賞与の計算方法5つの注意点。保険料や源泉所得税、支給額はいくら?

登録日:2018.1.8  |  最終更新日:2018.8.31



「がんばってくれた従業員に賞与をあげたい」そう考える個人事業主の方は多いでしょう。

基本給を上げる形を取る手もありますが、やはり「賞与」という形で報酬をもらうことの特別感は大きく、従業員のさらなるモチベーションアップに繋がります。しかし、賞与は保険料や所得税の計算方法が通常の給与とは違うことをご存知でしょうか?いざ賞与をあげたいと思っても、どのように社会保険料や源泉所得税を控除すればよいのかわからず、困っている事業主の方は多く見られます。

そこで今回は、現役10年のプロの税理士が賞与について徹底解説します。この記事を読めば、給与とは違う賞与の概要や計算時の注意点が一目瞭然。賞与計算がグーンと楽になります。

賞与計算に関して途方に暮れているあなた、ぜひチェックしてみてください。



■そもそも「賞与」とは?ボーナスとは違うの?



samantha_cohen


まずは「賞与」とは何か明確にしておきましょう。賞与とは、従業員に対して毎月の給与とは別に支給される金銭のことです。

よく「ボーナスとは何が違うのか?」という質問を受けますが、実は賞与とボーナスは同じ意味合い。どちらの言葉を使ってもOKで、企業によって呼び名が異なったり、明細には「賞与」と表現していても会話では「ボーナス」と言ったりとさまざまです。

賞与は通常の給与とは異なり、法令上支給が義務付けられているものではありません。会社が賞与の有無や金額などを自由に定めることができます。

一般的には夏季と冬季の年2回支給する企業が多いですが、年1回や年3回のところもあれば、全くない企業も見られます。また、利益が出た時に支給する企業も存在します。基本的に年3回以下であれば「賞与」、年4回以上支給されるものは賞与ではなく「月次給与」として扱われます。


金額も会社側が自由に定めることができますが、何も考えず適当に決めて良いわけではないため注意しましょう。賞与の支給額を定める際には、社会保険料や雇用保険料、源泉所得税額などを計算する必要があります。

では具体的にどのような点に注意して算出するべきなのか、以下でご紹介しましょう。


■【賞与計算の注意点その1】賞与計算と給与計算は違う!



GotCredit


まず認識しておきたいのは、「賞与計算は給与計算とは違うこと」です。とはいえ、賞与の基本的な計算方法は給与計算と変わりません。基本的な計算式は、以下の通りです。


支給額(額面)-控除額(天引き)=差し引き支給額(手取り)


この「控除額」には、社会保険料、雇用保険料、所得税などが含まれます。注目したいのは、給与のように住民税が引かれることはない点です。

その他はまるっきり同じように見えますが、実は控除額の計算方法も給与計算とは異なります。具体的に何が違うのか、以下で詳しく解説しましょう。



■【賞与計算の注意点その2】社会保険料の計算方法を間違えない!


賞与を支給する際には、給与計算と同様に社会保険料を計算して控除する必要がありますが、計算式が給与計算とは異なるため注意しましょう。以下は、健康保険料と厚生年金保険料を求める場合の計算式です。


給与計算の場合

(標準報酬月額×保険料率)÷2

賞与計算の場合

(標準賞与額×保険料率)÷2


給与計算における「標準報酬月額」とは、給与月額を等級表に当てはめて算出した数字。それに対して賞与計算における「標準賞与額」とは、賞与額の1,000円未満を切り捨てた数字です。

給与計算のように等級表を使うことはありません。間違って等級表を使って算出してしまうと、保険料の額が違ってしまうため注意しましょう。また、「標準賞与額」には上限があり、1回あたりの上限は150万円(同じ月に2回以上支給する場合は合算)と定められています。

健康保険料率や厚生年金保険料率は毎年改正されるため、常に新しいものをチェックすることが大切です。また、健康保険料の場合、会社が「協会けんぽ」と「健康保険組合」のどちらに属しているかで率は変わってきます。

「協会けんぽ」は会社がある都道府県により健康保険の保険料率が異なりますが、健康保険組合は3.0%~13.0%の範囲内なら自分で保険料率を決めることが可能です。一般的に健康保険組合の保険料率の方が、協会けんぽの保険料率よりも低い傾向にあります。


ちなみに、賞与をもらう従業員が40歳~65歳未満に属する場合は「介護保険料」も控除されます。介護保険の第2号被保険者の資格取得日は40歳の誕生日の前日となっており、誕生日の前日が属する月から介護保険料が徴収される仕組みです。

例えば、8月1日生まれの人が40歳になる場合、資格取得日(誕生日の前日)が7月31日のため、7月から介護保険料の徴収が開始となります。



■【賞与計算の注意点その3】雇用保険料の計算は給与計算と同じ!


