日本政策金融公庫で借入!融資を受けるメリット・デメリット総まとめ
登録日:2018.11.9 | 最終更新日:2019.12.22
資金調達をしたいと思った時、最もメジャーな方法は「銀行融資」が挙げられます。
どの金融機関がどういう特徴があるのか迷っている方も多いでしょう。
今回取り上げる日本政策金融公庫は国が100%出資している金融機関であり、メガバンクの融資を受けるのが難しいと言われている個人事業主や中小企業にも融資を行っています。この記事では、銀行融資と比べて日本政策金融公庫で融資を受けるメリットとデメリットについてご紹介します。
日本政策金融公庫について
日本政策金融公庫は政府の金融機関であり、新しい事業の創出や再生をすることで日本の経済成長と発展に貢献することを大きな役割として挙げています。
民間の金融機関からの資金調達が難しいことが多いとされている個人事業主、中小企業の方、これから起業しようと考えている方などへ積極的に融資を行っています。
反対に、メガバンクなどから融資が受けられるような大手企業は日本政策金融公庫を利用することはできません。
日本政策金融公庫の3つの役割
日本政策金融公庫は大きく3つの部門に別れており「国民生活事業」「農林水産事業」「中小企業事業」があります。
事業 | 対象者 |
国民生活事業 | 小規模事業者や創業企業、一般のご家庭の方 |
農林水産事業 | 農業や水産業者の方 |
中小企業事業 | 中小企業の方 |
※事業ごとに融資制度は異なります。
国民生活事業
事業をしているほとんどの方が利用できるのが国民生活事業の融資制度です。
融資先の企業は全国で88万企業にも及び、そのほとんどが9人以下の小規模事業者です。
平均融資額は約700万円と小口融資ですが、その80%は無担保融資です。
また、子どもがいる家庭に「教育ローン」の支援もしており取り扱い実績は35年を超え、多くのご家庭が利用しています。
農林水産事業
天候などの影響を受けやすく収益が不安定な農林漁業者の方でも利用できる融資制度が豊富です。
また、農業経営アドバイザーに相談もできるほか、年に2回展示商談会(「アグリフードEXPO」)を開催し取引先を広げるサポート活動などの経営支援サービスも行なっています。
中小企業事業
日本企業のほとんどは中小企業と言われており、いわば日本の経済を支えている立場にある中小企業には積極的な融資制度が多くあります。
融資先数は4,4企業に及び、平均融資金額は約1億円にものぼります。
融資の50%が5年以上の長期融資ですが、全て固定金利なので安心です。
日本政策金融公庫で融資を受ける7つのメリット
まず、日本政策金融公庫で融資を受けるメリットをまとめると以下の通りです。
1、銀行よりも融資を受けられる企業が多い |
2、融資制度の数が多く、充実している |
3、担保や保証人が緩やか |
4、返済期間も長めに設定できる |
5、金利が低い |
6、事業のアドバイスがもらえる |
7、他の金融機関からの融資が受けやすくなる |
ひとつずつ説明します。
【日本政策金融公庫のメリット1】銀行よりも融資を受けられる企業が多い
資金調達を考えたときに最初に思いつくのは「銀行から融資を受ける」ことですが、銀行からの融資は審査が厳しいと言われており、事業実績のない個人事業主や中小企業が融資を受けることは非常に困難です。
しかし日本政策金融公庫は日本経済の活性化に貢献することを経営方針として掲げているので、他の金融機関で断られてしまった方や事業実績がない方でも融資に応じてくれる場合が多くあります。
もちろん全ての人が融資を受けられるとは限りませんが現実的で具体的な事業計画や返済計画を立てるなど時間をかけて対策をしている方であれば融資を受けやすいと言えるでしょう。
【日本政策金融公庫のメリット2】融資制度の数が多く、充実している
全ての融資が申し込みできる対象になるとは限りませんが、女性やシニアの方を対象とした融資制度や、起業して7年以内の方が利用できる融資など種類は豊富です。
参考リンク:【日本政策金融公庫】融資制度一覧
また創業融資だけでなく、売上が下がっているなど業績が悪化している方を対象とした「経営環境変化対応資金」や、取引している企業が倒産したことによって経営に困難を有している方を対象とした「取引企業倒産対応資金」などセーフティネット貸付も行っているのも特徴です。
