ESG投資の銘柄でおすすめを5つ紹介!投資のメリットも解説
登録日:2023.7.27 | 最終更新日:2023.7.27
ESG投資を行う上で常に考えておくべきポイントは、主に2つあります。
- 長期投資に適している点
- 市場の拡大が期待できる点
この2つです。この要素は株式投資において大きなメリットです。それらのメリットを享受するためのポイントや具体的銘柄について解説していきます。
これからESG投資をしていく上での心配事を解決しておきたい人やESG投資におけるメリットを享受するためのリスクについても確認しておきたい人、さらに、具体的銘柄まで知りたい人には必見です。
ESG投資とは?重要性も紹介
ESG投資とは、環境に配慮した企業に投資を行う点もありますが、本質的には長期投資に適した企業に投資することにつながります。長期投資において、企業活動が継続できない企業には投資できません。
今後ますます、企業が環境に配慮した活動を行うことは、温暖化、社会課題の観点から考えても必須条件となっていきます。このような社会環境の中でESGへの取り組みができなければ、企業が存続できないといっても過言ではありません。
そんな中で、環境への配慮をできる企業が生き残り、例えば今後成長するであろうEV、代替えエネルギー、バイオマス関連などの市場は更なる拡大の見込みがあります。ESG投資とは、今後も成長する企業、拡大する市場への投資ともいえるのです。
おすすめのESG銘柄選定の方法
おすすめのESG銘柄の選定方法は以下の4つです。
- コーポレートサイトのESG関連ニュースを一時情報として得る
- 第三者機関のESG評価を選定基準として参考にする
- 日本取引所グループのESG関連指数、それらに連動するETFの構成銘柄を選定する
- ESGをテーマとしているアクティブ投資信託の中にある銘柄を確認する
上記4つの手法を組み合わせ、具体的銘柄選定をしていきましょう。では具体的に解説します。
ESG評価の重要性と指標
企業のコーポレートサイトでは、その企業がどのようなESGへの取り組みをしているか、目標も含めて確認できます。ただし、この情報は企業からの発信です。これを評価するのが第三者機関です。
MSCI、FTSEを代表として、長い期間におけるESGの取り組みに対する評価と追跡をおこなっています。企業が長期的な取り組みを継続しているかも、その評価により確認できます。
実際の銘柄選定においては、ESG関連指数の高い銘柄がどんなものか、ファンドが選定する銘柄にどの企業が含まれているかを確認しましょう。アクティブ投資信託などは、そのファンドを運用するプロが、銘柄選定のための判断をしています。
プロの目でみた銘柄選定の中からいくつかの銘柄をピックアップし、その企業のガバナンス、第三者機関における評価を自分の目で確認しましょう。自分で銘柄を見つけることから始めるよりも簡単です。その上で、自分の意志で銘柄選定すれば、その銘柄を選んだ基準もより明確化されるでしょう。
ポートフォリオに組み込む際のポイントや考慮すべき要素
個別銘柄でポートフォリオを構築する上で考慮すべき要素は、業種で分散させることでリスク分散をすることです。例えば、エネルギー、食品、飲料の業種では、ESG評価の
高い企業がパフォーマンスも高く、リスクは小さくなる傾向がみられます。
一方で保険、自動車などの業種はそれほど大きなリターンを得られていないというデータもあります。このような業種別の特徴を確認し、複数の業種を組み込んだポートフォリオの構築が重要です。
ただ、ここで忘れてはいけない点は、ESG投資は長期投資が前提にあるということです。今評価が低い業種は今後の市場の拡大の要素があるかもしれません。これまでのデータを重視しながら、未来の市場を見越して、複数業種に分散したポートフォリオを構築するとよいでしょう。
ESG投資は歴史が浅く、限定的なデータも少なくありません。長期的にみた時、市場の拡大が見込める業種の構成を上げておくなど、自分自身の考えも長期のリターンを高める要素です。今後の市場拡大も見込んだポートフォリオの構築ができれば、それだけリターンも大きくなるでしょう。
ESG投資のおすすめ銘柄① SONPOホールディングス
SONPOホールディングスは、大型損保グループの一角で、国内、海外の損害保険拡大を推進し、介護、ヘルスケア分野も収益の柱へと強化しています。ホールディングスとして上場したのは最近の2010年度です。
連続でESG評価の高い銘柄に選定されており、常にESGの取り組みにおいて先を行く企業といえます。環境、社会、ガバナンスの各分野でESG評価が高く、投資先の指標のひとつ、ROIも高い企業です。
具体的活動としては、今後の気候変動リスクにともない、グループでそのリスクを把握し、グループでも率先して環境負荷の削減に取り組んでいます。社員食堂のプラスチック削減など身近なことからもその問題に取り組むほか、労働時間への配慮、女性の育児休暇取得率も50%を超える水準です。
