩まされる」などの症状でしょう。抑うつ状態と呼ばれる、いわゆる「憂鬱な状態」が長期間続くのは、うつ病の最もわかりやすい特徴です。

ですが、実際には人によって症状の現れ方には差異があり、特に身体的な症状については全く眠れなくなる人もいれば、反対に一日中眠くなってしまう人などもいます。その他にも疲れやすさや頭痛、肩こり、動悸、めまい、身体のだるさなどが現れるケースも。これらの症状が絶え間なく続き、一定の診断基準を満たした場合にうつ病と診断されます。


以上のように症状が人によって異なったり、そもそも別の病気が原因で併発していたりする場合もあるため、うつ病の治療法は様々です。一般的な方法としては、薬物療法やストレスの軽減、休養などが挙げられるでしょう。

では、社員がうつ病になってしまった場合、会社側の立場からするとどのようなデメリット・リスクが発生するのでしょうか?

①通常業務に支障が出る

②長期の欠勤や休職で人員が不足する

③長時間労働などの勤務態勢がうつ病の原因の場合、会社の責任が問われる可能性がある

④うつ病社員への対応によっては職場環境が悪くなる

⑤過労死や自殺などに繋がる恐れがある

うつ病は自殺の原因の約4割を占めると言われるほど危険な病です。度々ニュースでも取り上げられて話題になっている、仕事を原因としたうつ病による自殺も、決して他人事ではありません。本来は社員がうつ病を起こしてしまう前に、ストレスなく働ける職場づくりを目指し、メンタルヘルス対策に取り組むことで、社員の心身の健康を守ることが最も重要です。

ですが、たとえ万全の態勢を整えていたとしても、社員自身のプライベートな要因でうつ病になってしまう場合ももちろんあります。そこで次からは、社員がうつ病になってしまった際に会社が知っておくべき5つのポイントをご紹介していきましょう。


■【知るべきポイントその1】まずは休ませることを考える



Troy Tolley


ひと昔前は「うつ病は甘え」「心の病気で休むなんてずるい」という考えもありましたが、うつ病は前述の通り自殺にもつながりかねないれっきとした疾患です。病気である以上、無理に働かせることは使用者責任が問われることになります。

忙しい職場では「急に休ませると言われても調整があるから困る」と思われるかもしれませんが、うつ病の原因が仕事上のものであれ、プライベートなものであれ、まずは休養してもらうことを最優先しましょう。

手順としては、以下のような流れが望ましい対応です。

【手順その1】 有給休暇を取ってもらう(2~3日程度)


まずは数日休んでもらい、出社できる状態か否かを本人に判断してもらう期間を設けましょう。必要な場合は休職してもらうようにするなど、社員とあらかじめ話し合っておくことが重要です。

この時注意しなければならないのは、休ませるにしても「無理やり休ませる」では逆効果なことです。人によっては自分がうつ病で休むことを恥じたり、今担当している仕事を外れることにストレスを感じたりしてしまうこともあります。

まずは社員の気持ちに耳を傾け、社員自身がどうしたいかということについて親身に寄り添うようにしましょう。

【手順その2】医師の診断書を提出してもらう


従業員がまだ医師の診断を受けていない場合は、早急に病院に行ってもらいましょう。実際にうつ病であるかどうかを明確にすることはもちろん、症状の悪化を防ぎ、具体的な治療方法や休養のためにどれくらいの期間が必要であるかに関しても、医師の判断を仰ぐことができます。

【手順その3】休職してもらう


医師の診断の結果休職が必要であると判断されたら、休職してもらうようにしましょう。ここで注意しなければならないのは、医師の診断無しに「辛そうだから休職させよう」と決断してはならないということです。社員が後から「本当は休みたくなかった」と訴え出るケースも無いとは限りません。

労働基準法において休職に関する明確な規定は無いため、うつ病による休職を想定したルールを会社の中で明確に規定して、社員にもあらかじめ周知しておくことが大切です。連続欠勤には、医師の診断書を提出するなどの義務も定めておくべき規定の一つです。

また、社員自身がどの程度まで引き継ぎに対応できるか、休職中の連絡の取り決め(月に1回程度、病状や治療状況の報告)、他の社員への病状の伝え方など、休職前後の動き方についてもしっかりと話し合いをしておくことがトラブル回避につながります。

■【知るべきポイントその2】できれば診察に同行する


当然ながらうつ病で苦しんでいるのは社員本人ですが、うつ病の特性を考えると、社員がどのような健康状態にあるのか客観的にも把握している人物がいるのは大きな意味を持ちます。病状を回復するには、どのような治療が必要なのかを知ることももちろんですが、うつ病の原因が会社での業務にある場合は、その具体的な内容を上司が把握することで社内環境の改善へとつながります。

とはいえ、無理に同行するのはもちろんNG。同行が難しい場合は、社員に主治医の連絡先を聞き、必要な場合は連絡を取ることを了承してもらうようにしましょう。

■【知るべきポイントその3】休職中の給与、社会保険料の扱い方


休職をすることになった場合、現実的な問題として給与や社会保険料をどう扱うべきかという問題が思い浮かぶでしょう。結論から言えば、休職中の給与支払いについては法律で義務付けられてはいないため、会社として支払う必要はありません。