雇用保険料は、以下のように給与計算と同じ方法で計算します。


総支給額(額面)×保険料率=雇用保険料


なお、雇用保険の保険料は、会社と従業員の双方で負担するのが普通です。保険料率は事業の種類によって異なり、2017年(平成29年)度の雇用保険料労働者負担は、一般事業の場合は3/1,000、農林水産業・清酒製造業・建設業の場合は4/1,000となっています。

こちらも保険料率の改正に注意し、必ず最新の税率に基づいて計算しましょう。


■【賞与計算の注意点その4】源泉所得税の税率は「賞与用」をチェック!


源泉所得税額は、社会保険料と雇用保険料の計算後に算出します。というのも、源泉所得税額は以下のような流れで計算するためです。


① 「前月の給与」から社会保険料および雇用保険料を差し引く

② 「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」をチェックし、扶養親族の人数と①によって決まる税率を確認

③ 「賞与」から上記で計算した社会保険料および雇用保険料を差し引く

④ ③の金額に②の税率をかける。(1円未満は切り捨て)


この時特に注意したいのが、「給与所得の源泉徴収税額表」ではなく「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使うこと。ここも、給与計算とは異なる部分なので要注意です

また、前月の給与の金額(社会保険料などを控除した後の金額)の10倍を超える賞与(社会保険料などを控除した後の金額)を支払う場合、あるいは前月に給与の支払いがない場合は、別の計算方法で源泉所得税額を算出する必要があります。

国税庁のサイトを参照して計算しましょう。


No.2523 賞与に対する源泉徴収|源泉所得税|国税庁




■【賞与計算の注意点その4】賞与支払届・賞与支払届総括表を必ず提出!



Gideon Tsang


賞与計算後に忘れてはならないのが「賞与支払い届」と「賞与支払届総括表」の作成です。賞与支給日から5日以内に提出しましょう。

提出先は年金事務所または健康保険組合で、使用する用紙は年金事務所などから事前に会社へ送られて来ています。予定していた賞与の支払いが行われなかったとしても、「賞与支払届総括表」だけは金額を0円として提出しましょう。

提出を怠ってしまうと、従業員の年金額が正しく計算されません。そのため、万が一保険料などの計算にミスがあったとしても気づくことができず、従業員の人生設計に大きな影響を与えてしまう可能性があります。支払い届と総括表は責任を持って必ず提出することが大切です。


■【賞与計算の注意点その5】賞与から徴収した保険料や税金は期日内に納付すること!


賞与から徴収した社会保険料と源泉所得税の納付先や期日は、それぞれ異なります。以下を確認し、必ず期日内に納付しましょう。



納付先

納付期限

社会保険料

年金事務所

支給月の翌月末日

雇用保険料

労働局

4月から翌年3月までの間に支払いが確定した賞与額を、年間の賃金総額に含めた上で労働保険料を計算し、毎年7月10日までに申告・納付

源泉所得税

所轄の税務署

賞与を支払った月の翌月10日まで

※納期の特例を受けているときは、1月から6月までに源泉徴収した所得税は7月10日まで、7月から12月までに源泉徴収した所得税は翌年1月20日までに納付


ちなみに、納付期限が土曜日や日曜日・祝日などの休日に当たる場合には、その休日明けの日が納付期限となります。期日内に納付しなかった場合は、「延滞金」が課せられる場合があるため注意しましょう。

通常、納付期限までに保険料や税金の支払いをしないまま放置しておくと、納付期限後1週間程度を目安に督促状が郵送されてきます。その督促状に記載されている指定期限までに支払いすれば問題ありませんが、それを過ぎると、本来の納付期限の翌日から完納した日までの日数に応じて延滞金が課される仕組みです。

