【保存版】株式会社とは?7つのメリット・デメリットと合同会社との違いなどを分かりやすく解説!

登録日:2019.5.30  |  最終更新日:2019.8.2



街を歩いていると「〇〇株式会社」や「株式会社〇〇」といった表記をよく見かけます。会社にまったく興味がなくても「株式会社」という言葉を一度も聞いたことがないという方は、まずいないですよね。

しかし、株式会社がどういったものなのか、正確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。

これから会社を設立する方であれば、当然理解しなくてはいけない言葉です。なぜなら、株式会社はもっともポピュラーな会社形態であり、日本の会社のほとんどが株式会社で設立されているから。多くの方にとって、会社を設立する=株式会社を設立するといっても過言ではありません。

また、とくに会社設立を考えていなくても、教養として、株式会社について理解しておいて損はないでしょう。株式会社が世の中に与えている影響って結構大きいんですよ。

今回の記事では以下の点を解説しています。

  • 株式会社とは?
  • 株式会社と合同会社の違い
  • 有限会社が廃止された理由
  • 株式会社を立ち上げるメリットデメリット
  • 株式会社の設立方法

株式会社と聞くと、なんだか難しそうな気がしますよね。でも大丈夫です。株式会社について知識0、なにもわかりません!という方でも理解できるように解説します!さっくり読めるようにしてあるので、是非参考にしてみてください。



株式会社とは?概要を30秒でサクッと確認!


現在の日本には5種類の会社があります。株式会社はそのうちの1つ。具体的には以下の5つに分かれています。

  • 株式会社
  • 合同会社
  • 合資会社
  • 合名会社
  • 有限会社(特例有限会社)

5つのなかでも株式会社は最も一般的な会社形態です。全体のおよそ8割の会社が株式会社として設立されています。


5つの会社は様々な要因で分けられていますが、株式会社とその他の会社とを分ける大きなポイントは、元手となる運転資金の集め方。株式会社を理解する一番の近道は、元手となる運転資金がどのようにして集められているのか把握することです。


事業をするには元手となる運営資金が必要ですよね。運営資金は「自分で出す」か「他の人から借りる」か「他の人からもらう」しかありません。

株式会社は基本的に「他の人からもらう」ことで元手を集める会社です。


「他の人からもらう」についてもう少し具体的に説明しますね。

株式会社は株式を発行し、発行した株式とお金を交換することで資金を集めています。

(図解挿入)

株式とは「あなたがお金をだしました」という証明書のようなものです。株式の所有者を株主といいます。

つまり、株式会社とは「あなたがお金をだした証明書あげるから、お金くれませんか?」というスタンスで運営される会社のことです。


株式会社として設立した場合、仮に事業主自身がお金を出したとしても株主として扱われます。


証明書(株式)をもらえるだけでは、なかなかお金をだそうとは思いませんよね。でも世の中には株式会社にお金を出す人はたくさんいます。
理由があるからお金を出すんです。株式会社にお金を出す理由は多種多様ですが、多くの場合株主に与えられる権利(メリット)を求めてお金を出しています。


具体的には、株主になると以下のメリットがありますよ。

  • 株の売却(譲渡)でお金を稼げる
  • 配当や株主優待などが受けられる
  • 株主総会への参加権がもらえる

さきほど「株式会社を理解するには元手となる運転資金の集め方がポイント」と述べさせていただきました。株式会社は株式を発行することで元手となる運転資金を集めているというわけです。

株式会社の株主が持つ3つの権利とは!

株式会社を理解するうえで、株式や株主についての把握は必要不可欠です。

以下で株主になることで発生する権利について、それぞれ詳しく掘り下げていきましょう。

【株式会社の株主が持つ権利その1】株の売却(譲渡)

株式会社にお金を提供して株式を獲得しようとする理由は人それぞれ。しかし、多くの株主は「株を買ってひと儲けしてやろう」と考えて株を獲得しています。ではどのようにして儲けるのか。それは、株の売買。

株は基本的に自由に売買(譲渡)可能です。株の価値(株価)は会社の経営状況によって上昇したり、下降したりします。株価の上下があるということは、安いときに株を買って、高くなった時に売ることで利益を出せるということです。もちろん損をしてしまうこともありますよ。


