家賃・賃料の消費税がわかる完全ガイド。個人・法人の課税・非課税はどうなる?

登録日:2018.1.8  |  最終更新日:2018.1.8


Bruce Guenter


賃貸物件に入居している人が必ず支払わなければならない「家賃」。

これから起業される予定の方などの場合、家賃に関する税法上の規定についてそれほど詳しくご存じないという方もいるかもしれません。これまでサラリーマンとして長く生活されてきた方の中には、実際に賃貸住宅に居住していた経験があっても家賃と税金の関わりについて、あまり深く考えてこなかった方も少なくないでしょう。

しかし、会社を設立してこれから経営していくとなれば、日々の会計処理などで税金に関する知識は必須になります。そこで今回は、現役12年の税理士が賃貸物件にかかる家賃・賃料の消費税について詳しくご紹介します。

この記事を最後まで読めば、初心者の方でも家賃・賃料の扱いを100%理解できます。



■賃貸物件を借りる場合、借主に消費税は発生する?



DennisM2


「毎月払っている家賃には、消費税は課税されていない」と、不動産に詳しい知り合いなどから聞いたことはありませんか?この点に関しては、半分正解であり半分間違いと言えます。

実は、これはあくまでも個人に該当する一般の方が、居住を目的として借りる「居住用物件」に限った話になります。企業や自営業者が事業を行うために借りる「事業用物件」の場合は、家賃にも消費税が課税されるのです。


・居住用物件

住む家として個人が長期的に借りる物件。消費税は課せられない。

・事業用物件

業者が事業を行うために借りる物件。消費税が課せられる。


上記のように考えるとわかりやすいでしょう。

ちなみに、借りている物件を建物と土地に区分している場合も、その物件を事業用として用いる場合には「土地分+建物分の総額」に、消費税が加算されることになります。つまり、大まかには「住む家(住宅)として借りる物件は非課税、オフィスや店舗用に借りる物件には消費税がかかる」と考えておいて間違いはないでしょう。



■賃貸物件を貸す場合、貸主に消費税は発生する?



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さて、次は逆の立場で考えてみましょう。もしあなたが経営者として、賃貸物件を貸し出す側の立場になったとします。その際、あなたが貸し出す賃貸物件の家賃として受け取った金額に対して、消費税分を納める義務は発生するのでしょうか?

賃貸住宅を借りていた方なら、以前消費税率が引き上げられた際に「消費税が上がるから、家賃もその分だけ値上げします」と、大家さんに言われた経験がある方もいるかもしれません。しかし、実際には先に述べた通り「住宅」とみなされる賃貸物件には消費税がかかっていません。

つまり、大家さんの言い分をそのまま鵜呑みにして応じる必要はなかったということになります。また、この場合は貸し出している側も、支払ってもらった家賃から消費税分を納める必要はないのです

ただし、貸し出す物件を「事業用(オフィスや店舗用)物件」として貸し出すのであれば、借主さんからは消費税を毎月納めていただく必要がありますし、貸主さんもその消費税分をきちんと納付しなければなりません。つまり、あなたが貸主である場合も、物件にかかる消費税の取り扱いは以下のようになります。


・居住用物件

受け取った家賃から消費税の納付は不要。

・事業用物件

受け取った家賃から消費税分を納付する。


■実態と契約形態が異なる場合の消費税は?


Chris Tolworthy


意外に少なくないケースとして、「契約当初の物件の用途と、現在の物件の用途が異なっている場合」があります。特によく見られる例として、以下の2つのケースを見ていきましょう。


【例1】

居住用として賃貸契約をしたけれど、1年後に住人の方が自宅で習いごとのサロンを経営することになり、住宅とオフィス・教室を兼ねるようになった。

【例2】

住宅として物件を借りていたサラリーマンの方が退職し、在宅のフリーランスとして独立した際に、そのまま自宅住所で法人登記を行った。


上記はいずれも「住宅として賃貸物件を借り、しばらくは契約通り居住のみに使っていたが、状況が変わって自宅をオフィスと兼ねて使うようになった」というケースに当てはまります。