日本政策金融公庫の融資制度についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひご覧ください。
【最新】2019年に利用できる!日本政策金融公庫の融資制度総まとめ
創業融資とは?日本政策金融公庫と制度融資はどちらがお得か比較してみた
【日本政策金融公庫のメリット3】担保や保証人が緩やか
金融機関で融資を受けるほとんどの場合、『保証人』が必要になります。
しかし、日本政策金融公庫は一定金額以下であれば担保がなく、また保証人もいりません。
通常、連帯保証人や保証会社、少なくとも代表者が保証人になるのはほぼ必須とも言われていますが、日本政策金融公庫は代表者保証が不要な融資制度もあります。
過去に融資実績がある場合は保証人がない融資(「中小企業経営力強化資金制度」や「新創業融資制度」など)も受けられます。
保証人や担保をどうしようか考えている経営者には嬉しい制度です。
【日本政策金融公庫のメリット4】返済期間も長期に設定できる
創業して間もない事業は、必ずしもすぐに軌道に乗り利益が出せるとは限りません。
よって、返済期間が長いということは重要です。
例えば創業時の融資は5年〜10年で返済期間が選べますし、設備資金の融資の場合は最長で20年の返済期間を設けてくれることもあります。
返済期間が長くても、金利はほぼ変動しないので返済金額が心配な方は返済期間を長くしてもらえるよう相談してみると良いでしょう。
【日本政策金融公庫のメリット5】金利が低い
日本政策金融公庫が行う融資の金利は、融資の種類や貸付期間によって異なりますが中小企業事業では0.3%〜、国民事業でも担保を提供すれば0.25%〜借入できる融資もあります。(平成30年11月現在)
民間の金融機関よりも低い利率で融資を受けることが可能な場合もあるのは最大のメリットです。
日本政策金融公庫の金利はどれくらい?仕組みや金額が金利一覧で100%理解できる!
【日本政策金融公庫のメリット6】事業のアドバイスがもらえる
日本政策金融公庫は創業したての企業を積極的に支援することで、地域や経済の活性化に貢献することを経営方針として掲げているため、融資や会社経営についても親身になってアドバイスしてくれます。
また、融資についてのことだけでなく日本政策金融公庫の全国152支店の店舗網・ネットワーク力を活かして、マッチングや関係団体との連携による支援、今後の事業発展や経営に関することについてのアドバイスも無料で実施しています。
全国の日本政策金融公庫の窓口でも相談できますが、時間がない場合は「事業資金について来店の予約」をしておくと良いでしょう。
直接足を運ぶのが手間だと感じる方は「資料だけもらう」ことも「メールで相談する」こともできるので下記を参考にしてみてください。
参考リンク:【日本政策金融公庫】相談予約、メール相談、資料請求 お申込受付
さらに電話での相談も可能です。
事業資金のご相談は、0120-154-505
(受付時間:平日9時〜17時)
【日本政策金融公庫のメリット7】他の金融機関からの融資が受けやすくなる
日本政策金融公庫は他の金融機関よりも審査は緩いと言われていますが、「借り入れの実績」は残ります。
この実績を積み重ねていくことで個人または会社の「信頼度」が上がり、銀行を始めとするその他の金融期間からの融資が受けやすくなります。
全く借り入れが初めての方よりも融資実績があり、かつ返済もしっかりしている個人や会社の方に信頼があると評価される傾向にあります。
銀行からの融資を受けるために日本政策金融公庫で借り入れをして信用を作ることも有効な方法と言えるでしょう。
日本政策金融公庫で融資を受ける2つのデメリット
次に日本政策金融公庫で融資を受けるデメリットをまとめると以下の通りです。
1、 きちんとした事業計画が求められる |
2、審査期間が長い |
こちらもひとつずつ説明していきます。
【日本政策金融公庫のデメリット1】きちんとした事業計画が求められる
日本政策金融公庫は事業実績や企業規模などが重視されない分、事業の将来性や経営の計画性を重視しています。
