キャッシュフロー計算書についてわかりやすく解説!3つの種類と減価償却費の扱いも紹介

登録日:2019.5.22  |  最終更新日:2019.5.27

「他企業のキャッシュフロー計算書を見ているけど、なぜ減価償却費が加算されているのかの理由がわからない」

「そもそもキャッシュフロー計算書や減価償却費っていまいちつかめていない」

キャッシュフロー計算書について学んでいる方でもこのような疑問や不安が頭を過ぎることはあるのではないでしょうか。

今回は、これらの疑問を解決するために、

  • キャッシュフロー計算書とは何か?
  • 減価償却費はそもそも何か
  • キャッシュフロー計算書にはどんな特徴があるのか
  • キャッシュ・フロー計算書に減価償却費を加算する理由

などを解説していきます。

今後、ご自身がキャッシュフロー決算書を見る時だけでなく、作成する時でも、減価償却費でもう迷わないようになっていただく機会にして頂ければと思います。


キャッシュフロー計算書とは?30秒でわかりやすく解説

(図解挿入)

まずはそもそもキャッシュフロー計算書とはなんなのか解説していきます。既に十分な知識をお持ちだと思う方は飛ばしていただいても構いません。

キャッシュフロー計算書とは「賃貸対照表」「損益計算書」と並ぶ財務三表のうちの一つです。現金の増減とその現金の流れを示し、経営の判断をする上で大変重要な書類となっています。

簡単に説明すると「会社のお小遣い帳」というイメージで、もともと会社にはいくらお金があり、今はいくら残っているのかを把握するために使われます。

財務三表はそれぞれどのような特徴を持っているのでしょうか。

財務三表それぞれの特徴とキャッシュフロー計算書の必要性

(図解挿入)

キャッシュフロー計算書

一定期間における企業が持っている手元の現金または現金同等物の総額、また実際のお金の流れを知ることができる書類

賃借対照表

一定期間に置ける(前の決算日の翌日から次の決算日の間の1年間を通常の期間とすることが多い)企業の利益を確認することができる。

損益計算書

一定期間に置ける(前の決算日の翌日から次の決算日の間の1年間を通常の期間とすることが多い)企業の利益を確認することができる。

財務三表はそれぞれお互いに密接に関わっています。

ここでは、損益計算書と賃貸対照表だけでなく、キャッシュフロー計算書もあった方がいい理由を紹介します。

その理由は損益計算書では、収益がいつ入金されるのか、かかった費用の支払日がわからないこと、一方で賃借対照表は1年間にどれほどのお金を稼いでいるかがわからないからです。

例えば、損益計算書だけを見れば一見莫大な利益が出ている企業でも、手元の現金ががショート寸前で経営が厳しくなっているかもしれません。

キャッシュフロー計算書があることで、資金繰りが危険な企業を見分け、企業の正確な実態を見ることができます。

また、キャッシュの入金を早め、逆に出金を遅らせることで、余裕を持って自社の資金繰りをし、投資などに回すことが可能になります。

3つのキャッシュフロー「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」


キャッシュフローは3つのグループに区分されます。

営業活動によるキャッシュフロー

事業活動によって稼いだ金額。プラスの場合、事業が資金を生み出し、マイナスの場合は資金が減っていってることを示す。

投資活動によるキャッシュフロー

会社設備の充実や株式への投資金額。プラスの場合は、保有する固定資産を売却し資金を得ていること示し、マイナスだと固定資産などを購入していることを示す。

財務活動によるキャッシュフロー

株式発行、または銀行借入や返済方法を示す。

営業活動によるキャッシュフローは、商品の販売や仕入れや会社従業員への支払い、会社家賃といった営業活動で稼いだキャッシュの額になります。

ではようやく本題に入っていきます。なぜキャッシュフロー計算書に減価償却費を加算する必要があるのでしょうか。その理由は2つあります。

減価償却費の基礎知識とキャッシュ・フロー計算書との関連性


減価償却費はキャッシュフロー計算書を作る上でとても大切です。

まずは減価償却費そのものについて紹介します。

減価償却とは固定資産を複数年にわたって経費として計上することを意味します。対象物によって「耐用年数」が定められており、その耐用年数に従って貸借対照表に経費計上をします。

参考記事
貸借対照表の書き方100%ガイド!初めての個人事業主・法人でもわかる


減価償却は特に間違えやすいポイントであり、間違った方法で計上しているケースは少なくありません。高額な固定資産を購入した場合には、きちんとその資産の耐用年数をチェックして、正しい方法で減価償却する必要があります。

なぜ減価償却をする必要があるかと言うと、例えば100万円で業務を効率化するための機械を購入しその期間の費用として計上すると、利益が一気に減ってしまうからです。

100万円で購入した機械は1年使って終わりではなく、数年間使い続けることになります。しかし、費用として100万円分一気に計上してしまうと、貸借対照表上では、利益を圧縮する一つの要因になってしまい不健全な企業と思われてしまう可能性も出てきてしまいます。

これは、売り上げが億で100万円の機械購入なら大きな問題ではないかもしれませんが、売り上げに対しての投資額が大きくなるほど圧迫が大きくなります。

そのため、企業の利益を確認することができる貸借対照表では、減価償却する必要があるのです。

キャッシュフロー計算書に減価償却費を加算する理由

(図解挿入)

当期純利益から数字を取り出し、営業キャッシュフローを計算しようとするとズレが生じてしまうため、資金の増減を必要としない損益項目、そして資金の増減に影響を与える資産項目において調整が必要です。

キャッシュフローはその名の通りキャッシュつまり現金の流れのことを示し、キャッシュフロー計算書は、一定期間における企業が持っている手元の現金または現金同等物の総額、また実際のお金の流れを知ることができる書類です。言い換えるならばお金が動いていないと表示することは不可能です。

しかし、減価償却では実際の現金の支出を伴っていません。そのためキャッシュフロー計算書では出ていないはずのお金をプラスすることで「減価償却費」のズレを調整します。

また営業活動によるキャッシュフローには2つの記載方式があります。それが直接法と間接法の2つです。

2つの違いは何でしょうか。

間接法

損益計算書の税引き前当期純利益を始点とし、表示する

直接法

キャッシュの増減に影響する主要な原因ごとに細かく分けて表示する

間接法では、損益計算書の利益を加算減算して営業活動によるキャッシュフローとして表示します。損益計算書の数字をいじればいいために作成が比較的簡易的であり、多くの企業では、間接法を用いています。

一方で直接法は、主要な原因ごとに表示できることで、全体が把握しやすい一方で、作成に手間がかかってしまします。例えば「商品に販売による収入」や「給料の支払いによる支出」など主な取引ごとにキャッシュフローの総額を計算しなくてはなりません。

キャッシュ取引を伴わないので、直接法での営業キャッシュフローでは扱いませんが、間接法では税引き前当期純利益の中に計上されているため、扱う必要があります。営業キャッシュフローで減価償却費の取り扱いは、直接法と間接法では違ってくるのです。

キャッシュフロー計算書のまとめ


今回はキャッシュフロー計算書に減価償却費を加算する理由について説明してきました。いかがでしょうか?

一見、加算する理由がわかりにくいですが、そもそも減価償却費とは何か、そしてキャッシュフロー計算書と貸借対照表、損益計算書の違いを知ることで理解できるようになったのではないでしょうか。

今回ご紹介した内容を参考にし、今後はキャッシュフロー計算書と減価償却費で迷うことがないようにしましょう。


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