決算期変更はスグできる!3つの手順と絶対見るべき3つのポイント!届出・期限・注意点

登録日:2018.1.8  |  最終更新日:2018.5.30


Tatsuo Yamashita

決算期は株式会社を設立する際に、ほとんどの会社が定款に盛り込んでいます。慌ただしい設立時に深く考えず決算期を決めてしまったばかりに、設立後になって「しまった!」「3か月ずらしておけばラクだったのに……」などと、後悔する人も少なくありません。

決算期によって決算の結果が変わってくることもあるので、「決算期を変更するのは難しい」と思っていらっしゃる方は多く見られます。しかし、きちんとした手順を踏めば、決算期の変更はそこまで難易度は高くありません。

ここでは、20年以上にわたって1,000社以上の企業にアドバイスを行ってきた経営コンサルタントが、その手順や注意点を詳しく解説していきます。この記事を最後まで読めば、これまで不安を感じていた方でも100%の自信を持てます。




■そもそも決算期とは?


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決算期とは、決算書を作成する基準となる月です。株式会社では少なくとも年に1回は決算を行い、決算書を作成して公開しなければなりません。決算書は決算期から2ヶ月以内にまとめ、申告する必要があります。

では、決算期は定款に記載する必要があるのでしょうか?定款に記載されている内容は、大きく以下の3つに分けられます。


・絶対的記載事項

定款には必ず記載しなければならない事項。

・相対的記載事項

定款に定めていなければ、効力が発揮されない事項。

・任意的記載事項

公序良俗、または会社の本質に反しない限り、自由に定めることが可能な事項。


決算期は「事業年度」の最後の月にあたりますが、実は事業年度の記載は上記の「任意的記載事項」に該当し、必ずしも定款に記載する必要はありません。ただし、決算は実務上の基本的な事項であるため、対外的に事業年度を明確化しておくためにほとんどの会社では定款に記載しています


■決算期は適当に決めてはいけない?決算の重要性を解説!

決算期に作成する決算書は、企業における年間の収入や支出を計算し、利益や損失をまとめたものです。決算は1年に最低1回と定められており、年度途中で決算を行う企業も少なくありません。

一度会社を設立すると、事業はそこから途切れることなく続いていきます。入ってくるお金もあれば出ていくお金もあり、単純にどこか一つを切り取っただけでは事業がうまくいっているかを判断することができません。そこで、時期を定めて毎年決算を行うことで、事業の状況を適切に判断しているわけです。

決算書を見れば会社の営業成績や財務状況がわかるため、新規取引の判断や投資、融資の可否判断などにも大きく影響してきます。つまり、決算は事業運営や資金調達に直接関係する要素と言えるでしょう。

ちなみに決算期についても、適当に決めるべきではありません。例えば、繁忙期の時期に決算を迎えると、会社は本業をこなしながら決算書の作成などに追われます。また、顧問の専門家と連絡が取りやすい時期を選ぶことも、決算では重要なポイントとなります。


■決算期を変更するメリットとデメリット


Alan Levine

決算期の変更には、メリットがある反面でデメリットも存在します。そのため、メリット・デメリットをきちんと見比べた上で、変更するかどうかを慎重に検討するようにしましょう。


○決算期変更のメリット

【メリットその1】節税につながる

決算期の変更を上手に活用すると、節税につながる可能性があります。例えば、大きな利益が出る月から決算期までの期間を長くとれば、その利益に対する節税対策にきちんと取り組めるので、節税効果が高まると言えるでしょう。


【メリットその2】決算処理がしやすくなる

自社の決算期を主な取引先に合わせておくと、決算処理がしやすくなります。例えば官公庁では、4月から3月までを会計年度としているため、公共事業を受注する建設業者などでは3月を決算期としているケースが多く見られます。


【メリットその3】経営戦略が立てやすくなる

売り上げの予測を立てることは非常に難しいことですが、大きな売り上げのある月を期首にすると、年間の売り上げ予測が立てやすくなります。それに基づき経営戦略を立てれば、その戦略の効果も高まるでしょう。


○決算期変更のデメリット

【デメリットその1】変更した年は1年未満で決算が発生

法律上、決算は1年につき最低1回は行わなければなりません。そのため、決算期を変更した年は1年未満の事業年度で決算を行うことになります。

決算処理には大きな手間がかかり、顧問税理士など専門家へ支払う費用も相対的に大きくなります。


【デメリットその2】手間がかかる

詳しくは後述しますが、決算期の変更には株主総会の開催などの手間がかかります。経営者が独断で進められる変更ではないため、多方面に相談・連絡をする必要もあるでしょう。


メリット

デメリット

・節税につながる

・決算処理がしやすくなる

・経営戦略が立てやすくなる

・変更した年は1年未満で決算が発生

・手間がかかる


■決算期の変更に定款の認証や登記は必要?

定款に事業年度を記載している場合、決算期を変更するには定款の変更を行わなければなりません。定款の変更は会社の設立時と異なり、公証役場における定款の認証は不要となっています。

すでにご説明したように事業年度は定款の絶対的記載事項ではないため、法務局における登記も必要ありません。株主総会で事業年度の変更を決議し、議事録をしっかりと会社に残しておきましょう。

ただし、決算期は納税手続きにも大きくかかわる事項なので、税務署などへの届出が必要です。管轄の税務署と都道府県税事務所にて「異動届出書」の書式を取得し、提出しましょう。この際に手数料や印紙税などの費用はかかりません。

事業年度の変更となると「会社の設立時にかかったような大きな費用がかかるのでは?」と心配される方が多いのですが、定款の認証も登記も必要ないため、大きな費用はかかりません。司法書士や行政書士といった専門家に依頼することも可能ですが、手数料をかけたくない場合は、会社内のスタッフで手続きを行ってもよいでしょう。