株の売買は、基本的に証券取引所を経由して行なわれます。証券取引所で株が取り扱われるようになることを「上場する」といいますね。「〇〇株式会社が上場した」というニュースを耳にしたことがあると思います。あれは「〇〇株式会社の株が証券取引所で扱われるようになった」と言っていたんですね。

証券取引所で取り扱われている株はだれでも購入できます。今この文章を読んでいるあなたも、きちんと手続きをふめば購入可能です。株式会社が不特定多数から資金を集めるのが可能とされているのは、証券取引所で株を公開できるからです。

では、あなたが仮に株式会社を設置したらすぐに上場できるのかというと答えはNO。上場するには一定の条件があります。条件を満たしていない会社は上場でません。いつでも、だれでも上場できるというわけではないですね。


株は自由に売買できると述べましたが、それはあくまでも「基本的に」という話です。会社によっては自由に株がやりとりできないように譲渡に制限をかけている場合も。そのような会社を譲渡制限会社といいます。


譲渡制限株式会社のぞけば、株は自由に譲渡できますよ。そして、全ての株を譲渡した瞬間にその会社の株主ではなくなってしまいます。

【株式会社の株主が持つ権利その2】配当金や株式分割

株で儲ける方法は1つではありません。株主は、配当金や株式持分を受け取ることでも利益を得ることが可能です。

配当金とは、会社の業績や株の保有率に応じて株主に支払われるお金のこと。「株を持っていてくれてありがとう!」と、会社からもらえるお礼のようなものですね。配当する金額は、会社側で自由に設定可能となっています。

業績に応じて支払われるので、企業の経営がうまくいっているときはたくさん配当金がもらえますし、経営がうまくいっていないときは少額、もしくは0円ということもあります。


場合によっては配当金ではなく株式分割を採用している企業も。株式分割とは、現在持っている株を分割することで株数を増やす制度です。

たとえば現在1株で5000円の株を持っているとしましょう。この株を1:5の割合で株式分割するとなると、株主は5株で5000円(1株1000円)の株をもつこととなります。総額5000円の株を5つに分割して株数を増やすので、資産が増えるわけではありません。

「じゃあ何もメリットがないじゃないか」と思うかもしれませんが、株式分割は企業にとっても株主にとってもメリットがあります。

株式分割を行なうと、多くの場合、株価の上昇が見込めるからです。
まず、分割したことによって一旦株価が下がりますよね。そのタイミングで株を買いたいと思っていた人が株を購入しやすくなります。
結果株価が再上昇。結果的に総資産を増やすことができます。特に勢いのある会社であれば、株式分割によって大きく株価を伸ばすことができます。


また、株が分割されることで、株主は1部を手放して1部をそのまま保有しておくなど柔軟な対応が可能。

株式分割も、配当と同じように多くのメリットがあるんですね。


このように、株を持っていると、株主は多くの恩恵に預かれます。

【株式会社の株主が持つ権利その3】株主総会への参加権・議決権

あなたは会社の方針がどのようにして決められているかご存知ですか?

世間一般的なイメージとして「社長とかの偉い人達が話合って決める。最終的なGOサインは社長が出す」というイメージを持っている方が多いと思います。これは半分正解で半分不正解です。


なぜなら、会社の経営や方針は株主総会で決められているからです。そして、株主総会参加できる権利をもつのは株主。

別に社長や社員や役員でなくても、株を保有した時点で会社の方針や経営に口を出せるということです。


株主総会では1株1票。1人1票ではありません。選挙の投票などとは違うんですね。

1株1票なので、株数が多いほど会社の方針を握りやすくなります。


例えば、ある会社の株主が全員で10人いたとしましょう。会社の方針について9人は賛成していて、1人だけ反対しているとします。

通常の多数決であれば反対1:賛成9で賛成派の意見がとおりますよね。しかし、株主総会ではそうとは限りません。

もしも、反対派のもっている株が100株で他9人の株数の合計が50株だとしたら、反対している人の意見が通ります。これが株主総会であり、株式会社の方針を決める方法です。
ちなみに一番株を持っている人物を筆頭株主といいます。社長=最終決定をする人というイメージがあるのは、多くの場合社長が筆頭株主だからでしょう。