これらの場合において、もし契約内容を「居住用物件のままにしておいて問題ない」と大家さんが言うのであれば、これまで通り家賃も非課税のままで問題ありません。しかし、大家さんに黙ったまま用途変更を行わずに自宅をオフィスとして使っているとなれば、家賃にかかる消費税に関するトラブルに発展する可能性もゼロではないでしょう。

このケースで望ましいのは、やはり自宅を仕事や事業のために使う必要が出た時点で、大家さんに用途変更についてきちんと相談をしておくことです。正直に伝えることで、「特に生活スタイルが変わらず、周辺住民に影響を及ぼすようなことがないのなら用途変更しなくても大丈夫」と言ってもらえる可能性があります。もちろん、場合によっては「事業に使うのなら消費税を納める必要が出てくるから、用途変更をして消費税分を次月から加算する」という話になることも考えられるでしょう。

いずれにせよ、家賃の消費税を出し渋ったために、大家さんとの関係が悪化することは避けたいものです。借りている住宅を事業用に使用する予定が発生した時点で早めに大家さんに報告し、よく打ち合わせを行って双方納得の上でどのようにするか決めることが最善でしょう。


■家賃・賃料以外の費用は課税対象?


賃貸物件にかかる家賃と一緒に、それ以外の料金を月毎に支払っている方も多いはずです。例えば、月々の家賃に上乗せされている「共益費」や「管理費」などがわかりやすい例でしょう。これらの料金に関する課税・非課税は、どのように判断されているのでしょうか?

端的に説明すると共益費・管理費の名目で計上されている金額は、すべて「非課税」となります。これについては、国税庁でも以下のように判定を明記しています。


「住宅を共同で利用する上で、居住者が共通に使用すると認められる部分の費用を居住者に応分に負担させる性格のものについては、共益費、管理費等その名称にかかわらず非課税となる。」


上記によると、「共益費・管理費」の表記に関わらず、「集合住宅で全入居者が同様に使うことになる設備やサービスの費用に関してはすべて非課税」と考えられます。これは、物件に備え付けられている設備(家具・家電など)や駐車場に関しても当てはまります。例えば、物件に初めから付帯してくる家具や家電の利用料が家賃に含まれるなら非課税となりますし、初めから「駐車場付き」として物件を契約した場合の駐車場利用料にも、消費税は課されません。

ただし、入居する際に入居者ご自身で選択の上、設置・利用する設備やサービスにかかる費用は課税対象となります。以下に、賃貸物件において付帯設備に関する費用が賃料に含まれる場合に、課税対象となるケースについてまとめましたのでご参照ください。


○賃料に含まれる付帯設備利用料で課税対象となるケース

費用の名目

実際の利用状況

駐車場利用料

物件に付属しておらず、入居者の選択によって利用

プールやトレーニング施設・温泉などの利用料

入居者以外の一般の方も利用する施設を使っている

家具・家電などの使用料

全室共通で設置されているものではなく、入居者自身の選択で設置している

倉庫の利用料

物件に付属しておらず、入居者自身が利用を選択している

ハウスキーピング料

物件に付属しておらず、入居者の選択によって利用


なお、賃料とは「別の名目」で請求される費用の課税に関する区分は、以下のようになっています。


【課税対象となるもの】

・駐車場利用料

・プールやトレーニング施設・温泉などの利用料

・家具・家電などの使用料

・倉庫の利用料

・キッチン・浴室・洗面所の給湯利用料

・電気・ガス・水道の利用料

・ハウスキーピング料やルームメンテナンス料


【非課税となるもの】

・共同アンテナ使用料(各戸にあらかじめ配線されているもの。受信・有料視聴契約に関する費用は含まない)

・ケーブルテレビ利用料(各戸にあらかじめ配線されているもの。受信・有料視聴契約に関する費用は含まない)

・空調施設の利用料(建物全体に設置されている空調設備の場合)

・管理料

・セキュリティ費用

・修繕積立金


■さまざまなケースをチェック!課税対象or非課税?