一方、休職中でも社員には社会保険の資格を保有しているため、保険料は支払う必要があります。

■【知るべきポイントその4】休業給付と傷病手当金について



Jeffrey Smith


社会保険料支払うため、そして生活のためにも、社員には多かれ少なかれ収入が必要になります。休職中は「休業給付」と「傷病手当金」のいずれか受け取ることができます。

○労災認定による休業給付


うつ病の原因が業務にある場合、労災保険が適用されます。支給金額は給与から「休業補償給付」が6割、「休業特別支給金」が2割で、合計約8割です。受給には申請から早くても半年以上かかりますが、支給期間は病気が回復するまでとされます。

精神障害の労災認定要件は以下の通りです。


・認定基準の対象となる精神障害を発病していること

・認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること

・業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと


過労死ラインと言われる月80時間を超える残業が慢性化している、上司によるセクハラ・パワハラ・モラハラ、同僚からのいじめ、業務上の過度な叱責、無理な人員配置、厳しいノルマなど、これらは全てうつ病の原因となりえる要素です。

社員から労災認定を要求された時、社内の雰囲気や社外からのイメージのために「何とか労災にせずに済む方法はないか」と考えるのはNGです。基本的に労災申請は社員本人が行うものであり、労基署によって判断されます。むしろ、労使トラブルを避けるためにも協力的な姿勢を示すことが肝要になるでしょう。

○健康保険から傷病手当金


うつ病の原因が業務でない場合は、健康保険による傷病手当が適用されます。支給金額は給与の約6割です。

労災に比べると支給金額は少なくなりますが、申請から約1ヶ月で受給できるのが特徴です。支給期間は1年6ヶ月とされ、期間内に復職して再び手当を受ける場合も、期間は連続して換算されるので注意が必要です。

傷病手当の認定要件は以下の通りです。


・業務外の事由による病気やケガのための休業であること

・仕事に就くことができないこと

・連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

・休業した期間について給与の支払いがないこと


基本的に休業給付と傷病手当は同時に受けることはできませんが、休業給付の1日当たりの金額が傷病手当金の1日あたりの金額より低くなる場合は、その差額が支給されます。

■【知るべきポイントその5】解雇を考える際は要注意

休職してもらった場合、雇う側として気になるのは「果たして本当に復職できるのだろうか?」という点でしょう。復職できるのであれば復帰した際の対応を考えておく必要がありますし、そうでない場合は退職してもらうことを視野にいれる必要も出てきます。

ただし、うつ病の原因によって適切な対応は異なるので、以下でしっかりと確認しておきましょう。

○うつ病の原因が仕事でない場合


休職を経ても復帰できなければ、解雇することができます。ここでも、復帰できるかどうかは必ず医師の診断を仰ぎましょう

○うつ病の原因が仕事に起因している場合


労災を受けている場合、休職中と休職終了から30日間は解雇できないと法律で定められているため、無理に解雇を強いると不当解雇にあたり訴えられる可能性があります。

会社としての基本的なスタンスは、「労働を続けてもらうこと」、そして「そのために会社側ができる対応を提示すること」です。例えば、これまでの業務内容に問題があるのであれば復帰後には別の部署へ異動させたり、業務時間を短縮して働いたりしてもらうなど、できる限りの配慮をした上で、業務を続けることが可能かどうかを社員と話し合いながら判断しましょう。

また、あまりに休職が長引いてしまった場合も解雇を検討することになるかもしれませんが、労災を受けている最中に解雇ができるケースは限られており、天災などのやむを得ない理由で事業継続できなくなった場合以外は、以下の2つしかありません。

①治療を初めてから3年経過して、労災保険による傷病補償年金を受けている場合

傷病補償年金とは、社員が治療を開始してから1年6ヶ月経過しても疾病が治っていなおらず、病状の程度が国の定める傷病等級に該当する場合に支給されるものです。治療開始から3年経過してこれを受け取っている場合は、会社が打切補償を支払った場合と同等にみなされ、解雇制限が解除されます。

②会社が打切補償を支払った場合

治療開始から3年経過しても治っていない場合、会社側が社員の平均賃金の1,200日分に相当する費用を支払うことで解雇制限が解除されます。

解雇は制限されている一方で、退職自体は事由に行うことができます。社員側から業務が続けられないとして退職願を出された場合や、契約満了による退職や定年退職など、会社側からの一方的な解雇でない場合は特に制限は設けられていません。

■まとめ


いかがでしたか?

うつ病と聞くとどうしても「心の病だから扱いづらい」というイメージが先行して、できれば遭遇したくない事案であることはどの企業でも共通しているでしょう。ですが、うつ病はすでに広く認知されている疾患であり、会社経営をする上では必ず理解を深めておくべきです。このことは、相次ぐ大手企業のうつ病社員にまつわる不祥事のニュースを見ていても明らかでしょう。

うつ病に直面した時、大切なのは苦しんでいる社員の心身の健康と生活を第一に考えて、会社側が支援する立場にあるという姿勢を示すこと。そして、万一の時のために、うつ病での休職が出ることを想定して現状に即した休職規定をしっかりと定めておくことが、会社だけでなく社員の安心にもつながります。

Founderなら1分で起業家と投資家がマッチングされます!