株主総会で会社の重要事項を決定するということは、株の保有率は会社の保有率と実質同じであるということです。

仮に私が任天堂の株の51%以上をもっていれば、次に出すゲームを勝手に決められてしまいます。この状況って私が任天堂という会社を所有しているといってもおかしくないはずです。


上記で、「株式の譲渡に制限を設ける会社がある」と紹介させていただきましたが、多くの場合、経営を部外者に口出ししてほしくない&会社を自身で保有して置きたいからなんですよね。


このように、株主になると株主総会への参加権や議決権が与えられています。経済的なメリットだけにとどまらないんですね。


株式について掘り下げていくと、株式会社ってややこしいんだなという印象を受けると思いますが、起業するつもりがなければ「株式を発行してお金を集めてくる会社」と理解できていればOKです。

株式会社と合同会社の違いは、設立費用と株式の有無


現在、株式会社の次にポピュラーな会社形態が合同会社です。合同会社は2006年の新会社法の施行と同時に設置されました。できたばかりの会社形態です。

株式会社と合同会社ではどのような違いがみられるのでしょうか?


細かい違いは多々ありますが、設立にかかる費用と株式がない点が大きな違いです。

設立費用に関しては株式会社が約25万、合同会社が11万ほどとなっております。以下の表をご覧ください

 株式会社合同会社
収入印紙代4万円4万円
設立登録免許税15万円6万円
定款の認証手数料5万円なし
定款の謄本手数料2千円なし

表を見てもらえば分かるとおり、設立登録免許税が株式会社15万に対して合同会社6万です。また合同会社は定款(会社のルールをまとめたもの)を認証してもらう必要がないので手数料がかかりません。合同会社の設立費用が安いのはこのような理由からです。


また、合同会社に株式はありません。そのため出資者はかなり限定的になります。

株式会社は出資してくれた人を「株主」と呼ぶのに対し、合同会社は「社員」と呼びます。社員といえば、一般的に会社の従業員を想像しますが全く別物なので注意してください。ここでは、あくまで会社に対して出資した人物のことをいいます。ちなみに、一番多くのお金を出した人物を代表社員といいますね。

株式会社には株主総会で意思決定を行いますよね。合同会社も同じように社員総会にて意思決定を行なっています。


株式がないので、決算広告義務もありません。当然、上場という概念もありません。

この点から、合同会社は小規模で事業を展開していきたい人向けだといえるでしょう。


株式会社と同様1名から可能です。

役員の任期がないのも合同会社の特徴ですね。株式会社には役員の任期があり、更新の手続きが発生します。



設置されてまだ歴史が少ないことから、認知度が低く、会社同士のやり取りで信用されないことも多々あります。

先ほど小規模むけと紹介させていただきましたが、株式会社も今は小規模で設立可能です。

株式会社でも株の譲渡制限が設けられることから、設立費用が合同会社を立てるか株式会社を立てるかの大きなポイントになりそうですね。

合同会社と株式会社の違いは、株があるかないか、と設立費用の面でとらえておけばよいでしょう。

また、他にも合弁会社というものについて下の記事で紹介しています。
【保存版】合弁会社とは?3つのメリット・デメリットや設立までの手順などを解説!

なお、会社を作った後に資金援助を受けたい方は、Founderに登録して投資家とマッチングしましょう。

有限会社が廃止になった理由は、株式会社より信用が低いから

冒頭で紹介した会社形態の中に有限会社があります。実は、現在有限会社の新設はできなくなっているんです。

有限会社の新設は、平成18年5月に新会社法が施行されたと同時に廃止されました。一体なぜでしょうか?