■決算期変更の具体的な手順

決算期を変更するための具体的な手順は、次の4つだけです。難しい点はなく、特に費用もかかりません。


【決算期を変更する手順その1】株主総会を開催する

決算期の変更にまず必要なものが、「株主総会の決議」です。すぐに事業年度を変更したい場合は、そのことを議題とした臨時株主総会を開催します。株主の総数が少ない会社であれば、あまり負担なく開催できるでしょう。

株主の数がある程度多い会社の場合は、定期株主総会の議題に盛り込んでしまったほうがラクに手続きできます。


【決算期を変更する手順その2】決算期の変更を決議する

決算期の変更で定款の変更をともなう場合は、株主総会の「特別決議を要する事項」となります。重要な意思決定にあたるため、普通の決議よりも厳しい決議要件をクリアしなければなりません。

具体的には、議決権を有する株主の議決権のうち過半数を定足数とし、出席した株主の3分の2以上の賛成を得る必要があります。定足数は普通決議と変わりませんが、通常は過半数で決議可能なので、賛成多数であることが絶対条件です。

この部分をクリアできないと決算期の変更は不可能なので、賛成多数となるように余裕を持って準備を進める必要があるでしょう。特に株主が多い企業の場合は、一度否決になると次のチャンスまでに膨大な時間を要する恐れがあります。


【決算期を変更する手順その3】定款を変更し、議事録を作成する

株主総会で決算期の変更を決議したら、議事録を作成してきちんとした形で社内に保管しておきます。定款もすみやかに変更し、社内に保管しておきましょう。


【決算期を変更する手順その4】管轄の税務署に異動届出書を提出する

株主総会で決議を得たら、管轄の税務署や都道府県税事務所にも届け出ておきます。「異動届出書」の書式を取得し、提出しましょう。


このように、株主総会において賛成票さえ集められれば、決算期の変更はそれほど難しくはありません。賛成多数であることが事前に分かっている場合には、短期間でスムーズに手続きを済ませられるでしょう。

ただし、決算期を変更する際には、時期を慎重に設定する必要があります。再度変更をするとなると余計な手間が発生してしまうので、しばらくは変更する可能性がない時期を選ぶことが大切です。

そこで次からは、決算期を変更する際に押さえておきたいポイントをご紹介していきましょう。


■【決算期変更のポイントその1】事業年度の期間に注意!

決算期の変更手続き自体はいつでも可能ですが、その際に注意しなければならない点が「1事業年度の期間」です。会社法上、事業年度は1年を超えることはできません

現在の定款における決算期が、12月だった場合で考えてみましょう。8月の時点で決算期を10月に変更するのなら、変更した年の1事業年度の期間が10か月間となり、問題ありません。ただし決算期を2月に変更した場合は、その期の期間が14か月となってしまいます。

この場合は12月の決算をそれまで通り行い、2か月後にも再び決算を行うことになります。翌年以降は毎年2月のみの決算です。過去の決算期をさかのぼって変更することもできませんので、注意してください。


■【決算期変更のポイントその2】手続きごとの期限に注意!

株主総会の決議を得るための期限は、「変更後の決算年度末まで」です。上で例にあげた12月決算の会社で10月決算に変更を行った場合は、10月末までに決議を行う必要があります。

定款の変更手続きは、株主総会の決議が得られたらすぐに行っておきましょう。登記や認証が必要ないので、そこまで大きな手間はかかりません。

管轄税務署への届出は、株主総会の決議後「遅滞なく」行うよう定められています。具体的な期限は決まっていませんが、変更後の事業年度における確定申告書の提出期限までには提出しておくことをおすすめします。


■【決算期変更のポイントその3】繁忙期との兼ね合いに注意!


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決算期を考えるうえで前提となるのが、「繁忙期と重ならない月」であることです。決算手続きは業務上の負担が大きいため、閑散期に決算を行うことで業務量の平準化につながります。実際の申告月は決算の2か月ごとなるので、その時期における会社の状況を考えて決めましょう。

季節変動の大きな業種であれば、繁忙期を期首に持ってくることをおすすめします。繁忙期には利益が上がりますが、決算までに期間があれば計画的な節税対策が可能です。

節税対策の多くは、時間をかけて行うことでより高い効果が得られます。余裕をもって節税対策を行うためにも、決算期は慎重に決定しましょう。


上記3つのポイントの中でも、繁忙期は特に意識しておきたいポイントです。どのような企業にとっても、節税は常に意識するべき部分なので、十分な時間を確保できるように計画しておくべきでしょう。

複数のポイントを意識する必要はありますが、本記事を参考に計画を立てれば、最適な決算期を設定できるはずです。もし何かしらの不安を抱えている方は、お近くの専門家に相談することも検討してみましょう。


■まとめ

本記事でご紹介したように、会社の決算期を変える手続き自体はそれほど難しくありません。

ただし、あまり何度も決算期を変更するような会社は、対外的な信用を得にくくなる恐れがあります。また、決算期を変更した年度は1年未満の期間で決算が発生するため、申告手続きによる負担やコストの増加につながります。繁忙期との兼ね合いを考え、決算期は慎重に決めましょう。

何度も使える手ではありませんが、例えば予想外に大きな利益が出ることが確定した段階で、決算期を変更して前倒しするという方法もあります。12月決算の会社で、11月に大きな利益が出る仕事を受注した場合、決算期を10月に変更するといった手法です。こうすれば11月の利益は期首になるため、1年間かけて節税対策を行うことができます。

ただし法にのっとって効果的な節税対策を行うためには、会社の状況を踏まえた専門家の適切なアドバイスが大切です。その方法を選ぶ場合は、顧問税理士に事前に相談してみましょう。


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