家賃や付帯費用に関する課税・非課税の区分は大まかにわかりましたが、実際には先に述べたケースに当てはまらない複雑な条件で、賃貸物件を借りている場合もあるでしょう。そこで次からは、さまざまな事例における賃料の課税・非課税に関する区分について、具体的にご紹介します。


【ケースその1】住居兼店舗・住居兼オフィスとして賃貸物件を利用している場合


課税区分に悩むケースで、最も多いと思われるのがこの事例でしょう。このケースは原則、「住居として使用する部分は非課税となり、事業に利用する部分は課税される」と考えれば問題ありません。

この場合、住居・事業のそれぞれに利用する面積や時間から算出する比率によって、課税・非課税の区分を行う按分」と呼ばれる方法が用いられます。


【ケースその2】食事の付いた下宿


食事(まかない)が付いている下宿の場合、室料は非課税となり、食事(まかない)の部分は課税の対象となります。


【ケースその3】長期利用できる民宿


上記の下宿と利用形態は似ていますが、長期滞在が可能な民宿の場合は「旅館」扱いとなりますから、部屋代・食事代のすべてが課税対象となります。


【ケースその4】賃貸物件を社宅として法人が借り上げる場合


契約の段階で法人が借主となり、従業員向けの社宅として利用することがはっきりしている場合は、法人が貸主へ支払う家賃と従業員から徴収する室料の両方が非課税となります。


【ケースその5】月極駐車場を入居物件とは別途で契約する場合


賃貸住宅は、土地を賃貸する意味合いを持っているため基本的に賃料は非課税となりますが、駐車場を単独で賃貸契約するケースは土地ではなく「設備の賃貸」という意味合いになります。このため、月極駐車場だけの賃貸契約をした場合の賃料は課税対象に含まれます。


■消費税の影響は大きい?具体的な金額をシミュレーションしてみよう


賃貸物件の賃料には消費税がかかる場合とかからない場合があり、区分によっても異なる場合がありますが、実際の消費税負担は具体的にどのくらいになるのでしょうか?

ここでは、よくある事例を挙げて実際の消費税がどのくらいの金額になるかを検証してみましょう。


【事例1】借主が住居を賃貸契約し、別途駐車場を月極で契約した場合


借主である個人が住居として利用する賃貸物件を家賃80,000円で契約しましたが、駐車場のない建物だったため近隣の月極駐車場を別途賃料10,000円で契約しました。この場合、月々に支払う賃料と消費税は以下のように計算します。


家賃80,000円(非課税)+駐車場代10,800円(うち消費税800円)=90,800円(消費税800円を含む)


【事例2】貸主が賃貸物件を住居兼オフィスとして使用する目的で借主と契約した場合


次に、貸主である不動産業者が事業を営む借主に「住宅兼事業所」として賃貸物件を貸し出す場合の、課税部分と非課税部分の計算方法をご紹介します。

この場合は先にご説明した「按分比率」を利用して、住居部分とオフィス部分の使用割合を既定してから課税部分について算出します。例えば、家賃15万円の物件で延べ床面積が55平方メートル、事業に使用するスペースが22平方メートルの場合、オフィス使用部分22平方メートルを延べ床面積55平方メートルで割り、算出された按分比率に則って賃料のうちの課税分を計算します。


① 22㎡(事業使用部分)÷55㎡(延べ床面積)=0.4(事業使用部分の按分比率)

② 150,000円(家賃の総額)×0.4(事業使用部分の按分比率)=60,000円(家賃のうち消費税が課税される分の金額)

③ 150,000円(家賃の総額)-60,000円(家賃のうち消費税が課税される分の金額)=90,000円(家賃のうち非課税となる分の金額)


したがって、このケースで貸主が毎月借主に請求する家賃と消費税は以下のようになります。


60,000円(課税部分)×8%+90,000円(非課税部分)=154,800円(消費税4,800円を含む)


■まとめ


この記事では、賃貸物件を借りたり貸し出したりする場合の消費税が、どのように決められるのかについてご紹介しました。

あなたが物件を借りる立場であれば、「仕事で使う物件の家賃には消費税がかかる」「住むために借りる物件の家賃は非課税」と覚えておくと良いでしょう。一方、大家として物件を貸し出す場合には付帯設備の費用や、住居兼事業所における按分によって発生する消費税などを正確に計上する必要があります。

ここでは大まかなご説明にとどまりましたが、大家さんとして経理についてさらに詳しく知りたいときは、ぜひお近くの税理士さんに問い合わせるなどして正しい知識を身につけておくようにしましょう。


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