貧困層向けのマイクロファイナンスも促進し、貧困などの社会問題を解決する商品にも2008年度から着手しています。その評価の高さによりインデックスを上回るパフォーマンスを出している実績があります。取り組みと実績からみても投資先として選ぶ価値があります。
ESG投資銘柄おすすめ② オムロン
オムロンは、体重計が有名ですが稼ぎ頭は制御機器です。電子部品、鉄道システムやヘルスケアも展開しており、会社の柱の産業はイメージと違うでしょう。会社としての歴史は長く、1948年に設立し、1962年に上場を果たしています。
企業としての取り組み目標を取締役が仕切り、温室効果ガス、脱炭素ともに2050年度ゼロを目指しており、環境取り組み先進企業といえます。社会課題面でも、インド、中国に血圧計を普及させるなどの取り組みで、高血圧問題という社会課題にも自社の商品により対応しています。このように、企業としてさまざまな強みをもちながら、その一部を環境ばかりではなく、社会課題への取り組みに利用している点が評価され、株価も上昇しています。
リスクマネジメントルールを制定しリスクマネージャーを選任している点も、持続的にESG課題に取り組む姿勢が明確だと判断できます。企業としても時代に応じて主軸の収益構造を変えていける点も、投資先として安心できる材料といえます。今ある技術を、必要な方向に活かしていける企業といえます。
ESG投資銘柄おすすめ③ Jフロントリテイリング
大阪大丸松坂屋百貨店が主力のJフロントリテイリングは、テナントの収益化、商業施設パルコ、ギンザシックスの運営にも積極的です。2007年にJフロントリテイリングとして新たに上場しました。小売りとしてできることを実践している点が特徴で、全館再生エネルギー100%で運営する店づくりをESGモデル店としてオープンさせています。
持続可能なサプライチェーンの構築にも積極的で、取引先にもESG課題に取り組んでもらい、環境課題を解決しようとしています。このような取り組みは、自社だけでなく、ステークホルダーを巻き込んで社会に影響していくため、小売り業界全体にプラスに働くことも想定できます。コロナが収束し、今後外国人のインバウンド消費が戻り、日本自体が観光立国を目指している中、いち早くテナントの収益改善をしている点も評価できます。
小売業が厳しい状況の中、ポートフォリオに組み込んで分散するためにも先をみた経営のできる小売り企業として、投資妙味があります。
ESG投資銘柄おすすめ④ 富士フィルムホールリングス
1934年に誕生し、大きな変化を遂げながら成長してきた富士フィルムホールディングス。医療機器、医薬、液晶フィルム、半導体材料、写真と多方面の事業を行う企業で、昔ながらのカメラ関連の会社とは大きく変わっています。写真事業で培った技術を医療機器、オフィス製品にも転用して成長してきました。
ESGへの取り組みとしては、2040年度までにCO₂排出量をゼロにする目標を掲げており、2019年までに31%削減した実績もあります。2030年の売上高の60%の製品を環境配慮認定商品にするほか、水資源も削減を進める計画があります。健康面では医療画像とAIを活用することで、医療分野への貢献度を高めていく取り組みも進めています。
さらに、人材への取り組みでは押印業務の出社を無くすため、電子化を推進、ダイバーシティ問題では女性の管理職、外国人社員の割合のを引き上げるなど、さまざまな課題に取り組んでいます。ガバナンスの側面にも積極的に取り組み、時代に応じて自社のサービスを変化させられる柔軟な企業の体質は、今後も成長が期待できます。
ESG投資銘柄おすすめ⑤ KDDI
KDDIは、auでおなじみの携帯電話大手ですが、通信事業のほか社会インフラなども手掛ける企業になりつつあります。具体的には銀行や保険、電力の自由化に伴う事業など、au経済圏を構築しつつあります。他社も似た取り組みをおこなっている部分もあり、NTTとどちらがよいかなどの比較もされがちです。
1984年に誕生した企業で、IDOがもとにありましたが、規模の拡大のため全国の業者と統一したauブランドを確立しました。通信事業を利用した災害対策、使用エネルギー見える化促進における資源の抑制、ICTによる教育環境の整備をし、次世代の人材育成にも力を注いでいます。
まだ知られていない事業としては、アプリを開発し、鯖の養殖に携わるなど、さまざまな事業を通じて、持続可能な未来に備える取組みをしています。KDDIは、さまざまな事業に取り組み、持続可能性を取り入れながら、取り組みを多角化させています。携帯事業だけではこの先難しいと判断し、事業の多角化をすすめています。通信事業にとどまらない点は、NTTと同様、この先の成長を期待させます。
ESG投資のメリットについて
そもそもESG投資のメリットは何でしょうか?もちろん投資家によって様々な意見があることでしょう。この記事では一般的に考えられるメリットを3つ紹介します!