それでも何もしないまま放置して支払いを怠ってしまうと、所有財産の調査および差し押さえへと進んでしまう可能性があります。

徴収した保険料や源泉所得税は、期日内に確実に納付できるように準備しておきましょう。もしも支払いが遅れそうな場合は、それぞれの納付先にすみやかに相談することが大切です。



■賞与計算のシミュレーション!いくつかのケースで実際に計算してみよう


賞与の計算方法はわかりましたが、実際に計算してみないと具体的なイメージは湧きづらいでしょう。そこで以下では、いくつかのケースを挙げて賞与計算の例をご紹介します。


○Aさんの場合

年齢

35歳

扶養

0人

会社

東京都の一般企業(協会けんぽ)

賞与額面

300,000円

前月の給料

200,000円


【賞与に対する社会保険料】

①健康保険料:(標準賞与額×保険料率)÷2

=300,000×9.91%÷2

=14,865円


②厚生年金保険料:(標準賞与額×保険料率)÷2

=300,000×18.300%÷2

=27,450円


③雇用保険料:総支給額(額面)×保険料率

=300,000×0.3%(一般企業の率)

=900円


①+②+③=43,215円


【賞与に対する源泉所得税】

①前月の給与から社会保険料を計算:

前月の健康保険料+前月の厚生年金保険料+前月の雇用保険料

=(200,000円×9.91%÷2)+(200,000円×18.300%÷2)+200,000円×0.3%)

=28,810円 


②前月の給与から社会保険料を差し引く

200,000-28,810

=171,190円


③扶養0人の場合の「賞与の源泉徴収税率」は4.084%


④賞与から源泉徴収する税額:

(賞与(額面)-賞与に対する社会保険料合計)×賞与の源泉徴収税率

=300,000-43,215×4.084%

=10,487円


以上を踏まえたAさんの賞与の手取り額:

賞与(額面)-(社会保険料+源泉所得税額)

300,000-(43,215+10,487)

246,298円


○Bさんの場合


年齢

42歳

扶養

2人

会社

東京都の一般企業(協会けんぽ)

賞与額面

500,000円

前月の給料

300,000円


【賞与に対する社会保険料】

①健康保険料:(標準賞与額×保険料率)÷2

=500,000×9.91%÷2

=24,775円


②厚生年金保険料:(標準賞与額×保険料率)÷2

=500,000×18.300%÷2

=45,750円


③介護保険料:(標準賞与額×保険料率)÷2

=500,000×1.65%÷2

=4,125円


④雇用保険料:総支給額(額面)×保険料率

=500,000×0.3%(一般企業の率)

=1,500円


①+②+③+④=76,150円


【賞与に対する源泉所得税】

①前月の給与から社会保険料を計算:

前月の健康保険料+前月の厚生年金保険料+前月の介護保険料+前月の雇用保険料

=(300,000×9.91%÷2)+(300,000×18.300%÷2)+(300,000×1.65%÷2)+(300,000円×0.3%)

=45,690円 


②前月の給与から社会保険料を差し引く

300,000-45,690

=254,310円


③扶養2人の場合の「賞与の源泉徴収税率」は2.042%


④賞与から源泉徴収する税額:

(賞与(額面)-賞与に対する社会保険料合計)×賞与の源泉徴収税率

=(500,000-76,150)×2.042%

=8,655円


以上を踏まえたBさんの賞与の手取り額:

賞与(額面)-(社会保険料+源泉所得税額)

500,000-(76,150+8,655)

415,195円


■まとめ


今回は賞与に関して、社会保険料や源泉所得税の計算方法をご紹介しました。

一見複雑なように見えますが、表をしっかりと確認しつつ順を追って計算すれば、比較的簡単に算出することができます。最も大切なことは、ひとつひとつ正確に計算すること。また、社会保険料率や雇用保険料率は毎年のように変わるため、随時最新の税率をチェックすることも重要です。


なお、場合によっては「従業員に賞与を与えたいのにまとまった資金がない」というケースもあるでしょう。そんな時は、売掛金をもとに資金化できる「ファクタリング」を利用して、賞与資金を調達してみてはいかがでしょうか?

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