その背景には、株式会社と有限会社の信用の差があります。当時から、株式会社が一番会社の形態として社会的信用を得ていました。


有限会社が株式会社よりも信用の面で劣るのは、有限会社が、少人数、小規模向けに設置された会社だからです。旧会社法をみてみると、株式会社は無制限で社員を雇えたのに対して、有限会社は50名までと制限がかけられています。資本金の最低ラインも株式会社が1000万必要であるのに対し、有限会社が300万で済むことからも、小規模向けであることがわかりますよね。


では、当時の株式会社が少人数だと作れなかったのかというと、答えはNOです。必要な資本金こそ多いものの、少人数でも問題なく設立できていました。

株式会社で設立したい理由は先ほども述べたとおり、株式会社の方が会社として信用されていたからです。
信用は商談相手に大きな影響を与えますから、株式会社で設立するか有限会社で設立するかは当時重要だったんですね。

小規模であるにも関らず、株式会社として設立した会社は実質有限会社と同じようなスタイルで経営されていました。経営が握られないよう株に譲渡制限を設けたり、取締役会の決まりをきちんと定めなかったりしていたんですね。

新会社法で資本金が1円から株式会社が設立されるようになったこともあり、小規模向けに有限会社を設置する理由もなくなってしまいました。

このように有限会社の新設ができなくなった理由は、わざわざ信用の下がるような会社を設置しておくのはデメリットしかないからなんですね。


では既存の有限会社はどうなったのでしょうか?


新会社法では、既に設立された有限会社は「特例有限会社」として存続可能としています。つまり、新しく有限会社は作れなくなったけど、既存の有限会社はそのまま残しておいて大丈夫なんですね。新設はできないので、減ることはあっても増えることはありません。

また、特例有限会社は後から株式会社に切り替えることも可能です。


有限会社については下の記事で詳しく説明しています。
【保存版】株式会社と有限会社の違いは?メリットとデメリットを3つのポイントで簡単に解説!

株式会社化するメリット7選


個人事業主と株式会社。他の会社形態と株式会社両方の面から、メリットについて触れていきます。

【株式会社化するメリットその1】社会的信用が増す

株式会社化するメリットの一つに「社会的信用が増す」という点があります。

「社会的信用ってそんなに重要なの?」と思うかたもいるでしょう。信用や印象というのは事業を行なう際には非常に重要ですよ。そうでなくても、社会的信用は高い方が色々と都合がよいです。


社会的信用が高いと、以下のようなメリットがあります。

  • 商談を成功させやすい
  • 融資を受けやすくなる
  • 物件を契約しやすい
  • 優秀な人材が集まりやすい

商談に関して、会社によっては個人事業主とはやりとりをしないと決めている会社もあるのをご存知ですか?株式会社と比べて、経営状況など把握しづらく社会的信用が低いからです。世知辛いですが、これが現実。株式会社化すれば信用が高まり、今まで受けられなかった仕事を受けられるようになります。実際に仕事の幅を広げるために株式会社化したという方も少なくありません。

社会的信用が高ければ、当然融資なども受けやすくなりますよ。融資する側の心情としては、確実にお金を返してほしいですから、信用度の高い株式会社の方が融資を受けやすいのは当然です。

また、株式会社化すれば物件などを契約しやすくなりますよ。個人事業主で「お金はあるのに、契約を断られた」という話はよく聞きます。これも社会的信用の差によるものです。

また、社会的信用が高いので、他の会社形態と比べて優秀な人材が集まりやすい。求職者は「できるだけ大きくて、なるべく有名な会社に入りたい」と思っています。例外もありますが、一般的に規模が大きいのは株式会社です。人によっては、合同会社や有限会社などには目もくれないという方もいます。


このように、社会的信用が高いとたくさんのメリットがあるんですね。

なぜ、株式会社化すると社会的信用が高くなると思いますか?要因は3つあります。


1つ目、第三者が経営状況や所在などを確認できるからです。

株式会社は売り上げを公表したり、定款(会社のルールがまとめられている書類)に所在地やどんな事業を行なっているかを明記したりしておかなくてはいけません。それらはだれでも確認可能となっています。どのくらい売り上げがあって、どこに会社があるかどうか分からない相手と取引はしたくないですよね。


2つ目、事業への本気度を推し量ることができるからです。

株式会社の設立には一定の手間と費用がかかります。「ちゃんと会社を設立する手続きを踏んででも事業を行ないたいんだな」と相手に思ってもらえますよね。


3つ目、それなりに稼げていることが分かるから。

会社と個人とでは税金のかかり方が違います。低所得であるほうが会社の税金は高いです。株式会社を設立する理由はそれぞれですが、節税のために株式会社化する方も多いため、結果的に「それなりに稼いでいるのだな」と推測できます。