おすすめアイコン 起業家登録こんな方オススメ!
  • 1,000万円起業資金を調達したい!
  • 独立・開業して成功したい!
  • ビジネスを支援してくれる投資家に出会いたい!

1分カンタン無料登録をすれば、あなたもスグにメッセージを受け取ることができるので、以下にメールアドレスを入力してください。

SNSアカウントによる会員登録はこちら

起業家登録をして、1000万円の資金調達を達成しよう!

おすすめアイコン 投資家登録こんな方オススメ!
  • 将来有望な起業家投資したい!
  • 信頼できるビジネスパートナー見つけたい!
  • ビジネスを上手く回せる起業家に出会いたい!

1分カンタン無料登録をすれば、あなたもスグにメッセージを受け取ることができるので、以下にメールアドレスを入力してください。

SNSアカウントによる会員登録はこちら

投資家登録をして、あなたに最適な投資先を見つけよう!

起業家会員登録した方に資金調達成功マニュアル3点 (9,800円相当) を無料でプレゼントいたします! 起業家会員登録した方に資金調達成功マニュアル3点 (9,800円相当) を無料でプレゼントいたします!

  • 銀行借入の審査を100%通す10のコツ。必ず500万円の融資を受ける方法
  • エンジェル投資家とは?ベンチャー企業が投資を受ける5つのコツ!
  • 日本政策金融公庫の融資審査を通す5つの秘訣!あなたも1000万円を確実に借入できる!!

投資家会員登録した方に投資成功マニュアル3点 (9,800円相当) を無料でプレゼントいたします! 投資家会員登録した方に投資成功マニュアル3点 (9,800円相当) を無料でプレゼントいたします!

  • ICOは投資のチャンス!ICOのメリット・デメリットやスケジュール、2つの注意点を幅広く解説!
  • 投資の情報収集に最適なアプリ&サイト15選!
  • 投資で稼ぐ5つの方法!!初心者が投資で儲けるためにまずは見るべき方法まとめ
  • 起業家登録数 No.1
    9,382名!!
  • 投資家登録数 No.1
    1,618名!!

※2018年09月22日現在

昨日のマッチング人数:0000

  • 起業家MASAcookさん
  • 投資家Andyさん
  • 起業家もりさん
  • 投資家Fujiokaさん
  • 起業家kosigoetakeuchiさん
  • 起業家エレクトロンさん
  • 起業家Riiさん
  • 投資家GlobalCarrierさん
  • 起業家ラッシーさん
  • 起業家橋本敏弘さん
  • 起業家GWT COMMUNICATIONSさん
  • 起業家直希さん
  • 起業家マルチスタイルさん
  • 投資家あかりさん
  • 起業家高江洲 真美さん
  • 起業家モリモリさん
  • 起業家takasanさん
  • 投資家TNKさん
  • 起業家銀三郎さん
  • 起業家ミンミンさん

コラム - 週間ランキング

もっと見る

コラム - 新着記事

もっと見る

コラムの最新5件

もっと見る

起業資金を調達できた秘訣をあーやんが聞いてきました!

投資家インタビューの最新5件

- あなたはどっち? -

投資家から1,000万円の事業資金を調達しませんか?

無料登録後すぐに案件内容が公開され、投資家からの連絡を受け取ることができます。

メールアドレスをご入力ください


日本全国から将来有望な起業家を探してみませんか?

無料登録後すぐに案件内容が公開され、起業家からの連絡を受け取ることができます。

メールアドレスをご入力ください


SNSアカウントでも登録できます!

1分カンタン無料で起業家登録

投資家から1,000万円の事業資金を調達しませんか?
無料登録後すぐに案件内容が公開され、投資家からの連絡を受け取ることができます。
※公開する内容は任意で調節できます。


SNSアカウントでも登録できます!

1分カンタン無料で投資家登録

日本全国から将来有望な起業家を探してみませんか?
無料登録後すぐに案件内容が公開され、起業家からの連絡を受け取ることができます。
※公開する内容は任意で調節できます。


SNSアカウントでも登録できます!

4月1日(日)より、投資家ユーザーは本人確認が必須となります。
まだ本人確認がお済みでない方は、早めに本人確認を済ませていただくことをおすすめします。
本人確認が済んでいない場合、メッセージ・案件登録等ができない等の機能制限がかけられます。
悪意のあるユーザーを除外するための措置ですので、お手数ですがご理解・ご協力の程、何卒よろしくお願いいたします。

1. 違反の内容を教えてください。


2. 不信に思った点や実害に関して、できるだけ詳細にご記入ください。(50〜1000文字)

0 / 1000

対応クレジットカード

  • VISA
  • Master Card
  • AMERICAN EXPRESS

ページ最上部へ

メニューを閉じる