【今すぐわかる】内部統制とは?経営者が知るべき5つのポイント!意味や目的・メリットなどをわかりやすく解説!

登録日:2019.5.31  |  最終更新日:2019.6.1

内部統制と聞くと、監視や制限というイメージを持たれる方もいます。しかし実際には、企業が健全な運営を行い、社会的信用を高めるための経営戦略です。内部統制で良い効果を得るには、社員にもメリットがあることを伝え、理解してもらうことが1番です。

そこで本記事では、内部統制の目的やメリットをわかりやすく解説しています。
特に次のような方におすすめです。

  • 内部統制の意味や目的がわからない
  • 社員にどんなメリットがあるのか気になる
  • 内部統制を行う必要・義務があるのか知りたい

内部統制のメリットを理解し、現場の活性化や業績アップに繋げましょう。

【経営者が知るべき事その1】内部統制とは?初心者にもわかりやすく徹底解説!


内部統制って何?意味や具体例を1分で解説!

内部統制とは、全従業員が遵守すべき、組織内のルールや仕組みのことを言います。役員から一般社員・臨時雇用社員までも含む、すべての社員が従う必要があります。

具体的には、下記の内容も内部統制に含まれます。

企業理念・企業風土
日常業務のルール・マニュアル
・システムの開発・保守
・職責の付与・分掌

内部統制システムを適切に整備・運用すると、以下のように様々な効果があります。

・不正行為の防止
・個人情報の適切な管理
・人員やコストの有効活用
・決算書の信頼性

大企業や上場を目指す企業にとって、内部統制は必要不可欠な制度です。

内部統制の決定・構築を行うのは誰?

内部統制の内容決定・構築を行うのは、企業の経営者です。経営戦略にもつながるため、社長や取締役が中心となって、取り組みます。
本格的な内部統制の構築には、法律の専門家等、外部の協力が必要な場合もあります。

内部統制の法令上の定義とは?

内部統制システム法律によって規定されています。しかし、規定する法律が会社法か金融商品取引法かによって、その内容は異なります。

会社法では、以下のように定められています。

(362条4項6号)
「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」

また、金融商品取引法では、以下のように定義しています。

(第24条の4の4第1項)
「当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要なもの」

会社法における内部統制は、企業の業務執行の適正化を目的としています。
一方、金融商品取引法では、財務の面で規制を行い、株主等への情報開示を目的としています。

内部統制が義務化されるのはどんな会社・企業?

一部の企業には、内部統制の導入や報告が義務付けられているため、法令に則り、内部統制システムを構築しなければいけません。しかし、どの企業にも導入が必要なわけではありません。

会社法上の大会社資本金が5億円以上または負債の合計が200億円以上)では、内部統制の構築義務化となっています。これは会社法362条5項で定められています。

上記の大会社に該当しない一般企業の場合は、内部統制について法律上の決まりはありません

【経営者が知るべき事その2】内部統制の4個の目的


内部統制には、以下の4つの目的があります。

1.業務の有効性及び効率性
2.財務報告の信頼性
3.事業活動に関わる法令等の遵守
4.資産の保全

内部統制の目的1.業務の有効性及び効率性

内部統制における業務の有効性・効率性とは、以下のことを意味しています。

・有効性=目的達成の程度
・効率性=時間・人員・コストなどの資源を有効活用できている度合い

有効性・効率性を上げることは、組織のためだけでなく、個々人の業務の合理化にも繋がります。内部統制には、全ての業務を適切に評価・支援する定めがあります。

内部統制の目的2.財務報告の信頼性

企業の社会的信用の向上には、財務報告(決算書)の信頼性が欠かせません。そのために、内部統制で定める財務報告では、法律上必要なものだけではなく、以下のような情報も自主的に開示される場合があります。

・金融機関の契約
・取引先の契約
・有価証券報告書及び届出書

内部統制では、財務報告・決算書を適切に作成するための体制づくりが定義されています。

内部統制の目的3.事業活動に関わる法令等の遵守

法令等の遵守」には、法律だけではなく、社内ルールや一般的なモラルを守ることも含んでいます。規範を守ることは、企業の社会的信用やイメージの向上にもつながります。経営存続には欠かせない要素のため、内部統制においても重要視されています。

内部統制の目的4.資産の保全

内部統制における「資産の保全」とは、資産の取得・使用・処分を正当に行うことを指しています。不正な方法での運用は、健全な企業ではあってはならないことです。

そのために監査役な調査を行うなど、企業の資産保全が適切に行われる体制づくりは、内部統制の重要な目的です。

【経営者が知るべき事その3】内部統制の6個の基本要素


内部統制は、以下の6つの基本的要素で成り立っています。

1.統制環境
2.リスクの対応と評価
3.統制活動
4.情報と伝達
5.モニタリング
6.IT(情報技術)への対応

内部統制の基本要素1. 統制環境

統制環境とは、内部統制に関する社員の意識や、それを取り巻く環境・社風などを指します。
具体的には、以下のような内容が統制環境に含まれます。

・倫理観・誠実性
・経営者の姿勢・意向
・経営戦略・経営方針
・監査委員会・監査役・取締役会の機能
・組織構造
・職責・権限
・人的資源の管理・方針

内部統制の基本要素2. リスクの対応と評価

リスクの対応と評価」とは、目的達成の妨げとなりうる物事について、分析・対応することです。
企業には、以下のようなリスクがあります。

・外的要因(為替・物価・市場環境の変化・競合他社など)
・内的要因(情報漏洩・不正行為など)