- 長期投資の重要な判断材料として使える(企業の持続可能性が確認できる)
- 今後拡大する市場に対する投資ができ、先を見据えた投資につながる
- 日本国内ではまだ広がりが足りない投資分野であり、成長余地が魅力の1つである
①市場が求める企業先に投資できる
ESGの視点で投資を考えることで、市場が求めるものが何か考え、それをもとに投資が行えます。市場ではもはや、利益の追及のみおこなう企業を求めていません。さまざまな人の欲求を満たすこと、新興国のインフラや便利さの普及も求められています。
産業革命以降、石炭を利用して産業革命が起こりました。その後米国を中心として石油資源による環境を考えない経済成長を追及してきました。その結果として、今の産業構造では温暖化が進み、地球そのものが持続できないということがわかり、2015年のパリ協定を境に一気に市場の求める産業構造が変わりました。それにともない今後市場は、企業のサービスに対しESGの観点で問題はないか必ず考えるようになっています。
ESGの要素に問題があれば、そのサービスはよいサービスとされず、「三方よし」の企業でないと市場の求める企業になり得ません。反対に考えると、ESGの視点をもち、よりよい企業を見つけ出し投資できれば、長期でのリターンも期待できるということです。
②長期的な投資に適している
取り組むサービスが、ESGに対して悪い影響を与えるサービスならば、そのサービスは長期的に支持されません。なぜなら今後世界が総合的に豊かさを手にしたとき、問題が生じてその企業の事業が継続しないからです。
例えば、貧困のある地域の人に長時間の過重労働を課すことで先進国に安くて便利に「モノ」が供給された時代も昨今までありました。今ではそうした事業は全て評価されなくなっています。貧困を放置しているよりも、長期的に考えれば貧困がなくなり、その人達がサービスを受け、その対価を払えた方が企業も継続的に利益を得られるからです。
そうした視点にたつと、特定の人種が貧困のままでいることを放っておく社会ではだめだということがわかります。より多くの人が豊かになり、サービスを受けられることが必要です。サービスを提供する企業の利用者が増えれば、長期的には企業は成長できるからです。ESGの観点は、そうした長期の成長に期待し、そういった企業に投資して、長い目でみた時に大きな利益を手にする合理的な考え方といえます。
③世界的に見ても市場が拡大できる
世界的にみると、ESGの観点はまだまだ成長の余地があり、その市場規模も拡大できる可能性を多く残しています。投資額においても、2021年度のESG投資額はヨーロッパで12兆ドル、米国でも17兆ドルの資金が投じられています。一方同じ先進国のカナダでは2兆ドル程度、日本でも3兆ドル程度しか投資されていません。
ESG投資後進国がまだ多くあり、そこに向かう資金はまだまだあるのです。さらに、2030年、2050年を目安に脱炭素、CO₂排出量をゼロにする企業目標も多くみられます。
これは、その時期までに新たなサービスが生み出される可能性があり、その市場が拡大される可能性が高いということにつながります。例えばエネルギーにおいては、地熱、水力、太陽光などが試されています。
同じように社会課題、ガバナンスにおける革新的なサービスが始まれば、そこに資金が集まります。日本国内では特にまだその認識が甘く、ESG分野への投資により、長期的なリターンを得られる可能性は高いといえるでしょう。
まとめ
この記事では、ESG投資を考えている投資家のために、ESG投資に関するあらゆる情報を紹介しています。具体的には以下の内容でした。
- ESG投資により、なぜ長期投資によるリターンが得られるのか
- ESG投資における、ポートフォリオ構築の重要性
- ESG投資をおこなう上で、おすすめの銘柄とその特徴
- 今後、市場が企業に対して求めているモノが変わった点
- 長期投資にはESGの視点が必要であること世界の変化、今後のESG市場には、まだまだ多くの拡大余地があるということ
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