他にも細かい理由を挙げると、単に「株式会社」の方が聞きなれていますよね。「合資会社」や「合名会社」などは特に聞きなれないため、相手に不安を与えてしまうことになります。


このように、株式会社は外部からの信用を得やすく、結果的にたくさんのメリットを享受できます。

【株式会社化するメリットその2】資金調達が行いやすい

株式会社の最大の特徴は、株式を発行することで資金調達が行ないやすいという点です条件がありますが、証券取引所で株を扱ってもらえるようにならば多くの資金の調達が望めます。

他の会社形態はそもそも株という概念がないので、運転資金への出資者はかなり限定的になってしまいますよね。いくらお金をもっていたとしても、個人が出資できるお金はしれています。

もちろん、会社がちいさくてもいい、そこまで元手がなくても運営できるというのであれば株式会社にこだわる必要はないでしょう。ただ把握しておいていただきたいのは、事業をさらに大きくするということは現実的に難しいということです。通常、大きい事業を行なうには多くの資金が必要になりますよね。

また、出資金には返済義務がないのも魅力の1つと言えます。

以上のことから、圧倒的に資金調達が行ないやすいのは株式会社です。事業を行なう際には、自分がどのくらいの規模の会社を経営したいのか、よく考えておきましょう。

【株式会社化するメリットその3】税金の面で有利になる

ある程度事業が並にのってきて、所得が上がってくると、法人化したほうが税金を安く抑えられる場合があります。それも1万や2万といった額ではありません。場合によっては100万以上の差がつくことも。

個人事業主にかかる所得税が5%~45%であるのに対し、会社版の所得税である法人税は15%~24.3%と上限に20%以上の差があります。

業種や扶養者がいるのかどうかによって、かかる税金がかわってくるため一概にはいえないのですが、所得が400万~500万を超えてくると法人化したほうが節税効果は高い場合が多いです。


また、法人の場合、事業主に対して支払われるお金は役員報酬となります。

役員報酬は給与所得であるので、経費として換算できますし、給与所得控除の適応も可能です。


税金面から考えると経費の対象が広いのも法人。

個人事業主だと、私的目的でお金をつかったのか、事業のためにお金を使ったのか客観的にわかりづらいです。

結果、経費として扱われる費用がどうしても限定的になってしまいます。

その点、株式会社は法人であるため、会社と個人とできちんとサイフが分かれています。事業でつかったお金を把握しやすいんですね。

自宅兼事務所であれば家賃などは経費として換算されますし、自動車、保険料、さらには自身への退職金も経費として換算可能です。


さらにいうと、法人の場合は欠損金を9年間繰越できます。もし前の年の売り上げが赤字であれば、次の年の売り上げと昨年の赤字とで相殺できるんですね。

例えば前の年に10万円の赤字をだしてしまい、次の年に30万円の利益をだしたなら、30万円から10万円を引いた20万円がその年の売り上げとして課税対象になります。法人であれば9年であるのに、個人の場合、青色申告をおこなっている場合でも3年です


また、株式会社は相続税もかからないので、事業継承をしやすいです。

手間と設立費用とを頭に入れながら検討できるとよいですね。

【株式会社化するメリットその4】万が一の場合でも安心

あまり考えたくはありませんが、折角はじめた事業がうまくいかずに倒産してしまうという可能性も大いにあります。

もし個人で事業を行なっていて、銀行などから融資をうけていたり、取引相手などに対して支払いの義務が発生したりしている場合、責任をもってお金を用意しなくてはいけません。


しかし、株式会社化しておくと、万が一倒産してしまっても返済の義務はありません。なぜなら、会社と個人は別人格として扱うからです。会社の借金はあくまで会社の借金。経営者は会社の借金に関して責任を負う必要はないんですね。会社の借金について責任を負う必要がないという考え方を「有限責任」といいます。