これらのリスクを分析し、回避または低減などの対応をすることが求められます。

内部統制の基本要素3. 統制活動

統制活動」とは、経営陣の指示・指令した事項が確実に行われるための仕組みづくりです。
統制活動には、以下のような内容も含まれます。

・職責の付与・分掌
・社内規程の制定
・業務マニュアルの完備

統制活動には様々な手続きが必要となり、全社員の遂行が必須です。

内部統制の基本要素4. 情報と伝達

内部統制における「情報と伝達」には、以下のような目的があります。

・関係者への情報伝達
・企業内部の不正行為の抑止
・株主・取引先等との情報共有
・監督機関への情報開示
・外部からの情報収集

社内・社外に関わらず、迅速かつ的確に情報を伝達・処理できる体制が求められます。

内部統制の基本要素5. モニタリング

モニタリング」とは、内部統制が正常に働いているか否かをチェック・確認することです。
モニタリングには、以下のような内容があります。

・日常的モニタリング(日常業務の評価・財務情報の確認・問題点の改善など)
・独立的評価(内部統制の運用・方針の決定)
・内部通報制度(不正行為の防止・通告)

内部統制の基本要素6. IT(情報技術)への対応

業務を行う上で、ITの活用は欠かせません。
内部統制における「ITへの対応」には、以下のような内容が含まれます。

・市場におけるITの利用度・浸透度の把握
・情報の信頼性・機密性の確保
・システムの管理・開発・保守
・アクセス・操作の管理・限定

【経営者が知るべき事その4】内部統制の3個のメリット


内部統制には、様々なメリットがあります。

1. 企業機密・情報漏洩の防止と原因究明
2. 従業員のモチベーションUP・業績の向上
3. 組織の社会的信用度の維持・向上

内部統制のメリット1. 企業機密・情報漏洩の防止と原因究明

マニュアルを作り、しっかり運用することにより、情報漏洩の防止につながります。企業にとって重要な、次の情報も守ることができます。

・企業機密
・顧客情報
・取引内容

また、内部統制の基本要素でもあるITへの対応で、下記のルールを徹底することにより、もし漏洩した場合でも、原因を突き止めやすい環境になります。

アクセス権限・入室管理
履歴・ログの管理

情報漏洩の防止策を講じるだけでなく、漏洩した場合の対策や指針もあらかじめ策定しておくと、万が一の場合にも迅速に対応できます。

内部統制のメリット2. 従業員のモチベーションUP・業績の向上

内部統制は、下記の制定にもつながります。

・規律・社内方針
・業務マニュアル・ガイドライン

これにより、従業員は迷いなく業務を遂行できるので、作業速度が上がります。基準や手順の明確化により、ミスを防ぐこともできます。

また、ITへの対応は、これらのことにも役立ちます。

・作業の効率化
・情報共有による業務の改善

自信を持って仕事に取り組める環境や、業務の効率化により、モチベーションも上がります。それが仕事の出来にも良い影響を及ぼし、企業全体の業績アップに繋がって行きます。

内部統制のメリット3. 組織の社会的信用度の維持・向上

内部統制の目的の中で、以下の3つは、組織の社会的信用度を上げるために、非常に重要です。

・財務報告(決算書)の信頼性
・事業活動に関わる法令等の遵守
・資産の保全

社会的信用は一度失うと、再度構築するのは非常に困難です。一朝一夕で得られるものではありません。また、経営陣のみでは社会全体から評価されることは難しく、全社員で取り組まなければなりません。

しかし、明確なマニュアルや規則がなければ、全員が同じ方向を向くのは難しいでしょう。だからこそ、内部統制で方針を明確にする必要があるのです。それにより、上記3つを守ることができ、社会的信用の向上につながります。

【経営者が知るべき事その5】内部統制導入における3個の注意点


内部統制の導入においては、以下の注意点があります。

1. 会社法の確認
2. 整備の程度の検討
3. 継続的なチェック・改善

内部統制導入の注意点1. 会社法の確認

会社法で定める大会社の場合は、内部統制の導入について、明確な法規程があります。

・内部統制の整備にかかわる事項を取締役会の専決事項とする
・内部統制の基本方針策定とその開示の義務付け
・子会社に関する内部統制の基本方針策定も義務付け

※会社法で定める大会社:資本金が5億円以上または負債の合計が200億円以上の会社

大会社では、内部統制に必要な項目が多数あります。これから導入を検討されている場合は、まず会社法を確認しましょう。

内部統制導入の注意点2. 整備の程度の検討

大会社に該当しない一般的な企業の場合は、内部統制に関する法規程がありません。そのため、必ずしもマニュアルのような物を用意する必要もありません

大会社における内部統制は明確に定義されていますが、そうではない場合、経営者の意向を実行するための仕組みづくり、と捉えられます。極端に言うと、書面ではなく口頭で経営者の指示を伝えるのも、内部統制の1つなのです。

ですので、大会社に該当しない場合は、下記のことを1つ1つ判断し、整備していくこととなります。

既存の社内規程では不足なのか
・どの程度の整備を行うか

内部統制導入の注意点3. 継続的なチェック・改善

内部統制は、マニュアルやガイドラインを作成し、従業員へ一方的に渡すだけでは意味を成しません。
内部統制が正常に機能するような体制づくりや、統制活動が必要です。

そしてモニタリングの結果、問題点があれば改善するというPDCAサイクルを回し続けなければなりません。内部統制を導入して終わりではなく、運用状況をチェック・改善できるような仕組みを構築しましょう。

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