そのため事業計画書や返済計画、融資担当者からのヒアリング内容が融資の合否を決める重要な材料となります。
具体的な数値を入れ、事業内容は自身の言葉で説明できるまで掘り下げておきましょう。
また、事業計画書については以下の記事に詳しく書いてありますので参考にしてください。
関連記事
【最新】創業計画書の書き方6つのコツ!あなたも日本政策金融公庫から確実に創業融資を受けられる
100%資金を集める事業計画書の書き方!10の秘訣であなたも必要な資金を調達できる
【日本政策金融公庫のデメリット2】審査期間が長い
一般的に銀行では1週間程度で融資が実施されるため3〜4倍の時間がかかることになります。
さらに書類作成等も考えると2ヶ月程度かかる場合もありますので、融資を受けるには早めの準備をしましょう。
しかし、信用金庫などの金融機関から融資を受ける場合も保証人の審査などで1、2ヶ月かかる場合もあります。
即日に資金調達したい場合はカードローンやキャッシングを利用するのが良いでしょう。
また、500万円くらいの資金調達をお急ぎの方はビジネスローン がオススメです。
最短1日で調達することができるので、お急ぎの場合は今すぐ以下のリンクをクリックして申し込んでください。申込みは10分で終わるのでカンタンです。
日本政策金融公庫で融資を受ける2つの注意点
日本政策金融公庫で融資を受けるには気をつけておきたい注意点もあります。
主な注意点は以下の2つです。
1、借り換えは禁止 |
2、返済が遅れると新規融資は受けられない |
こちらの2つは代表的な注意点になりますので、しっかりと理解しておく必要があります。
ひとつずつ説明していきます。
【日本政策金融公庫で融資を受ける注意点1】借り換えは禁止
これまで日本政策金融公庫で融資を受けるメリット・デメリットを説明してきましたが、それらを踏まえた注意点もあります。
日本政策金融公庫は金利が低いため、他の金融機関からの借り換えをすることを考える方も多くいますが、借り換え禁止です。
禁止している理由は、前述した通り日本政策金融公庫は国が100%出資しているので、その他民間の金融機関を圧迫しないようにするためです。
借り換えを考えてる場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
参考記事:3%~5%金利が下がる!おまとめ・借り換え専用カードローンの審査を100%通す5つの評価ポイントとは
【日本政策金融公庫で融資を受ける注意点2】返済が遅れると新規融資は受けられない
日本政策金融公庫は1日でも返済が遅れてしまうと、新規融資を受けにくくなります。
これは日本政策金融公庫が他の金融機関に比べて保証人や担保が非常に穏やかであったり、銀行が受けないような事業の融資も受けることから返済に関しては厳しくなっていると言えます。
しかしながら返済期日が厳しくなると事前に分かっている場合は、相談すると返済猶予にも応じてくれることもあります。
いずれにしても返済に関しては1日でも遅れがないように十分に注意することが必要です。
日本政策金融公庫で融資を受けるメリット・デメリットのまとめ
今回は日本政策金融公庫のメリット、デメリットを総まとめでご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
最も低コストで融資を受けられるのは銀行融資と言われていますが、銀行融資は審査が厳しいため、なかなか通らない個人事業主の方や中小企業は多く見受けられます。
そんな個人事業主の方や中小企業にとって日本政策金融公庫は、非常に利用しやすい金融機関です。
しかし、事業実績や企業規模などの審査は銀行よりは緩い分、事業計画書や返済計画には十分な妥当性が求められます。
準備には十分な時間を確保するために、融資対策は早めに行うようにしましょう。
日本政策金融公庫の融資を受けるために必要な事業計画書についての関連記事もぜひ参考にしてみてください。
【事業計画書についての関連記事】
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また日本政策金融公庫の審査についてはこちらに詳しく書いてあります。
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