ただしいくら有限責任であるとはいえ、会社が融資を受ける際に経営者個人が保証人となっていた場合は、返済が必要です。

現実的なところをいうと、銀行から保証人を求められることは多々あります。特に規模の小さい株式会社はそう。多くの場合、銀行からの融資に関しては、自身で責任を負う覚悟は必要です。


保証人が求められない融資や、取引相手からの仕入れなどに関しては有限責任です。

一見、株式会社を設立する方がリスクの大きいように感じますが、実際は個人事業主として事業を行なうほうがリスキーです。リスクを避けるなら、株式会社として事業を行った方がよいでしょう。

【株式会社化するメリットその5】給料の保証がされている

株式会社を設立すれば、仮に法人の売り上げが0円でも、役員の給料は保証されています。

理由は法人と個人のサイフは別だから。経営者は法人のサイフから役員報酬(給料)を受け取って個人のサイフに蓄えます。そして、役員報酬は経費として扱われるんです。利益=売り上げー経費です。つまり、たとえ会社の利益が0円だとしても、会社が赤字にならない限り、給料はもらえるということですね。

個人事業の場合、売り上げから、経費を引いたものが所得になりますよね。つまり、利益=給料です。当然利益が0円なら給料も0円。給料の保証はされていません。

【株式会社化するメリットその6】充実した社会保障が受けられる

株式会社化することで、個人の場合でうけられなかった社会保障がいくつか受けられるようになります。

ひとつが厚生年金、もうひとつが健康保険です。まずは厚生年金についてみていきましょう。


成人した日本国民はかならず何かしらの年金に加入しないといけないのですが、個人事業主は厚生年金に加入できません。厚生年金に加入できるのは一定条件を満たした雇用労働者のみだからです。個人事業主は国民年金に加入します。

国民年金と厚生年金を比較すると、明らかに厚生年金のほうが保障は手厚いんですよね。将来的に受け取れる年金が多いのは、国民年金加入者ではなく、厚生年金加入者です。

株式会社の経営者は厚生年金に加入することになります。つまり、将来会社を辞めてしまっても多くの年金を受け取れるということです。


健康保険についても同様で、こちらも事業主、もしくは一定条件をみたした雇用労働者のみが加入可能となっております。健康保険に加入できない方は国民健康保険か民間が運営する保険に加入することになるんですね。

健康保険も、国民健康保険も、医療負担額が3割になる点はおなじです。しかし、健康保険にのみ傷病給付金と出産給付金があります。

傷病給付金とは、病気やケガなどで働けなくなった時に給付されるお金のこと。出産給付金とは、出産にともなって仕事ができなくなったときに給付されるお金です。


このように株式会社を設立することで、個人では得られなかった社会保障を得ることが可能となっています。

【株式会社化するメリットその7】決算期を自由に決められる

個人事業主の場合、決算(確定申告)は3月と決められていますよね。別にそれでも問題ないとおっしゃるかたもいるでしょうが、業種によっては3月に決算期がくると困る場合があります。決算期と、繁忙期が重なってしまう場合があるからです。可能なら、あまり忙しくない時期に決算を終了させたいですよね?

株式会社を設立すれば、決算期は自由にきめられます。つまり、繁忙期をさけて決算手続きが行なえるということです。

あらかじめ、いついつが忙しくなると分かっていれば対応できるのも株式会社化するメリットですね。


なお、株式会社を作った後は、Founderに登録して投資家から資金援助を受けると、経営が安定しますよ。

株式会社化するデメリット3選


次に、株式会社化するデメリットについてみていきましょう。

【株式会社化するデメリットその1】会社の設立費用が他の会社形態よりも高い

株式会社とその他の会社形態を比較すると、株式会社は設立費用が高くなっています。

具体的には、株式会社の設立に約25万。その他の会社は11万ほどです。


法規手続きにかかる費用は以下の通り。

 株式会社その他会社
収入印紙代4万円4万円
設立登録免許税15万円6万円
定款の認証手数料5万円なし
定款の謄本手数料2千円なし

上の金額に印鑑代などの費用で1万円ほどかかるので、株式会社の設立に約25万。その他の会社は11万という数字が割り出せますね。


【株式会社化するデメリットその2】決算を公開しなくてはいけない

株式会社は、その年の会社経営がどうだったのか、決算を公開しなくてはいけません。

具体的には、官報という政府が出している新聞にて公開を行ないます。


この官報に掲載するには、5万9126円の掲載手数料がかかってしまうんですよ。


また、その年の経営がよろしくなかった場合はあまり決算を公開したくないですよね。その決算をみた株主は株を手放してしまう可能性があります。


公開に多くの手数料がかかってしまうことに加えて、どのような業績でもかならず公開しなくてはいけないのはデメリットであるといわざるをえません。

【株式会社化するデメリットその3】会社の経営に第三者が関与してくる

株主は株主総会に参加する権利が与えられています。つまり、第三者が会社の経営に関与してくるということです。

もし、株式を公開して出資金を募るのであれば、その分株主が増えるという点に留意しておきましょう。


もちろん、株の公開に制限をかければ第三者の関与を防げます。

株を公開した場合でも、会社の運営側で51%以上の株を保有していれば、従う義務はありません。


安易に株を公開するのではなく、本当に第三者が関与してきても問題ないのかきちんと検討してから行なうようにしましょう。

株式会社を作る2ステップ


最後に株式会社をつくる方法を簡単に説明します。あくまで法的な設立に関しての話です。事業の準備についてはまた別記事を参考にしてみてください。
 
株式会社の作り方をざっくりいうと、2つのステップを攻略すれば設立完了です。
 
1つ目が定款の作成及び認証。
2つ目が設立登記です。
 
それぞれみていきましょう。

【株式会社を作るステップその1】定款(ていかん)の作成及び認証

定款(ていかん)とは、よく会社の憲法と呼ばれています。「この会社はどういった会社で、何を目的にしていて・・」といった旨を、所定の書き方で記述していきます。作成した定款は公証人というかたにチェックしてもらい、問題がなければ認証となります。


定款には絶対に記載しなくてはいけない項目と任意で記載する項目があります。絶対に記載しなくてはいけない項目は以下の通りです。

  • 目的
  • 商号
  • 所在地
  • 資本金
  • 発起人の氏名、住所

このなかでも特に注意が必要なのが資本金。

資本金については、2006年の新会社法の施行と同時に資本金は1円~でも設立可能となりました。
では資本金1円で記載してよいのかというと、正直いってあまりおすすめしません。

なぜなら、定款はだれでも閲覧可能だからです。もう少し掘り下げると、資本金の金額が会社の信用に影響を与える可能性があります。会社の信用の重要性についてはこれまで述べてきたとおりです。どちらにせよ、事業を行なうにはまとまったお金が必要となるので、諸説ありますが最低でも100万以上用意しておけるとよいですね。基本的に多ければ多いほどよいです。

「基本的に」と表現した理由は、資本金は多すぎると余計な費用がかかってしまうから。会社の設立にかかる設立免許税は資本金の0.7%と定められています。株式会社の設立免許税は最低15万円です。資本金2140万を超えたときに、設立免許税が15万円を超えてしまいます。



また、資本金1000万円以下の会社は消費税が2年間免除されます。

以上のことから、資本金は100万以上~1000万以下にとどめておくとよいと分かりますね。


上記の項目に抜けやもれがあると、その定款は無効となってしまいます。上記項目は必ず記載するようにしてください。

また、会社の設立費用に関しては下の記事で詳しく説明しています。
【保存版】会社設立の費用を徹底解説!安く済ませる3つのコツ+αも伝授


【株式会社を作るステップその2】設立登記

定款の認証が完了すれば、次は設立登記の手続きです。設立登記の手続きは法務局にて行ないます。

設立登記に必要な書類は以下のとおりです。

  • 定款
  • 資本金支払い証明書
  • 就任承諾書
  • 役員の印鑑証明書
  • 印鑑届出書
  • 登記申請書

申請を行なった日=会社の設立日になります。特にこだわりがなければ問題ありませんが、設立日にこだわりたいというかたであれば、設立登記を行なう日にちには注意が必要です。

無事設立登記が完了すれば、株式会社の設置完了となります。

 
このように、株式会社は定款の作成・認証と設立登記の手続きを行なえばOKです。

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